PandoraPartyProject

シナリオ詳細

<NF決戦>秘密基地(仮)を破壊せよ!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 ネオフォボスは、幻想支配をもくろむ悪の秘密結社である。
 次々と怪人を生み出すこの結社は、幻想の人々の生活をも脅かしていた。
 しかし、ローレットのサマーフェスティバルへ乱入した際、撃退した怪人達の持っていた日焼け止めには、なんと――ネオフォボス秘密基地の住所が書いてあったのだ!
 コンプライアンスの良さが仇となったのか!
 これを知った幻想王国の『放蕩王』フォルデルマン三世は、ネオフォボス討伐の大規模依頼を、ローレット他、様々な冒険者達へと布告する!
 奴らのアジトへ襲撃し、幻想支配をもくろむ秘密結社ネオフォボスとその総帥ナンイドナイトメアを倒すのだ!
 ――戦え、イレギュラーズ!
 ――負けるな、イレギュラーズ!
 幻想の安全は、君達の手腕にかかっている。


 ローレット内。
 依頼を確認しに来たイレギュラーズ達は、壁に貼られた依頼書を見つめる。
 ネオフォボスとの決戦依頼が並ぶ中、『穏やかな心』アクアベル・カルローネ(p3n000045)が声をかけてきて。
「皆さん、お疲れ様です」
 彼女もまた一つお願いしたい依頼があると、自らの出した依頼書を手に取る。
 それは、ネオフォボスのアジトの一つ、秘密基地(仮)を破壊してほしいというものだった。

 なぜ、(仮)なのかも含め、アクアベルが説明する。
「元は研究施設だった場所を、ネオフォボスが奪い取って利用していたようです」
 三方を岩場に囲まれたそのアジトは、侵入者除けに内部はかなり入り組んでいる。
 左右と後方に造られた隠し通路ですらも入り組んだ様に岩をくりぬき、もはや戦闘員達ですら利用しづらい場所となり、敬遠される場所となってしまった。
 だから、秘密基地(仮)として、本格利用は見送られていたらしい。

「ところが、この場を敢えて利用した博士が多数の戦闘員をアジトのあちらこちらに配置し、ロボットの開発に勤しんでいたようなのです」
 道中の戦闘員は狂気に侵されており、説得も難しい。向かい来る者から全て蹴散らすしかないだろう。
 片っ端から倒すことはできるが、油断していると強化された戦闘員の攻撃で痛い目に合うので注意したい。
 基地の奥に全ての通路は集まり、そこで待ち受けている博士が搭乗したカバのような形のロボットはなかなかの破壊力を持つ。
 倒せば、博士はロボットと共に自爆してしまう。
 基地の崩壊に巻き込まれぬよう、急いで脱出したい。

「くれぐれもご注意を。皆さんのお帰りをお待ちしています」
 アクアベルはそうして、秘密基地(仮)の攻略に臨むメンバー達を見送るのだった。

GMコメント

 イレギュラーズの皆様こんにちは。なちゅいです。
 ネオフォボスとの最終決戦です。
 当シナリオでは、残っているアジトで出撃の時を待つ怪人の撃破を願います。

●目的、状況
 幻想の辺境、岩肌に囲まれるようにして秘密基地(仮)が存在しております。
 侵入手段としては、正面からの他、周囲の岩肌からも左右と後方からも隠し通路があります。
 隠し通路は岩の中、幅が人間種の成人男性が2人ほど通れる程度の迷路になっています。

 合流できれば、基地内の奥にあるスペースで後述の博士とのバトルとなり、これを撃破できれば終了です。
 博士はやられたら爆破スイッチを押して秘密基地(仮)を爆破しますので、急いで逃げてください。
 逃げ遅れると、重傷判定などがつくのでご注意くださいませ。

