PandoraPartyProject

シナリオ詳細

危険な危険なふわもこ達

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 混沌世界を移動するとある少数勢力、『パサジール・ルメス』。
 主要七か国を渡り歩く民達は、各地で様々な情報を手に入れている。
 物資を運ぶキャラバンを編成する彼らは度々ローレットへと依頼を行っている。
 それらは、モンスターや野盗などから護衛するものがほとんどだが、時に思いもしないような依頼をもちかけてくることがある。


 依頼を受け、ローレットのイレギュラーズ達が訪れたのは、海洋の某所。
 街道上を歩いていると、その途中で小さな色黒な少女がメンバー達を待っていた。
「こっちっす、こっちっすよー!」
 道の真ん中でぴょんぴょんと飛び跳ねているのは、海種の少女、『パサジールルメスの少女』リヴィエール・ルメス(p3n000038)だ。
 最近はローレットに依頼するような事態も少なく、比較的落ち着いた活動をしていたようだったが……。
 たまに、厄介な事件に遭遇してしまうのが困ったところ。
 街道脇には、リヴィエールの仲間であるパサジール・ルメスのメンバー達が立ち往生してしまっている。
 リヴィエールは伝書鳩を使い、この事態の解決の為に取り急ぎイレギュラーズ達の派遣を依頼したらしい。
「あんまり依頼内容書けなかったんで、ちゃんと説明するっす」
 リヴィエールは前方を指さすと、遠方の街道上に白く丸っこい物体が浮かんでいるのがわかる。
 彼女の話によると、仮称ふわもこは現状6体ほど浮かんでいる。
 放置すると増殖するらしいが、時間がかかるようなので戦闘に関しては気にかける必要はないだろう。
 直径1mほどの大きさで、丸っこいふんわりとした毛につぶらな2つの瞳と、小さな腕を顔の下に生やした可愛らしい生き物である。
「ただ、高火力の火炎放射と放電、最悪自爆してくるっすよ!」
 物理攻撃は基本、ふわもこした身体での特攻で、全然痛くない。
 この為、神秘攻撃の対処をすればよいのだが、自爆攻撃が物理という非常に面倒な相手である。
 さらに、物理耐性と神秘耐性を切り替えることがあるらしい。何かで判別はできそうだが……。
 ともあれ、ふわもこの敵対行動はこんなところ。
 ただ避けるだけならできそうではあるが、積み荷を乗せて移動するパサジール・ルメスの民はそういうわけにもいかない。
「広範囲に爆発する危険がある相手っす。積み荷に影響が出る可能性が高いっすよ!」
 放っておけば、いつ移動するかもわからない。足の速い荷物もあるので、早く対処したいそうなのだ。
「以上っす。よろしく頼んだっすよ!」
 状況的には急ぎたいはずだが、リヴィエールは終始明るい態度で説明し、ふわもこの討伐を託すのである。

GMコメント

イレギュラーズの皆様、こんにちは。
GMのなちゅいです。
パサジール・ルメスから、討伐依頼が出ておりますが、
街道にふわふわとした物体が現れるとのことですので、
討伐を願います。
こちらでは、補足のみ行います。

●敵……6体(戦闘開始地点)
〇仮称、ふわもこ
 直径1m程度、柔らかい毛が生えたふわふわもこもこした白い生き物。
 つぶらな瞳と、ちょこっとついた小さな腕も可愛らしい見た目です。タイミングによっては、ちょっとした変化があるようですが……。
 必ず、物理、神秘のどちらかに完全耐性を持ち、一定HP以下(条件は不明です)で自爆を使用するようになります。

・大放電……(A)神遠域・痺れ
・火炎放射……(A)神超遠貫・火炎
・ふわもこ特攻……(A)物遠単・足止
・自爆……(A)物中範・反動(残りHP全て)・溜1
・物神バリア……(A)自単・物理無効 or 神秘無効切り替え

●NPC
○リヴィエール・ルメス(p3n000038)
 現地まで案内はしてくれますが、戦いには参加しません。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 それでは、よろしくお願いいたします。

  • 危険な危険なふわもこ達完了
  • GM名なちゅい
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年07月30日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

如月 ユウ(p3p000205)
浄謐たるセルリアン・ブルー
鶫 四音(p3p000375)
カーマインの抱擁
ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
優穏の聲
炎堂 焔(p3p004727)
炎の御子
ミルヴィ=カーソン(p3p005047)
剣閃飛鳥
ティスル ティル(p3p006151)
銀すずめ
クリストファー・J・バートランド(p3p006801)
荒野の珍味体験者
橘花 芽衣(p3p007119)
鈍き鋼拳

