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シナリオ詳細

下着怪盗パンティ・キャッツ二世の災難
下着怪盗パンティ・キャッツ二世の災難

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●天義――聖教国ネメシス王宮にて
 天義国内を震撼させた魔種たちによる事件も、ようやく山場を越えた頃。
 かの国の王宮では事件の事後処理にてんやわんやする一方で、魔種事件により一時的に中断せざるを得なかった、とある完全に別件の重大事件に関する捜査も再開されはじめたのだった。

「なるほど……神はこの獣種の女が下手人だとお示しか」
「さもありなん。この報告書によれば、相手は幻想のアーベントロート家にさえ忍び込んだ手馴れとか」
 唸る重鎮たちが凝視する報告書の一部は、聖なる身には刺激が強すぎる単語が目に入ることのないようあらかじめ塗り潰されていた。そのせいで、名前も後ろ半分しか読み取れない……すなわち、『■■■■・キャッツ二世』と。
 それでもこの場に集まる重鎮たちは、その部分が何であるかをよくよく理解していた。よって、聖騎士の中でも特に口が堅く神に忠実なる者たちを集め、速やかに事件の下手人断罪のために派遣することまでを、一切の滞りなく決めるのだ……ええと、つまり。
 天義国王シェアキム・ロッド・フォン・フェネスト六世の……その……お召し物が……二度と闇市に流れることのないように、と。

●そしてローレットにて
「……つまりは天義の神殿騎士様たちが、闇市にシェアキム陛下のぱんつが流れていることを知って調査しているらしいのですわ!」
 天義事情に詳しい情報屋『俗物シスター』シスター・テレジア(p3n000102)によれば、昨今闇市に流れているという『シェアキムのぱんつ』――その下着は文字通りの聖遺物<レリック>級だ――を巡り、信仰と体面を丸潰れにされたと感じた天義当局が激怒しているのだ。
 盗人の名は、『パンティ・キャッツ二世』。まさか闇市に流れている全てが彼女の仕業だなんてことはあるまいし違ってほしいとは思うが(いやでも犯人が他にもいるとも考えたくない)、女王でも貴族でも令嬢でも一流の冒険者でもお構い無しに人が穿いたぱんつを華麗に盗むとされる、その道では有名な大下着怪盗である。

 そんなパンティ・キャッツ二世から、先刻、依頼の手紙が届いたのだった。内容は……
『今、天義の国境付近の街にいるのだけれど、精鋭聖騎士たちに厳重に監視されていて、さしもの私もこうして手紙を出すのが精一杯なのよね。近くでいい感じに陽動を起こして、上手く彼らの目を惹いてくれない?』
 聖騎士たちは彼女が潜伏する町を、聖獣――聖白馬やら聖鷲やら聖虎やら聖大狼やら聖大白蛇やら聖巨大グモやら――に騎乗して監視し続けているので、彼らが看過できぬほどの事件を起こしてやれば、神出鬼没のキャッツ二世は勝手に危機を脱してくれるって寸法だ。
 おいシスター。曲りなりにも天義の聖職者がこんな依頼紹介していいのかよ。
「……え? 頭のお堅い天義上層部が怒ってるだけで、聖なる品はたとえ怪盗の手の中でも、闇市の中でも、聖なる使命を果たすための場所に現れるものですわ? 実際、陛下ご自身、この件に対して遺憾の意をご表明にはなっておりませんもの!」
 ただし、陛下が不問とも表明していないことだけは注記しておくが。一国の王がコメントできるかこんな件。

GMコメント

 このシナリオは関係者シナリオ用アイコンじゃなくてこれじゃないといけないと思った。
 そんなわけでるうでございます。
 たとえレリック自身が望もうと、天義政府と人民が許さないのでこの依頼は『悪属性依頼』です。
 成功した場合は、天義における名声がマイナスされ、失敗した場合は名声値変動はありません。ご注意ください。