●敵
◎戦闘員……100名ほど
 フォボスが作り出した人型の魔物達です。基本的な戦闘員は、肉弾戦で攻撃を仕掛けてきます。
 基本的には殴り合いで簡単に勝てる相手なので、どんどん蹴散らすことができる相手です。
 ただ、中には強化された戦闘員もおり、ナックルや籠手、レガースを装着する者、全身にオーラを纏う者などおり、強力な一撃を打ち込んできます。
 油断していると痛い目に合いますので、ご注意ください。

◎ファックスフォックス博士
 この秘密基地(仮)で研究を続けていたネオフォボス幹部の博士。
 魔種にはなっていませんが、狂気の影響で理性を失っております。
 狐の獣種で齢を重ねて背が曲がっており、本人の戦闘能力はほぼ皆無です。
 しかし、戦闘となれば、自らの開発したロボットへと乗り込み攻撃を仕掛けてきます。

○ロボット(FAFO-006、通称)
 全長7mほど。見た目はカバを思わせるロボットです。
 頭の上部にコクピットがあり、ファックスフォックス博士が操縦して攻撃してきます。
 
・全力噛みつき……(A)物近単・苦鳴・必殺
・誘導ミサイル……(A)物中列・連・命中+
・特攻……(A)物遠貫・移・ブレイク・崩れ
・レーザービーム……(A)神遠貫・出血
・自爆スイッチ……(A)神遠域・万能・反動(のこりHP全て)

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 それでは、よろしくお願いいたします。

  • <NF決戦>秘密基地(仮)を破壊せよ!完了
  • GM名なちゅい
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年10月22日 22時50分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

リゲル=アークライト(p3p000442)
白獅子剛剣
羽瀬川 瑠璃(p3p000833)
勿忘草に想いを託して
アト・サイン(p3p001394)
観光客
イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)
黒撃
ダークネス クイーン(p3p002874)
悪の秘密結社『XXX』総統
オカカ(p3p004593)
兎に角
ティスル ティル(p3p006151)
銀すずめ
雪村 沙月(p3p007273)
月下美人

リプレイ


 幻想某所。
 ネオフォボスのアジトを潰すべく、ローレットのイレギュラーズ達は目的地へと向かう。
「ついに、ネオフォボスとの最終決戦!」
 薊色の髪の飛行種、『風纏い』ティスル ティル(p3p006151)が元気に叫ぶ。
 そんなにネオフォボスとの交戦経験はないらしいが、少し前に戦った変なのが実は結構ヤバい所のメンバーだったんだと、ティスルは実感していたらしい。
「まあなんとかしないと、幻想が危ないのは確かだもんね!」
「怪人のアジトということですし、潰しておきましょう」
 金髪ストレートの女性、雪村 沙月(p3p007273)は淡々とした口調で同意する。
 現状、この場所では大した活動を行っていないようではあるが、いつ気が変わるか分からないと、沙月はその危険性を指摘していた。

 そして、一行がたどり着いたのは、三方向を岩場に囲まれた秘密基地(仮)。
「我知ってる!」
 長い銀髪の『悪の秘密結社『XXX』総統』ダークネス クイーン(p3p002874)が声を荒げる。
「こういう時はあれだ! 『ここがあの博士のハウスね』っていうのであろう?」
 明らかに違うネタで、ダークネスがどこでそれを知ったかはさておき。
「よーし、秘密基地(仮)にとつげきだー!」
 額に角を生やしたウサギの子供、『兎に角』オカカ(p3p004593)が掛け声を上げる。
 普通にバレている上、全然隠せていない隠し通路と、ツッコミどころ満載の秘密基地(仮)に、オカカは妙に納得して。
「あ、わかった! だから(仮)なんだね!!」
 とはいえ、そんな秘密基地に、『勿忘草に想いを託して』羽瀬川 瑠璃(p3p000833)はどきどきしていたようで。
「でも、今回の目標はその住人である博士さん。戦闘員も多そうですし気が抜けないです……」
 ただ、イレギュラーズ達は臆する様子は見せず。
「100人程度じゃオレたちは止められないって、教えてやろうじゃないか!」
「俺達は幻想を守る剣。この身に代えても、負けは許されない!」
 元拳闘士の風来坊、『無影拳』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)が気合を入れると、天義出身の騎士『死力の聖剣』リゲル=アークライト(p3p000442)がヒーロー的な心理を込め叫ぶ。
「ネオフォボスを倒して、秘密基地(仮)も壊しちゃうよ!」
 ティスルもそんな仲間達と一緒に帰ろうと意気込みを見せる。
 ……爆発オチという一抹の不安も抱きながら。