リプレイ


 ローレットから派遣されたイレギュラーズ達。
 彼らは『パサジールルメスの少女』リヴィエール・ルメス(p3n000038)の案内の元、『鈍色の要塞』橘花 芽衣(p3p007119)の馬車に乗って海洋某所の街道を歩いていく。
「かわいらしい方が居るのは、大変結構なことですね」
 笑顔を湛えた色黒の肌をした少女、『カーマインの抱擁』鶫 四音(p3p000375)はいたいけな依頼者の少女リヴィエールの同行に、華のある物語になると微笑ましげだ。
「ついたっす。あれっすよ」
 そのリヴィエールが指す前方の街道上に、白く丸っこいふわもこした物体が6つ浮かんでいた。
「はうっ! か、かわいい」
 巫女装束に身を包む猫耳ポニーテールの少女、『炎の御子』炎堂 焔(p3p004727)も十分かわいい容姿だが、そんな彼女がうっとりするほどの愛らしさを持つのが今回の討伐対象、仮称ふわもこである。
「わー、ほんとにふわふわ」
 薊色の髪を揺らす海洋の旅芸人、『打ち上げ花火水平持ち』ティスル ティル(p3p006151)は、言われなければ危ない相手だと分からないと話す。
「見た目はあんなにふわもこで可愛いというのに……」
「こんなに可愛い子達を倒さなきゃいけないなんて」
 鍛え上げた肉体と合わせ、年齢による渋さも感じさせる『天穹を翔ける銀狼』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)も、もふもふ生物相手に思うことはあったようだが、焔が代弁するように本音を告げた。
「何だか力が抜ける名前で、えらく可愛い見た目の相手なのね……」
 人型の氷精霊、『浄謐たるセルリアン・ブルー』如月 ユウ(p3p000205)も、見た目とその仮称に戦いに草を感じていた様子。
「ただ、なんか……聞いてる感じ、攻撃がいちいち物騒じゃないかなー?」
 ティスルが言うように、あのもこもこは火を吹いたり自爆したりする難敵だ。
 それもあって、街道脇でパサジール・ルメスの一団は足止めを食ってしまっている。
「……そういえば、ちょっとした変化ってどんなのなんだろ?」
「見た目は変化するんでしょうか? ふわもこが、かちかちになったり」
 ティスルに合わせ、あまり凶悪そうでない敵が起こすちょっとした変化というのがどういったものかと、四音は推測していた。
「下手に危険だと認定されれば、徹底的な討伐が指示されるかもしれん。それにしても……ふわもこで可愛いな」
 そんな話の中、直接触ってもふりたそうな仕草を見せるゲオルグは、依頼だからと割り切りも見せる。
「あー……残念だなぁ。本当に残念だ」
 ややワイルドさも感じさせる美青年『荒野の珍味体験者』クリストファー・J・バートランド(p3p006801)は、見た目に反して好戦的な相手であることを残念がる。
 とはいえ、野生の生き物はそういうものだとクリストファーは考えて。
「……仕方ない。パザジールの人達困ってるしな。気合入れて頑張るとするか!」
「この道を通る人達が危ないし、討伐の依頼だし、やるしか、ないんだよね」
 焔、そして、長い銀髪、オッドアイの女性、芽衣も可哀想だけれどこれも世の為人の為と、ふわもこ討伐に意欲を見せる。
 街道を歩き、メンバー達は討伐対象へと近づいていく。
 そのふわもこの見た目、つぶらな瞳、小さなおてて。
 旅芸人の一座として育った『チアフルファイター』ミルヴィ=カーソン(p3p005047)も、相手の姿にうっとりしそうになりつつ。
「やるしかないんだよネ……ごめんねっ! なるべく早めにケリをつけるよ!」
「……と、とにかく! さっさと倒しちゃおっか! 油断はしない、しないよー!」
 どれを取っても可愛らしい見た目に、ティスルも気を強く持つ。
 馬車から降りる仲間達を見ながら、ユウも冷静に相手の特徴を思い返して。
「無駄に火力があるみたいだし、場所が場所それに放置しておいて数が増えたら手に負えなくなる可能性もあるわよね」
 それほどペースは早くないもの、放置すれば数も増えてしまうという。
 そうなる前に、抑えておきたい相手ではある。
「恨みはないけど倒させて貰うわよ。覚悟して頂戴」
 ユウは仲間と狙いを同じくし、仮称ふわもこに対して攻撃を開始していくのである。


