PandoraPartyProject

シナリオ詳細

かーいはっつじゃい! かーいじゃっつじゃい!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●こらー
 巨大な樹幹にくりぬかれた穴の中に木製のスツールチェアが並び、切り株めいたテーブルを人が囲んでいた。奥にはカウンターと棚がこぢんまりと立っていて、喫茶店のマスターめいた格好の男が皿を洗っている。
 そこへ突然、ドアを激しく開ける音。
「みんな大変だ! 森拓キル次郎がやってきたぞ!」
「「ナァニィ!?」」
 この二行でことの重大さがわかった画面の前のキミ! 君は深緑博士だな!
 分からない人のために説明すると森拓――
「森拓キル次郎といえば深緑(アルティオ=エルム)の周辺霊樹区域に侵入しては霊力のある木を切り取り鉄帝や幻想に売りさばいているという森賊(山賊や海賊の森版だよ☆)の頭目だな! ついに俺らのアンドゥ霊樹に目をつけたようだぜ!」
 おおいてめぇ今モノローグが説明しようとしてたところだろ!
 代わりにお前のこと説明してやる!
 彼はアンドゥ霊樹に住む熊獣種の斉藤さんだぞ! もともとラサの生まれだったけど色々あってアンドゥ霊樹へ移住してきたいわゆる移民なんだ。
 あの閉鎖的な深緑が移民を受け入れるって結構ヘンな話だけど、ファルカウの外に点在する霊樹はわりと自治に頼っていたりするし外国と深緑を繋ぐ出島的役割をもってることもあるんだ。外港に外国人が住み着きやすいのはどこでも同じなんだね!
 と、そこへ次々と現われる森の仲間たち。
「キル次郎が来たと言うことはまた鉄帝の開発兵器を持ち込んでいるに違いないZE!」
「「お前は虎獣種の佐藤!」」
「噂じゃ奴の開発兵器『バッサイ君28号』は前バージョンよりパワーアップし運転席にはラジカセとアロマ空気清浄機まで備わっているというジェ」
「「お前は兎獣種のラビ藤!」」
「キャタピラ移動するバッサイ君シリーズは二本のパワーアームで木をごりごり削っては背中のメタルショイコに収納していく便利な開発兵器だ。古代の技術がもりもり入っているんだぜよ」
「「お前はカニ獣種のバサ藤!」」
「しかも今回はドローン伐採メカを沢山搭載していて前のように囲んで棒で叩く作戦が通用しないゼィ」
「「お前はイワシ獣種のイワ藤!」」
「それなら俺も知ってるんだぜ。ドローン伐採メカは複数のプロペラで飛ぶ全長80センチくらいの円盤状メカで格納したハサミやサブマシンガンで攻撃してくるガチなメカなんだぜ」
「「お前はチューリップ獣種のチュリ藤!」」
 おいまて貴様らキャラ紹介までとるんじゃねえ! 文章が台詞だらけになるだろ!
 あと画面の前の君もそろそろ違和感に気づき始めたと思うけど、こいつらぜんぜん獣種じゃねえ!(あと口調が被りすぎて把握しづれえ!)
 ディープシーやウォーカーやハーモニアが思い切り混ざってるが、熊やネコの耳とか手袋とか覆面とかつけることで『あっ俺獣種なんで』と言い張ってるなんちゃって獣種なのだ! コンプライアンス的なアレコレでこのアンドゥ霊樹に立ち入る者は全員獣種じゃないとダメってことになってるんだ。ガバガバかよ。
 ちなみに熊獣種の斉藤さんは地球世界の20世紀日本から来た55歳のおっさんだよ。熊の覆面を被ることで熊獣種と言い張っているよ。
『かーいはっつじゃい! かーいはっつじゃい!』
「うわあもう来てる!」
 バッサイ君特有の駆動音(?)が近づいてくる。
 なんちゃって獣種たちは『ここが斬られたら住むとこねえのに!』と頭抱えていたが……。
「うろたえるなァぃ!」
 スイカジュースの入ったグラスを置き、豪快に立ち上がる我らが――。
「あんたは! スイカ獣種のスイ藤ちゃん!」
 そう、みんなおなじみ出亀炉 スイカ(p3n000098)だね!
「こんなこともあろうかと、ローレットからイレギュラーズを集めておいたぜ!」
 親指を立てたスイ藤ちゃんに、なんちゃって獣種たちが『オオ』とどよめいた。
「イカしたブラザーを紹介するぜ! まずは――」

