シナリオ詳細
オールラウンダーズ
オープニング
●ババアの再来
潮風の吹き抜ける夏。ネオフロンティア海洋王国の一角、人口三千人のカッシャ島。
海洋貴族スウェイディー氏によって納められていたこの島に、今脅威が迫っていた。
「アンタたち! 分かってるんだろうね!」
異様に迫力のあるババアが両手にもった包丁をしゃきしゃきと鳴らし、眼前をにらむ。
風景を引いてみればそこがどこか分かるだろう。
金属装甲を張り巡らせた真っ黒な中型船舶。
デッキには飛行種、海種、鉄騎種といった面々がそろい、それぞれの武器を手にしていた。
船は遠く見える島――カッシャ島へと進路をとり、それが決して観光や帰省目的でないことが彼らの表情からうかがい知れる。
彼らに団体としての名前は無い。
だが目的だけは、ハッキリと決まっていた。
「スウェイディーをぶち殺して、島をアタシらのモンにするんだよ。邪魔する奴はどうするんだった!?」
「「皆殺しだ!!!!!!!」」
「オーケーいいこだ! 後は頼んだよ!」
ババアはジェットパックのスイッチを押し込むと、船から大きく飛び上がった。
そして小さなモーターボートへと乗り込み、ターンして逆方向へと去って行く。
デッキに残った者たちの目は異様な色に染まり、殺気が全身からあふれ出ていた。
●陸海空の戦い
「急に集まって貰って悪いわね。先に話した通り依頼内容は依頼人……つまりスウェイディー氏を狙う一団の迎撃よ」
所変わってカッシャ島の船着き場。
今まさに船を出そうとしているイレギュラーズたちを見送るように、桟橋にプルー・ビビットカラー(p3n000004)が立っていた。
プルーは手にしたボードをめくると、その内容に目を落とす。
「敵性集団の所属は不明。出身もバラバラ、つながりも無いに等しいわ。強いて言うなら別の港町にある酒場に居合わせた連中が突然団結してこの島へ船を出したってことだけね。
犯行声明は出されていて、『スウェイディーによる圧制から島を解放する』って主張してるけど……」
プルーはため息をついて首を振った。
「スウェイディー氏は富豪たちによる奴隷同然の圧制から市民を救って、彼らの富を再分配した島の英雄よ。
このとき排斥された富豪たちの残党がかつての贅沢な暮らしと権力を取り戻すべくスウェイディー氏の暗殺を目論んだと考えるのが妥当ね。今攻め込んできてる集団は……何かしら。彼らに雇われたか、何かしら洗脳を受けたか、よね。
どのみちテーブルとティーセットを交えたお喋りで解決できる問題じゃあないわ。あなたたちの力……特に『武力』が必要よ」
プルーはイレギュラーズたちを、そして船を指さして頷いた。
敵集団の戦力情報は既に掴んでいた。
飛行種、海種、鉄騎種で構成され、戦闘力はそれなり。傭兵、賞金稼ぎ、怪物漁師、元闘士……出身はばらばらだがとにかく戦闘慣れした連中であるのは確かなようだ。
「人数は10。頭数で負けてる分、ナチュラルにぶつかって頭数を減らしあう『集中砲火作戦』は不利だし……少人数ずつを分断させて遊撃チームで叩いていく『各個撃破作戦』を私は勧めたいわね。
幸いにも相手の戦闘スタイルや得意なフィールドがばらけているわ。
陸海空に分断するのがベターだけど……複数の小型船で囲んで各船へ小分けに誘引する作戦もアリよね。
そこは今回のメンバーの個性と趣味で選んで頂戴。最悪、ナチュラルなぶつかり合いでも負けはしないと思うわ。こっちの損害が大きくなるとは、思うけど」
ここまで説明するとファイルを閉じ、フリスビーのように船へと投げてきた。
「最後に決めるのはあなたちよ。『ご武運を』……なんて」