 さて、突入に当たるメンバー達。
 この基地を囲む三方向の岩場に、それぞれ隠し通路があることは知っていたのだが。
「住人ですらどうなっているのかよく分かっていない隠し通路なんぞ、信用に足らん」
 ……とは、ダークネスの談。
 そんなわけで、一行は敢えて全員で正面から乗り込む作戦に出ていた。
「ダイナミックお邪魔しますってやつだよね!」
「正面からみんなでとつにゅうー! なんか住みにくそうな家だねー」
 ティスル、オカカは意気揚々と仲間と突入していく。
 当然、正面口付近には見張りの戦闘員もいるのだが、沙月が触れるような一撃で奥の戦闘員も巻き込んで衝撃を与えて倒し、イグナートも一気に拳を叩きつけて卒倒させていく。
「一気に行こう!」
 イグナートを先頭にして一行が内部へと入ると、すぐに警報ランプが作動する。
「全員、移動中は僕より前に出ないようにね」
 罠を警戒し、性別不詳のローグライク系『観光客』アト・サイン(p3p001394)は仲間へと告げる。
 見たところ、内部は入り組んだ場所。間違いなく、侵入者除け用の罠が作動しているはずとアトは睨む。
 こちらを覗くカメラや起動するセンサーは厄介だが、アトは拾った石を投げつけカメラを破壊。さらに、これまで培った知識でセンサーの発生装置の解体に当たる。
 しかし、戦闘員はそれを悠長に待ちはしない。
「敵がたくさんくるよー!」
 耳をすませ、鼻をひくつかせていたオカカが仲間に知らせる。
 どうやら、敵は全力で侵入者の排除に乗り出し、かなりの数の戦闘員をこちらへと向かわせてきていた。
「ネオフォボスの戦闘員がどれほどの者か、我自らが揉んでくれよう!」
 やってきた全身スーツの戦闘員に対し、ダークネスは一撃で倒すべく、全身のオーラを両手の間に集中させて。
「いくぞ、世界征服砲!」
 ――説明しよう! 世界征服砲とは悪の総統ダークネスクイーンの必滅奥義である!
 放たれる暗黒の極太ビームは、一気に戦闘員達を貫いていった。
 リゲルは壁を背にし、半円の陣を描いて後衛を護ろうとするが、数十人が押し寄せてくる状況もあり、突入口付近は一気に乱戦状態に。
 やむなく、リゲルも真一文字に銀の剣で敵を薙ぎ払い、敵を蹴散らそうとする。
 後方の瑠璃は回復支援を考えるが、さすがにこの状況では攻撃に出ざるをえず、アタックオーダーで敵を迎え撃つ。
「できれば、接近される前に……」
 回復支援がメインの立ち回りの瑠璃は、近接戦メインの戦闘員でも相性が悪く、出来るだけ距離を保つように動いていたようだ。
 とはいえ、多くのメンバーにとっては、比較的スペースのある場所で一気に敵が襲ってくるならむしろ好都合で。
「相手になるから来なよ!」
 戦闘員を挑発するイグナートは、群がる敵を自らの拳による乱撃で纏めて殴り倒す。
 アトも拳銃から魔法を充填した弾丸を敵陣へと乱射する。
 炸裂する弾丸によって血飛沫を上げた戦闘員は奇怪な声を上げ、崩れ落ちていく。
 オカカは時折、敵陣へと敢えて突っ込む。
 仲間に当たらぬことを確認した彼は長く伸ばした角を大きく振り回し、暴風域を生み出して戦闘員を巻き込む。
 一度攻撃するとオカカはすぐに仲間の元に戻り、自らの角による直接攻撃を行っていたようである。
「あんた達にかまってられないの、邪魔しないで!」
 乱戦状態の中、仲間達が善戦していることもあり、ティスルも攻撃を仕掛けるが、範囲攻撃を使う仲間が多いこともあり、生み出した虚無の剣で直接切り込む。
 とりわけ、狙うは強めの戦闘員を逃がさぬようティスルは斬りかかり、動きを止めていく。
 仲間に当たることを懸念した沙月は攻撃方法を切り替え、踏み込みからの打撃で敵を沈めに切り替えていたようだった。

