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シナリオ詳細

<冥刻のエクリプス>アルパカタンクvsマンモス大僧正
<冥刻のエクリプス>アルパカタンクvsマンモス大僧正

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●アルパカタンクラトゥーン
 死者の復活。
 その甘美な言葉に惑わされた一連の事件は、大いなる魔種ベアトリーチェが引き起こしたものだと判明した。
 そしてベアトリーチェ自身の意図がどこにあるのかは不明だが、彼女の軍団がフォン・ルーベルグを制圧すべく動き出したのもまた事実である。
 その軍団が、ここにもまたひとつ。
「諸君、ついにこの時が来たパカ!!」
 部隊を前にして、それは隊長らしく声を張り上げた。
 立ち並ぶ戦車の集団。現代戦を彷彿とさせる、およそファンタジーには似つかわしくない光景であるが、技術レベルが不在証明にさえ引っかからなければ存在するのが混沌である。
 しかし、戦車から人が出てくる様は見受けられない。代わりに、戦車のハッチからはアルパカの顔が飛び出し、車体からはアルパカの足が生えていた。
 キャタピラがめっちゃきゅるきゅる回っているが、何の意味もない。
「我らはこれより、ベアトリーチェ閣下の名により、天義が聖都、フォン・ルーベルグへと侵攻するパカ!! 途中、非アルパカタンク共の抵抗が予想されるが、問題はないタンク! なぜならば、アルパカタンクは無敵タンク!!」
 そう、これは全てアルパカタンクで構成された部隊である。率いるのは魔種、大アルパカタンク。ちょっとだけ車体の色味が違うのですぐわかる。
「さあ続け、奴らを根絶やしにするパカ!!」
 景気づけの空砲が鳴り響き、アルパカタンク部隊はわしゃわしゃと進軍を開始した。

●ザ・マンモスナイツ
「ン嘆かわしいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」
 部屋中に響き渡る大音量で、そのブルーブラッドの神官は思いの丈をぶちまけた。
 ローレットの活躍もあり、天義では現在魔種に立ち向かう気持ちが強まっている。
 しかし、天義内部ではこれを利用しようという動きもあるため、思うように『対魔種』としてのみ活動できているわけではなかった。
 ローレットとしても天義が魔種の手に落ちるという事態は防がねばならず、こうして魔種の侵攻を食い止めようとする天義聖騎士団に協力をしているわけなのだが。
「何とも嘆かわしいことだ!! この聖都が! あの憎き魔種共に狙われているというのだから!!!」
 慣れているのか、それとも彼に影響されているのか。集まった天義の兵士たちは同じ様に涙ぐんでいる。
 イレギュラーズとしては、初めて見る彼のインパクトに、ただただ驚くことしかできなかった。
 ブルーブラッドの神官は珍しい。それも部隊を率いるまでの地位とくればその数は本当に限られてくる。
 だがそれよりも、そんなことよりも、その神官の外見のほうが強烈に目を引いていた。
 見上げるほどの巨体。立派な牙。長い鼻。毛むくじゃらの茶色い体躯。それはまさしく古代の生物。
(マ、マンモス……?)
 そう、部隊長の名はパパ・ザ・マンモス。まさしくマンモスのブルーブラッドである。
「侵攻を許すことはできない!! この聖都に一体どれだけの無力な民が住んでいると思っている!! 一匹でも奴らを中に入れてみろ!! お茶の間の皆様に申し訳が立たない!!」
(い、いいひとだ……)
「死力を尽くせ!! しかし決して死ぬな!! 諸君らも、そして諸君らの家族もまた信徒であるからだ!! 親が死んで子を泣かせるな!! 子が死んで親を泣かせるな!! 生きて未来を作れ!! それではああああああああああああ!!」
 マンモス大僧正は大きく腕を広げると、高らかに宣言した。
「聖唱!!!!!!!」
 なんか兵たちも揃って聖歌を歌い始めたので、すごく居心地が悪かった。

