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シナリオ詳細

<NF決戦>アイドル出撃・メカセララGO!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●DNT-01起動
 悪の秘密結社ネオフォボス――その存在は数度に渡って幻想に轟いていた。
 直近ではサマーフェスティバルへの乱入事件だろう。幻想の支配を目論む彼らはクローン怪人を山の様に生み出し……太陽マッチョに花火ドッグ達による襲撃を行わせた。まぁそれ自体は壮絶にボコボコにされた訳なのだが、ともあれ。

 その時撃退した怪人の持っていた日焼け止めにはある重大な情報が記載されていたのだ。

 まさかと思う者もいるだろう。しかしこれは純粋たる事実である。
 昨今厳しくなる夏の日差しの情勢に手を打つべく、ネオフォボスは日焼け止め『UV殺し』を発売し――そしてそれには勿論商品として内部成分の表示、使用時の注意、なにかしら副作用が出た時の緊急窓口の連絡先が記載されていたのだ。つまり……
 そう――生産元であるネオフォボス秘密基地の住所も書かれていたのである!!
 コンプライアンスゥ!
「なにぃ!? 馬鹿な、どうして総帥直轄のこの基地の情報が漏れたのだ!?」
「全く分かりません!! しかし既に幻想王からの命により、ローレットが出撃していると……!」
 マジで分からんのかお前ら。ネオフォボス所属の研究者と下っ端は突如とした襲撃の報に慌てふためいていた。恐らくこのままでは逃げる暇などなく、ローレットがここに到達するのが先だろう。
「お、おのれ……だがしかしこれまで幾度ローレットに妨害されたと思っている。
 我々とて奴らの強さなど分かっている! だからこそ用意したモノもあるのだ!!」
 ならばと、研究室のド真ん中にあったやたら大きい白い布を引っ張り上げる。さすればそこには。

「見よ! これが起死回生の一手、イレギュラーズを模倣したアイドルロボット……その名もDNT-01メカセララだ!!」

 おお! と感嘆する下っ端の目に映るは――イレギュラーズの一人、セララ(p3p000273)に瓜二つのロボットであった。よく見ると全身に駆動部が見えたりしているが、雰囲気は非常に似ていて。
「ふふふ、決して燃費は良くないがな。だが超高出力のドーナツ融合炉を動力源に採用した結果、完成度は非常に向上した。セララたんと同等の戦闘能力と可愛さを併せ持つ、当研究の悲願は達成されたのだ……!」
「博士、息が荒いです! 博士落ち着いて!!」
 おっといかん。こういう時こそ冷静にならねば。
 とにかくこういう時の為にこそ開発したメカセララだ。同等の力を持つ個体をぶつければ、流石のイレギュラーズとはいえ苦戦は免れまい。そうして着実に戦力を削った後にアイドルとして売り出して組織の資金源とする計画は完璧だ。ファンクラブ設立もいつでもできる様に準備している。サイリウム買っておかなきゃ。
「さぁでは……DNT-01メカセララ、起動せよ!!」
 あ、ポチッとな。動力稼働、エネルギー充填。
 さぁまずはイレギュラーズを撃退するのだ! そしてその後は街中でアイドルになるべくライブでも……ん、あれ? いや待てよそういえばなんで今まで起動していなかったんだっけ? なんか忘れてた気がするがなんでだっけ?
『――』
 メカセララの目が開く。まぁ多少の事なんてどうでもいいや!
 さぁとにかく命じよう! 最初の命令は敵を撃退するのだと、メカセララに命令――命――

 あっ、やっべ。コントロール装置取り付けるの忘れてた。

●目指せアイドルコンテスト!
 メカセララは自らを『セララ』であると認識している。
 本物偽物、そんな概念が存在していないのだ。
 生まれた時から私はセララであり、そして――
『アイドルになるんだ……!』
 自らを抑えようとしてきた研究室を破壊し、一目散に目指すのは幻想の街中。
 森を駆け抜け人々の集まる地を目指そう。だって私はアイドルに成らなければならないのだから。
 後方より追って来る戦闘員。
 脱走の際に盗んだ爆薬を撒き散らして起動。
 後ろの方で爆炎が三個ぐらい巻き上がる。確認して再び遁走。

『――輝く魔法とみんなの笑顔! 魔法騎士セララ、参上!』

 彼女は往く。だって私は『セララ』なのだから。

GMコメント

 アイドルだ!! アイドルが出たぞ!!
 はい以下詳細です!!!