GMコメント

 こんにちは、黒筆獣種のスミ藤です。

 皆さんは情報屋のスイカちゃんに依頼されてアンドゥ霊樹の喫茶カフェ藤にきています。
 事前情報から『ここに入る奴は全員モロな獣種じゃないとダメなんだゾ☆』と聞いていたあなたは頭全体を覆うかぶり物をしたり着ぐるみをきたりしてなんかの獣種になりきっています。
 たとえあなたが元から獣種であったとしても頭に熊のかぶり物とかしています。スイカちゃんの勢いにのせられたようですが、後から考えたらほんとなんでだろうね。

 そんなわけで今回の相談掲示板では一人ずつ立ち上がって『俺は○○獣種の○○藤だぜ!』と名乗っていきましょう。たとえ一回普通に名乗っちゃってもいっそ名乗り直せばいい。
 もう気づいたと思うがこのシナリオ、ノリがすべてだぞ!

 そして本題がこのトンチキ空間によって吹き飛んだ気がしますが、深緑でも悪名高い森拓キル次郎の操る『バッサイ君28号』が霊樹を伐採しようと攻めてくるのでこれを倒そうという依頼です。
 戦ってる最中に覆面やきぐるみをとっちゃだめなので、なんかふごーふごーすると思うけど頑張ってくれ!
 おさらいするとバッサイ君はキャタピラ移動して二本のアームをのこぎりとか火炎放射器とかにして襲いかかるパワータイプのめっちゃでっかいやつだ。
 沢山のドローンをしたがえていて、ドローンのかずはいっぱいだ。スイカちゃん頭がスイカだから五つより上の数は『いっぱい』って数えるんだ。

 それじゃあ皆! いくぜ!

■アドリブ度(ア藤)
 このシナリオではそれはもうぶん回したアドリブがぶっこまれることがあります。
 親がアドリブに殺されたとかアドリブを食べるとじんましんが出るみたいな事情があってダメなひとはプレイングに『アドリブなし』『アドリブ禁止』みたく書いてくれればそこの描写だけカットしてお出しします。甲殻類アレルギー者の飯からエビを抜く寿司屋みたいに。
 けど俺は行けるぜガンガンいけるぜって方は『アドリブ歓迎』とか『安藤歓迎』とかいうトンチキな文言をプレイングに書き込んで深夜ゲラゲラ笑いましょう。

  • かーいはっつじゃい! かーいじゃっつじゃい!完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年07月19日 22時15分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ツリー・ロド(p3p000319)
ロストプライド
シャルレィス・スクァリオ(p3p000332)
蒼銀一閃
パティ・ポップ(p3p001367)
ドブネズミ行進曲
エリザベス=桔梗院=ラブクラフト(p3p001774)
特異運命座標
ブーケ ガルニ(p3p002361)
兎身創痍
ラクリマ・イース(p3p004247)
白き歌
村昌 美弥妃(p3p005148)
不運な幸運
アルメリア・イーグルトン(p3p006810)
緑雷の魔女

