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シナリオ詳細

M〇-LON~碧の果実は縛られ完熟る~
M〇-LON~碧の果実は縛られ完熟る~

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●皆さんの尊い犠牲の下に食卓へ届けられます
 夏真っ盛り、メロン農家達は日々、収穫に追われていた。
 幻想でもそのシェアを多く持つメロン農家なんか、そりゃあもう忙しいなんてもんじゃない。
 それが、ただ収穫するだけの安全な話であればまだ微笑ましかったのだが……。
「オイ、そっちのメロンはもうダメだ! 締め上げろ!」
「ロープじゃ足りねえ! ネット持ってこい!」
 農家の屈強な男たちが、ロープやネットを手にメロンへと駆け寄っていく。
 今にも破裂しそうな大きさ――直径2メートル弱まで膨張したそれにロープをかけようとした男は、しかしタイミング的に数秒遅かった。
 すわ爆弾の炸裂か、と思うほどの破裂音。周囲に飛び散るメロン。実の詰まったそれは破片の破壊力が恐ろしいレベルに達していた。
 次から次へ。メロン達は今や遅しと炸裂する機会を待ち構え、己の子孫繁栄を虎視眈々と狙っているのだ……!

●食ったろ?
 その日、依頼ということで集められたイレギュラーズの前に並べられたのは、きれいに切り分けられたメロンであった。皮の網目の多さを見れば実の充実度がわかるというが、これは相当な上物ではなかろうか。
「こちらは依頼の前払い的なものとして頂きました。どうぞ」
 『ナーバス・フィルムズ』日高 三弦(p3n000097)は一同にメロンを配り終えると、食べるように促した。有無を言わさずといったノリである。
「今回の依頼はメロンの収穫です。今年はかねてからの猛暑もありますが……そのせいか、メロンが豊作になっているらしく。本来ならとても嬉しいことなのでしょうが、そちらの農家で作っているメロンに関しては少々厄介な話なのです」
 メロンが豊作、結構な話であるとイレギュラーズは思っただろう。現に、今食べているメロンも甘みが強いがすっきりとした味わいで、飽きのこない爽やかさを内包しているではないか。
「実はそのメロンなのですが、強く熟すと一気に膨張し……炸裂して周囲に身を飛ばすらしいのです」
 はい待って。おかしい要素だね。
 メロンの網目ができるのは膨張で傷ついた皮を、メロンの皮の成分とかなんやかんやして修復するからつくのだけれども、そこまで膨張が速かったら網目ができるはずないじゃないか。
「それが今回の大事なところです。このメロンは膨張し始めたタイミングで縄で縛るか網でくくるかすると成長が緩慢になり、見事な網目を形成するそうなのです。さながら縛られたことで負けを認めた、喜んでいる……そういった様子で」
 喜んじゃダメだろ。繁茂したくないのか。気合が足りないよ。
「とにかく、豊作なので膨張から暴発までの間が短くなっており、数も多く負傷者も出ているため、皆さんの力を借りたいと……」
 うんわかった。これ誰でもできる(イージー)依頼だよね?
「依頼のなんたるかを理解した程度の方向け(ノーマル)です」
 そっちかー。別にローレットに来たばかりのイレギュラーズでも対応できるけど熟練者でもヘタ打つと負傷しがちなあれかー。まいったなー。
「……ところで、そちら召し上がりましたね?」
 うわぁ逃げらんねえ。

GMコメント

 分かってんな? ノーマルだからな?

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●成功条件
・『デカメロン』の収穫率8割を達成する
・終了時までに重傷者を5名までに抑える

●デカメロン
 まんまって言えばめっちゃまんまなメロン。マスクメロンの類縁に属する。
 熟し始めると急激に膨れ上がり、縛られるかネットに包まれるかすると膨張が止まる。なお、縛る際に屈服させないと止まらない。クソドMじゃねえか。
 最大膨張時には2mをマークし、『完熟の誉れ(物近域・万能・必殺・高CT。ショック、窒息、足止)』が発動する。
 なお畑全体にあるので失敗した場合実質逃げ場らしい逃げ場はない。射程外に逃げてもその先でメロンを縛らないといけないことに留意すべし。

