PandoraPartyProject

シナリオ詳細

ロリエルフたすけ隊

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ロリエルフたすけ隊とは、ロリエルフを格好良く助けてステキな気持ちに浸りたい老若男女たちの集いである!
「諸君! ロリエルフは好きか! ハーモニアは好きか! 耳のとがってる少女は好きか!」
 眼鏡にカイゼル髭の生えたデブ。もとい『ロリエルフたすけ隊の隊長』長耳シャブ郎は誇り高き目とスッと伸ばした背筋で、そんなことを述べた。
「私は何不自由ない家に生まれ豊かに育ったが、しかし幼少から決して満たされはしなかった。
 かつての世界で巨万の富を得ても、百人の女に言い寄られても、ガチャでSSレアが立て続けに出ても、決して満たされはしない……。
 そう、私はロリエルフを助けたい!
 なんか可哀想なめにあってるロリエルフの元へ颯爽と駆けつけ、悪者を倒し、うるんだ瞳で見上げるロリエルフに優しくマントをかけ紳士的に抱き上げ、颯爽と去りたい!
 競売にかけられているロリエルフ市場を燃やして鍵を壊し感謝にすがるロリエルフの唇に優しく指を立てはやくお逃げと囁きたい!
 そんな欲望から私はカラテもケンドーもジークンドーもマスターしたが……しかし……しかし……!」
 シャブ郎は口を押さえてむせび泣いた。
「私のいた世界に……ロリはいてもエルフはいなかった……!!!!!」
 膝を突き崩れ落ちるシャブ郎。
 隊の騎士(?)たちがかけよっていく。
「だが私は諦めなかった。世界のあらゆるロリを救うべく財力と体力の限りを尽くし、孤児院を建てロリ競売所を焼き対ロリ犯罪者を撲滅しロリに優しい世界を作った……そして、この世界に召喚されてからも、その理念は変わらん!」
 むくりと起き上がり、拳を握って振りかざす。
 名前も趣味もどうかしてるが、シャブ郎の心意気と実績はたいしたものであった。
「諸君。この世界にはハーモニアというエルフっぽい種族がいるな?
 私はこの世界でも培った財力と人脈を使い、そんなエルフの……とくにロリエルフを重点的に助けるべく活動を始めるつもりだ。
 まずはその第一戦力として……君たちを雇いたい!」
 シャブ郎は独自のロリエルフ好きネットワークを駆使して集めた情報から、特にロリエルフ(ここでいう幼い見た目のハーモニア。年齢性別は問わない)が大変な目にあっている現場の資料を机に並べていった。
「好きなものをとりなさい。私がその手はずを整え、君が実行するのだ!
 そう――」
 拳を強く強く、魂の力で握り、長耳シャブ郎は腹から叫んだ。
「ロリエルフたすけ隊! 出動である!!!!」

GMコメント

 ロリエルフ、助けたい!!!!!!
 ロリエルフ助けたいよな!!!!!!

 このシナリオでは長耳シャブ郎のバックアップをうけ、あなたの力で各地のロリエルフを助けます。
 手順は簡単。
 以下のリストから事件を選び、あなたのスタイリッシュでクールで理想的なロリエルフ助けシチュエーションをプレイングにぶつけるだけ!
 シャブ郎はあなたの力量にあった規模の事件を割り振り、そしてパンドラが減るような事態にならない程度のバックアップやアレコレをしてくれます。
 これは、あなたがロリエルフを助けるというただそれだけのヒロイックシナリオなのです!!

※このシナリオでは見た目が幼いハーモニアを統一して『ロリエルフ』と呼びます。そのほうが興奮するからです。

●事件リスト
 以下の中から好きな事件タイプを選んでください。
 あくまで事件タイプなので、複数人被っても問題ありません(極論全員一緒でもOK)。
 基本的には一人一件ずつ担当することになりますが、『○○さんと一緒にやりたいな』という場合はチームを組んでも構いません。
 ですがさっきも言ったとおり力量にあわせた事件をまわしてくれるので、レベルが低かったり戦闘が苦手だったりしてもゼンゼン平気です。趣味で選びましょう!

