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シナリオ詳細

ダンジョニウム体験記
ダンジョニウム体験記

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●小さな小さなダンジョン
「『ダンジョニウム』を知っていますか?
 ガーデニングや盆栽のように庭で極小のダンジョンを育てるというもので、とても多くの方に愛されております」
 深緑。大樹ファルカウ下層の一角にある『フランチェティイ』という街に、イレギュラーズたちは集められていた。
 広い木のテーブルには鉢植えが一つ。
 胴回りの太い盆栽めいた木が、鉢植えから生えていた。
「この中には極小ではありますがダンジョンが形成されているんです。
 これは私の育てた自信作なんですよ」
 鉢植えに手を翳してそう説明するのは栗毛のハーモニア美女。今回の依頼主である。
「作る手順は簡単なんです。
 霊力を持った特別な木に結界をはって、微少な精霊を入れる。
 その状態で暫く寝かせておけば精霊たちが住みよい空間を作るために木の内部をダンジョン化するんです。
 勿論大きなものを作るにはバランスが難しくて、専門の技師でもとても長い期間と労力をかけるのですが……この手のひらに乗るほどのサイズであれば、始めての方でも気軽にチャレンジできるんですよ」
 この特殊植物の育成と高度に洗練された精霊術。実に深緑ならではの趣味である。
「今回はこのダンジョニウムを、ラサの商人さんを通じて外の国に売り出したくて……まずは宣伝をすることにしたんです」
 と、ここで本題。
 ハーモニア女性はぱちんと手を叩くと、イレギュラーズたちを指し示した。
「ローレットのイレギュラーズさんたちはあちこちの国で有名ですよね。
 そんな皆さんにもダンジョニウムにチャレンジしていただいて、その様子を私がレポートする……という形で宣伝を行ないたいんです」
 つまり、『ダンジョニウムをやってみよう!』というわけである。

 手順は先程ハーモニア女性が説明した通りだ。
 実際には彼女の手解きを受けながら作成することになるので、そう難しく考える必要はないだろう。
 肝心なのは――そう、『ダンジョンの中身』である。
 手のひらにのっかりそうなほど小さな木だが、中には極小のダンジョンが形成される。
 その雰囲気や、生態系を作るモンスターや、形成されるトラップなどをある程度デザインして近づけていくことができるのだ。
「できあがったダンジョンは、特別な道具を使って探索の疑似体験をすることができます。これは危険のないものなので、楽しく好きなダンジョンを作ってくださいね」
 さあ、あなたの作るダンジョンは……?

GMコメント

■■■オーダー■■■
 ダンジョニウム体験をしよう!

 プレイング内容は簡単。
 あなたの好きなダンジョンの雰囲気や、モンスターの顔ぶれや、仕掛けた罠やギミックを書いていくだけ。
 といっても、それだけだと迷ってしまいますし、うっかりありきたりなことばかりを書いてしまうかもしれません。
 ですので、相談掲示板で『自分はこういうダンジョンが好きなんだ』といった話を交わしてみるのがいいでしょう。
 他人の話を聞いたり自分で説明したりすることで、上手に出力ができるようになるというモノです。

 できあがったダンジョニウムはお持ち帰り頂けます。実アイテムとして配布すると色々アレなので、フレーバーとしてになりますが、観葉植物的なものを特殊化してコレクションに飾ったりしても素敵かもしれませんね。

 リプレイでは、主にできあがったダンジョンを皆で疑似探索してお楽しみ頂く場面が描かれる予定です。
 厳密な話をすると、この特別なダンジョンウッドの中でのみ生息できる微少な精霊に意識を五感や精神を共有させて、まるですごくちっちゃい自分がダンジョンに入ったかのように楽しむというものになります。
 なのでうっかりすんごい怪物にたたきつぶされたとしても平気なのです。

  • ダンジョニウム体験記完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2019年06月22日 21時30分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