 しばらく戦いが続くが、所詮戦闘員は数の寄せ集め。
 混じっていた強化戦闘員は多少骨があったものの、陣形を組んで対処に当たるメンバー達の敵ではなく。
「どうした! この程度で戦闘員を名乗るのか! 悪の結社の風上にも置けぬ! 我のトコの一号君の方が根性あるぞ!」
 悪の美学を語るダークネスは自在剣『D.M.C』で暗黒×の字斬りを浴びせて倒してしまう。
 一通りやってきた敵を片付けたメンバー達は、奥を目指して進んでいくのである。


 戦いが終わったが、気を抜いてはいられない。
 かなりの敵を倒したはずだが、まだ戦闘員は残っているはずだし、何より本命の博士が奥にいるはずだ。
「早く進みましょう」
「しかし、迷いそうですね?」
 沙月の言葉に頷く瑠璃が懸念を示すと、オカカが角で所々柱や壁を傷つけつつマーキングしてくれる。
 その最中、彼は耳と鼻を働かせ、敵が接近してないか警戒もしていた。
 沙月も暗視とハイセンスを働かせ、怪しい物、音、異臭などを隈なくチェックし、罠に備える。
「皆様、お任せします。アトさんも頼りにしてます」
 瑠璃が呼びかけたアトも経験を活かして、道中の罠の解除していく。
 警報の関係がすでに機能済みである為、アトは拘束、ダメージを与えてくる罠などを警戒していた。
 その最たる例が落とし穴。アトは簡素な橋をロープで渡すなどして突破に当たる。
 機械探知によって発動するレーザーも面倒な所。
 警戒音が鳴り響く中、敵が来ないところを見ると、奥で万全の準備をしているのは間違いない。
 アトもそれならと丁寧に便利セットで解体に当たり、ケーブルを切断してうんうんと頷く。
「ダンジョンって感じでこれもいい」
 罠のある場所を、アトは便利セットで道順に記載していたのだが。
「この秘密基地のパンフレットはないのか?」
 ダークネスからそんな意見が出る中、一行は脇道で詰め所と思われる部屋を発見して。
「小松菜ないかなー、ニンジンでもいいよー」
 物色を始めるオカカ。そこで、イグナートが何かを発見する。
「地図……かな?」
 基地内の見取り図らしく、彼はそれを拝借していた。
 見取り図を覗き込む沙月は外に接した壁を発見し、そこに拳を叩き込んで破壊し、外へと脱出路を作る。
「念には念を入れてですね」
 帰り、このルートを使う可能性が高いと考えた沙月は改めて、オカカに角でマーキングを頼むのである。