・ケースA『ロリエルフ殴るマン』
 この世には弱い者いじめをする悪い奴がいる。
 ロリエルフに暴力をふるいスッキリしようって奴だ。
 こいつはロリエルフを自宅に閉じ込め、杖とかで殴っていためつけるのを趣味にしているに違いない。
 悪者をやっつけ、ロリエルフを助け出すのだ!

・ケースB『ロリエルフ売るマン』
 なんといってもロリエルフは可愛い。なので売ったらぜってー高ぇはずだ。
 悪い奴はそういうところに目をつけて、ロリエルフに首輪をつけてどこかに売っちゃおうとしているらしい。
 マジゆるせねーよな! そういうロリエルフを売る商人を見つけてやっつけよう!
 そしてつかまっているロリエルフを解き放つのだ!

・ケースC『ロリエルフ狩るマン』
 ロリエルフは自然界に生まれた宝だ。しかも養殖はできない。
 だから極悪人は天然物のロリエルフをヒャッハーしてヒャッハーしやがるのだ。なんてヒャッハーなやつらだ!
 ロリエルフのすみかに襲いかかり火を放ったりなんだりするこのヒャッハーたちをやっつけ、ロリエルフの平和を守るのだ!

●相談? なんだそれは
 このシナリオではほとんど相談することがないと思います。
 特にチームプレイのお誘いとかがなければ、ロリエルフのいいところを語りながらお紅茶を飲みましょう。
 スコーンを焼きましたのよ。

■■■アドリブ度■■■
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用ください。

  • ロリエルフたすけ隊完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2019年07月08日 22時35分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

四矢・らむね(p3p000399)
永遠の17歳
セティア・レイス(p3p002263)
妖精騎士
御天道・タント(p3p006204)
きらめけ!ぼくらの
田中・智子(p3p006780)
アトゥリ・アーテラル(p3p006886)
反撃の雷鳴
ジルベルト・アダムス(p3p007124)
小柄に優しい
ハンナ・シャロン(p3p007137)
風のテルメンディル
アウローラ=エレットローネ(p3p007207)
電子の海の精霊

リプレイ

●『永遠の17歳』四矢・らむね(p3p000399)はたすけ隊
 この物語は勇敢なるイレギュラーズがロリエルフを助――。
「オラァ!!」
 らむね印の煉瓦ブロック(ライブ物販で好評発売中)がロリエルフ狩るマンの後頭部をグシャった。
「これは私のファンを増やす大チャーンス!! 子供は純粋で洗脳しやすいですからね、ぐへへへー」
 くったりした狩るマンの襟首を掴み上げ、らむね印のラジオペンチ(ライブ物販以下略)を鼻んとこにもっていくらむね。
「ここで颯爽と助けて私に惚れ込んで頂くという算段ですよ! 私すごい! かしこい! かわいい! そう思うよなァ!?」
「ハイ!!!!!」

 ロリエルフ狩るマンの長耳狩蔵は熟練のロリエルフハンターだ。
 専用のロリエルフ捕らえ網を頭上でぐるんぐるんやりながら、部下たちと共にロリエルフ小屋(森の小さなお家)を取り囲んでいた。
「私の稼ぎを増やす大チャーンス! 子供は純粋で販売しやすいですからね、ぐへへへー」
 どっかのエンドレス17歳と同じトーンで言うと、狩蔵はロリエルフ小屋に踏み込――。
「オラァ!!!」
 らむね印の鉄パイプ(ライブ以下略)が狩蔵の後頭部をグシャった。
「こ、こいつはまさか……!」
「知ってるのか!?」
「幻想で17歳の名をほしいままにした超ベテラン17歳――四矢らむね!」
「ババアつったの誰だオラァ!」
 必殺らむねキックとらむねパンチとらむねエクセレント煉瓦(ライブ中に振ろう)が部下たちを次々殴り倒していく。
「返り血と泥で衣装が汚れたじゃないですか! あな覚!」
 倒れた狩るマンたちをげしげし踏みつけると、そっと開いたロリエルフ小屋の扉へと振り返った。
 ちらっと顔を出すロリエルフ。
「もう大丈夫ですよ。悪は滅びました」
「ありがとうおばちゃ――」
「17歳美少女のお姉さんでしょう!?」
 ルックアットミー! と言いながら両手で自分の顔を指さすらむね。
「『綺麗で可愛い17歳お姉さんありがとう』、リピートアフターミー!」
「「『綺麗で可愛い17歳お姉さんありがとう』」」
 こうしてらむねは彼女のプロデュースカフェ(らむねしかねえ)のチケットを手渡して帰って行った。
 ロリエルフは救われたのである!