クロバ=ザ=ホロウメア(p3p000145)
夜刀一閃
シャルレィス・スクァリオ(p3p000332)
疾風蒼嵐
ユーリエ・シュトラール(p3p001160)
愛の吸血鬼
エリザベス=桔梗院=ラブクラフト(p3p001774)
特異運命座標
鞍馬 征斗(p3p006903)
天京の志士
カルト・セラピー(p3p007194)
氷輪童熊
ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)
海のヒーロー
ミドリ(p3p007237)
雑草

リプレイ

●ダンジョニウム
 体験会のために集まったイレギュラーズたちはそれぞれ素晴らしいミニチュアダンジョンを作り上げた。

 『死神二振』クロバ=ザ=ホロウメア(p3p000145)――ミニファルカウ
 『疾風蒼嵐』シャルレィス・スクァリオ(p3p000332)――にゃんこと古代遺跡
 『愛の吸血鬼』ユーリエ・シュトラール(p3p001160)――おもてなしダンジョン
 『特異運命座標』エリザベス=桔梗院=ラブクラフト(p3p001774)――笑ってはいけないダンジョン
 『天京の志士』鞍馬 征斗(p3p006903)――木と精霊のダンジョン
 『プリズムベア』カルト・セラピー(p3p007194)――タイガダンジョン
 『とっかり』ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)――イカとアジがとれるぜ!
 『雑草』ミドリ(p3p007237)――やさしいダンジョン

 これらをお腹いっぱい堪能するべく、早速体験レポートに移ることにしよう。

●クロバのミニファルカウ
「俺が作ったのはファルカウをイメージした霊樹の塔だ」
 案内人のクロバが示す通り、手のひらにのるほどの小さな霊樹はファルカウを意識した作りになっていた。
「早速入ってみようよ! どんなダンジョンなのか楽しみ!」
「全員で全部のダンジョンに入るの……は大変だから、くじびきで……二人ずつ入ることにしようね」
 今回のダンジョンを体験するのはシャルレィスと征斗。二人は内部の精霊に意識を接続し、ダンジョン最下層へと入っていった。

 目の前に広がったのは、霊泉の沸き出る蒼と翠の階層だった。
「上の階層に行くには扉がしまってるみたい」
「水で動く装置、みたいだね……」
 早速シャルレィスたちが装置を調べはじめると、あちこちから魔物たちが現われる。
「霊泉を求め住み着いた原初の魔物群だ。戦いながら水をくみ続ける必要があるぞ」
「そういうことなら……!」
 シャルレィスが戦いを担当し、その間に征斗たちが備え付けのバケツをつかって装置に水を注ぎ込んでいく。
 協力してたどり着いた第二階層は、霊樹本体の幹を登るような命芽吹く階層。
「住まう元素を操る精霊族の魔物は来訪者を歓迎せず、蔦や樹そのものをギミックとして妨害してくるぞ。見ろ」
 クロバが指さすと、ツタが鞭のようにしなり、足場になるはずの木が動いて通行を妨害し始めた。
「通りづらいなら、無理矢理にでも通ればいいんだよ」
 征斗はアクロバティックな跳躍によって石の足場をわたり、一方のシャルレィスは動く足場装置を駆使してタイミングよく上の階層へと進んでいく。
 そうしてついにやってきたのは、古代人たちが月を目指し作った『天への回廊』と呼ばれる階層だった。
「霊樹の頂より雲を越え、転移装置を利用しつつ登っていくことになる。だが機兵たちの猛攻をくぐり抜け、天を支配する怪鳥を倒さなければならないが、な」
「そういうのは得意だよ」
「戦って切り抜けるのは……いつものことだよね」
 征斗はサイをシャルレィスは片手剣をそれぞれ抜いて機兵たちへと挑みかかった。
 激しい戦闘の末、ついにたどり着いたのは美しい月ののぼる風景であった。
「『この世で最も月に近い場所』……とある古代人が禁を冒し月に住まう姫恋し、互いに逢瀬の為に作られた場所だ」
 謎と危険をくぐり抜け、ロマンチックなロケーションへとたどり着く。これもまた、王道のダンジョンといえるだろう。
 シャルレィスたちは風景をうっとりと楽しみ、ダンジョンをあとにした。