●町
 人口数百人程度の町ですが、国外からの旅人が逗留するため見かけない顔がいてもおかしいとは思われません。
 周囲は高さ8メートル程度の城壁に囲われ、その周囲に深さ3メートルほどの空堀が掘ってありますが、聖なる力でパワーアップしている聖騎士たちの聖獣は、それらを難なく乗り越えるようです。
 町の周囲には農地が広がっており、身を隠す場所はしばらくありませんが、農地のさらに外は森になっています。

●聖騎士×6
 非常に忠実かつ強力で、連携もよく取れています。全員を相手取って勝つための難易度はVERYHARD並になるので避けておくといいでしょう。
 半分くらいは聖獣の能力だという説アリ。

●特殊ルール
 プレイングの最後あたりに【盗まれる】と書いておくと、何がとは言いませんがはいてるものがいつの間にか盗まれてるかもしれません。あとはわかるな?

  • 下着怪盗パンティ・キャッツ二世の災難完了
  • GM名るう
  • 種別通常(悪)
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年07月25日 21時45分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

レッド・ミハリル・アストルフォーン(p3p000395)
レッドが来たぞ
夜乃 幻(p3p000824)
『幻狼』夢幻の奇術師
口笛・シャンゼリゼ(p3p000827)
エリーゼより、貴女へ
クローネ・グラウヴォルケ(p3p002573)
幻灯グレイ
リアナル・マギサ・メーヴィン(p3p002906)
分の悪い賭けは嫌いじゃない
梯・芒(p3p004532)
実験的殺人者
津久見・弥恵(p3p005208)
嫣然の舞姫
高槻 夕子(p3p007252)
クノイチジェイケイ

リプレイ

●ぱんつ経済学考
 何故人は、ぱんつにかくも魅入られるのか。
 その問いに答えられる者は、この無辜なる混沌広しといえども、はたしてどれだけいるのか定かではない。
 だが特異運命座標らの前には、厳然たる事実として闇市に誰かのぱんつが横流しされ、ある種の経済をまわしているのだという現実が横たわるのだった。
「混沌って、通貨のようにパンツが出回る不思議の国だよね」
「だとすれば、何者かがそれを盗まんとすることも、実に合理的思考とは言えましょう」
「本当にそんな人がいるとは思わなかったけどね。しかもローレットがそんな人の依頼を仲介するだなんて」
 『実験的殺人者』梯・芒(p3p004532)と『『幻狼』夢幻の奇術師』夜乃 幻(p3p000824)の分析は、深めようと思えばいくらでも深まる――あるいはドツボに嵌まる――ようにも思われるであろう。
 とにかく……彼女らは依頼を請けたのだ。請けてしまったのだ……ならば。
「ううっ、あの怪盗は、ボクのをも盗む悪人っす」
 不本意さを背負う『ぱんつコレクター』レッド・ミハリル・アストルフォーン(p3p000395)も、今だけはこう宣言してやらなければならないはずだ。
「仕方ないので、逃走の手助けをしてやるっす……ぱんつコレクターの名にかけて!」
 ……って、結局は自分の趣味のためじゃねーか!!

●作戦始動
 上空偵察から戻ってきた使い魔の鴉を肩に乗せ、『幻灯グレイ』クローネ・グラウヴォルケ(p3p002573)は白馬に跨る聖騎士へとかしずいてみせた。
「今はざっと見ただけッスが……それらしき怪しい人影は、見える範囲にはなかったッスよ……ただし、逃げやすそうな路地には目星がついたッス……」
「大義であった、ローレットの術師よ。イーグル殿の監視では目立ちすぎ、町から逃がさぬことはできても捕らえることはできぬと考えあぐねていたところだ」
 そんな言葉をいただいて、クローネは静かに引き下がる。ローレットから派遣され協力しに来たという彼女の言い分は容易く通り、彼女はまんまと町の中の様子を空から確認できた。あとは……皆の作戦の開始に合わせて、再び聖騎士らへの協力のフリをして動けばいいだけだ――本当に協力してパンティ・キャッツ二世を捕まえたほうが世のためなのでは、なんて疑問も抱きつつ。
 ほんとだよ。でも……しっかり依頼はこなさないといけない。キャッツを野放しにしていいのかだとか、こんなヤバい依頼を持ってきたテレジアもそれでいいのかだとか、思うところはたくさんあるけれど、ヴェールで顔を隠してミステリアスな旅人を装う『嫣然の舞姫』津久見・弥恵(p3p005208)は、生粋のエンターテイナーなのだ。
 大通りで、大胆に、妖艶に。一たび肢体を振り乱して踊り始めれば、余計なことなどすっかり忘れてしまう。艶やかと破廉恥の間で伸びる白磁の美脚が、この天義の町の人々をして、踊り子を聖女と思わしむ。