 見た目はとても愛らしいふわもこだが、警戒心は強いらしい。
 近づくだけでも、それらは前方へと思いっきり火炎を浴びせかけてきたり、広範囲に放電を起こしてきたりする事がある。
 その一方で、特攻してくることもあるのだが、何せ柔らかい毛に覆われた敵だ。命中しても全く痛くはない。
 そんなふわもこに対し、イレギュラーズ達は適度に散開しつつ引きつけ役、前衛、中後衛を分かれて対していく。
 相手の抑えに当たるのは、芽衣とミルヴィだ。
「さあ、鈍色の要塞と言われるワタシ、橘花 芽衣が相手になるよ!」
 名乗り口上を行う芽衣へと、ふわもこ達の注目が集まる。
 気を引けたのは4体。彼女に向けて短い腕でぺちぺちと叩いたり、ふわもこの体で体当たりしたりするが、当人にはほとんどダメージはない。
「ほらほら、アタシをみなよ」
 ミルヴィも注意が逸れた2体へと、情欲を込めた魔性の瞳で覗き込む。
 内から起こる衝動に抗えぬふわもこ達はミルヴィ目掛けて同様に、攻撃を始めていく。
 その感触は実に気持ち良い。攻撃されているのに、癒しを受けているかのように思えてしまう。
 焔が続いて、引きつけ班メンバーへと気を取られるふわもこ達へと近づく。
 まずは序盤ということもあり、焔はできる限り多くのふわもこを捉え、炎そのものを鍛えて作られた槍『カグツチ天火』を振るう。
 その刃から発せられた炎の斬撃が宙を飛び、宙を漂うふわもこの体を切り裂く。
「あぁ、ふわふわもこもこで気持ちよさそうな毛が、ごめんね……」
 物理攻撃メインで攻める焔。確かに効く相手もいるが、全く微動だにしない個体もいる。
 その敵は現状、強力な物理耐性を持っており、焔の攻撃は通用しない。
 ただ、いくら物理耐性があれど、状態異常まで無効化しているわけではなく、体を引火させたふわもこはじりじりと体を焦がしていたようだ。
 クリストファーも抑えの準備はしていたが、現状はその控えをとして位置取りつつ序盤は攻撃へと当たる。
 狙うは、タンク役が引きつけるふわもこ。
 物理主体で攻め入る状況であれば、クリストファーもさほど苦も無く狙うふわもこを両腕に装着した破壊の手甲『リベリオン』で殴りつけていく。
 攻撃集中し、ティスルも仲間と合わせる形で物理攻撃をと、古巣の旅一座に伝わる格闘術の1つ『迅雷脚』でふわもこの体を蹴り込む。
 骨が軋むほどの衝撃にティスルの体もただでは済まないものの、稲妻のような一撃はふわもこに痺れを与えていく。
 そして、距離を取るメンバー達。
 ゲオルグは後方寄りの位置から、回復メインで動く。
 序盤のタイミングだと仲間達があまり傷ついていないこともあり、ゲオルグは様子見をして丁度良い場所を意識し、位置取っていた。
 次の行動タイミングには、我を取り戻したふわもこが範囲攻撃してくる危険もある為、ゲオルグも身構える。
 四音も後方から、仲間の回復支援にと立ち回っていた。
 神秘攻撃のみスキルを用意していた四音は、先ほどの焔の斬撃でダメージを受けなかった敵へと遠距離術式を飛ばして魔力を撃ち込む。
 ユウは中距離を意識し、相手の体を注視していく。
 神秘攻撃のみ用意している状態なこともあり、最初はユウも敵の状態の差異を観察に当たる。
「物理耐性と神秘耐性を切り替えることがあるらしいって事だけど、何か分かる方法はないかしらね……」
 ――物理攻撃は基本、ふわもこした身体で痛くない……。
 彼女は着目していたのは相手の毛並みだ。
(野生の生き物が相手にダメージを与えられないのに、無駄な行動はしないでしょう)
 しかし、今、物理、神秘耐性の個体が交じっているはずなのに、全てのふわもこの毛並みに変化は見られない。
 そこで、ふわもこ達の様子に変化が現れる。
 そのつぶらな瞳が赤から青に、青から赤へと変化したのだ。
 おそらくは赤が物理耐性、青が神秘耐性なのだろう。
「……少し考えすぎたかしら」
 ユウは思う。ふわふわした外見こそが自らにとっての釣り餌であり、近づく外敵は炎や雷で焼くのがこのふわもこ達の生態といったところか。