●征斗の精霊ダンジョン
 幹が絡み合って道になっているような洞窟に、案内人の征斗が立っていた。
 ログインしたカルトとシャルレィスが、きょろきょろと辺りを見回している。
「ここは精霊の気配が濃厚じゃんな」
「クロバのとは別の意味でド直球ってかんじだね!」
「ダンジョンは三階層の構造になってて、ここは初心者が慣れるための階層だよ。
 トラップにかかると上から小さな丸太が降ってくるんだ」
「あいたっ!」
 うっかりトラップの床をふんでしまって頭にミニ丸太がぶつかるシャルレィス。
「で、出てくる敵は精霊じゃんな!」
 カルトはクマのぬいぐるみめいたトモダチ精霊を沢山呼び出すと、仲間を支援しながら襲いかかる精霊たちを追い払い始めた。
「トラップ満載ハプニング……とかは、ちょっと思いつかなくてね。
 散策の楽しさを重視してみたよ」
 征斗の言うとおり、このダンジョンは美しい木漏れ日や風の動きを漢字ながら階層を上下に駆け回るような作りになっていた。
 分岐の沢山ある第一階層から二階層目にうつり、正しいルートを試行錯誤で見つけながら目的の第三階層へと進んでいく。
 第三階層へ到着したときには、入り組んだ一階層の屋根がそのままルートの役割を示し。風景の変わる快感と達成感を味あわせてくれる。
「木と精霊だけでここまでいろんな景色を作れるのはすごいね」
「かも? 精霊もいっぱいだしー」
「ちょっと派手なピクニックって感じで、楽しいよね!」
 カルトたちはきゃいきゃいとしながらゴールの庭園へと到達し、木のベンチに腰掛けたゆったり気分のままログアウトした。

●ミドリのやさしいダンジョン
「PiPiPi! PiPi!」
 『自分達でダンジョンが作れるなんておもしろいね!』と鳴いて、ミドリはダンジョニウムの前でぴょんぴょんと跳ねた。
 そんなミドリの作ったダンジョンは、モンスターもトラップもないダンジョン。
「PiPiPi……PiPi~(ぼくは緑がいっぱいにしたいな~って思って……)」
 うっとりと目を細めて、身体をぷるぷるさせるミドリ。
「PiPi……PiPi(モンスターがいない場所とかいいなって思ったんだ)」
 そんな風に語るミドリと共に、ユーリエと征斗はダンジョンの中へとログインしていった。
「わあ……すごいな。こんな発想は無かったよ」
 征斗はログインして早々目に入ったのは、フィールドをめいっぱいに使った緑の広場だった。
 大きな木に囲まれた空洞で、中央に泉があり、空洞全体に川のように流れている。
 木漏れ日が美しく芝生を照らし、苔や小さな草花が精霊によって作られたそよかぜに揺れた。
「PiPi! PiPiPi! Pi!(ぼくが想像したダンジョン、素敵でしょう!)」
 えっへんと胸を張ってみせるミドリ。
「ダンジョンを作るのに、ギミックやモンスターの要素を取り除いて綺麗な風景だけを突き詰めたんだね」
「くつろぎのダンジョンって発想……うん、確かにこういうのもアリだよね」
 ユーリエは中央に作られた木のテーブルについて、ミドリが作ってくれた蜜をごちそうしてもらった。
「私もね、入った人がくつろげるダンジョンを作ってみたんだ。
 普通はこんなダンジョンを攻略することなんてないし、むしろダンジョンっていうよりただの素敵なお家になっちゃうけど……」
「PiPi!」
「うん、早速行ってみようね。ミドリも私のお城に招待してあげる」