■勝利条件
 ネオフォボス戦力の撃退。
 メカセララに戦場を突破されない=撃破・撃退・無力化いずれかの達成。

■戦場
 幻想のとある森の中。時刻は昼です。
 皆さんは総帥の基地に乗り込むべく進軍中でしたが、森で発生した爆音で何かが近付いてきているのに気づきます。迎撃態勢を整えてください。
 シナリオ開始3ターン目開始時点にメカセララが出現します。
 そこから1~2ターン目開始時点にネオフォボス戦力が出現します。

■『DNT-01』メカセララ
 悪の秘密結社ネオフォボスの特異運命点複製計画1号機。
 実に不思議な原理でセララ(p3p000273)とほぼ同じステータス・スキルを持つ……が、博士がセララの強さを参照したのが少し前の様なので、必ずしも同じとは限らないようだ。
 本来はコントロール装置によりネオフォボスの忠実な配下として活動……する予定だったが通称『アイドル命令装置』の実装が間に合わないまま起動されてしまったため、暴走。現在はアイドルになる為にと街に向かって爆走中である。
 彼女の敵はイレギュラーズとアイドル活動の妨害者。
 至上の目的は幻想でのアイドル活動。

■博士×1
 ネオフォボス研究室所属の博士。メカセララの開発担当者。
 うっかりコントロール装置の事を忘れて起動させてしまって脱走されてしまう。
 現在はメカセララ追撃中。追撃って言うか、まってー! と言ってるというか。

 中~遠距離攻撃を行ってくる模様。そこそこ程度の戦闘能力がある。
 なぜかレンジ2内にメカセララがいる場合、メカセララのステータスが強化される。
 でもメカセララにとっては博士は普通に敵。

■戦闘員×15
 ネオフォボスの下っ端戦闘員。メカセララを追っている。
 戦闘能力はとても弱いが塵も積もればなんとやら……
 戦闘員到着時は確実に乱戦になると思われる。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • <NF決戦>アイドル出撃・メカセララGO!完了
  • GM名茶零四
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年10月22日 22時50分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)
旅人自称者
セララ(p3p000273)
魔法騎士
日向 葵(p3p000366)
紅眼のエースストライカー
鶫 四音(p3p000375)
カーマインの抱擁
巡理 リイン(p3p000831)
なぐるよ!
イリス・アトラクトス(p3p000883)
光鱗の姫
ヨハン=レーム(p3p001117)
ステンレス缶
シラス(p3p004421)

リプレイ


 跳躍。メカセララは全力で森を駆けていた。
 アイドルになるという目的を果たす為に。あとドーナッツも食べたいが為に――
 瞬間、その思考は前から来た影に打ち切られる。
 追手が先回りしたのかと振るう剣。『本物』が持つ聖剣ラグナロク――のレプリカ。
 しかし。
『ッ、止めた……!?』
 威力が相討つ。ほぼ近似する威力の衝突は互いの身にダメージを齎して。
 二の剣も三の剣も、交差しては鳴り響く金属音。タイミングがあまりにも合い過ぎる