リプレイ

●イカしたブラザーを紹介するぜ!
「俺ははぜにゃんゴリラドラゴン獣種のハゴラ藤だぜにゃん!」
 いきなり意味のわかんないキメラが誕生したが読者諸兄はついてきているだろうか。一行目でブラウザバックは寂しいからもうちょっとだけ見て?
 『はぜにゃんゴリラドラゴン獣種』シャルレィス・スクァリオ(p3p000332)はスイ藤に言われるがままおでこに爆弾マークのついたにゃんこマスクを被りゴリラ手袋とドラゴンテイルを装備し獣種になりすましていた。
 こんな獣種いねえよって突っ込みはもう十日遅い。
「森を荒らす賊は許さないんだぜにゃん!」
 自分の存在意義というか正しさ的なものを自問自答しながらも、始めちゃったからにはやり通そうと決める真面目なシャルレィスもといハゴラ藤であった。
「ハゴラ藤……そんなに森想いな奴だなんてな。さすがはぜにゃんゴリラドラゴン獣種だぜ」
 人差し指で鼻をすすりながらくしゃっと笑う熊獣種の斉藤。
「そ、そうだぜにゃん!」
 なんで旧知の親友みたいに接してるんだとおもったけど乗ってくれたのでそのまま乗り切ることにした。通勤快速みたいな取り返しのつかなさである。
 そんなビッグウェーブもみんなで乗れば恐くない。
 『ドブネズミ行進曲』パティ・ポップ(p3p001367)がザッと身を乗り出した。
「ネズミ獣種の、パティ藤・ポップでち。とりあえじゅ、廻りの迷惑でちから、たおちゅでち!」
「ネズミ獣種のパティ藤!」
 急に酒場の戸口にたつ『隠名の妖精鎌』サイズ(p3p000319)。
「通りすがりの鍛冶屋だが……やはりバッサイ君を倒しに行くのか。俺も同行する」
「鍛冶屋院!」
「ロボ獣種のエリ藤だZ!」
 テーブルの下からZ型の襟をつけた『特異運命座標』エリザベス=桔梗院=ラブクラフト(p3p001774)が飛び出してきた。
「ロボ獣種のエリ藤! 来てくれたんだZE!」
 ガッツポーズで身を乗り出す虎獣種の佐藤!
 ここの住民は初対面が獣種を名乗ったら旧知のフリをする決まりでもあんのか。
「ちょっとまて、ロボとアンドロイドって違――」
「Zーーーーーーーーーーー!!」
「グワーーーーーーー!」
「佐藤ーーーーーーー!」
 丸太を振り回して突っ込み担当を酒場から放り出すエリ藤。
 この瞬間からこのシナリオにおけるツッコミ担当が消えた。
 (常識人枠のサイズは今回黙って働くことに決めたらしく最初からエントリーしていないらしい)
 そしてツッコミ不在のまま話を進める兎獣種のラビ藤。
「心強いジェ。四人ものイカれたブラザーたちが駆けつけてくれるなんてなジェ!」
「おっと、俺を忘れてもろたら困るやん」
 『兎身創痍』ブーケ ガルニ(p3p002361)が『話は聞かせて貰ったぜのポーズ』で酒場の入り口に寄りかかって現われた。
「俺は末法獣種のウサ藤!」
「来てくれたのかジェ末法獣種のウサ藤!」
 頭からマッポーの覆面を被ったウサ藤は『せやねん』と言ってサムズアップした。今日に限ってウサ藤の口調がブレにブレるけどそういうキャラ付けやねん堪忍してな。
「スイ藤ちゃんとは15分来の大親友やんね!」
「おいおい何言ってんだウサ藤」
「え、違うん……?」
 悲しみの目をして振り返るウサ藤。
