シナリオ詳細
巨大魚のいる入り江
オープニング
●跳ねる巨大魚
とある港街のこと。
砂浜もあり夏場には涼を求めて海水浴に訪れる人も少なくない、そんな港街である。
だが今、この港街にある入り江では、何故か巨大なマンボウが跳ねていた。
太陽の光が、巨大マンボウの立てる水しぶきをキラキラと輝かせているのは美しくもあるが、バシャバシャ、ビチビチとかなりうるさい。
跳ねているとは言っても、マンボウという魚の体型的に背ビレと尻ビレをせわしなく動かしているだけなのだが。
うるさい上、巨大なのでかなり危険である。
子どもが面白がって近付いてしまったら。
その時、運悪くマンボウの体の下敷きになってしまったら。
大人でもそんなことになれば、生きてはいられないだろう。
子どもなら、なおさらである。
そして、こんな巨大なマンボウを見れば、子どもはきっと興味を持って近付いてしまうだろう。
周囲には縄を張り巡らせてあり、簡単には入れないようにしてあるが、早く何とかしなければならない。
何かが起こってからでは遅すぎるのだから。
●巨大魚に困る港街
「今回の依頼は、巨大なお魚を海に返すことなのです」
『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)によって、今回の依頼についての説明がなされている。
港街の住人達が、一刻も早く何とかして欲しいと相談に来たため、ギルドでも急いで対応に当たっているのだ。
何でもマンボウは15mはあり、ずっと入り江でその巨体をビチビチと跳ねさせているのだそうだ。
お陰で海水は飛び散り、入り江はマンボウの巨体で埋め尽くされ、いつどう動くかも分からずに危険なため、一般人では近づくこともできない。
「どうして入り江で跳ね続けているのか、突き止めて海に返してあげたいというのが、港街の皆さんの総意なのです」
その港街では、クジラやイルカといった比較的大型の海洋生物が打ち上げられることも年に数回はあり、その時の経験から考えると今回の巨大マンボウは怪我でもしているのではないかという。
怪我のせいで暴れて跳ねている可能性が高いというわけだ。
そうであれば、まず怪我の原因を突き止めて必要なら処置を行い、その後に海へと移動させることになるだろう。
「場合によっては、しばらく潜って行動する必要があるかもしれないのです。しっかり備えて行って欲しいのですよ」
ユリーカの言うことはもっともであろう。
もし怪我があるか確認し、処置を行うのであれば海中での作業が発生することも考えられる。
水辺や水中での作業ができるよう、きちんとした準備を行っておくのは必須と言えそうだ。
- 巨大魚のいる入り江完了
- GM名文月
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2018年02月23日 21時35分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●ファーストコンタクト
幻想領内のとある港街に、ギルドからの依頼を受けたイレギュラーズが集まっていた。
入江に張り巡らされたロープの中に入り、問題の巨大魚と対面する。
彼らの目の前では、巨大なマンボウが跳ねている。
「おおう!ホントにでけぇな!」
『異世界転生勇者少女(おっさん)』ツカサ・カルデローネ(p3p001292)が目を見張る。
マンボウは斜めに頭を海の方に向けている。
顔の半分が海中に入っているので、どうにか生きているようだ。
陸の方には、一般的な魚で言う尾ビレに当たる舵ビレを向けている。
頭の部分と背ビレの付け根辺りは海に突っ込んでしまっている。
海に突っ込んでいる体の上半分は海上に出ているが、下半分は海中に入っている部分も多く、完全には調べられそうにない。
打ち上げられているとは言っても、さすがは巨体。
全てが陸にある訳でもなく、全てが海中にある訳でもないようだ。
跳ねているうちに少しずつ動いてしまい、今はたまたまこの位置、ということかもしれない。
また、潮の満ち引きでも多少変わるのだろう。
何にしても、マンボウの皮膚は弱い。
巨体である分、普通のマンボウよりは強いだろうが、あまり長い時間このままにしていては、長く持たないだろう。