●ユーリエのおもてなしダンジョン
「コンセプトは、『わいわい楽しもう』だよ!」
 ようこそ! といって両手を広げたユーリエ。
 彼女の後ろには『赤い三日月の登る夜』をイメージした疑似天空。そしてハロウィンパーティーのごとくポップに飾り付けされた石のお城が聳え立っていた。
 可愛くディフォルメされたコウモリがぱたぱたとやってきて『ようこそー』と言いながらお城へと招き始める。
 両開きの扉を開くと早速ホール。
『新しいお客さんだー!』
『よろしくねー!』
 ぱたぱたと飛ぶコウモリたちが椅子をひき、テーブルにお菓子を並べておもてなしをしはじめた。
 そんなダンジョンにお呼ばれしたのは、ミドリとクロバのコンビであった。
「PiPi!」
「ああ……まさかこんな発想があろうとは、だな」
 内部空洞に夜の背景と石のお城を作る発想も素晴らしいが、武力や知力では突破できない『くつろぎ』が攻略条件になるというとても斬新な発想だ。
 というか……そんなダンジョンがあるなら行きたいとい。もはやテーマパークだった。
「PiPi! PiPi!」
 ミドリははしゃぎながら椅子に飛び乗り、ふかふかの座面に満足していた。
 一方のクロバはソファに腰掛け出されたおやつを手に取ってみる。
「しかし、このフロアだけで終わりにするのはもったいないな。城の様子からして、他があるんだろう?」
「もちろん!」
 ユーリエはコウモリの飾りがついたカチューシャをつけ、『ついてきて!』といって上階への螺旋階段をのぼりはじめた。

「第二の部屋、『食べ物の罠』!」
 ユーリエが案内した部屋には沢山のスイッチがセットされていた。
 ここだけみるとダンジョンっぽいが、スイッチにはそれぞれケーキやパフェやプリンといった甘いお菓子が書いてある。
「Pi Pi Pi Pi~!」
 ミドリがケーキのボタンを押してみると、回転寿司めいたベルトコンベアがぐおんぐおんと動いて奥からお皿にのったケーキが出てきた。
「このスイッチはね……実は罠なんだ」
 ユーリエが深刻な顔で言った。
「甘いものが無限に出てくるから……誘惑をふりきれないと、太っちゃうんだよ!」
「……だろうな」
 再現精霊を使ってログインしているだけなので実際には太りはしないが、なんだか出てきた後に謎の虚無感に襲われそうな感じはあった。甘い物を楽しむのもほどほどにしなくては、である。
「次は最後の部屋だよ。その名も『ふれあい広場』!」
 接客をしてくれていたポップなコウモリたちとふれあえる広場である。そのまんまだが、ミドリはぴぴーといって飛びはね、コウモリたちと遊び始めた。
「まさか、ダンジョンに入って接客をされるとは思わなかったな……」
「でしょう?」
 ユーリエは得意げに笑ってみせた。

●エリザベルの笑ってはいけないダンジョン
 黒ジャージを着せられたクロバを想像できるだろうか。
 急に想像力の限界を試してしまって申し訳ないが、次に限界を超えてもらう。
 青ジャージを着せられたワモンを想像してくれ。胸に『アシカ』って書いてあるジャージだ。
「オイオイ水着より先にジャージを着せるたぁどういう了見だ? あとオイラはアシカじゃねえ!」
「今までいろんな服着てきたけど、これは初めてかも知れない」
「おまえらー、今日から精霊になってもらうで」
 赤ジャージを着たエリザベスが謎の口調で現われた。
「ここはガースー黒光精霊学校や。この門を潜ったら、絶対に笑ったらあかんで。笑ったらパイ投げ精霊の制裁がくわえられるんや」
「おいまて」
「聞いてない」
「いくでー」
 門を潜るとすぐ目に入るゴブリン精霊。
 全身を緑に塗った半裸の精霊(35歳独身男性)が胸に一生懸命『ごぶりん』って書いてる風景だった。
 シャッと顔をそらすワモンとクロバ。
「まずは入学式やで。体育館に集合や」
 言われるまま体育館に入ると。学ラン姿の精霊たちがパイプ椅子に座っていた。
 最前列に座らされる二人。
 すると、黒いサングラスをつけたチョウ精霊がステージに現われた。
「この中に、精霊の掟を破ったやつがいる」
「おれじゃないです! おれじゃないです!」
 必死に首をふるホウ精霊。
「お前だ!」
「ちがいます!」
「来い!」
「あああああ! あいつ! あいつです! アザラシに言われたんです!」
「嘘をつけェ!」
 チョウ精霊のビンタをうけ、ホウ精霊はステージから転げ落ちた。
 口を押さえて明後日の方向をむくワモン。真顔のまま微動だにしないクロバ。
 その後、二人を襲うシュールギャグの猛攻にワモンとエリザベスは幾度となく吹き出し、顔面にクリームパイをいやってくらい叩き付けられた。
 ちなみにクロバは終始ずっと真顔のまま微動だにしなかった。