 ともあれ、これまで狙っていた1体の瞳が赤くなって物理耐性へと変化したこともあり、メンバー達は神秘攻撃へとシフトして攻撃を行う。
 自らのギフトの力を使い、ティスルは紫電混じりの衝撃波として放出し、ふわもこ達の動きを止めようとしていく。
 だが、1体が我を取り戻し、前方へと火炎を放射してきた。
「熱い熱いー!」
 高火力の炎に焼かれるミルヴィ。すぐさま、ゲオルグが簡易治療術式を発動させ、癒しに当たる。
 その間も、メンバー達は攻撃を続けていく。
「1体に集中しないと、連鎖爆発は怖いからね」
 焔が炎の力を込めてふわもこへと刃を刻み込み、ユウが絶対的冷気で狙ったふわもこを包み込む。
 その時だ。両腕を下げたふわもこが怪しげなオーラを漂わせ始めたのは。
「……えっ、雰囲気が変わった?」
 ユウは攻撃していたふわもこの内部で、エネルギーが高まっていくのに気づく。
「危ないよ、皆、逃げて!」
 それに危機感を覚えて叫ぶミルヴィに合わせ、皆、その場から退避する。
「抑えてくれる人、ホントありがとねー! 今の私じゃ、たぶん巻き込まれたらアウトだもん!?」
 ティスルが前線メンバーに礼を告げつつ、一旦身を引く。
 同じく、猟兵達が全員距離を取ると、ふわもこ1体が大きく爆ぜ飛び、街道に爆発が巻き起こる。
 残る5体もそれによるダメージを受けていたようだったが、まだ十分に体力を残す。
 退避したタイミングで、四音は仲間達へと治癒魔術を使っていく。
「皆さんの命を助け、支援するのが私の仕事」
 がんばりますので、どうか安心して戦ってくださいと、彼女は仲間達へと告げる。
 すると、皆改めて頷き、改めて危険と認識したふわもこ達の周りへと布陣していくのである。


 その後も、イレギュラーズ達は敵の瞳を見て物理、神秘攻撃を使い分けつつ、抑えのメンバー達が上手くふわもこの注意を引いて攻撃を続けていく。
 ところが、1つ問題が起こる。
 敵の攻撃を主として引きつけていた芽衣。
 彼女は4体を引きつける形を引きつけつつ、その際周囲を囲まれる状況となったのだ。
 その状況で、1体の起爆スイッチが入ってしまって。
「ちょっ……、離してよ!」
 危機を察した芽衣がこの場から移動しようとするが、ふわもこを振り払うことができない。
 直後、ふわもこが大きく起爆し、周囲一帯を爆炎と爆風に包むのを、芽衣はなんとかパンドラを使って踏みとどまる。
 すぐさま、前に出たゲオルグが『Fエイド』で回復へと当たろうとするのだが、注意の逸れた1体が広範囲へと放電していく。
「う……っ」
 立て続けに受けた強力な攻撃によって、芽衣は意識を失って崩れ落ちていった。
「俺も抑えに入るぜ」
 クリストファーが穴を埋める形で補佐に入り、今度はミルヴィが主となって敵の抑えに当たって。
 ――おいで、抱き締めてあげる。
 残るふわもこ達へと、ミルヴィが視線を向けてその意識を強く引きつける。
 改めて、布陣を整えるメンバー達。
「クリストファー・J・バートランドだ。相手になるぜ!」
 それまで、奇襲による攻めを行っていたクリストファーも抑えの補佐へと当たり、名乗りを上げる。
 ふわもこ達も、注意がこちらに向いている分には非常に扱いやすい相手だ。
 だが、特定メンバーから気を逸らせば、ふわもこはイレギュラーズ数人を巻き込むように炎や雷を浴びせかけてきていた。
 炎や痺れに苛まれる抑えメンバーには、四音が小さな幸運をもたらす霊的因子で包み込み、癒しへと当たっていく。
 そして、定期的に、ふわもこ達は物理、神秘の耐性を切り替える。
(……物神バリアの【ブレイク】って、できるのかな?)
 敵の目の色が変わり、物理耐性になったところでティスルがすかさず稲妻のごとき蹴りを繰り出す。
「これで、どうだー!」
 物理攻撃である以上、ダメージはふわもこの毛に遮られて無効化されてしまう。
 だが、そのタイミングでふわもこの状態の耐性が一気に無効化し、そのふわもこの瞳から色が消えて、黒くなっていく。
 成功率はさほど高くはなさそうだが、こうなればふわもこを倒すのは難しくない。
 一気にメンバー達は新たにバリアを張る前にふわもこを攻め立て、クリストファーが両手の拳で殴り倒して地面へと落としていった。
 なお、完全に倒れたふわもこは起爆したり、誘爆したりすることはないようだった。