GMコメント

皆様如何お過ごしでしょう。yakigoteです。

魔種 大アルパカタンク率いるアルパカタンクラトゥーンがフォン・ルーベルグを目指して進軍を開始しました。
彼らの侵入を許すことは非常に危険です。ザ・マンモスナイツと協力し、これを食い止めてください。

【エネミーデータ】
●大アルパカタンク
・アルパカタンクで構成された部隊を率いる魔種。
・他のアルパカタンクと基本性能は完全に同じだが、自身の死亡時に半径10km圏内にいる他のアルパカタンクを大アルパカタンクに変更させられる。
・大アルパカタンクが居る限りアルパカタンクは最後の一兵まで戦う。
・全ての非アルパカタンクを恨んでいる。
・ベアトリーチェやその支配下はアルパカタンクだと思っている。
・もちろんアルパカタンク以外はアルパカタンクではないので、上記の能力の対象にはならない。
・アルパカタンクを参照とする能力の対象になる。

●アルパカタンクラトゥーン
・アルパカタンク30頭による部隊。
・戦車のパワーとアルパカの柔らかさを併せ持つ恐ろしい集団。
・以下の能力を持つ。
◇アルパカキック
・四足な上に前方を蹴るには車体が邪魔なのでよっぽど近づかないといけないから至近。
・痛い。

◇アルパカアンブッシュ
・どこからともなく現れて攻撃してくる。
・遠距離。
・マーク、ブロック時発動不可。

◇アルパカ自爆
・HPが10%切ると躊躇なく自爆する。
・近接・範囲。
・アルパカタンク同士の絆は堅いのでアルパカタンクにはダメージが入らない。

◇アルパカウルトラキャノン砲
・100体のアルパカタンクが揃う時、ついに主砲が解禁される。
・本シナリオでは無理。

【キャラクターデータ】
●パパ・ザ・マンモス
・マンモスのブルーブラッド。
・非常に涙もろい激情家。
・顔は怖い。
・高HPの耐久特化型。

●ザ・マンモスナイツ
・16名からなる小規模部隊。
・それぞれが2~3依頼こなしたイレギュラーズと同じくらいの強さ。
・全員が専守防衛を軸に訓練されており、攻撃よりも戦線維持を得意とします。
・全員がレベル基準に沿った程度の単体治療スキルを持ちます。

・パパ・ザ・マンモス及びザ・マンモスナイツはイレギュラーズを信頼しており、無茶な要求でなければ協力します。

【シチュエーションデータ】
●フォン・ルーベルグ近くの平野
・ここでアルパカタンクを待ち受けます。
・見通しが良いので取りこぼしが起きることはありません。
・昼間。

  • <冥刻のエクリプス>アルパカタンクvsマンモス大僧正完了
  • GM名yakigote
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年07月10日 23時15分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

アルプス・ローダー(p3p000034)
二輪
イリス・アトラクトス(p3p000883)
光鱗の姫
ルウ・ジャガーノート(p3p000937)
暴猛たる巨牛
弓削 鶫(p3p002685)
Tender Hound
枢木 華鈴(p3p003336)
ゆるっと狐姫
桜坂 結乃(p3p004256)
ふんわりラプンツェル
黒星 一晃(p3p004679)
墨染鴉
ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)
海のヒーロー

リプレイ

●テイルサイドウィスパー
 静粛に! 静粛に! 諸君らの悲願は理解している。それは所詮、牧草が主食ではない連中には理解できないことだ。あらゆる非アルパカタンクはアルパカタンクに対して過去、幾度となく酷い仕打ちを行ってきた。そう日記に書いてあった。我々は忘れっぽいのでちゃんと書き留めておいたのだ。いつ書いたのか覚えてないし、私の字とは思えない程達筆だったが、日記にちゃんと書いてあったのだ。