●『負け犬』田中・智子(p3p006780)は助け隊
 ロリエルフ売るマンこと長耳売助は熟練のロリエルフバイヤーである。
 地下の闇ロリエルフ販売所では今日もロリエルフオークションが開催されていた。
 ステージ上には見目麗しきロリエルフ。
「ではお次のロリエルフ。まずは1本から!」
 特別な購買単位ロリエルフ棒を用いたオークションに、購入者たちは棒を掲げて叫んだ。
「2本!」
「3本!」
「4本だ」
「8本!」
 スリリングな心理戦と値のぶつけ合いが起こる中、突如。
「5000本」
 意味わかんねー額が提示された。
 あまりの発現にどよめく会場。
「お客様、これは一体……?」
 オークショニアを勤めていた売助が顔をしかめているのをよそに、智子はロリエルフ棒を放り投げてステージへ上がると、ロリエルフの鎖を断ち切った。
 綾智絵師が頻繁にぶっぱなすエロドレスを着こなした智子である。
 そんな智子がロリエルフをはぐってる光景はなかなかどうして見せるものがあった。
 来場者も売助もしばしその様子に唖然としていたが……。
「5000本なんてハッタリだ! こいつはそんな金払ってねえぞ!」
「ふざけやがって!」
「ぶっころしてやる!」
 ステージにひゅんひゅん飛び乗るロリエルフ売るマンたち。
 智子はロリエルフを抱きかかえると、飛びかかるロリエルフ売るマンをひらりとかわして会場の中を駆け抜けていった。
「つかまえろ!」
 必死に追いかけるロリエルフ売るマンたち。
 しかし夜の町へ溶けるように消えた智子を、彼らは捕まえることはできなかった。
 ロリエルフは救われたのである!

●『小柄に優しい』ジルベルト・アダムス(p3p007124)はたすけ隊
「この世界の将来を担うロリを! ショタを! 虐げる様な悪鬼畜生が存在する事実が……私は! 悲しい!」
 両手でずごんとテーブルを殴るジルベルト。
 集まったロリエルフフリークたちが腕組みをしながらそうだそうだと叫びをあげた。
「故に私が神の代行者として神罰を下そう! おお! 我が神、エヴァにクルスよ!私に力を!
 そして同志長耳シャブ郎殿! 貴殿を我が『エヴァ・クルス教』の名誉信者になってもらいたい! 共にロリエルフの笑顔を守ろうではないか!
 ――ロリエルフのために!」
「「ロリエルフのために!」」
 シャブ郎とジルベルトが怪しい団体を設立していると、ロリエルフたすけ隊の下級構成員が駆け寄ってきた。
 三角ずきんの下からもごもご言うには、どうやら調査中のロリエルフ殴るマンの行方を掴んだとのことだ。
 ジルベルトの目に闘志が燃える。

 ロリショタサーチ能力者ジルベルトにとってロリエルフを見つけることなど造作も無い。
 大気に漂うロリエルフ香、地面に残るロリエルフ痕。
 ゆえに、地下の隠し部屋でロリエルフを杖でばしばしやっていたロリエルフ殴るマンこと長耳殴郎のもとへ、颯爽と現われることができたのだ。
「我が名はジルベルト・アダムス! 『エヴァ・クルス教』の教祖である!
 か弱きロリエルフを虐げる悪魔め! 神罰を下す!」
「小癪な!」
 杖を振り上げ飛びかかる殴郎。
 そんな彼にそっと耳打ちするジルベルト。
「な、なに……!?」
 ジルベルトからロリエルフへの際限なき欲望を告げられた殴郎は、ショックのあまり膝から崩れ落ちた。
 殴郎の肩をぽんと叩くジルベルト。
 差し出されたバッジはエヴァ・クルス教のエンブレムが刻まれていた。
 こうしてロリエルフは助け出されエヴァ・クルス教の孤児院へ引き取られていったという。
 ロリエルフは救われたのである!