 やがて、狭い通路から開けた空間へと出ると、一行は敵の攻撃を警戒して散開する。
 そして、リゲルは掲げた剣をギフトによって輝かせて。
「白銀の騎士リゲル見参! 貴方達の悪事もここまでだ!」
 ――ようこそ、ローレットの諸君。
 すると、頭上から降りてくる大きなリフト。
「あれがロボットですか?」
 そこから巨大なカバを思わせるロボットが降りてくるのを、瑠璃は確認する。
「ふあー、おっきいねー、ボク500匹分くらいありそー」
「なんでまたカバをモデルに……? あと、FAFO-006って何の略なのかな?」
 瞳を丸くオカカに続け、イグナートが問いかけた。
「それは、この私の名前からとったのだよ、ローレットの諸君」
 カバの頭上部にある操縦席から姿を見せたのは、狐の獣種を思わせる姿のファックスフォックス博士だ。
「自然界でも獰猛で知られるカバを象った我が6号機の力、見せてやろう!」
 早速、博士はカバの目からレーザービームを発してくる。
 その直撃を避けるべく、身を反らすメンバー達。
「7Mもある巨大ロボ……男の浪漫ですね!」
 リゲルが敵を引き付けるべく敵のロボを中心に火球を嵐の様に降らせようとする。
 どうやら、ロボットの周囲には強化戦闘員が控えていたようで、それも纏めて焼き焦がしていた。
 ロボットと戦うにも、戦闘員が邪魔だと判断したメンバー達。
 沙月がすかさず衝撃を放ち、戦闘員を纏めて衝撃を与えていく。
 アトが逆方向の戦闘員へと「波間に没したる国の剣」で全身全霊の一刀を見舞い、追撃をかけたオカカが突進し、鋭い角を突いて倒してしまう。
「さておき、ロボットとの戦いはシンプルだね!」
 戦闘員はそれほど強い相手ではなかったが、さすがに相手が多かったこともあって相応にイレギュラーズ達も疲弊している。
「残っている力を全部つぎ込むよ!」
 悠長に戦えば、こちらがジリ損だと判断したイグナートは全身の気を爆発させて。
 刹那、彼の脳裏にこの技を教えてくれた仙人の爺さんの顔が思い浮かぶ。
 実戦で使うのは初めてだが、イグナートは自らの体をも引き裂きながらも、強力な一撃をロボットへと打ち付けていく。
「戦闘スタイルも変えるべきですね」
 瑠璃も散開するものの、道中とこの場での傷を合わせて癒やすべく、召喚物に癒しを求める。
「全員生き残る事を目標に頑張りましょう!」
「もちろん!」
 瑠璃に応じたティスルはロボットの攻撃を注視しながらも接敵し、ノーモーションで衝術を撃ち込んでロボットの動きを鈍らせる。
「おおっ……!」
 さすがに、その巨体がティスルの一撃で吹き飛ぶことはないが、操縦席の博士を大きく揺さぶる。
 その付近で、ダークネスが暗黒の極太ビームで残る戦闘員を薙ぎ倒し、ダークネスが博士へと問いかける。
「ところでこのロボ、どうやって出撃するのだ? ここ入り口狭いから出られないぞ?」
 それに合わせ、皆一斉に気になるこの巨大ロボの搬出口を問う。
「気になりますね。是非教えてほしいものです」
「ねー、どこから出すの―!?」
 リゲル、オカカがさらに問いかけると、博士は操縦席で胸を張って。
「よくぞ聞いた。この基地に詰め込んだ私の技術を見るがよい!」
 すると、建物の天井がゆっくりと開き始める。
 合わせ、先程のリフトを使い、ロボットは一時上へと移動していく。
「これらを合わせれば、格納、搬出など、たやすいものだ!」
 鼻を高くしていた博士だったが、彼はまんまとイレギュラーズ達に脱出口を増やしてしまったことに気づいていないようだった。


 再び、博士が搭乗するFAFO-06、カバ型ロボット。
 通称、カバキチ君なる名称が依頼書から漏れていたことについては、謝罪させていただきたい。
 閑話休題。
 ロボットが再びリフトから降りてくる間に、残る戦闘員を始末した一行は、改めてロボットと対することになる。