●メロン用ネット&ロープ
 支給品。基本的に今回の武器は全員これ(装備武器のデータは反映されます)。
 縛り上げることでメロンの膨張を止められる。気弱な状態で縛ると膨張が加速するので、精一杯屈服させるべきである。

●注意
 このシナリオは『難易度NORMAL』です。
 ネタはネタなんですが負傷の可能性があり、自爆行為を除く『ギャグ補正』が通用しません。
 くれぐれもご注意願います。

  • M〇-LON~碧の果実は縛られ完熟る~完了
  • GM名ふみの
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年08月25日 21時25分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ロザリエル・インヘルト(p3p000015)
至高の薔薇
ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)
自称・旅人
エリザベス=桔梗院=ラブクラフト(p3p001774)
特異運命座標
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
祈る暴走特急
ブーケ ガルニ(p3p002361)
兎身創痍
アニーヤ・マルコフスカヤ(p3p006056)
鋼鉄の村娘
ガーベラ・キルロード(p3p006172)
noblesse oblige
リナリナ(p3p006258)
おにくにくにく

リプレイ

●こんな品種改良を繰り返した連中に対して怒る奴いなかったの
「おー、メロン! メロン! デカメロンだなっ!
 ヌロンじゃなくてメロンだなっ!! リナリナ、ヌロンじゃないならOK!」
「オーホッホッホ!まさか『デカメロン』の収穫に参加できるとは僥倖ですわ! ……リナリナ様『ヌロン』ってなんですの?!」
 『やせいばくだん』リナリナ(p3p006258)はいつも通り、元気よくメロン畑を見て気合いを入れる。しかし、どこか不穏当な彼女の言葉に気づいた『農家系女騎士令嬢様』ガーベラ・キルロード(p3p006172)は思わず、『ヌロン』なる謎の単語について問いかけざるを得なかった。戻ってきたのはどこか察したような不気味な笑みばかりであったが……。
「なんや知らへんかったけど、みんなの食卓にメロンが並ぶまでにこないな苦労があったんやね。農家の人に感謝せな」
 『兎身創痍』ブーケ ガルニ(p3p002361)はしみじみとメロンの味を思い返しつつ、これから自分達がその苦労を買って出るんだな……と遠い目をしていた。まあこの人、脳内で「完熟(う)れた果実を緊縛(かざ)って売買(しゅっか)よ」とか思ってるんだけどさ。まあよくあるよくある。
「地面に生えて果実つけるだけの原始的な植物ごときを扱いきれないとか、やっぱり愚かだわ人類!」
 『至高の薔薇』ロザリエル・インヘルト(p3p000015)は誇り高き妖花(アルラウネ)として早口で勝利宣言なぞしてみるワケだが、そもそもロザリエルは上位そんざいなので勝ち負けとか考える必要が薄い。
「でもねえこっちもダメ! 調子乗ってるわ下等な果実風情が!」
「収穫のお手伝いですか。なんだか召喚前を思い出しますね。野菜に後れをとるわけにはいきませんものね」
 ロザリエルがメロンに糾弾の水を向けると、『鋼鉄の村娘』アニーヤ・マルコフスカヤ(p3p006056)も静かに同意を示す。鉄帝の農村に生まれた彼女にとって、(本人は控えめでも)力こそ正義で、かつ少しの収穫も命を繋ぐものという意識あらばこそ、生きること、食べることに死力を尽くすのは当然と言えた。……言えたのか?
「最初にメロンが配られた時から、何かおかしいとは思っていましたのよねー……」
「流石にやったことはありませんが、だからこそ面白いのかもしれませんね」
 『祈る暴走特急』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)はどこか諦めのついた表情で目の前に広がるデカメロンの畑を眺めた。他方、『自称・旅人』ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)はこの状況に際しても結構前向きだ。未体験ゾーンへシュゥゥーッ! される以上は楽しまねばならぬとか、そういう意識があるのかもしれない。ないのかもしれない。
 だが、この状況……というか頭のおかしい状況に対して、よくわからない興奮の仕方をしている奴がいた。
「正統派ヒロイン系才女、幼馴染タイプ、天真爛漫妹タイプ、純朴田舎娘、ドSドエス、貴族のおぜう様、アッー!、そして無機物。素晴らしいラインナップでございます」
 『特異運命座標』エリザベス=桔梗院=ラブクラフト(p3p001774)の与太言は今日も微塵のブレも見せない。なお、どれが誰であったかは皆の棟に留めておいてもらいたい。当人達の精神衛生上、そうすべきである。
「限界ギリギリなモノほど美味い! MAXメロン(マクスメロン)目指して命懸けチキンレース! リナリナ、とりあえずわかった!」
 リナリナの分かり方が物凄く不穏だが、彼女とて経験を経た1人だ。特にこういう系の依頼なら、なおのこと。
「メロン共の機嫌を窺いながら収穫なんて業腹だけどノッてあげるわ! エリザベス君、ガーベラ君、ヤツらの声は聞き逃しちゃダメよ?」
 ロザリエルはエリザベスとガーベラ、植物疎通の能力を持つ2人へと言い含める。植物の意思を拾い上げるそれは、微かであれ膨張の気配を感じ取り、カウンターを仕掛けることができるものだ。ことこの状況では特に重要なものとなる。
「オーホッホッホ! 私を誰だと心得てますの? キルロード農園副園長、ガーベラ・キルロードですわよ!」
 ガーベラ、そこは農園の立場じゃなくて『キルロード家の次期当主』とかそういう名乗りの方が箔がついたと思うんだよなあ。まあ、高笑いで周囲の好印象ガッチリ掴んでるのでノープロブレムだが。
「そいじゃ、この果実を屈服させて収穫せんとやねぇ。いやぁ楽しそうやわぁ」
 ブーケはロープとネットを構え、幻惑的なステップを踏んで畑に近付いていく。仲間たちも、各々、じりじりと距離を詰めていく。
 デカメロン達に意思と呼べるものがあるのなら。
 多分、この光景に恐怖を感じたのではなかろうか……?