●ハンナ・シャロン(p3p007137)はたすけ隊
「ロリ……えるふ……」
 その言葉を聞いた途端、ハンナの脳に何かが電流の如く走った。
 年若(くみえる)ハーモニアであるところのハンナには妹がいた。実年齢はともかくハンナ以上に若く見えるシャブ郎のいうところの『ロリエルフ』。
 そんなロリエルフに蛮行を働く悪者を、許してはおけぬ。
 ハニャン(深緑に伝わる架空の鬼。名前の響きが可愛い)の面を手に、ハンナの義侠心が燃え上がった。

 長耳パク衛門はハーモニア隠れ里で指名手配されるほどの悪しきロリエルフハンターである。
 どれだけ離れてもロリエルフは臭いでわかると豪語する彼の手口は残忍であり、ハーモニアの隠れ里に火を放って焼き出たところを捕まえるという同業者(?)も引くくらいのワルっぷりであった。
 今日も松明を両手にがに股歩きで奇声をあげながら跳ねるパク衛門。こんな人が居たら即通報モンだけど然るべき人も通報する手段もない隠れ里のロリエルフたちはただただ恐怖に震えた。
「ケケーッ! 今日からお前たちは商品になるんだヨー!」
 ほんとにケケーって言う奴初めて見た。
 とかロリエルフが若干冷静におびえていると。
「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ! 少し落ち着けと兄は言う!」
 響き渡る声と共に、一本のバラばパク衛門の足下に刺さった。
「何やつ!?」
「ロリエルフたすけ隊がいる限り! この世に悪は栄えません!!」
 トゥ! といいながら宙返りをきめるハンナ。
 パク衛門とロリエルフたちの間に割り込むように着地すると、同じくガニ股で両手に松明を構えたロリエルフハンターたちがハンナを取り囲んだ。
「貴様……ロリエルフの臭いがするぞ。飛んで火に入るロリエルフ。貴様もハントしてやろう! ケケーッ!」
 四方八方から同時に飛びかかるパク衛門以下ロリエルフハンターの皆様。
 ハンナは気合いと共に飛び上がると、謎のテーマソングをバックに一分くらいかけて全員をばったばったやっていった。カットされた未公開シーンはDVD特典となっております。
「もう大丈夫ですよ。よしよし」
 ハニャン(深緑に伝わる架空の鬼。子供が見ると泣く)の面を被ったハンナは軽おびえしたままのロリエルフを抱きしめてよしよししてやると、颯爽とその場を去った。
 ロリエルフは救われたのである!

●『電子の海の精霊』アウローラ=エレットローネ(p3p007207)はたすけ隊
 ロリエルフたすけ隊の助っ人、アウローラは語る。
「ひとを虐めたりするのは良くないと思う! そういう悪ーい人はこの魔法少女アイドル(駆け出し)のアウローラちゃんが成敗してくれるー! であえであえー!」
 何かの知識がヘンに混ざったことを言いながら、ウチワをふって飛び出していくアウローラ。
 目指すは、ロリエルフハンターの狩り場であった。