「驚いた。君はボクなんだね」

 鍔迫り合い。そしてお互いに確実に視認しうる距離。向かい合わせる顔と顔は――
「ボクがもう一人――ねぇ、君の名前は!?」
『名前って……ボクは、セララだよ! 君は、いや君こそ一体……!?』
 そう。『魔法騎士』セララ(p3p000273)とメカセララは遂に邂逅したのだ。
 傍目には瓜二つ。よく見れば片方には金属の身らしき『らしさ』があるが、しかし。
「ん? ……うん? ――いやマジで何スかアレ。どういう、アレ?」
「セララ……なのか? セララが二人、ダブルセララ……くそ、頭が痛てえ!」
 何度と考えても『紅眼のエースストライカー』日向 葵(p3p000366)に『閃翼』シラス(p3p004421)の脳内には困惑が広がるばかりであった。なんだろうかこの光景は。先程森の中で上がった爆音に、よし来たネオフォボスの迎撃部隊か! と意気込んだばかりなのだが。
「どうやら機械みたいだな。或いは所謂怪人って枠組みなのかもしれねぇが……
 待て、待てったら! なぁセララなんだろ? 俺達とちょっと話をしようぜ?」
 出鼻をくじかれた感は否めないが、それでもシラスは直感で感じている。
 このセララ――いやメカセララとは戦闘を避ける事が出来るのではないかと。
 ただ単純に『待ってくれ』と言っても恐らく止まりはしないだろう、が。
「ええっとホラ、チョコレートやるから! なっ!」
「ボク……君が『セララ』なら絶対好きなはず! ねぇどう? ド-ナツ食べる?」
 もしこのメカセララが。心の内まで『セララ』であるならば幾らか説得の材料はある筈だと、シラスとセララは物を切っ掛けとして話を。特にセララは己の事でもあればこそ。
『チョコにドーナッツ!? いるよ、いるいるありがと――! アイドル活動に糖分は必須だからね!』
 好みは熟知しているのだと。刃を止める為の手段を個々に。
「あー……アイドル活動? いいんじゃないスか? 可愛いし、オレは結構好みッスよ。
 アイドルを目指すんなら是非とも応援をしたいッスね。まずは幻想からッスか?」
 アイドルとして制覇するなら、と葵が言葉を紡ぐ。
 やはり会話不可能な存在では無い様だ。ならばこのまま『ファン』であるとしてどうにかやり過ごせいないだろうかと。イレギュラーズのファンという立場で説得できるか、葵自身些かの不安を感じてはいるが――やってみる価値は充分と。
「きゃあああ~セララちゃんすっごく可愛い~♪ サイン、サインくっださ――い!」
 更に『円環の導手』巡理 リイン(p3p000831)も目を輝かせてメカセララへと駆け寄る。
 これもまた無用な争いを避ける為……ではあるが世辞が全てと言う訳でもない。アイドルという一種の地位に憧れる気持ちに理解はあるし、それを目指す子は輝いていて素敵だと素直に思う気持ちもある。故に笑顔で彼女へと近付けば――

 その時。

「メカセララ待ってくれ――!!」
 前方よりメカセララの追手としてネオフォボスの部隊が駆けつけて来ていた。
 数にして十六か。一気に戦場へと押し寄せてきた――ので。
「今とても大事な話をしてるんです! 部外者の方は静かにしてもらえませんか!」
 リインの大鎌が振るわれる。
 横に構えて薙ぎに一閃。続けざまに直上へと斬り上げれば、絶大なる威力と共に戦闘員に直撃して。
「将来のアイドルにお触りなんて厳禁ですよ……おととい来てくださいねっ!」
「全く。面白怪人を大量に作ってたのは知ってたけれど、ついに肖像権もへったくれも無視してこんなとんでもない事するなんてね……悪の組織だからっておかまいなしだよね本当に」
 とリインに続いて『光鱗の姫』イリス・アトラクトス(p3p000883)が前へと向かう。
 多くの敵の進行を少しでも阻むべく複数敵をブロックするのだ。吐息を一つ、挑発し自身に注意を引くかの如く動きを見せながら、横目に見据えるはメカセララ。
「アイドル、アイドルかぁ……」
 己とは微妙にジャンルの違う世界である。アイドルとは広い地域に跨って活動を行う者。対して己はどちらかといえば町で評判の美少女枠……! 狭く深く信仰を集めるタイプであれば。
「――しかしこれは僥倖と言うべきかなんというべきか。放置していたらいずれ『DNT-48』とかの昨今増えつつある大人数アイドルグループになって更にトンキチになっていたのかもしれませんね。いやホントに」
「まぁアイドルとは人が理想とする『人の形』の一つですからね。理想の果てにアイドルという存在が位置しているのなら、ロボットがそれに成ろうとするのも自然な事」
 次いで『自称・旅人』ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)もまた前に出て『カーマインの抱擁』鶫 四音(p3p000375)は後方より遠距離の術式を紡ぎ上げる。
 放つ一撃、巡らせるは思考。メカセララの説得――成功すれば良いが上手くいかない場合も視野にいれておくべきでしょうかと。敵の数は増大し、ブロックが必ずしも機能するとは言えない状況になった今だからこそ。
「メ、メカセララ――!!」
「煩い人ですね、ちょっとは黙っておいてもらえませんか」
 叫ぶ博士。そこへ『二度と折れぬ盾に』ヨハン=レーム(p3p001117)の輝く一撃が襲い掛かる。
「全く。セララちゃん程の実力者をコピーするとか、なんかすげぇですよねネオフォボス……イレギュラーズを容易にコピーして操れるとすれば――いやまぁ操作は出来てないみたいですが――只の珍妙な仕事とは言えないですし」
 敵はセララをコピーしてきた……が、まぁそれは良いとしよう。
 強くともたった一人だけならば数で圧せる。しかしこれがセララのみならず二、三、四人……無数を得たならば? もはや『冗談』の領域では済まなくなる。
 ここで対応する。量産体制が整う前に彼らを潰す。
 ネオフォボスを只の面白特撮組織などと思えば――きっと足を掬われるだろうから。