イレギュラーズがやって来たことを聞きつけ、立ち入らないように張られたロープの向こうには港街の人々が野次馬に来ている。
中には子供もいるようだ。
港街の人々が見ている前での作業になるが、『特異運命座標』アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)がまず動物疎通で話しかける。
マンボウを助けるために自分達が来たこと、そしてすぐ近くで作業をするので暴れないように、と伝えなければならないからだ。
今のところ原因は分からないが、見慣れない場所で動けずにいるところへいきなり人が近づいてきて、色々やり始めたらマンボウも怖がるだろう。
「初めまして、私はアレクシアという。君を助けに来たんだ。もう大丈夫だぞ」
急に自分にも分かるように声をかけられて驚いたのか、一瞬マンボウがビクリと体を震わせる。
巨体なので、それだけでも海水がバシャリと周囲に飛び散ってしまう。
ロープの向こうから楽しげな声も混じりつつ、軽く悲鳴のような声が上がっていたが、海水がかかっただけなので問題はなさそうだ。
マンボウは理解してくれたようで、その後はそれまでのように跳ねなくなった。
一応、アレクシアがマンボウに何が原因なのか聞いてみるが、マンボウはどうも痛みについて訴えているだけで詳しいことは分からないようだ。
これを見てすぐに『マンボウ大好きQZ』クィニー・ザルファー(p3p001779)が飛行スキルを使い、マンボウの体を目視でくまなく調べていく。
マンボウが大好きなQZは、最初こそマンボウを初めて間近で見れたことにはしゃいでいたが、すぐにお仕事モードになって真剣に調べている。
マンボウが好きだからこそ、早く助けてあげたいという気持ちも強いのだろう。
上から見える範囲では、特に気になる点はなさそうだった。
できる範囲で体の下半分も調べようと、QZが逆さになり頭を下にして飛びつつ、マンボウの体をさらに調べる。
跳ね続けていたせいで、マンボウは疲れているようにも見える。
「ん?何か刺さってる、ような」
ふと、マンボウの体の下側、背ビレの根本近くに何かが刺さっているように見えた。
しかし、運悪く海中に体が沈んでいる辺りだったため、はっきりしない。
巨体すぎて、海上からだけでなく海中からも調べないと、正確にマンボウの状態を把握するのは困難そうだ。
●街の人々からの援助
QZがマンボウの体を空から調べている間、『紅獣』ルナール・グルナディエ(p3p002562)がロープ越しに港街の人々から話を聞いていた。
原因究明の手助けになる情報が得られるかもしれないからだ。
怪我の可能性が高いとは言え、他の可能性についても意見を聞いてみる。
異常気象や異常現象の前触れ、マンボウに何かしらの危機が迫っている可能性など、思いつく限りの可能性を挙げる。
港街に住んでいる人々から話を聞けば、似た状況から推察できることもあると考えたのだ。
ここで分かったのは、異常現象などであればこの巨大マンボウだけ打ち上げられて来るのはおかしい、ということだった。
また、海流の関係か時々打ち上げられるイルカやクジラがいるので、マンボウが打ち上げられたのもそのせいではないかと話していた。
そうなると、やはり怪我なのかマンボウに危機が迫っているのか、どちらかの可能性が高いのではないか。
ルナールはそう結論づけた。
一方、ツカサと『イギョウノショウジョ』実験体37号(p3p002277)は、街の人々からマンボウを海に戻す時に使う道具を借りられないか、交渉していた。
「わりぃけど、マンボウを運ぶために道具や資材を貸してくれねぇかな?俺達が絶対に何とかしてみせるから! この通りだ! 頼む!」
ツカサが街の人の目をしっかりと見つめて話し、頭を下げるが何故か街の人は目を逸らしてどこか居心地悪そうにしている。
それでも逃げ出してしまうことがないのは、ツカサのカリスマスキルによるものかもしれない。
「ツカサ、目が、怖い」
同行して他の街の人から暖を取るのに必要なもの、丸太などの資材を出してもらう交渉をしていた37号がツカサの顔を見て言う。
確かに、ツカサの鋭利な目は一般人には怖いかもしれない。
「マジか! すまねぇ!」
素直に謝るツカサに街の人々が苦笑している。
目つきは怖くても、ツカサの気持ちは伝わったようで、無事に網や布、板等を調達してもらえることになった。