- オールラウンダーズ完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2019年07月24日 21時40分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●オールラウンドイレギュラーズ
ハートとピンクと魔法少女インフィニティーハートHの写真でラッピングされたどうかしてる船が大海原を切り裂いて進む
操縦座席の上に立って腕組みする『魔法少女インフィニティハートH』無限乃 愛(p3p004443)。
「平和で愛に満ちた島に対し、一度ならず二度までも襲撃を掛けるとは言語道断……それに追従する者たちも同罪です!」
船を運転しているとはとても思えない姿勢ながらもつま先でレバーを蹴ることでなぜかちゃんと運転しつつ、愛ははるか遠くに見えている船の影を目視補足した。
「この愛のビッグウェーブの下に沈め、その心(ハート)の髄まで愛に漬け込み目を覚まさせましょう。この――愛のインフィニティ体操をするなどして!」
ヨガと中国拳法が混ざって宇宙に飛んだような不思議なポーズをとる愛。
……の船に相乗りしていた『ひとりの吸血鬼』アリシア・アンジェ・ネイリヴォーム(p3p000669)はなんか沢山置いてある謎の木箱のひとつに腰掛け、長い髪を指先でくるくるとやった。
「あのおばさんまだ諦めてなかったのね。直接轢けないのは残念だけど、今は眼前の敵へ集中……ね」
ぱっと髪から手を離すアリシア。
彼女の装いはいつもと違った競泳水着……にヴィクトリアン調のメイドドレスを纏ったものに変わっていた。ある意味かつてのなにかを踏襲しているという気持ちなのだ。
どるどると音を立てて船『白夜壱号』を併走させる『マリンエクスプローラー』マリナ(p3p003552)。
「賊はこれだから嫌でごぜーます。なんでもかんでも自分のものにしようとして暴力をふるう」
碇を下ろす準備はできている。船に相乗りした『暴食の剣』リペア・グラディウス(p3p006650)と『ハム子』主人=公(p3p000578)のへちらりと振り返った。
船を海上に置いていき、途中から海中を泳いで敵船へ襲撃を仕掛けるためである。
魔剣グラトニーを握ったり開いたりを繰り返し、お腹をすかせた子供のように無邪気な顔をするリペア。
「良くわからないけど要は食べ散らかしていいって事かな。
やったぁ……久々の食事だぁ……いっぱい食べようっと♪」
ぺろりと舌なめずりするリペア。その一瞬だけリペアの表情が邪悪な魔物のように影を増した。
その隣で我関せずのテンションを保つ公。
セーラー服とビキニを混ぜ合わせたようなおニューの水着姿になると、屈伸や上体そらしの運動をし始めた。
「今日のボクは一味違うよ。なんとサブマリンハム公! 水の中で呼吸が出来ちゃう――のだ!」
首に装着した貝殻のようなネックレスを特定のリズムで叩くと、水中呼吸の魔法が口元を覆った。
「渚のマーメイド、だね!」
マリナのレバー操作と共に碇が下ろされ、公やリペアたちは勢いよく海へと飛び込んでいく。
「ああいうのはいくら言葉を尽くしてもしょーがねーですからね……。
なんかせんのーされてるっぽいですし、
こちらも暴力をもっておさめるしかねーですね。
さぁーかかって来やがれです。母なる海の水底に沈めてさしあげましょー」
そして、マリナもまた勢いをつけて海中へと飛び込んでいった。
愛の船を盾にするかのようにして進む一団。
甲板に出ていた『濃紺に煌めく星』ラノール・メルカノワ(p3p000045)と『矛盾一体』ナーガ(p3p000225)はそれぞれ敵船に飛び乗る準備を終えていた。
といっても、ナーガは精神構造からして常在戦場。オンオフの区別自体がないようなものである。
「フネのうえでアイをはぐくむんだね!
マエのセカイでカイゾクさんたちとアイしあったときは、とってもたのしかった!