●『適材適所』って単語を20分繰り返そう
「このっこのっ、思い知りなさい! この間食べ過ぎてしばらくお腹痛くなった恨み、私まだ忘れていませんからね!」
 ヴァレーリヤは大きくなり始めたデカメロンへ素早く接近すると、往復ビンタと罵倒でもってメロンを威圧し、すぐさまロープで縛り上げる。理不尽といえばとっても理不尽な主張だが、「もしかして自分のせい?」って感じたメロンには効果覿面だ。1メートルほどの直径からスン……と小さくなったそれは、そりゃ見事なヒビを形成する。重量は同じだから密度が上がったのね。
「ちょっと大きくなっていますので、離れてくださいね……っと」
 ヘイゼルは膨張なかばのメロンへロープを投げつけ、いきおいよく踏みつけてメロンを縛り上げる。そのまま『真実』をつきつけて萎縮させようとしたが、M度の低いメロンだったのだろう、それはあっさり収縮してころんと転がった。虐め甲斐のない。
「リナリナ、カンタンな依頼は好きだゾッ!」
 リナリナは次々に膨張を始めたメロンをひっぱたき、足蹴にしてネットで包み、ロープで縛りを繰り返している。彼女の言うカンタン、は依頼の軽視ではなく感覚としてやりやすい、という意味なのだがそれはさておき。
 膨張を始めたばかりのものを集中的に狙って経験を積んだ彼女が次に狙うのは、膨張が進んで普通の作業員では手がつけられなくなったデカメロンだ。
 この依頼は4人まで吹っ飛んでも許される。つまりはそれまではアグレッシブに行ける……否、行くべきということになる。その理屈おかしくね?
「――私に跪きなさい!」
 アニーヤは声をあげ、膨張したメロンをぎちぎちと縛り上げる。反らした胸の存在感とぴしゃりと言い放つ胆力の強さにメロンはたちまちのうちに収縮し、本来の大きさへと戻った。
 慣れぬ作業だが、なるほどこう威圧すればいいのか……と理解した彼女は、我知らず口の端に笑みを浮かべていた。ちょっ、怖い怖い怖い。
「こんなにはち切れんばかりに膨らんでええ子やね。
爆発したい?甘いお汁、柔らかな果肉、一番奥に隠した種子を撒き散らしたい? ……まだ達(い)っちゃだァめ」
 ブーケは膨張したメロンを優しくぺちぺちと叩きつつ、薄暗い声で語りかける。こんなところでハジけてはいけない。かわいい中身をちらしてはダメだ。まだまだ足りない。もっと、もっと――。
 ……ううむ、なんだか萎縮するというより興奮してきたぞ?
「メロンは香りと蔓のしなび具合、底の方の柔らかさなんかを見れば熟し具合がわかりますわ! リナリナ様とヴァレーリヤ様の周りは膨らみそうなのが多いから気を付けた方がいいですわよ1」
 ガーベラはここぞとばかりに農業知識を活用し、一堂に注意を促す。植物の声は……アレだ、微かなものとはいえ周囲でガンガン鳴り響けば否応なしに聞き取れるものなのだ、多分。
「あら、そんな態度を取ってもいいのかしら。貴方の生殺与奪は私が握っていること、くれぐれも忘れないで頂戴ね。粉々になって鳥の餌になりたくはないでしょう?」
 ヴァレーリヤは膨らみ始めたメロンを次々と蹴りつけ、まとめて威圧感の凄い表情で睥睨する。威圧感はすごいのだが、『鳥の餌になる』のはむしろ、種を撒き散らすのにもってこいなのでむしろメロン的には歓迎されるイベントだ。縛り上げるタイミングが遅ければ、それはメロンを逆に発奮させることになるが――。
「おー、ビビったら負け! まだ攻めるゾっ!」
 リナリナに至っては、より効果的な収穫を見込んでもう少し、あと少しと膨れるメロンの収穫タイミングをわざと遅らせたりしていた。攻める姿勢は評価するけど、ロープを鞭代わりにすると新しい世界とか開かれるからおやめなさい。
「感じるぜ……ドMの波動を! おい豚野郎! わたくしに縛られるなんて光栄に思うのですわ!」
 あ、いやもっとやべー奴いた。
 エリザベスは植物疎通からドMメロンを嗅ぎ分けて縛り上げて言葉で責めてをくりかえす。多分メロンも喜んでるよ。(表皮が)キレてるよ!
 というか『メロン様のご感想を賜りたい』とか内心で思ってるんだろ? 本性見たり! って感じだなオイ。
「下劣! 低俗! まずあんたたち品格の時点でダメ! なによその……なによ! それ繁殖方法の一種でしょどうせ! 爆裂してばらまくつもりなんでしょう種を!」
 ロザリエルは自らの蔦も駆使してべちべちと叩きつつ、ちょっと言葉に詰まりつつ罵倒を繰り返す。新鋭にして極致の植物である自身が同じ植物を罵倒するのに詰まるのも致し方ないが、さりとてデカメロンはなんというか、成長精神が足りないのである(ロザリエル感)。もうちょっと自分から動けよ! とか思ってるんだろうが、動ける方がおかしいというのは……?
「あなた方は密集した場所で好き放題弾けて子孫繁栄なんて、本当にやる気があるのですか!」
 ヘイゼルは真実の一端を口にしつつ縛り上げる。次々に縛り上げられたメロン達はごろりと転がり動くことはないが、しかし後から後から膨れ上がるメロン達にとって、続く言葉は重い意味を持つ。……持つのだが、こう。
 混乱の予兆は着々と積み上がっていたりしないでも、無い。