街の人々も、マンボウを可哀想に思い、助けたがっているのは同じなのである。
壊れたり海に沈んだりしても気にしなくていい、と街の人々が気前良く資材を出してくれたので、道具については必要以上に気を使わなくて良さそうだ。
出してもらった資材はロープのところまで街の人が運んでくれ、そこから先は37号が腕力スキルを使いマンボウの近くまで運び込む。
37号は初めての依頼でかなり意気込んでいるようだ。
「何かマンボウの体に刺さってるみたいだけど、海中から調べないとはっきりとは分からなさそうだね」
QZは一旦地上に戻ってくると、『幻追う田舎者』シクリッド・プレコ(p3p001510)をはじめ、マンボウの近くで待機していたメンバーに分かったことを伝える。
まずQZとシクリッドがペアを組み、他のメンバーが見守る中でシクリッドが海に入っていく。
QZは先程と同様、飛行スキルを使っていて空中である。
「さすがに水が冷たいっスね!」
水着に着替えたシクリッドがブルルと体を震わせながら、QZの後に続いてマンボウの背ビレの辺りまで泳いでいく。
「この辺りなんだよね」
「了解っスよ。ちょっと調べてくるっス」
飛びながら調べていた時に気になった場所までQZがシクリッドを連れてくると、シクリッドは現役漁師らしく得意の水泳スキルを活かして調べ始める。
シクリッドは泳ぎながらマンボウに刺さっているという何かを探す。
それほど時間をかけなくても、その何かを見つけることはできた。
「あー、確かに刺さってるっスね……これは痛そうっス」
シクリッドは静かに近づき、刺さっている何かに手を伸ばしてみる。
いきなり抜こうとしてマンボウが痛みで暴れてしまうといけないので、触感や大きさの確認程度に留める。
刺さっている何かを慎重に手で探ってみると、堅くてなかなかの太さがあるようだ。
途中で折れてしまっているのか、長さはそれほどでもない。
触っているだけでは分かりにくい、とシクリッドは少し潜ってみることにする。
そうして目にしたのは、マンボウの体に深々と突き刺さった太い銛のようなものだった。
「これはやばいっス! 銛が刺さってるっスよ!」
すぐに海面に顔を出したシクリッドは、入江に集まっているイレギュラーズ全員に聞こえるように調べた結果を伝える。
その後も銛がどれくらい刺さっていそうか、マンボウの傷は深そうかなどを調べてから海を出る。
まだまだ寒いこの季節に、あまり長く海の中にいては体が冷えて危険だからだ。
海を出ると、街の人々が用意し37号が運び込んでくれていたタオルでまず水気を急いで拭き、毛布にくるまって焚き火にあたる。
QZはそのまま空中に留まり、次に海中での作業をするペアが位置をすぐに把握できるようにする。
●痛まないように抜くには
シクリッドの調査結果を聞き、ロープの向こうで野次馬をしている街の人々がざわついていた。
この結果を聞き、アレクシアがマンボウにこの後のことを説明していた。
銛を抜くときにはかなり痛むだろうし、治療が終わるまで我慢してもらわなければならない。
マンボウからの意思表示は伝わりにくいものだったが、理解しているかどうかくらいは分かるようだ。
銛を抜くと痛むことを伝えると、マンボウはかなり動揺していたが、どうにか落ち着いてくれた。
もし痛んでも極力動かないように、というアレクシアの願いも了承してくれた。
この後、2人ずつ4組のペアでローテーションしながら銛を抜こうと試みる。
しかし、なかなか抜けない。
やはり、マンボウが痛そうにするので遠慮があるのも原因だろう。
ルナールとウエットスーツを着込んだ37号でペアになり、海中でマンボウに刺さっている銛を抜こうと試みる。
「こんなものが刺さってれば、そりゃ暴れもするよなぁ……」
ルナールが銛の大きさに改めて驚き、マンボウを気遣うように見つめる。
これだけ巨大なマンボウが暴れるだけあって、銛も普通の銛ではなかったのである。
「こんなに、大きな銛、普通の人では扱えない、のでは」
37号が銛にそっと触れてみて、感想を漏らす。
「ああ、確かにな」
もしかしたら、マンボウはどこか別のところでこの大きな銛を扱えるような誰かに傷つけられ、逃げて来たところを打ち上げられてしまったのかもしれない。
2人で銛を引き抜こうとするが海中だということもあり、作業がしづらい。