 スイ藤(お前の出番はOP時点で終わった筈では!?)が人差し指で鼻をこすりながらくしゃっと笑った。
「15年来、だろ☆」
「スーイ藤ちゃーん!」
 がしっと握手を交わし拳を上下にこんこんうちあってから腕組みしながらくるくる回る二人。
「いかれたブラザーが五人もそろうなんて奇跡だぜよ。こりゃあいけるかもしれんぜよ!」
 カニ獣種のバサ藤が熱血気味に拳を握ると……。
「おっと、俺を忘れてもらっちゃ困りますね!」
 『白き歌』ラクリマ・イース(p3p004247)が『話は聞かせて貰ったぜのポーズ』で酒場の入り口に寄りかかって現われた。二人目だ。
「悪の猫獣種の薔薇藤参上!」
「悪の猫獣種の薔薇藤! お前が来てくれるとはぜよ!」
 ラクリマもとい薔薇藤はたまたま手元にあったという秘密結社XXXの宣伝にゃんこきぐるみを纏って『よっ』みたいな感じで二本指を翳した。
「霊樹を伐採するやつはこの薔薇藤が許しませんよ! ハーモニアとして!」
「んっ?」
「ハー……はーむ……はぅぶるーぶらっととして」
 いますごい無理のある言い換えをしたけど誰もつっこまなかった。ツッコミ担当は丸太で飛んだからだ。
 イワシ獣種のイワ藤がニヒルに笑った。
「壮観なんだぜ。六人ものブラザーがいればバッサイ君も倒せるかもしれないんだぜ」
「おっとぉ、ワタシを忘れて貰っちゃ困りマスぅ!」
 『不運な幸運』村昌 美弥妃(p3p005148)が『話は聞かせて貰ったぜのポーズ』で酒場の入り口に寄りかかって現われた。三人目である。
 これ以外の登場をしたら死ぬ呪いにでもかかってるのか。
 あといま入り口ぎっちぎちやぞ。
「お、お前は……!」
「不幸獣種のみやび藤だぜ! デスよぉ!」
 パチンとウィンクしてみせる黒いもこもこした物体。
 ここまで歩いてくるのに相当暑いおもいをしたのかなんか足下が水たまりみたくなってるし、さっきからすげーぜーぜーいっていた。
「お、おまえ……」
「森賊とは見過ごせない案件デ、だぜデスぅ!」
 口調まで変える必要はなかった気がするが、郷に入っては郷に従うみやび藤であった。
 おかげで外見も喋りも原型がまるで残っていない。
 誰だろうこの黒い塊。挿絵ピンが仮にあったとしても判別をつける自信が無い。
「ははーん、わかったわ……これはあれね。考えたら負けのやつね」
 『絵本の外の大冒険』アルメリア・イーグルトン(p3p006810)は入り口でぎっちぎちにはまった仲間たちを外から観察しながら何かを察した。
 同じ深緑でも知らないことがいっぱいあるのねみたいな次元では済まされない、超次元的なトンチキフィールドがここにはあった。
 たぶん世界のどこにあったとしても似た反応を受けると思う。
「待たせたわね、ジャガー獣のジャガ藤よ!」
 ジャガーさんの着ぐるみを頭だけかぶり、なんか左右にふらふらしながら現われるアルメリア。
「「ジャガ藤、来てくれたのか!」」
「あとこれだけは言わせて貰うわ……スイカは獣じゃないのよ!」
「しかもジャガ藤ツッコミ役だ!」
「Zーーーーーーー!!」
「ロボ獣種のエリ藤が口封じにかかったぞ!」
「とめろー!」
 うおーという叫びと激しい物音。そして広がるドタバタの煙。
 そして皆もう気づいてるかな? 本来の目的であるところのバッサイ君が登場するまえに尺の五割を消費している事実に。