●言葉責めは諸刃の剣なのだ
「メロンちゃんの舞台はこないな長閑な畑やなくて、絢爛豪華な食卓。その最後に現れるんがメロンちゃんよ。大丈夫、俺はテクニシャンやから世界で一番綺麗で可愛くて背徳的な姿にしてあげるね。ほら、皆にも縄で飾られたメロンちゃん見てもらお……?」
 ブーケはメロンに対し優しく柔らかく話しかけ、脅すでなく着実にその自尊心(メロンなのに)を満足させる形で屈服させにいっている。メロンにとっての最大の誉といえば普通に繁茂なのだが、それを食卓に並ぶことと入れ替えにいくあたり、常識改変じみた言葉の力である。催眠音声キメてんのかな?
「あら、たかが野菜如きがこの私に逆らうというの? お前など農家の手がなければ育つ事も出来ない癖に! この駄野菜が! 大人しく私の手で収穫されなさいな!」
「あなた方は甚だしい勘違いをしているのですよ! 果実は果樹の実で! 『メロン』は野菜です!!!」
 ガーベラとヘイゼルが異口同音に真実を以て、メロン達の屈服を狙いにいった。……そう、『メロンは野菜』だ。スイカもだ。
 凄く果物みたいなツラしてるけど野菜。
 彼女らの説得(言葉)の少し離れたところで、エリザベスが爆発しかけのメロンを衝術でふっ飛ばし、リナリナが逃げ出したところにあるメロンと爆発を重複させ、衝撃が相殺されていたりするのは笑いどころか。
「おー……リナリナが倒れてもまだまだいけるなっ!」
 ジェットパックで辛うじて逃げたリナリナだったが、着地地点にはまた膨れ上がったメロンが……流石に間に合わない!
「遥か上位種のこの私が! 直々に拘束して束縛して管理してあげるわ! ありがたく思いなさい!」
 だが、その爆発を間際で止めたのは誰あろうロザリエルだった。バッチリ拘束キメたロザリエルは、そのまま2m近いメロンに上位種マウントを取って徹底的に罵倒を繰り返す。
 仲間のため? 否、たまさかそこにロザリエルの許可なく調子コイてたメロンがいたからだ。メロンは瞬く間に萎縮し、中身を圧縮させて見事な亀裂を……これさっき書いたな。とにかくなんとかなった。
「リナリナ君も気をつけなさいよ! まだまだこいつらを縛り上げないといけないんだから!」
 厳しくも優しいその言葉は、一見して異常な姿かたちからは想像もつかないほどの慈悲を湛えていた。なるほど上位存在の余裕。