「メカセララ聞くんだ! そいつらはイレギュラーズだ、慣れ合っては駄目だ――!」
『え、イレギュラーズ……!?』
 ドーナッツもぐもぐ。半分ぐらい仲良くなりかけていたメカセララだが、博士のその言葉に正気を――正気、を? 取り戻す。メカセララにとって彼らはイレギュラーズにとっての魔種の様なモノなのだ。
 不倶戴天。理解し合えぬ大敵。『そういうモノ』だと刷り込まれているから。
 コントロール装置こそ間に合わなかったがセララがローレットの一員であるようにメカセララにはネオフォボスの一員であるという認識がある。例えば彼らがもし万一、己のファンであるとしても――
『ごめんね! ボクはアイドルである前に、ネオフォボスの一員だから!』
 剣を構える。別に博士の言う事を聞く訳ではないのだが、それはそれとして。
 アイドルには成る。イレギュラーズは倒す。博士と追手はボコる。
 全て果たそうと闘志を燃やして――
「ううんそれは違うよ! 君はネオフォボスの一員である前に……アイドルだよ!」
 セララが折れぬ眼力と共にメカセララを見据える。彼女は未だ説得を諦めないつもりで。
「ボクとそっくりだし名前も同じ。だから分かるんだ!
 絶対ボク達気があうよ――友達になろ! ねッ!」
「そっスよ。それにいきなり暴力活動からアイドルがスタートってのも外聞が悪い感じっス。ここは一つアイドル活動の一環として――悪を俺達と一緒に滅ぼす仕事とかどうスか?」
 同時に葵の言も続く。彼自身、我ながらどういう説得なのだと思わないでもないのだが。
「悪を滅ぼして街の平和を守ったアイドルとして語り継ぎオレ達を起点に、次々と街中に拡散。名は広まって歌って踊れて戦うみんなのアイドルとして一躍有名人っス。どうすか割と悪くないプランだと思うんすけど」
 しかし説得の言を重ねる事に意味はあろうと、近付いてきた戦闘員に対し音速の蹴りを繰り出しながら街に行かせんとする。メカセララの動向には気を付けておかねばならない。乱戦が始まる以上、一瞬の隙が致命と成り得る。
 戦闘員の能力自体は大したことはなくとも、流石に一撃で撃破可能な連中でもなく。
 文字通り一蹴は出来ないとなれば彼らの拳も積み重なるモノであり。
「もう~! セララちゃんにいらない事を吹き込んで……折角仲良くなりかけてたのに!」
 されどリインがその攻勢に激おこぷんぷんである。かわいい。
 しかし攻撃は可愛くない。依然とした強力な薙ぎが一人、また一人と確実に戦闘員達の体力を削って往くのだ。分かってくれないのならば来世に期待するとばかりに振るわれる一撃二撃。そして。
「この戦闘員たちもクローンか何かの技術が使われているのでしょうかね。特にメカセララは……自意識を持つレベルのAIロボットと言える存在。やはりネオフォボスの技術力は脅威と思うべきですね」
 ――まぁそれも今日までなのですが、とヘイゼルは言葉を紡ぐ。
 異常テクノロジーな気がするが、総統とやらの特殊な力か何かで実現したのだろうか。彼女は戦闘による負傷を癒すべく賦活の力を仲間へと分け与え、戦線の維持を務めんとして。
「本格量産体制に入っていたなら世界のパワーバランスが揺らぎかねませんね。なんとしてもメカセララちゃんはセララちゃんに止めて欲しい所です」