コンカイもたのしいといいなぁ。ううん。きっとタノシイ!」
ぎらんと赤い目を光らせるナーガ。
「準備万端のようじゃのぅ」
『揺蕩う老魚』海音寺 潮(p3p001498)はぽちを船の安全なところに逃がしてから、充分に準備体操を終え深呼吸の段階に入っていた。
先にいくわねといった風にアリシアが蝙蝠の翼をはやして空に飛んでいく。
島を目指して進行していた目標の船は、船内に残って迎撃するチーム、海中に飛び込んで迎撃するチーム、そして空に飛び上がって迎撃する合計3チームへと分離した。
ぱしんと自分の頬を叩く潮。
「それでは、いざ――」
潮は全身にサメのオーラを纏うと、空を海のように泳ぎ始めた。ポチと同じサメ力による空中泳法である。
かつて現役時代にもっていた力か、それとも引退後になお貪欲に吸収した新たな技か。
「出撃じゃ」
●荒波と水しぶき
カッシェ島に向かう傭兵たちのボートが、前方へ回り込むラッピングボートに注意を奪われた。
足でレバー操作を行ないながら、フロントガラスの上部フレームに『S.O.H.II H.T.』をセット。マジカル三脚を展開してボート先端へ突き出す主砲のごとく構えた愛に、無反応でいられる者などいようか。
「『白波を汚す悪を浄化する愛の灼光!魔法少女インフィニティハート、ここに見参!』――さて」
熟練のスナイパーめいた冷たい表情で魔力発射を行なう愛。
鉄騎種の傭兵が仲間をかき分けて前に飛び出し、鋼鉄の展開式増加装甲を用いて砲撃から味方を庇った。
その隙にボートをぶつける勢いで迫った愛の船から、ラノールとナーガが敵船へと乗り移っていく。
「ナーちゃんだよ! よろしくね! アイしあおうね!」
両手でしっかりと握り込んだ斧で鉄騎種の装甲に強烈な打撃を与えた。
鉄騎種は防御こそしたが、展開していた装甲が砕け、吹き飛んで船内の壁に身体をぶつけた。
圧倒的な威力と強引なスイングが、相手の防御やタフネスをものともしない火力となって打ち込まれるのだ。
その一方、海中を潜水移動していたリペアは前方から迫る川魚系ディープシーに身構えた。
「魚はいいよ、うん美味しいもの。
じゃあ、いくよグラトニー、食事の時間だよ。いただきまーす」
魔剣グラトニーを構え、ディープシーへ突撃するリペア。
ディストラクションによる打撃がディープシーを襲う。
対するディープシーも手にしていた三叉の槍で反撃を仕掛けてきた。
剣と槍がぶつかり、海中に激しい金属音が響いた。
その横をすり抜けるように走るタコ型のディープシー。ライフルタイプの水中銃を構え、横側からの射撃を開始した。
「洗脳されてても容赦はしねーですよー。多少痛めつけてもだいじょーぶでしょーし」
そんなディープシーにグレイシャーバレットを打ち込んでいくマリナ。
初弾が相手に命中し、相手は海中に血を広げながらもくるりと転身して回避行動を開始。
それを追いかけるようにマリナはフリントロック銃を手際よく連続で発砲した。
そこへ飛びかかるサメ型ディープシー。
強化した拳がマリナへと迫る――が、そこへ割り込んだ公が合成剣を抜いて拳を受け止めた。
ぎいんという金属で金属を殴ったような音が海中に広がり、公は衝撃に歯を食いしばる。
と同時に、公は仕込んで置いた魔法を発動。
海中に激しい水流が起こり、サメディープシーは激しく吹き飛ばされた。それまでリペアとぶつかり合いをしていた川魚ディープシーと激突し、そのまま回転するようにもつれていく。
この調子でいこう。公はハンドジェスチャーを出し、ディープシーたちを追撃すべく更に深く潜っていった。
分厚い海面を挟んだ海上。それも人の手が届かないほどの高高度にて。
蝙蝠の翼を広げたアリシアとカラスの翼を広げたスカイウェザーが幾度となくぶつかり合っていた。
交差し、風を纏ってターン。刀で突撃をしかけるスカイウェザーに対し、アリシアは『紫焔』を発動。呪血を触媒として紫焔のオーラを『蒼魔』に纏わせて切りつけた。
普段見せないくらいの殺意をむき出しにした剣さばきが、カラススカイウェザーに直撃。
血を吹き、回転しながら僅かに高度を落とした。
そこへ割り込むように鷹のスカイウェザーがアサルトライフルの乱射を浴びせてきた。
咄嗟に飛び退き、防御姿勢をとるアリシア。
「いかん……!」
潮はサメオーラを纏って更に上をとると、大上段から振り下ろした手刀でサメのオーラを発射した。
鷹スカイウェザーが素早く回避行動をとるも、掠ったサメの牙が相手の足に鋭い傷を作った。