「もうそこまで来てるかも。逃げなくちゃ!」
 一大テーマパークことロリエルフランド。現在は休業中のこの遊園地を走るひとりのロリエルフ。
 しかし彼女が向かう先の角には――ハンターだ。
「ヒイッ!?」
 目が合った瞬間すげー勢いでダッシュしてくるロリエルフハンター。
 このままロリエルフはつかまってしまうのか!?
「平和の為に戦うアウローラちゃん登場ー!
 ロリエルフを狩るとか人の生命をなんだと思ってるんだー!
 そんな事する悪い奴は成敗してくれるー! であえー!」
 たぶん『であえ』の意味をよくわかってないであろうアウローラが、ロリエルフとハンターの間に割り込むように飛び出した。
 だがそこへ、十人のハンターが解き放たれる!
 あちこちの扉やマンホールをガラッてして現われた大量のハンター。
 対してアウローラはキュートなポーズで迎え撃った。
「みーんなまとめて撃っちゃうよー!」
 空中に現われた無数のバーチャルサイリウムスティックが矢となって発射され、ハンターたちへと襲いかかる。
 弾幕を抜けたハンターが飛びかかるも、アウローラはバッテンにしたシールを相手の口に貼り付けてなにかを封じた。
 くらくらとよろめいたあと、仰向けに倒れるハンター。
 アウローラは汗をぬぐって振り向いた。
「もう大丈夫だよー! ハンターはみんなやっつけたからね!」
 そう――。
 ロリエルフは救われたのである!

●天網トリオはたすけ隊
 がっぱんというレバーの音と共に、パイプ椅子にスポットライトがあたる。
 腰掛けているのは『妖精騎士』セティア・レイス(p3p002263)15歳。スカイウェザーである。
「今日の私はロリエルフ売るマン絶対殺してロリエルフ助けるウーマン、略してロリ売るーマン。……やっぱり略さなくていい」
 今回彼女が課せられた目的とは?
「シンジ……ケート? そう。シンジを倒す。シンジ絶対許さないから」
 セティアはタピオカミルクティーのカップを器用に胸元に置くと、フリーハンドでちゅーちゅーしはじめた。
 レバー音再び。やや離れた位置のパイプ椅子に座っていた『反撃の雷鳴』アトゥリ・アーテラル(p3p006886)がシリアスな顔を上げた。
「さっきから何言ってるのか全然わからないのです……。
 まあでも、見過ごすワケにはいかないのです。悪いやつはボコすのです。単純明快なのが一番なのです!!」
 うおーといって両腕を掲げるアトゥリ。
 そして再びのレバー音。
 にも関わらず不調なのかおりないスポットライト。
 パイプ椅子を蹴って立ち上がる『きらめけ!ぼくらの』御天道・タント(p3p006204)が、自ら発光した。
「末端を処したところで所詮イタチゴッコ! 根本を潰さねばなりません!
 人身売買となれば大きな組織が必要となりますでしょう! そこを叩きますわ! そう、この――」
「きらめけ!」
「ぼくらの!」
「「たんとさま!!」」
 セティア、アトゥリ、タントが組み体操でいう三人ピラミッドになって顔をあげた。なんで立ち上がった姿勢からわざわざここへいったのか、それは誰にも分からない。
 ただ一つわかっているのは……。
「今日がロリエルフ狩るマン最後のひですわ!」
「ボコボコのボコにするのです」
「シンジゆるさないから」
 ということである!
 ……どういうことだ?