しかも、銛に力を加える度にマンボウが痛がって全身に力が入っている。
暴れないように我慢してくれているのだろうが、身が締まって抜けにくくなってしまう。
そうこうするうちに寒さに耐えきれなくなってきたので、一旦作業をやめて海を出て暖を取る。
4番目のローテーションではアレクシアと『シティー・メイド』アーデルトラウト・ローゼンクランツ(p3p004331)がペアを組んで作業にあたっていた。
アーデルトラウトは過酷耐性のスキルでこの冷たい海水の中でも長めに作業ができるが、アレクシアはそうではない。
アレクシアがいた方がマンボウも落ち着いてくれるので、できるだけ2人で作業をしたいところである。
また、アーデルトラウトは力仕事にぴったりのギフトを持っているため、試しにこれを使って抜こうとするが、少し抜けそうになるとマンボウが痛がるため、思い切り引き抜くのは躊躇ってしまう。
「困りましたね、一気に引き抜けば抜けそうではあるのですが、こうも痛がられると躊躇してしまいます」
アーデルトラウトが困り顔で言うと、アレクシアがマンボウにこれから一気に銛を抜くことを伝え、励まし始めた。
この様子に気付いたツカサと『堕眠』モルフェウス・エベノス(p3p001170)のペアが、すぐに海に入れるよう支度を始める。
海中での作業で冷え切った体を暖めていたのだが、銛が抜ければすぐに回復役を担当する予定のモルフェウスの出番が来るからだ。
アレクシアがマンボウを励ましながら、アーデルトラウトに目で合図する。
マンボウが落ち着いている間に、一気に銛を引き抜かせるつもりなのだ。
アレクシアの合図を受け、アーデルトラウトが銛をしっかりと持ち、思い切り力を込めて一気に引き抜く。
さすがにこれはかなり痛かったらしく、マンボウが体を震わせ始めた。
痛みで跳ねまくりたいのを必死に堪えているのかもしれない。
「まずい、離れて!」
マンボウから何かが伝わったのか、アレクシアが警告する。
アーデルトラウトとアレクシアが急いで安全圏まで離れると、マンボウが尻ビレと背ビレ、舵ビレ全てをばたつかせて暴れる。
相当痛かったのだろう。
だが、あまり暴れては傷口からの出血が心配である。
これまで銛が刺さっていたおかげで止まっていたが、銛を抜いたことで出血するのは自明の理と言える。
慌ててアレクシアがマンボウをなだめ、落ち着いたところでモルフェウスとツカサが海へと入っていく。
●治療、そして海へ
ツカサ自身は傷の手当が得意というわけではないが、モルフェウスの指示に従い治療を手伝う。
もちろんこの2人のペアもウエットスーツを着込んでいる。
「予想はしていたが、やはり効かない、か。マンボウが相手となると、どうにも勝手が違いすぎるな」
モルフェウスはまずギフト、夢神の誘いを使ってマンボウの痛みを和らげようとするが、それなりに傷が深いのと相手がマンボウだということで効果が出なかったようだ。
仕方なく、ツカサには医療知識スキルを元に出血を止めるべく指示を出し、モルフェウス自身はSPDとキュアイービルの2つの治癒スキルで傷を癒やしていく。
途中、何度か海から出て暖を取り、数回に分けて治療を行う。
「毎回ついてこなくても良いのだぞ?大丈夫か?」
「大丈夫に決まってるだろ。大体、アンタみたいな美人にだけ冷たい海の中に入らせて、オレは陸で暖まってろってのか?」
「外見と中身は違う、ということか。なるほど」
ツカサの言葉にモルフェウスはクスリと笑い、見た目は10歳の少女にしか見えないツカサの中身は本当におっさんなのだなと納得する。
しかもこのおっさん、口は悪いが世話好きのようだ。
マンボウに向きを変えてもらいたいところだったが、自由に動けるほどの深さがある訳でもなく、また痛みがあるせいであまり動けなかったようだ。
銛が抜けてからは、ツカサとモルフェウス以外のメンバーでサメなどの危険な生き物がマンボウに近づいて来ないよう、警戒していた。
お陰で、時間はかかったが何とか出血も止まり、海に戻って泳ぐのに支障が出ない程度には治療ができた。
この間、海から出て暖を取りながらではあるが、アレクシアがずっとマンボウをなだめ続けていた。
治療が終わると、いよいよマンボウを海に戻さなくてはいけない。
ここまでも大変だったが、ここからも大変である。