「邪魔なサメだ。空を泳ぐなど……!」
「サメが空を泳いで何がおかしいか!」
古い記憶がよみがえったのか、潮は猛々しい戦士のような目をして手刀を十字に繰り出していく。
狙いを定め、アサルトライフルの連射を浴びせてくる鷹スカイウェザー。
無数の弾丸と幻影ザメが交差しては、上下左右に動くお互いを掠めていく。
●戦いの行方
海中のリペア。魔剣グラトニーが川魚ディープシーの腹を貫いたのと同時に、リペアの身体に槍が深く突き刺さった。
だが気にすること無くグラトニーを通じてエネルギーを爆発。
内側から崩壊したディープシーは脇腹を吹き飛ばし、さらなる拳による打撃が顔面を襲った。
苦し紛れに反撃を行なうディープシーとのぶつかりあいで、二人は血を吹きながら海中を上昇していった。
その一方でサメディープシーの拳をガード姿勢で受ける公。
「マリナ先輩……!」
「そっちは任せるのです」
マリナは飛来する銃撃を後方螺旋移動で回避しながらフリントロック銃で反撃。
ジグザグに移動しながらついてくるタコディープシーと撃ち合いに発展していた。
「こうなったら……」
公は刀を一度捨て、迫るサメディープシーの攻撃をあえて受け、至近距離で相手の手首を掴み取った。
腹に押し当てる手のひら。発動するハイドロプレッシャー。
吹き飛ばされたサメディープシーに、公は素早く拾った刀で突撃した。
切り裂く傷は小さいけれど、悪魔合成された呪いの力はサメディープシーの身体を激しく崩壊させた。
苦しみながら海の底へと沈んでいくサメディープシー。
そうした一方でマリナはタコディープシーと決着をつけつつあった。
「このままじゃラチがあかねーのです」
反撃の姿勢をやめ、まっすぐ泳ぎ始めるマリナ。
逃走をはかっていると考えたタコディープシーが八本足の高速泳法で距離をつめにかかった。
水中銃にナイフを装剣。槍のように構え、突撃をしかける――その寸前。
「追ってきてくれて、手間が省けたのです」
マリナは白夜壱号から下ろした碇のそばまで行き、鎖を勢いよく引っ張ることでハンマーの役割をもたせた。
いかなる理屈か海中で猛烈な速度をつけてタコディープシーに迫った碇は、相手の身体を三分の一ほど吹き飛ばしていった。
「おっと、まだ死なせねーのです。聞きたいことが山ほどあるのです」
タコディープシーを掴み、海面にあがるマリナ。
「ババアの居所を吐かせるのです。おらはけー」
「ねぇねぇそれ、殺して私の食事にしていい?」
公に補助されるかたちで海面にあがってきたリペアが指をさす。
そんなマリナの頭上、アリシアとカラススカイウェザーが激突していた。
刀と魔法剣がぶつかり合って交差し、すれ違った二人は反転して魔術を発射。
バランスよく攻撃と回避を行なうアリシアに対して、カラススカイウェザーは命中能力と攻撃力に大きくリソースを振っている様子だった。
そのためお互いの攻撃頻繁に直撃し、タフネスによる勝負へと発展していく。
体力を大きく損なったことで墜落したアリシアはマリナの船に着地。
同じく墜落していたスカイウェザーも空中でバランスをとって同じ船に着地した。
この瞬間。より早く攻撃を繰り出した方の勝利だ。
既に刀を振り込む姿勢にあったカラススカイウェザーはアリシアの腕めがけて刀を高速で向かわせたが、その時には既にアリシアの剣が振り抜かれていた。
鮮血の如く紅い魔力を纏わせた魔法剣が、カラススカイウェザーの首をはねとばし、首が宙を回転していた。
「む、やったか……! ではこちらも決着をつける時じゃのぅ」
潮は自らにライトヒールをかけ、回復によるホバリングを実行。
一方で鷹スカイウェザーは潮の回復力を上回る速度で銃撃を浴びせてきた。
このままライトヒール一本で粘ろうとすれば競り負けは必至。潮は途中から考えを変え――。
「ならば、こうじゃ!」
身体に纏っていたサメオーラが消え、自由落下を開始。
鷹スカイウェザーから距離をとったことを確認すると、落ちながら連続でサメ手刀を繰り出した。
三発目で飛び出した金色の幻影ザメが鷹スカイウェザーの腕を食いちぎり、驚きの表情をうかべたままスカイウェザーは墜落、水没していった。
ラノールとオールドワンのぶつかり合いが最終段階に入った頃、ボロボロになったオールドワンの顔面をナーガの蹴りが直撃した。
首から上が無くなるほどの衝撃が走り、そして実際に首から上がはじけてなくなった。