「……すけてーー!!」
「むむ。ヴァレーリヤさんの声が聞こえます」
「アニーヤ! たーすけーてーー!! 私、こんなところで死にたくありませんわー!」
 アニーヤの聴覚は、ヴァレーリヤの悲鳴を耳ざとく拾い上げていた。そして、次の瞬間にその懸念は現実のものとなる。
 ヴァレーリヤが膨張したメロンをネットで引っ張りながら走ってきたのだ。だから鳥の餌とか調子に乗るワード振りかけるから。あとそれをひきずって走ってくるとかやっぱりオールドワンの筋力すげえな。
(こまりました、こまりました……)
 アニーヤは状況を冷静に見据え、次の手を考える。考えるが、この状況で的確で完璧なシナリオなんて思いつくはずもない。なら、どうする? ……無論、依頼を遂行できそうな相手を残す。
 結論を出した彼女は速かった。ヴァレーリヤを庇い、伏せて爆発の被弾範囲をおさえ、もって2人ともが無事で済む選択を考えついたのだ。
「お怪我はありませんか……?」
「死……死ぬかと思いましたわ……アニーヤは……」
 荒い息を吐くヴァレーリヤは、アニーヤが無傷であることに一瞬安堵してから、服がボロボロなことに気付く。使ったのか、運命の加護を。
 現実的な選択でありながらしかし、自分の為に身を挺したという事実は彼女にも些か堪えるもので。
 直後、怒りと悲しみを乗せてロープをブン回す彼女の姿を多くの仲間が見たのは当然といえようか。

「こんな密集地帯で破裂しても密度が高くて共倒れ、子孫繁栄には逆効果です。無駄に種を撒き散らかした感想はどうなのです?」
 他方、ヘイゼルはちゃんと果実について真実を理解しているため、的確に爆発することの愚をこんこんと説き、メロンの抵抗を奪っていく。危なげない動きのひとつひとつが確実性のあるそれで、まあなんていうか精密機械のようだ。
 精密機械っていうか精密奇怪っていうか、頭のヒューズが飛んだアンドロイドならそっちで元気にマジックロープ使って縛り上げてるよ。スキル使ってもいいけど割るなよ。
「叩いたり脅したりもえぇけど、籠絡させるのも楽しいわぁ……♪」
 ある意味一番、この状況を楽しんでいたのはブーケであるのかもしれない……の、だが……。
 なにはともあれ、全員が全員、戦闘不能「には」ならずに状況を終了させたのだ。褒められこそすれ、その実力が疑われることはあるまい。……たぶん。

成否

成功

MVP

ブーケ ガルニ(p3p002361)
兎身創痍

状態異常

なし

あとがき

 大変お待たせいたしました。依頼完了です。
 リプレイの通り……というとアレですが、言葉責めも向き不向きあるんですよというお話でした。
 え、ノーヒントだった? いや、まあそこはほら……野菜の摂理というか……メロンも野菜だから実質ヘルシーフードというか……。
 MVPは凄く迷いましたが、貴方に。

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