「何事だ!?」
 突如町中に生まれた人だかりを見つけ、建物の屋根の上から聖騎士が問うた。キャッツが人混みに紛れて脱出することをこそ最も警戒する彼らにとって、町中に人だかりが生まれることは、何にも増して危険な兆候である。
 しかし踊りに夢中な弥恵は、聖騎士の誰何に気付かない。もっと見せたい、もっと魅せたい……人々も踊り子に目を奪われて、聖騎士の問いに答えない!
「人々の扇動を止めよ、不正義なるぞ!」
 怒り心頭の聖騎士が、今度は乗騎とともに姿を現した。腹部に聖印の模様の浮かんだ蜘蛛は、その糸を建物の屋根に架け、するりするりと地上へ降りてくる。ようやく気付いた人々が、慌てて聖騎士に道を譲る。聖騎士は蜘蛛の糸で繋いだ節棍を掲げ、弥恵をめがけて振り下ろ――そうとしたその瞬間。

 辺りで不吉に鴉が鳴いて、同時、路地裏でこの世も終わらんばかりの女性の悲鳴が上がったのだった。

●偽パンティ・キャッツ作戦
「今のは何だ!?」
 思わず断罪の手を止め振り返った蜘蛛聖騎士の脇を、巨大な白狼に跨った別の聖騎士が通り過ぎていった。
「悲鳴の方は任せよ!」
 そう言い放って加速する白狼聖騎士の眼前には……裏路地から蒼白な顔でふらつき出てきた『桃巫女狐』リアナル・マギサ・メーヴィン(p3p002906)の姿。
「き、騎士様! 助けてください!!」
 跪いてこの世の終わりとばかりに白狼の前足にすがりついてみせたリアナルの姿はどこからどう見ても清楚かつ可憐で、決して日頃からパンツはいてないとかシュレディンガーのパンツだとか言われてる人物の姿でも、三十路女が無理矢理若作りして可憐な少女を装っている姿でもない。いいね? あっ今年齢Unknownにしてるのに歳バレた気がする。
 ……今のは見なかったことにしよう。
 少なくとも白狼の上から嘆き伏せるリアナルの背中を眺めてばかりの聖騎士からは、彼女は本当に弱々しく見えたことだけは間違いない。
「む、一体何が起こったのだ?」
 聖騎士が問えばもじもじと、言いにくそうに答えてみせるリアナル。
「それが、その……」
「どうした、遠慮せずに申してみよ」
「ええと……パ……」
「パ……?」
「その……信じてはいただけないに違いありませんが……」
 そりゃあ乙女がぱんつ盗まれただなんて、いくら相手が聖騎士様でも口に出すのは憚られるよね。そんな感じの時間稼ぎは、最後まで言わずとも事態を察したらしい白狼聖騎士にとっては、何も不審なところはないように見えた。そればかりか彼がすぐさま虎聖騎士を呼び出してくれたのは、まさに願ったり叶ったりというやつだ。