●タイトルが誤字っている? むしろ丁度いいわ!
「かーいっはつじゃい! かーいはっつじゃい!」
 二本のアームをぐおんぐおんしながら迫るバッサイ君28号。
 真面目枠のサイズはアンドゥ霊樹の喫茶カフェ藤の窓から飛び出すと、バッサイ君の周りを飛ぶようにして動きを阻みはじめた。
「俺は呪血鎖で火炎放射器を縛れないか試してみよう。もし縛れたら次はキャタピラに狙いを定めて魔力撃を打ち込む。履帯を切れば走行不能になるはずだここが森である以上山火事に発展する可能性もあるからできる限り早く破壊し――」
「かーいはっつじゃいっと」
 バッサイ君28号がよっこらせといって二本足でたちあがった。
「…………」
「…………」
 ゆーっくり振り返るサイズ。
「え、ちょ、私を見られても!」
 シャルレィスもといハゴラ藤が助けを求めるようにカニ獣種のバサ藤へと振り返った。
「古代兵器だ。歩くくらいするぜよ」
「お前なあ。そういうのはなあ。最初にだなあ」
「そうだよ! サイ――鍛冶屋くんはものすごく真面目にバッサイ君の破壊方法を考えたんだよ! このトンチキな依頼でたぶん唯一キャタピラを切ろうとか考えたんだよ! これまでずっと囲んで棒で叩いてたっていうのに」
「そういうフォローはいらなうぐ!?」
 高速で身体ごと振り返ったハゴラ藤のドラゴンテイルがサイズに直撃した。
 すごい勢いで吹っ飛んでいくサイズ。
「サ――鍛冶屋くーーーーーーん!!」
「よくもやったでち。覚悟でち」
 パティ藤が飛びかかり渾身のブレイブラッシュ。ついでの紫電一閃。
 敵の数が一体になるまでこの攻撃を続けるとても真面目な戦闘すたいるだぞ。
「かーいはっつじゃい」
 バッサイ君の振り回すアームがパティ藤を掴み取り、ぐるんぐるん振り回しはじめた。掴まれながらも反撃を続けるパティ藤。
「なんという荒々しい姿……深緑の豊かな自然と、練達の先鋭的な科学技術。この二つが共存しているこの世界はとてつもなくレアケースですのに、そのバランスを崩そうとするとは、愚かですわね……やはり人類というのは、全てが手遅れになってからでないと気づけないのでしょうか。哀しいサガですわ……」
 途中で噛みそうな長台詞を言った後、エリ藤は目(着ぐるみの目)からはらはらと涙を流した。
「エリ藤はんエリ藤はん」
「なんです」
 こめかみあたりにある蛇口ハンドルをきゅっとしめて涙をとめると、エリ藤が頭だけで振り返った。
 穴からウサギ耳だけ出る深編笠を被った虚無僧スタイルでブーケもといウサ藤が高速反復横跳びをしていた。
 タンバリンを叩きながら反復横跳びをしていた。
 これがシャドウステップの使用シーンだって言ったら信じる?
「あんなあ、俺な、森拓キル次郎はんが許せへんのよ」
「はい」
「せやからな、俺な、森拓キル次郎はんに呪いをかけることにしてん」
「はい」
「そんでな、俺な、めっちゃ念じたら呪いかけられるよおになった気がするんよ。森拓キル次郎はんがこの先毎晩おねしょする呪いなんよ」
「はい」
 ハンドルをぎゅぎゅっと開いて目からまっすぐ涙を発射するエリ藤。それを上半身をちゅーちゅーにとれいんする動きで回避するウサ藤。
「ちょっとあなたたち!」
 アルメリアもといジャガ藤がびしっと指を突き出した。
「仲間がアームでぶんぶんされてるのよ! 喋りで尺を使ってる場合じゃないでしょ!」
「尺とかゆうたらあかん」
「一緒に戦うのよ。私は後方からメガヒールで回復するヒラ藤を勤めるけど、手隙があればマーシーボールの魔術を使って攻撃もするわ。命中精度に難があるけど待機状態から最後に攻撃することで集中攻撃補正がかかって約30の回避ペナルティを与えることができるの。私はこれを積極的に利用することで攻撃を当てていくことにするわ。つまり殴りヒラ藤よ!」
「ジャガ藤はん……」
「なんて真面目な戦闘方針なのでございましょう。けど端々に藤が咲いてらっしゃる」
「今思い出したんやけど、ヒーラーとアタッカーはわかるけどバフをかけるひとってなんてよぶん? バッファー?」
「それは緩衝器では」
「一説にはHP増加魔法が回復とは別の緩衝を意味するBufferと呼ばれたことを語源としているから意図としては間違おとらんのやない?」
「はくしきー」
「だーかーらー!」
 ジャガ藤は両腕をぶんぶんして上半身をのけぞらせた。
 その勢いで被っていた着ぐるみヘッドの重心が後ろに集中し、ジャガ藤は腕をぐるぐるやったあと勢いよく後ろ向きに転倒した。
「なにをやっているのですか! 今は戦いの時……そして森は神、木々は家族なのです!! 霊樹を伐採とか? する? やつは? なぐる!」
 霊樹原理主義過激派みたいなことをいって得物を頭上でぐるんぐるん回転させるラクリマもとい薔薇藤。
 こうやって書くと鎖鉄球や槍を振り回してるように思えるかもしれないけど薔薇藤の武器をよく見てごらん? なんて書いてあるかな? そう、魔導書だね!(教育番組的問いかけ)
「絶対阻止!! 絶対死守!! 伐・即・斬!」
 魔導書をピザ職人みたいに頭上でぐるんぐるん回しながらほわーといって突撃する薔薇藤。
「うおー! 薔薇パンチ!」
 薔薇藤の悲嘆なる贖罪パンチが炸裂した。
 人々の罪をあがない救うために。己の血を捧げ織りなす血の鞭。敵の不浄を打ち払い、安息へと導きます。(フレーバーをコピペしています)
「木々の痛みぃー!」
 さらっと混じっていた不幸獣種のみやび藤が持っていた刀をせいやーつって投擲した。
「とりあえず前線でバッサイ君をみなさんと一緒にマークして今以上に木が切られないようにしましょう」
「かーいはっつじゃい」
 とかいってる間にみやび藤もアームで掴んでぐるんぐるん振り回され始めた。
「不幸獣種のみやび藤ーーーーーーーー!!」