 地図を開いてみるとわかるように、聖都郊外の南端においてその戦線は開かれていた。ぽっかりと開いた平野を挟んで睨み合うマンモスナイツとアルパカタンクラトゥーン。この周辺で他に4件も戦闘が起きていると思うと面白くて仕方がない。
 みんなすごい真面目に戦っているというのに――いや、いいや。この戦いだって立派なものだ。アルパカタンクの群れが街に入ってしまったら一体どれほどの悲劇に発展することか。だからその他の関係キャラクター一覧でこいつの次に紹介されたリゴール司祭が哀れで仕方がないとか考えてはいけないのだ。
『二輪』アルプス・ローダー(p3p000034)は自身の『関係者』であるアルパカタンクを恐ろしい存在なのだと語る。
「その生態の解説をするには……時間が無いようです! 行きましょう! 知らない訳じゃないです! もしくは今頃いい感じに地の文担当の方が解説してくれているでしょう!」
 寧ろ書いてる奴の頭の中にしか設定がないからな。
「……ふざけた見た目をしてはいますが、イレギュラーズの仇敵である事に違いはありません。油断はされないように」
「こんな大変な時に攻めてくるとか、見た目の胡乱さに対して普通に戦略行動取れるし特性もめんどくさいし……」
『光鱗の姫』イリス・アトラクトス(p3p000883)はうんざりした表情で前方に配列するアルパカタンクらを見やる。
 躊躇なく自爆し、最後の一兵まで戦う。否が応でも消耗戦になるであろうことは目に見えていた。
「……よし切り替えた。行くよ、聖都をビックリどうぶつコンテストの舞台になんてさせないんだからねっ」
「アルパカとマンモスとの戦争とか、昨日の酒にヤバい薬でも入っていたかって言う感じだな……」
 きゅるきゅるとキャタピラを忙しく回して威嚇するアルパカタンクラトゥーンを見ていると、どうにも集中力が削がれる気がして、『暴猛たる巨牛』ルウ・ジャガーノート(p3p000937)は空を仰いだ。
「ま、まああんなんでも魔種は魔種だし、俺たちが負けたら被害が出るのも事実だ! 気合い入れてアルパカ狩り……もとい魔種狩りと行こうじゃねえか!」
「アルパカタンクラトゥーン、完成していただなんて……!」
 わざとらしい表現をしてみたものの、『Tender Hound』弓削 鶫(p3p002685)はアルパカタンクがどういったものであるのか全く知らないでいた。大丈夫、ここに居る誰も全然わかってないぞ。
「――とまあ、ノリで驚いてみましたが。実際の所、何なのですか。あれは?」
 そう言って、『関係者』の方をチラリ。あ、全く目を合わせちゃくれねえ。
 死を覆し、命を弄ぶ魔種。死は悲しいが、乗り越えることが生きているものの責務である。そうやって、次の命に繋いでいく。何時かは死ぬ。だからこそ、それまでを懸命に生きていくのだ。まあ、そういう戦いだと、思っていたのだが。
「おねーちゃん。敵を見た目で判断しちゃいけないんだけど……ここだけ他となんかちがう」
『ふんわりラプンツェル』桜坂 結乃(p3p004256)は『ゆるっと狐姫』枢木 華鈴(p3p003336)の方を向くと、困惑した様子で話しかけた。その顔にはありありと、『なんだアレ』って浮かんでいる。
「そうじゃのぅ。こう、わらわ達は一体何を相手にしとるんじゃろうな……」
 近くでも戦火が上がり始めているというのに、何かここだけとっても空気が軽い。
「何というとあるぱかさん、なんだろうけれど……えと、うん。天義の一大事だもん。がんばらなきゃね!」
「……うん、そうじゃな。相手が何であれ、わらわ達が頑張らねば、じゃな」
「俺は今まで何から何まで斬ってきたつもりだったが、あれは初めて斬るな……」
 どう表現していいかわからないと言った顔で『墨染鴉』黒星 一晃(p3p004679)が呟いた。奇遇だな、筆者もあんなのは始めて書く。
「なんであれ、依頼されたからにはやるしかあるまい。珍妙だが、油断はできぬ。というかほぼ間違いなく強い。珍妙だが」
 まあ、戦車だしな。
「墨染烏、黒星一晃、一筋の光と成りて、アルパカタンク共を粉砕する!」
「ごくり。すげー数のアルパカタンクだぜ。まさかあれがりょーさんされてるとはな……」
 なんとなく、事情を知っている風の発言をする『とっかり』ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)。まさか知っているのか、見た目のジャンルが同じよしみかなんかで!
「ところでりょーさんってどういう意味だっけ?」
 それ以前の問題だった。
「なんかシリアスな顔でこういうセリフ言うとかっけーと思って言ってみたけどよく意味わかってねーんだよな!」
 ともあれ、悪い悪い魔種との対決である。ほら、全体シナリオの醍醐味だぞ。気合い入れていけよ。