何しろ、このマンボウは規格外の巨大さなのだ。
事前にツカサと37号が街の人々に頼んで出してもらった丸太をツカサ、モルフェウス、37号、ルナールの4人で協力して並べ、ローラーコンベアとして使う。
丸太を並べている間に、シクリッド、QZ、アーデルトラウト、アレクシアの4人が木の板と布を使って巨大な担架を作る。
これだけ大きな担架だと、持ち運ぶのも一苦労である。
アーデルトラウトが担架を運び、位置の調整なども行う。
アレクシアがマンボウにこれからの手順を説明し、担架に乗せる時にはマンボウにも動いてもらう。
多少体を浮かせたり向きを変えたりくらいしかできないのだが、それでもこの巨体なので自分で動いてもらえるのは助かる。
さらに漁に使う網も借り、これでマンボウを移動させる。
シクリッドの漁業スキルによる見事な網さばきも、マンボウを傷つけることなく担架に乗せるのに非常に役立っていた。
マンボウの体は大量の粘液で覆われているため、網なしでは上手く動かすこともできないだろう。
足場の悪いところを通る時には、QZが空を飛んで網を引く。
もちろん、アレクシアはずっとマンボウに声をかけ続けていた。
途中からは丸太が海の上に浮いているが、たくさん並べることで多少ずれても良いようにしてある。
ロープの向こうでは、街の人々が固唾を呑んで見守っていた。
QZが網を引くのと同時に、アーデルトラウトが担架ごと丸太の上でマンボウを滑らせるように運ぶ。
担架に使っている板がミシミシと悲鳴を上げて始めているのが聞こえるが、マンボウが無事に海に入るまでもてばいい。
マンボウの体全体が海の上を通過し、丸太の上を滑っていった勢いで思っていたよりは沖の方へと運ぶことができたようだ。
それでもマンボウの巨体さを考えれば、まだ少し浅いかもしれない。
そう心配していたが、マンボウは体全体が海に入ると、器用にヒレを動かして自分で少しずつ沖の方へ泳いで行く。
やはり浅くて泳ぎづらいのか、イレギュラーズとの別れを惜しんでいるのかは分からないが、ゆっくりした動きだ。
自分の力で泳げるようになったマンボウの姿を見て、ロープの向こうで見守っていた人々が歓声を上げてイレギュラーズに拍手している。
どうやら今回の依頼は無事成功したようだ。
「やれやれ…まぁ、無事に終わったんだから上出来だよな」
ルナールがため息を漏らしつつ煙草をくわえる。
その傍らでは、QZが沖へと泳いで行くマンボウを見守っていた。
「あーマンボウいいなぁ…生まれ変わったらマンボウになりたい…」
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
大変お疲れ様でした。
今回は私、文月の担当しましたシナリオにご参加いただきありがとうございました。
皆様の活躍により、巨大マンボウは無事に海へと帰ることができました。
街の人々はもちろん、きっとマンボウも皆様に感謝していることでしょう。
どなた様も素敵なプレイングでした。
少しでも楽しんでいただけましたならば幸いです。
またの機会がありましたら、よろしくお願いいたします。
GMコメント
閲覧ありがとうございます、文月です。
今回は入り江に打ち上げられた巨大マンボウを海に返す依頼です。
以下、補足となります。
●依頼達成条件
・巨大マンボウが跳ねている理由を突き止める
・巨大マンボウを海に返す
この2点両方をクリアすることで依頼達成となります。
まずは跳ね続けている原因を突き止めれば、マンボウが大人しくなる可能性は高いです。
その後で重い動物を上手く運ぶ方法を使って海に返してあげてください。
網や布、丸太やロープなど、何を使っても構いませんが、傷つけないように気を付けてください。
入り江での活動となるので、水辺、水中で動きやすいような準備をしておく必要があるでしょう。
●巨大マンボウについて
かなり巨大で質量も相当なものです。
うっかり潰されてしまわないように気を付けましょう。
●その他
アドリブ不可、アドリブOKなど添えていただけたり、口調や性格等が分かりやすいよう書いていただけたりしますと、大変助かります。
皆様のご参加、お待ちしております。
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