「ええい、クソ。テメーら、面倒くせえもの作りやがって! しかもなんでセララが原型なんだよ!」
「ふふんよくぞ聞いてくれた――趣味だ! 悪いか!!」
 この博士マジホントしばき倒してやる。メカセララに気を遣う反面、戦闘員や博士には容赦すまじとシラスは猛攻を加える。神速の手刀が各戦闘員の首筋に叩き込まれ、ヨハンの放つ正義の鉄槌が博士へと。
 しかし博士、案外しぶとい。ひいいッと逃げ回りながら爆発物を後方から投げ込んでくる。爆炎がシラスの身とヨハンを包めば浅くはないダメージが二人を包み。
「やれ、頭脳があって身体も働くとは。もっとマトモに社会に貢献できないんですかね」
 しかしヨハンの防御性能は群を抜いている。数度直撃しても尚彼は健在で。
「まぁ趣味でもなんでも構いませんが、幻想アイドル作戦だなんだと――
 この私を無視しようとしてもそうは問屋が卸しませんよー」
 そしてそれは海洋のアイドル枠イリスも同様であった。
 名乗り口上で自身に攻撃を集中させつつヨハンと同等の防御性能を持つ彼女もまた浮沈艦である。多くの敵を寄せ付け、されど崩れぬ。集まれば振るう釵が暴風となりて。
「……なんですその『誰?』みたいな怪訝な表情は!!
 私! 私! 海洋ジャンルにおける美少女イリス・アトラクトス! KAIYOU!」
「すみません私共メカセララで幻想制覇を目指している途上故他国の事はちょっと!」
 見識が狭い! イリスはもう一発戦闘員に撃をぶち込んだ。
 メカセララが訪れ戦闘が始まって暫く。戦況は……イレギュラーズ側は安定している、と見るべきか。ヘイゼルや四音の治癒が味方の傷を癒し、イリスやヨハンは倒れぬ者として戦場に在り続け戦線を安定させている。
 しかし数で勝るネオフォボス側はあちらこちらと立ち回り、そして地味に戦闘員よりは強い博士が遠距離から支援を行っている。掻き乱されかねない攻撃の数々。それでも崩れないのはひとえにイレギュラーズ達の地力の高さだろう。
 されど押し切れぬも事実で、ではここから戦況が変じるとするならばその切っ掛けは。
「(メカ)セララさん――まだ気付かれませんか? 貴女には足りないモノがあるという事に」
 彼女、メカセララだろうと四音は思考し。重ねる言葉はアイドルの理。
「アイドルになる為に必要な要素は様々あります。
 そう。資金、指導者、歌、音楽、衣装、幸運、根回し――そして何よりファンが足りない!」
『……ファン!』
「アイドルはファンと共に成長するもの。ファンなくしてアイドルなく……ですが安心してください。ここに居る私達はもう既に貴女のファンです!」
 瞬間。振るはサイリウム。(メカ)セッララちゃーん! とばかりに輝くサイリウム!
 孤高の果てにアイ活が出来るものか! アイ活に一人で出来る理は無し!
『ボクに……ボクには、もうファンが……!?』
「うん! 当然だよ、ボクはセララのこと究極に可愛いし素敵だって思ってるから!
 イレギュラーズとかネオフォボスとか関係ない! 世界で一番――セララのファンだよ!」
 数度に渡るセララスペシャルのぶつかり合い。十字の衝撃が二人の身を幾度と襲い。
 それでもセララの目の輝きは衰えない。メカセララにぶつける言葉は全てが本心。
 傷があろうと痛みがあろうと、アイドルに最も必要なのは――