噴水のように血を吹き上げて崩れ落ちるオールドワン。
残るオールドワンがナーガめがけて鋼の拳を繰り出した所で、ナーガはぎらりと笑って拳をそれにあわせた。
ナーガのサウスポーとオールドワンの右ストレートが正面から激突。
ごきばきりという拳の衝突とは思えないような音が鳴り、ナーガは更に笑顔を深く獰猛に変えた。
「タノシイね……タノシイねえ!」
「こいつ、狂って――」
顔をしかめるオールドワン。が、側面から狙う愛の砲撃を察知して素早くその場から飛び退いた。
オールドワンとナーガの間をピンク色のハートビームが通過。船の壁面やフロントガラスを半端なハート型にくりぬいて通り抜けていく。
「案外避けますね」
レバーを足で操作しながら敵船のまわりを周回し、愛は次の砲撃に備えた。
「では、とっておきと行きましょう」
懐から素早く出したスティック状の何かを指の指の間に挟んでぱきぱきと割、素早くブレスレット状の筒へと挿入。ロックレバーを親指で弾くと、ショッキングピンクの魔法光が腕を覆った。
「インフィニティ――マジカルウェーブ!」
運転席から立ち上がり、前方をびしりと指さす愛。
と同時に、愛の船は敵船の横っ腹に思い切り激突した。
ショッキングピンクの波動が敵船を包み、大きく傾け、そして乗っていたオールドワンは跡形も無くはじけ飛んだ。
「きっと彼らは骨の髄まで愛が染みこんだことでしょう。はじけ飛んだのが、その証拠です」
「そうだね。ナーちゃんたち、いっぱいアイしあったね!」
「これからも愛を広めていきましょう」
「アイ!」
「…………」
海面にぷかりと浮き上がったラノールは、この二人なんで話が噛み合ってるんだろうと思った。
海中にぷかぷかと浮かぶ無人の船が、砂浜へと流れ着いて止まった。
カッシェ島に迫る暴力は文字通り水際で食い止められた。
だが島を狙う悪意はまだ潰えていない。きっとまた、この島を狙うことだろう。
だがその時には、またイレギュラーズたちに依頼すればいい。彼らは今回のように、勇敢に戦ってくれる筈だから。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
あとがき
――mission complete
GMコメント
陸海空での得意なバトルをお楽しみください。
空中や海中での激しいドッグファイトがお勧めです。
今回のシナリオは海上。特に船を中心とした戦闘となります。
成功条件は『襲撃チームの殲滅』。依頼主から生死は問われていませんが、特に主義主張が無ければ海の藻屑と化してしまっても問題ないでしょう。
敵チームは飛行種、海種、鉄騎種の混成部隊10人。
詳しい内訳までは分かっていませんが、大体同じくらいの数と思っていてください。
『集中砲火作戦』と『各個撃破作戦』のどちらを選んでも良いですが、パンドラの減り具合が優しく失敗リスクが少ないのはやはり後者でしょう。
ただし後者の場合はチーム分けを話し合ったり戦闘プレイングを書き込む必要があるため、特に指定がなかった場合は前者でぶつかっていくことになります。
●チーム分け
こちらがそれなりの誘いをかければ……ですが、敵の飛行種は足場にとらわれない空中戦を、海種はより有利な水中戦を、そして鉄騎種は船のデッキ(甲板)で戦うことでしょう。
その際にはそれぞれ『飛行』『水中行動』(またはそれを内包する種族スキル)をスキルとしてもっておく必要があります。酸素ボンベやジェットパックは今回戦闘に耐えません。
小型船をアイテムとして持ち込む場合、必ず装備者本人が運転してください。
運転をしながら通常通りに戦闘を行なえるものとし、仮に戦闘不能になっても運転だけはできるものとします。加えて、船の破壊による沈没(要するに乗組員ごとまとめて戦闘不能になる裏技)は敵味方共にないものとします。
ただし至レンジの戦闘にかんしてのみ同じ船に乗っている必要があるものとします。相手に船に乗り込んだり、逆に相手を船に乗り込ませたりしましょう。
●敵の武装について
しっかりと分かってはいませんが、大体距離にかかわらず戦闘が出来る程度の装備やスキル構成がある筈です。
■■■アドリブ度■■■
ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用ください。
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