 さらに、ふわもこを叩くイレギュラーズ達。
 残る数は3体にまで減り、囲まれる危険はなくなった。
 後は当初の作戦通り、個別にふわもこの数を減らすまでだ。
 中盤までは敵も炎、雷撃を発してきていたが、数が減ればミルヴィ、クリストファーがふわもこ達をほぼ抑え込む形となる。
 それまで回復に当たっていた四音も回復はそこそこに、遠術での補佐に当たる。
 ゲオルグも周囲に祝福の花を咲かせて仲間達の不浄を払い、傷をいやしていたが、次第に疲弊した仲間達に聖なる光を降らして気力回復へとシフトしていく。
 ユウも仲間と攻撃を重ね、ふわもこの体を冷気で包み込んで空中で凍り付かせてしまう。
「ん、また自爆しそうよ」
 ユウが仲間へと警告すると、焔が一気に攻め入る。
 自爆までの僅かな間、瞳が青くなったのを見て、焔は一気にふわもこを倒しにかかる……のだが。
「やっぱり、こんなに可愛いと殺しちゃうのを躊躇っちゃうよ」
 刃を向けると、どうしてもその可愛らしさもあって倒すのを躊躇ってしまう。
 ユウが凍らせていなければ、ふわふわもこもこな触り心地で本当に手を止めていたかもしれない。
 それでも、自爆されるとそれだけで戦闘不能に追い込むだけの威力があるのは証明済み。
 焔は止む無く、火焔と変わった闘気を伴って、ふわもこの体へと斬撃を浴びせかけていく。
 目から光を失い、そのふわもこはぽとりと地面に落ちていった。

 その後、残る2体もイレギュラーズ達は一気に攻め立てる。
「よっし……この位置なら……今だよっ!」
 相手の位置をミルヴィが誘導し、焔が炎の斬撃を浴びせていく。
 それによって、1体が引き起こす爆発に巻き込まれる形で、もう1体も連鎖爆発を起こして倒れていったのだった。


 仮称ふわもこ達を討伐し、脇に控えていたパサジール・ルメスのメンバー達が積み荷を運ぶべく先に街道を通って先に向かう。
「お疲れ様っす。助かったっす」
 リヴィエールのみ、イレギュラーズ達と行動を共にし、この後の報告まで付き合ってくれるようだ。
 深い傷を負った芽衣はユウや四音が手当てに当たっていたのだが、今回討伐したふわもこ達に対し、憐憫の念を感じていたメンバーも多くて。
「こちらの都合で、こういうことになってしまっているのだしな」
 地面へと落ちたその遺体を、ゲオルグが集めて街道の脇へと運ぶ。
 そして、ちゃんと弔ってあげたいと、ゲオルグは木々の根本に穴を掘り始める。
「危険だけど、惜しいやつらだった……。今度はもふもふさせてくれねぇかな」
 墓を作っていくクリストファーも、運ぶ時の触り心地の良さを感じ、非常に残念がりながらも仮称ふわもこ達を穴へと埋めていく。
「それにしても、このふわもこ達はどこから来たんでしょう」
 そんな中、四音が疑問を口にする。
 可愛い見た目にもかかわらず、危険な相手であることは今体感した通り。
 どこか知らない場所で増殖していたら、危ないと四音は指摘していた。
 メンバー達の傍ら、焔は残っていた毛を少し集めて持って帰ろうとしていた。
「これを使って、ふわもこのぬいぐるみとか作るんだ」
 お裁縫ができるという焔は、今着ている巫女服も自分で繕っているのだとか。
 できたら見せてほしいという仲間達が要望する中、リヴィエールも手を挙げて。
「あっ、あたしも見たいっす!」
 ふわもこ達の墓を作り終えたメンバー達は報告の為、再び芽衣の馬車に乗って幻想へと引き返すことにしたのだった。

成否

成功

MVP

ティスル ティル(p3p006151)
銀すずめ

状態異常

橘花 芽衣(p3p007119)[重傷]
鈍き鋼拳

あとがき

リプレイ、公開です。
MVPは切り替えのタイミング、うまく耐性無効化をブレイクしてみせたあなたへ。
ちょっと可哀想でしたが、自然にも可愛い容姿ながらも害獣となる生き物もいます。保護するだけが正しいとは限らないのが難しいところですね……。
今回は参加いただき、ありがとうございました。

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