●レイディ
 大丈夫だ。誰か他人の手によって書かれ、事実が捏造されていることなどありえない。なぜなら日記にはちゃんと暗証番号付きの鍵をかけておいたからだ。なんだって、忘れっぽいんだから暗証番号なんて覚えていないんじゃないかって? この大アルパカタンクを甘く見てもらっては困る。そんなこともあろうかと、日記の表紙にはちゃんと暗証番号をメモしておいた。私に隙は無い。

 聖歌が止んだのと、キャタピラのきゅるきゅる音が止まったのは、全く同じタイミングだった。
 示し合わせたはずはない。お互いに、歴戦の猛者だけが感じ取れる何かがあったのだ。ここから、戦場が始まるのだと。
「マンモスナイツ、抜刀、構え!!」
「アルパカタンクラトゥーン、主砲用意!!」
「数が足りなくて使えません!」
「何ィ!?」
 互いに戦の始まりを示す号令をかけ、大地を踏み込んだ。
 さあ、マーチが始まる。

●サバイバル
 そう褒めるな。私とてアルパカタンクの子。照れてしまうじゃないか。静粛に、静粛に。そういうわけだから大丈夫だ。さらに、日記には驚くべきことが書かれていた。なんと、あのベアトリーチェ様もアルパカタンクだというのだ。その配下の方々も同様である。やはり我々の目に狂いはなかった。アルパカタンクと志を同じくする者が、アルパカタンクでないはずがなかったのだ。

 気合、一閃。
 イリスによる思い切りの良い大振りは、クラウチングスタートで突進してきたアルパカタンクの砲塔に突き刺ささり、そのまま生身のところまで衝撃が駆け抜けた。
 いやまあ戦車部分も生身っちゃ生身なんだけど、とにかく生身のところまで駆け抜けたのだ。
 砲塔に依るリーチが思いっきり不利なアルパカタンクはしかし、つんのめりそうなところを四足獣特有のバランス力で乗り切っていた。キャタピラだとそもそもコケないんじゃないかということは言ってはいけない。
「うーん、思うんだけど、あなたたちにとって、アルパカタンクと非アルパカタンクを分ける要素って何なのかな?」
「パカ……昆布によく入ってるやつパカ」
 イリスは空を仰いだ。うーん、魔種だー。狂気だー。
「も、もしかしたら貴様が息耐えた瞬間私が突如大アルパカタンクと化したりする可能性が微粒子レベルで存在するかもしれないパカー」
 荒ぶるアルパカタンクのポーズ。
 大アルパカタンクもアルパカタンクのポーズで対抗。

「パカー!!!」
 横合いから飛び出してきたアルパカタンクに対し、ルウは掴んでいたアルパカタンクでアルパカタンクをガード。そのままアルパカタンクをアルパカタンクに投げつけた。アルパカタンクを投げつけられたアルパカタンクはえーっとなんだっけ。とにかく自爆したんだ。どかーん。
 吹き荒れる熱気。顔を腕でガードする。本当に一切の躊躇がなくて、少しだけ驚いていた。
「アルパカマストダイって奴だな……」
 そういえば、事前にアルパカの弱点を調べていたルウであったが、芳しい情報は得られなかった。
 それもその筈、アルパカタンクは草食動物である。何かの外敵に成ることはないのだ。寧ろ戦車の弱点を調べるべきだったかもしれない。
「まあ魔種になって戦車被った程度なら、俺の敵じゃないだろうな! 多分!」
 なお、戦車部分もこの生物の一部である。あくまでアルパカタンクという一個生命なのだ。しかも純種! プレイアブル化が待ち遠しいな!!!