「ちゃちゅがに、敵も、このこうちぇいにたえられないでちからね」
「いまさらデスけどぉ、火炎放射してこないデスねぇ」
「かーいはっつじゃい」
 パティ藤とみやび藤がぐるんぐるんされながらもブレイブラッシュや魔力撃を叩き込んでいると、バッサイ君の背中ががばっとランドセル式に開いて大量の戦闘ドローンが飛び出してきた。
「「カーイハッツジャイ!」」
 みやび藤たちをそれぞれ取り囲んでサブマシンガンで集中砲火を浴びせる戦闘ドローンたち。さらにはバッサイ君が今まで存在を忘れてたんじゃないかってくらい使わなかった火炎放射器をいきなり使って燃やし始めた。
「パティ藤とみやび藤ー!」
「とりあえず壊したぞ、キャタピラ」
 サイズが手に持った鎌でバッサイ君のキャタピラをバキバキに壊した所、なんかすねを蹴られた人みたいにバッサイ君が崩れ落ちた。
「かーはっつじゃい!?」
「あっ、意外と効いてる!」
「あの二本足なんだったんだ」
「い、いまだー!」
 シャルレィスもといハゴラ藤がバッサイ君の腕をずばーっと切り裂いた。
「くっ……!」
 そして膝を突くハゴラ藤。
「どうしたハゴラ藤!」
「暑い……けど外したら正体が……のど乾いた……スイカ、たべ、たい……」
 がく。と倒れるハゴラ藤。
「ハゴラ藤ーーーーーーーー!!!!」
「よくもハゴラ藤を、許しません!」
 エリ藤と薔薇藤が樹を伐る奴みんな吹っ飛べ光線と悪のネコタンビームを発射した。
「「カーイハッツジャイ!?」」
「ドンドン参りましょう。人生は闘争でございます。かかって来いやぁ!」
「皆殺しにしてやるのです!!」
 なんか次々と爆発していく戦闘ドローン。
 ジャガ藤がその光景にゆっくりと首を振った。
「すごいわ。今までの流れが嘘だったみたいに素早くカタがついていく……はっ、もしかして!?」
 そのもしかしてだよ。
 ジャガ藤は何かを察し、残り少ない尺に割り込むかのごとくマーシ―ポール魔術を連続発動させた。
 いきなり五つくらい開いた魔方陣がバッサイ君を取り囲み、あちこちから巨大なら丸太が叩き込まれる。
「チャンスや!」
 ブーケもといウサ藤がひゅんひゅん回転しながら跳躍した。
「トドメのウサ藤キック!」
「じゃーい!?」
 ウサ藤によるきりもみキックがバッサイ君のコックピットウィンドウをかち割り森拓キル次郎の顔面へと炸裂。
 グワーといって吹き飛んでいった森拓キル次郎はそのままどういう物理法則かしらんけど空の彼方に飛んでいってキランと星になった。

「こうして、俺たちの森は救われたようだぜ!」
「センキュー、イカしたブラザーたち!」
「アイラビュー、イカしたブラザーたち!」
 アンドゥ霊樹の住民たちは最後までイレギュラーズとかローレットって言葉を口にしないままとんちきな格好をした集団を見送った。
 アンドゥ霊樹に平和が戻ったのだ! ――完!

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――完!

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