 虎聖騎士は犯人が逃げたという方角へと虎を駆り……その途中、とある路地裏で繰り広げられていたひとつの光景に不審を抱いて、そっと逆戻りして様子を伺わなければならなかった。
 その光景とは――『クノイチジェイケイ』高槻 夕子(p3p007252)がひとりの町の娘に、甘い吐息を吐きかけているところ。
「ふふ、あーし。貴方の事超気に入ったわぁ」
 挑発的で蠱惑的な夕子のJK忍法は、これまで禁欲的に育てられてきた同じ年頃の娘にとって、どれほど背徳的に、そして魅力的に映ったことだっただろうか? 思わずとろんとしはじめた瞳。彼女はすっかり骨抜きになってしまっているようで、そっと首筋に指先を当ててもぴくりと反応したきり動かない……。
「いろいろ、シテあげる」
 夕子が耳元で囁きかけたとしても、娘は焦点の合わぬ双眸でどこか宙の一点を見つめたままだった。
 指先を、そっと鎖骨へと下ろす。そこからさらに胸元を這わせ、そして、さらに下のほうへと……。
 もう一押し……と彼女は微笑み囁いてみせる。
「だから、貴女の下着……ホ・シ・イ・ワ」

 その言葉を聞いて娘はようやく何かがおかしいと気付き、ほとんど密着しかけていた夕子を押し戻そうとした。
「あなたは何……!? 私に何するおつもりですか……!」
 揉み合いが始まった。娘は夕子の腕を跳ね除けようとして、夕子はそれを抑えつけんとする。
 そんな揉み合い(ところで『揉み合い』を破廉恥な意味で取った人は後で断罪するので天義当局に出頭するよーに)が始まれば、虎聖騎士としても慌てて止めに入るほかはなし。しかし聖騎士が両者の間に割り込むより早く……ひとりのメイドが両者を止めにゆく!
「まあまあ、口笛に任せるでありますよ」
 きっと両者を宥めてくれるのだろう……と聖騎士は考え速度を緩めたに違いなかったが、『はんぶんメイド』口笛・シャンゼリゼ(p3p000827)はあろうことか無駄にスムーズな動きで娘の足元にしゃがみ込み、流れるような手つきでスカートの中へと手を入れた。
「むむ……ピンク。イエス、これはシャッターチャンスであります」
 娘の両脚を抱えるように浮かせながらスカートの中から何かを取り出した口笛の手の中には、可愛らしい、ピンク色の乙女のぱんつが輝いていた。娘が真っ赤にした顔を今にも泣き出しそうに歪め、一度は減速した虎聖騎士が、目の前で行なわれた憎むべき凶行への怒り心頭になる。再加速する聖虎。しかも犯人は、前から見れば冷静沈着なメイド姿ながらも、後ろから見れば服が切り取られて下着姿という破廉恥女ではないか!
 さて……こんな時はとっとと逃げるに限る。相手が大型動物に騎乗していると判っていれば、彼らに通れぬ細い路地を通ればいいだけであります……が、その時!
「甘いわ! お任せいたしましたぞイーグル殿!」
 上空を大きな影が覆って、巨大な鷲が優雅に辺りを旋回してみせた。上空から追うのは聖鷲の聖騎士。たとえ口笛が細路地を抜けようと、お食事中のお宅に窓からお邪魔しようと、その鷹の目は決して彼女を逃しはしない! ……と言いたいところだが。

 口笛が鷲聖騎士の目を惹きながら逃げつづけてしばらく経った頃……今度は当初の大通りから、絹を裂くような悲鳴が上がったのだった。
「今誰か、私のパンツ盗みませんでした!?」
 恥じらいうずくまった弥恵の視線は、何故だか蜘蛛聖騎士のほうを睨みつけてばかり。蜘蛛聖騎士は確かに弥恵を断罪しようとはしていたが、下着ドロ扱いされる謂われなどあろうかいやない!
 弥恵を非難しようとした蜘蛛聖騎士だったが……よく見れば踊り子の視線は、聖騎士の近くの別の人物に向いていたことを理解した……謎のマントとフードの人物だ。その人物は弥恵のみならず蜘蛛聖騎士にも視線を向けられたのに気付き、慌てて別の路地へと逃げてゆく!
「怪しい奴め! だが愚か者め……貴様の行く先にはヴァイパー殿が待ち構えておるわ!」
 蜘蛛聖騎士は勝ち誇ったが……実は蛇聖騎士ヴァイパーは、ちょうど別の相手にかかりきりだったりするんだけどね。その相手とは……。