「知っていますか。アンブッシュを狙うアルパカは3つに分けられます」
 鶫は銃口を己が狙うべきそれに定めて固定する。
 これだけアルパカタンクがいるとどこを撃っても何かしらにあたりそうな気はするが、鶫の狙いはアンブッシュを狙ってくるやつだ。
「離れていこうとするパカ。離れたままで回り込むパカ。離れた位置で動かず、機会を伺うパカ――」
 果たして『パカ』という呼称は正しいのだろうか。そんな疑問を黙殺しつつも、トリガーに駆けた指を今、
「――この3つです」
「パカー!!?」
 銃声と着弾のインパクトは体感でほぼ同時。そろそろ気分的にアンブッシュしたかったアルパカタンクはその車体を撃ち抜かれ、出鼻をくじかれてしまう。
 銃とアルパカタンクの相性は悪い。撃たれたその場の勢いで自爆してしまうので、爆熱が相手まで届かないからだ。
「主砲を撃てないパカなど、只のパカです」
「くそう、100体いれば、100体いればぁぁあああ!!!」

「……これ、タンクの部分に乗ったらどうなるんじゃろな?」
 これは恐ろしく、そしておぞましい、そしておぞましい(強調)魔種との戦いであったが、華鈴は好奇心を抑えきれずその車体に飛び乗った。
「そ、そんな、パカな……」
 途端、絶望そのものといった顔をするアルパカタンク。そんなところに乗られると、ただでさえ届かないアルパカキックが完全に無効化されてしまう。この距離ではアンブッシュの命中率も低い。主砲に至っては本シナリオでは使用することもできない。なんという所業。
 残る手段は自爆しか無い。まだHPはしこたま残っているが、このまま削られても結局自爆なので先に自爆するか後に自爆するかの違いで仕方なかった。
「いつだって、いつだって非アルパカタンクはアルパカタンクに酷いことをするパカ……」
「一体過去に何があったんじゃろな……」
「くそう、可愛くてもやはり非アルパカタンクは無情パカ! かくなる上は根性みせてやるパカあああああ!!」
「ギフトが効いておる……いやいやいやちょっと待てこんなんで自爆するとかやめんk――」
 ちゅどーん。

 ぷすぷすと焦げた狐耳を癒やしている結乃。
 巫山戯た見た目をしているものの、やはり魔種と言うべきなのかなんなのか。アルパカタンクの集団は厄介なものだった。
 特に、自爆である。追い詰められると本当に一切の躊躇なく自爆するので、どうしてもある程度の被害が出てしまうのだ。
 種族的な壁も非常に大きいのだろうが、魔種に率いられているという特性からその心情が非常に伺いづらい。加えてこの数である。100体ではないので戦力は本来のアルパカタンクよりもダウンしていたが、それでも一息に倒しきれるものではない。
 そこで、究極的には盾がものを言うわけだ。結乃は自分の前に立つマンモスナイツの面々を見る。マンモスの被り物のような兜をつけた彼らは、皆一様に戦線を維持すべくアルパカタンクの驚異から仲間である自分達を守っていた。
「危ない役目でごめんね。アルパカタンクさんはボクたちが倒すから」
 どこまで真面目にしても名前のせいでまったくしまらねえな。