 長耳ペイ蔵はロリエルフ販売組織のボスである。
 『ろりえあります』と書かれたテキ屋タイプの屋台を立ち上げ、ノースリーブに首掛けタオルというともすれば今すぐ焼きそばでも売りそうな格好をした彼の手元には無数のロリエルフ写真が置かれていた。
「アルヨアルヨロリエルフアルヨー」
 ぺしぺしと手を叩きながら客引きを行なう姿は真面目なテキ屋そのものだが、背後に鎖でつながれビニールシートの上に座らされたロリエルフたちが一気にコトの凶悪さを引き上げていた。
「ロリエルフひとつ。イチゴ味で」
「アイヨーマイドー」
 赤い髪のロリエルフのもとへ行き、首にかかった鎖を引っ張るペイ蔵。
「いやーっ!」
「うるせえお前は売れたんだよ!」
 急にそれっぽくなってきたペイ蔵……の足下に、突如として一輪の向日葵が突き刺さった。
「こんなデカい花をバラみたく突き刺すとは一体なにやつ!?」
「オーッホッホッホッ!」
 てれーてれってってーてれ、ててれー(お好きなBGMを脳内で流してください)。
「天網恢恢疎にして漏らさず! お天道様の前で悪行など不可能と心得なさい! そう、このわたくし――」
 指を鳴らしながら高い木の上から飛び降り……るとみせかけて木の枝をよいしょよいしょと下り片足をしゃかしゃかして足場を探しながら結局見つけられずバランスを崩して背中から地面に落ち――
   \きらめけ!/
   \ぼくらの!/
 \\\タント様!///
「が! ロリエルフ達を救いに参りましたわー!」
 どこからともなく現われたセティアとアトゥリによる三人飛行機組み体操ポーズ。
「お縄につきなさい! 悪のカルテルのシンジケート!」
「シンジ、お前を絶対許さないから」
「地味に気になってたのですけど、シンジって誰なのです?」
 飛行機ポーズの後ろからちらっと顔を出すアトゥリ。
 一方の長耳ペイ蔵は胸を押さえて後じさりした。
「貴様……俺の源氏名がシンジだとなぜ気づいた!」
「あるのです? 源氏名?」
「問答無用ですわ! TDK!」
 説明しよう! タント様のドリル回転きりもみキック略してTDKとはタント様をなんかの弾みで仲間がぶん投げたときに髪の……質? が? こう? 空気? 抵抗? して? 摩擦、とか、して、こう、あの、あ、あ――必殺技なのである!
「グワーーーーー!?」
 顔面にタント様が突き刺さったペイ蔵は背後のテキ屋式屋台ごと吹っ飛んだ。
 一方でセティアは。
「みてて。ひゃっこ斬りがちめにやばいから」
 といいながら妖精刀法スノ……エ、エン、エンブ……あの凍ってがしがしするやつで氷がしがししていた。
「かっこいい、わたしも妖精騎士なりたい、たぶん」
「いいかなっておもう、たぶん」
「わたしもシンジ、斬るから」
「いいとおもう。ラーシア・フェリル貸すから」
「グワーーーーーーー!?」
 ラーシア・フェリルが顔面に突き刺さったペイ蔵は一度砕けたテキ屋式屋台ごともっかい吹き飛んだ。
「二人とも何やってるのかぜんぜんわかんないのです」
 アトゥリも神鳴りをばちばち猫耳をぴこぴこし――。
「グワーーーーーーー!?」
 おいまてまだアトゥリの攻撃シーン入ってない。
「簡単なことですわ」
 タキシードと白い仮面をあとから装着したタントが振り返った。
「『ロリエルフ=(守りたい笑顔+きらめき)×未来=無限大!!!!!』」
「ん?」
「『ロリエルフ=(守りたい笑顔+きらめき)×未来=無限大!!!!!!!!!』」
「エクスクラメーションだけ増やされても」
「ロリエルフとは! 即ち! 無限大だからですわーー!!」
「グワーーーーーーー!?」
 もはや描写もしてない必殺技に屋台ごと吹っ飛ばされるペイ蔵。
「未来のハーモニアのためにもお縄についてもらうのです」
 アトゥリは手錠をペイ蔵にがちゃんとかけると、近くの木に縛り付けた。
「無駄な抵抗はやめるのです。抵抗するとドカンなのです」
 両手をばちばち猫耳ぴこぴこして脅すアトゥリ。
 そんな様子を横から指さすセティアとロリエルフ(イチゴ味)。
「シンジはなんでこんなひどいことするの」
「シンジはすごいやばいから、性格とかマジ最悪だから」
「シンジはロリエルフがちゃんとすき? ロリエルフはもうシンジのことキモくない?」
「シンジきもい」
「グワーーーーーーーーー!?」
 もはや精神的な必殺技が入ったペイ蔵はそのままがくりと気を失い、アトゥリたちはゆうゆうとロリエルフを連れて帰っていった。
 ロリエルフは救われたのである!

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ロリエルフは救われたのである!

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