「貴様! 陛下の仮装でそのような行為、甚だ不敬であるぞ!」
「何を仰るのでしょうか? 僕は、シェアキム・ロッド・フォン・フェネスト六世陛下を称え、感謝を捧げる寸劇をしていただけで御座います」
 丁重にお辞儀してみせた幻の格好は……えっ、なんで全身タイツ??? ちなみにそんな幻のちょっと隣を見れば、くそ安っぽい生地で作られたコスプレ用高位聖職者衣装が脱ぎ散らかされてたり。そして両手で恭しげに天に向かって捧げていた脱ぎたてぱんつが、その聖なる役目を終えて神の御許に召されて……もとい、ギフトの具現化時間が終わって消えた。それからギフトが再発動して再び幻の下半身に現れた。幻がバラ撒いたチラシを読んで、お芝居とはいえ陛下のご尊顔が拝謁できると喜んでいた民衆は、あまりの不敬に激昂したり気を失ったりしつつ、怒涛のごとく幻(+不幸にも隣にいた蛇聖騎士)へと押し寄せる! 免罪符? この状況で通じるかそんなもん!!
「ああっ、ヴァイパー殿が……! ならば仕方あるまい、エクウス殿もご加勢を!」
 すると町の外で馬がいなないて、神々しいその白い姿が太陽を背に跳躍する。
「術師殿……空で旋回する鴉を追えば良かったのでしたな!?」
 馬聖騎士は空中で振り返って尋ね、クローネはこくりと頷いてみせた。ただし……導いた先は、あくまでも幻と蛇聖騎士がいる辺り。別にローブの不審人物のところに案内しろとは言われてないもんね。
 そんなわけで馬聖騎士がようやく殺到する民衆たちの中心に辿り着いた頃には不審人物は遥か遠くまで逃げ伸びていて、ばさぁとマントとフードを脱ぎ捨て宣言するのだそしてその頭には、燦然と輝く男物ぱんつ!!
「パンツーキャッチ二世、参上っす! ふーっふっふ、この世のぱんつは全てボクの手中に収まるものっす……聖遺物<シェアキムのぱんつ>はいただいたっすー!」
 リアナルはしみじみ思ったのだった。頭にぱんつ被るとか、未来に生きてんな……と(※ただし相談中、最初に口走ったのはリアナルです)。
 まあそれはともかくとして、町の入口を守る聖騎士がいなくなった今、パンツーキャッチ二世もといレッドは出口にダッシュ! 頭のものは実は国王陛下のものではなく聖騎士団長レオパルのものだったりもするが、そんなこと傍目から判るはずもなく、もう弥恵なんて断罪してる暇ないのではとようやく気付いた蜘蛛聖騎士が、蜘蛛の8本脚ダッシュでレッドを追いかけてゆく! ……が、そこに横合いから体当たりしてくるハイパーメカニカル子ロリババア!
「ぐぬぅっ!? 我らの正義を邪魔するか!」
 聖騎士は、レッドを見失って悪態を吐いた。だが幸い……その任務を引き継ぐ人物が、レッドを追っていってくれている。
「待てー! 偽キャッツ二世ー!!」
 それは今まで町中に現れることなく、どこかで何かを準備していた芒だった。召喚前は数多の犠牲者を逃すことなく仕留め、そして決して捕らえられることなく逃げおおせた足が、その素早さを遺憾なく発揮してレッドを追う! ……なーんてことはせず。
 聖騎士たちがちょうど視界から消えた辺りで、彼女はレッドを見送って、その辺をいかにも仕事をしているかのようにうろうろしてみせるのだった。
 蜘蛛聖騎士がようやく追いついて、犯人を追わずにぷらぷらしている芒に、犯人はどうしたのかと問い詰める。
「残念ながら、彼奴めには逃げられてしまった……」
 忌々しげに答えた芒。だがしかし……その手の中を見よ。芒は小さく折られた紙を、聖騎士へと渡してかく語る!
「だが私はキャッツ二世を追ってきた探偵でね。この場はあの偽キャッツを逃がしてしまったが、私は本物のキャッツから偽キャッツに宛てたものらしい、このようなメモを見つけてしまった」
 そしてそのメモとやらを眺めた瞬間、聖騎士はとある事実を理解してしまった……紙にはクローネが馬聖騎士に告げた逃走経路予測と、ほぼ合致するルートが書き込まれている! まあクローネの情報を元に書いたんだから当たり前なんだけどね!
「これは……下着怪盗をわざわざ追わずとも、このルート周辺を重点的に警戒すれば良いということではないか!」
 さあ、町中で無様な追いかけっこを繰り広げている聖騎士たちを呼び戻さん! 愚かなりパンティ・キャッツ二世……汝は飛んで火に入る夏の虫!
「他のルートも用意されていないかは、私が調べにゆこう。手分けせねばね」
 そんなことをしれっと言って堂々と歩み去っていた芒を、残念ながら、聖騎士は怪しく思ったとしても嘘と断じる理由なんてなかったのだった。
 当初より1人欠けた聖騎士たちが、町の偏った位置に陣取りはじめる。その間に特異運命座標らは、こっそりと逆の側から退散してゆく……ところで、本物パンティ・キャッツ二世は?