 一晃は駆ける。
 敵味方が入り乱れ、50を超える大混戦となった戦場を、足休めることなく駆け続けていた。
 躊躇、逡巡、構え。そういった予備動作を一切見せずに自爆するので、ひとところに固まって戦っていると危険なのだ。
 走り抜けては自爆される前に切り捨てる。一度爆熱に巻き込まれて足を止めようものなら、その後の追い打ちであっさりと自分が落ちるであろうことは、一晃自身がよく理解していた。
「パカァァアアアア!!!」
 アルパカタンクの砲塔を切り捨てる。首を切り飛ばすのが本来生物への攻撃としては正しいのだろうが、こいつらを血の海に沈めるというのは、なんだかとっても抵抗があったのだ。
「これで貴様は永遠に砲塔を使うことは不可能だ! アルパカタンクからアルパカになってしまったということだ!」
「おのれ、おのれ非アルパカタンクうううううう!!」
「爆発することもできず消えて行け、四足歩行獣型戦車共!」
 言いにくい言いにくい。

「ぐああああああ!!」
 アルパカタンクの自爆に巻き込まれ、ワモンが宙を待った。
 自身よりも背負ったガトリングの方がでかくて重いので、本体のアザラシは必要以上の半径で回転しながら飛んでいく。
 ぐるんぐるんぐるんがしゃーん。ガトリングの砲身が地面に突き刺さり、それにひっついていた本体がぷらーん。
「アルパカタンク、恐ろしい敵だぜ……」
 追い打ちのアルパカキックを決めようとダッシュしてくるアルパカタンク。
「させてなるものかああああああああああああ!!!」
 その間に自身を割り込ませ、盾となってワモンを守るパパ・ザ・マンモス。
 そしてまだ、ガトリングアザラシの目の輝きも失われてはいない。
 砲身が回転。狙いを定めると、大量のイワシ型爆弾が発射される。硝煙の匂いがなんとも生臭い。
 アルパカタンクVSマンモス大僧正&ガトリングアザラシ。
 二度と見られない世紀の大決戦は、まだまだ熱い火花を散らしていた。

「これで、最後パカか……」
 ラスト1体となった大アルパカタンク。この一匹の魔種に率いられ、非アルパカタンクに反旗を翻したアルパカタンクラトゥーンは、既に全滅の末路をたどっていた。
 そして最後の大アルパカタンクもまた、とうに満身創痍のそれである。
「でも、どうして――」
「言うな、我々に割と近い非アルパカタンクよ――」
 アルプスの疑問にも、大アルパカタンクは首を横に振るばかりだ。
 この場にいる他の誰もが彼らのやりとりの意味を理解出来ないが、彼らの中でだけは大きな何かを持っているのであろう。なにせアルパカタンクはアルプス・ローダーの『関係者』である。書いている筆者自身は全く何のことだかわかりゃしないので、詳細はアルプス・ローダーに聞いてみてくれ。
「これしか、道はなかっタンク。所詮どこまでいっても非アルパカタンク。貴様にアルパカタンクの悲しみはわかるまい」
 そして、
「アルパカタンクの最後は決まっている! パカァァァァアアアアアアア!!!」
 そうして最後のアルパカタンクもまた、見事に躊躇のない自爆をキメてこの世を去っていった。

●タンクダウン
 何、どんな酷いことをされてきたのか思い出せないだって? 全く、ちゃんと日記をつけていないからだぞ。まあいい、安心してくれ。なぜならこの大アルパカタンクも覚えていないからだ。日記には酷いことをされたとはあったが内容は書いてなかったしな。酷いことをされたと思い出したショックで魔種になってしまったが、問題はない。これは、この戦いは、我らアルパカタンクの聖戦である!!

「我々の勝利だ!! ローレットの皆さんありがとうございましたあああああああああああ!!!」
「ありがとうございましたああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
 マンモスナイツの面々が頭を深く下げる。
 怪我の大小こそあれ、誰一人欠けることなくこの戦いを切り抜けることができた。
 戦車の集団と戦ったのだと思えば、十分過ぎる戦果と言えるだろう。
「諸君、それでは勝利を祝ってえええええええええ!!!」
 パパ・ザ・マンモスが腕を振りかざす。その後の言葉は決まっていた。
「聖唱!!!!!!!」

 了。

成否

成功

MVP

枢木 華鈴(p3p003336)
ゆるっと狐姫

状態異常

なし

あとがき

恐ろしい発想で敵の行動の殆どを封殺した猛者にMVP

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