 博士がこの秘密基地(仮)で開発、組み上げたカバ型ロボットはリゲルに注意を引きつけられて、全力で彼を噛みついてくる。
 仲間達の支援回復を受けはするが、その威力は非常に大きく、一度パンドラの力に頼ることとなってしまう。
 それでも、リゲルは起き上がり、星凍つる剣の舞でロボットの左前脚を切りつけ、破壊していく。
「ぐぬう!」
 左前脚が動かなくなったが、まだ移動できぬわけではない。
 博士はなおもリゲルを狙い、大きく食らいつこうとしていたのを見て、瑠璃は彼を助けるべく召喚物を放って癒しに当たっていた。
 その間に、他メンバー達が全力で攻撃を繰り返す。
 ビートを刻むかのように加速したオカカが正面から突撃していき、イグナートが全身の気を爆発し、機体を殴りつけて穴を開け、回路を破壊していく。
 逆方向からは沙月が神速の踏み込みから、流れるような所作で拳を打ち込む。
 装甲は決して薄くはないが、彼女の力が勝っていたのか、拳は機体の奥深くまで埋め込まれた。
 ロボットの動きが鈍りだす中、ダークネスは一度相手から力を吸収した後、その胴体を斜め上へと世界征服砲を放ち、胴体を穿つ。
「ぬうっ!!」
 回路の一部が破壊されながらも、憤慨する博士は止まることなく立ち向かってくる。
「負けんぞ、私のロボットがネオフォボス最強だと示して見せるのだ……!」
 ……その時、イレギュラーズ達は皆、察する。
 ――この博士、組織内で厄介払いされたんじゃね?
 そんな事情でこの依頼の情報制度が落ちているとしたら、なんともあんまりな話である。
 もちろん、イレギュラーズ達がそれを知ったからといって、躊躇などあろうはずもなく。
 虚無の剣でティスルは連撃を浴びせかけ、さらに巨大ロボットを破壊していけば、アトが手にする刃に自らの生命力を込めて。
「我が身、我が命、この一振りに注ぎ撃と成す!」
 大きく切り裂いた一撃は、確実にロボットの破壊を早め、内部から爆ぜる音が聞こえてきた。
 さらに、リゲルが銀閃煌く一閃で右前脚を破壊すると、動けなくなったロボットを操作しようとした博士が激昂して。
「こうなれば、お前達纏めて道連れにしてやる!!」
 ぽちっとな。
 自爆スイッチを押した博士。
 カバ型ロボット内で高まるエネルギーを察し、リゲルが仲間達へと呼び掛ける。
「いけない、逃げるんだ!」
 イレギュラーズ達はすぐさまこの基地から脱出すべく、カバ型ロボットから離れていくのだった。


 崩れ落ちる秘密基地。
「早く逃げましょう!」
「上が開いたままなら、行けそうだね!」
 仲間に呼びかけた瑠璃が白い翼を広げると、ティスルもまた紫の翼で羽ばたき始め、頭上から脱出していく。
 ただ、リフトの動かし方がわからぬこともあり、空を飛べないメンバー達は地上から脱出することになる。
 頭上からの崩落がなくなった分、逃げやすくはなったが、左右と奥から雪崩れるように岩場が内側へと崩れ落ちてくる。
「彼にも、矜持があったのだろう」
 ――だが、俺達は足を止める訳には行かない。人々の笑顔を守る為に。
 リゲルはそう考えつつも僅かに後ろを振り返り、脱出に動く仲間達を追う。
 基地内を走るイレギュラーズはそれもあって、元来た道を戻っていく。
 先程、沙月が壁に開けた穴。あそこが一番早い脱出ポイント。
 オカカが壁につけた疵と手に入れた基地の見取り図の情報を合わせつつ、メンバー達は手早く脱出へと動く。
 
 轟音を立てる秘密基地(仮)。
 比較的余裕を持って全員が外へと出ると、建物が大きく爆発を起こす。
 周囲の岩場を巻き込むようにして建物は崩れ、岩の下敷きとなっていった。

 こうして、一つの悪は滅びた。
 だが、混沌にはまだ見ぬ悪が多数潜んでいる。
 それらを全て叩くまで、ローレット、イレギュラーズ達の戦いは終わることがないのである……。

成否

成功

MVP

リゲル=アークライト(p3p000442)
白獅子剛剣

状態異常

なし

あとがき

リプレイ、公開です。
MVPはいち早く、
ロボットの自爆のタイミングを察したあなたへとお送りします。
無事に秘密基地(仮)を爆破できて何よりです。
ご参加、ありがとうございました!

PAGETOPPAGEBOTTOM