●大下着怪盗の恐怖
「……あれ? おまたすーすーするっす?」
 レッドが不意に怪訝な顔をしたのは、任務完了後の帰り道のことだった。
 いやまさか。誰も本物キャッツを見てもいない以上、決して“そんなこと”はありえない。ありえないはずなのだ……が。
「ちょ!? あーしもなんか感触変だしー?」
 夕子まで唐突にそんなことを言い出したじゃないか……ふむ?
「……確かに、いつの間にか盗まれてるでありますな」
 そんな夕子のスカートを覗き込んで確認した口笛だったけれども、読者の皆様にはパンドラの奇跡で逆光になったところしかお見せできないことをお詫びしておこう。
「ちょ、おま……マジやばいから!?」
「? 確かに口笛が盗まれればえらいことになるでありますが、この口笛、そんな隙は見せないでありま……む?」

「接触してないはずなのに……私も盗まれてる?」
「わわ、私まで盗まれてしまうなんて……!?」
 立て続けに芒の疑問の声と弥恵の悲鳴が上がり、離れて箒に跨っていたはずのクローネまでも、下からの謎の視線を感じるようになって事態に気付く……どこ吹く風の表情を浮かべているのは、全身タイツの中に念のため2枚重ねでぱんつを穿いていた幻くらいだろうか?
「さしものパンティ・キャッツ二世様も、この防備の中から盗むなど不可能で御座います」
 だが君は知っているだろうか? 人はそれを『フラグ』と呼ぶのだと。
 幻がその事態を知ったのは、全てが終わり普段の格好に着替える時だったという。
「おや……? 何故か1重になって御座います」

「まさか……ボクのだけじゃなく、全員盗まれたっす!?」
「この様な仕事を頼むのなら、盗んだシェアキムのぱんつを儂らに寄越せって言う話じゃまったく」
 だが代わりに依頼成功報酬に添えて全員のぱんつが送られてきたのは、そんなレッドの悲鳴やリアナルの文句が出てからしばらく経ってのことだったそうな。

成否

成功

MVP

夜乃 幻(p3p000824)
『幻狼』夢幻の奇術師

状態異常

夜乃 幻(p3p000824) [重傷]
『幻狼』夢幻の奇術師

あとがき

 このシナリオを出した時には、実にセンシティブな内容ゆえに、はたして皆様にご支持いただけるものか心配になったものです。
 ですが蓋を開けてみたなら……えーと……性別『女性』が7で『不明』1? しかも全員盗まれる……だと!?
 どうやらお楽しみいただけたようで何よりです。ちなみにキャッツがいつ町からの脱出に成功したのかだとか、どのタイミングで皆様のぱんつを盗んだのかは私にもさっぱり判りません。きっと怪盗的な鮮やかな技で、上手いことなんかいい感じにしでかしたのでしょう……ところで。

 おや? やみいちの ようすが……?

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