「笑顔だからね!」

 甲高く響く金属音。メカセララの剣が天高く舞い。
 されど追撃は行わない。差し出すのは刃ではなく――セララの手。
 握手の掌が差し出されて。
「ボクと一緒にユニットを組もうよ!」
『うん! ボクも――ボクもユニットを組みたいな!』
 ネオフォボスの一員である事も定義も関係ない。アイドルにそんな戯言は不要だから。
 硬く交わされそして視線を向ける先はネオフォボス達。
 ――今ここに、ダブルセララの輝きが誕生したのだ。


 後は蹂躙であった。ネオフォボスとの拮抗は、メカセララに対して向けられていた人員が――メカセララ諸元ネオフォボスに牙を剥いた事で一気に傾いた。開発者としてメカセララの効率的な動き方を熟知している博士の声も逆に敵(メカセララ)を強化するだけとなり。
「さぁ博士。そろそろ投降してもらいましょうか。
 その無駄に使っている頭脳をもう少し有意義な事に使う為に」
「たくっ。ギャグ集団なのかガチでやばい組織なのか分かり辛い連中っス……」
 ああ止めて蹴らないで! とヨハンと葵に雑に縛り上げられている博士。
 なんにせよこちら方面のネオフォボス戦力を各個撃破出来たのは幸いだった。後は基地の方へと向かい、徹底的に破壊するかあるいは総統の決戦の方へとさっさと援軍に行くか……
「あー……そうだ。たしかコントロール装置とかいうのがあるんだよな? 完成してないらしいけど、後々完成すると面倒だからどうだろう。一緒に破壊しにいかないか?」
「そうなのです。アイドルの天敵、それはいつの時代もスキャンダル……
 後々有名になるほど過去は探られるモノですよ。取付未遂だったらコントロール装置の類は処分しておいた方が良いですよ――丁度ローレットが基地に総出で殴り込みをかけておりますので」
 今がチャンスなのですよ? とシラスの言に続いてヘイゼルがメカセララを誘う。
 今こそ反逆の時なのだと。自身を縛る全てを破壊、その絶好の機会であればと彼女を誘い。
『うん……お誘いありがとう。
 でも残念だけどそれは出来ないんだ。ボクは総統には逆らえないから』
 だが、そうプログラムされているのか或いは総統自身による配下の支配能力か……
 いずれにせよ総統という絶対存在にだけは逆らえない様になっている様だ。しかしそれは逆説的に言えば、ネオフォボスが壊滅すればメカセララは自由となる訳で。
「ふふ。アイドルの夢を持たせておいて戦いもさせようとは、物語としては英雄譚の如くで映えますけれどもね――アイドルとは些か異なる故、仕方ないでしょう」
 まぁ私としてはそれも好きではありますが、と四音は紡いで。
「そうなんだ……皆の注目が集まって、顔が広いイレギュラーズが集まる格好のイベントだと思ったんだけれど……これからどうするか、考えはあるの? アイドルの道は簡単じゃないよ」
『ないよ。でも、ボクはアイドルになるって決めたから。
 これから街に降りて考えて、一杯一杯頑張って――きっとアイドルになってみせるんだ』
「――そっか」
 イリスは想う。彼女がどうやって動いているか、何をもって生としているか……
 難しい事はよくわからない。ただそれでも心があって、心の底からそう願うのなら。
「きらきら輝くアイドルを目指す生活……夢がいっぱいでいいかもっ」
 応援してあげたいとリインと共にそう想う。
 リインにとっての『幸せ』は同郷のある人物と平和に暮らせることなのだが、メカセララにとってはアイドルを目指す事が『そう』なのだろうと推測する。されば理解に至るもので。
「これからも私、応援するね――またきっとどこかで会えたらいいな!」
『うん、ありがとう! 皆と出会えて本当に良かった! きっと、またね!』
「絶対だよ! 絶対――『また』ね!」
 その時は一緒にアイドルの頂点を目指そうと、セララとメカセララはハグを一つ。
 手を振り別れ、しかしこれで最後ではないと感じていた。
 互いに、生命の定義は違えども。抱いた想いに相違はなく。

『ボク、絶対にアイドルになるよ!』

 その魂はきっと輝いていたのだから。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

セララ(p3p000273) [重傷]
魔法騎士

あとがき

 彼女とはまた、いつかどこかで!
 後はネオフォボス総統との決戦や如何に……!?

 ご参加どうもありがとうございました!!

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