●ワモンのウォーターダンジョン
「ひでーめにあったが気を取り直して行くぜ!」
 ワモンが『ついてきな!』としっぽを振ってダンジョンへと突入していった。
 体験するのはユーリエとエリザベス。
「これはまた……他とは一転してほぼ水でございますね」
 浮き輪でぷかぷかういてるワモンに続いてユーリエとエリザベスも水に入ってみるが、ダンジョンの通路はほぼほぼ水中。
 イカや半アジ人のようなモンスターがあちこちに現われ襲いかかってくるというものだ。
「泳げない奴のために陸路だけでも攻略できるようにしてるぜ。
 ただしその場合はモンスターやトラップがひたすら水に突き落としてくるから注意してくれよな!」
 トラップの解除も水中探索や水の中で装置を動かすものが多く、息継ぎができない人のために酸素ボンベや息継ぎポイントが設置されていた。
「まって。この休憩ポイント……」
 ダンジョンの途中に作られた休憩ポイントで立ち止まるユーリエ。
「どうみても釣り場だよね」
「イカとアジが釣れるぜ!」
 ご親切に釣り竿まで設置された桟橋。
 しかしそこから先はボスエリアだ。
「出てくるのはどんなボスなのでしょう?」
 ここまでの流れでなんとなく察していたエリザベスが話を振ると、ワモンは『ヘイ!』て感じで腕を振った。
「勿論、デカいイカだぜ!」

●カルトのタイガダンジョン
「ヒャア! ダンジョンじゃあー!」
 テンションアゲアゲのカルトが案内するのは、オーロラののぼるタイガのようなダンジョンであった。
 夜空を再現したダンジョン壁には大きなオーロラがはしり、遠くでは虎や鹿といったタイガに生息するモンスターが再現されている。
「こう、ちゃんと知識があると攻略しやすいってのんが好きやしな。実在のモンスターを参考にしたじゃんな」
「Pi!」
「そうだな。オイラたち放って置いたら喰われる側だな」
 ダンジョンに案内されたのはワモンとミドリ。
 アザラシと草である。
「トラ来てるじゃんな!」
「うおー! こっちくんなー!」
「Pi!!!」
 獲物を見つけて猛烈な勢いで突っ込んでくるアムールトラ型モンスター。
 ワモンはガトリングを乱射しミドリはソーンバインドを振り回して戦った。
 このタイガを探索するかのようなダンジョンではトラやシカのほか、寒冷地仕様のスライムやスノーゴブリンが闊歩し、アイテムの取得によって寒さを防いだり動物的修正を利用して有利をとったりという工夫ができるようになっていた。
 が、カルトの真骨頂はここではない。
「狼も虎もこのダンジョンの主役にはせんの。カッコイーけどな」
「じゃあ主役はなんなんだ?」
「もち――」
 開けた場所に出た途端、巨大なクマが現われた。
「森では熊がさいきょーじゃんな。あとこいつはさいきょーだから。勝てないから」
「かてねーモンスターいんのかよ!」
「Pi!!!!」
 凶暴かつ強すぎるクマから逃げまくり、時に生肉を置いて遠ざけ、うまいことクマから逃げながらゴールを目指す。
 これはサバイバルダンジョンなのだ。

●シャルレィスのドラゴンダンジョン
「いろんなダンジョンを見せて貰ったからね。最後は王道で締めるよ!」
 自信満々にエリザベスとカルトを招待したシャルレィス。
 あちこちが木々に侵食されてる神秘的な古代の遺跡……風のダンジョンが広がっていた。
「正統派じゃんな」
「ほのかに明るいのは……この水晶や蛍のせいなのでしょうね」
 エリザベスのいうとおり、木々からちょこちょこ露出した青白い水晶が光を放ち、粒状の蛍めいた精霊光を散らしてフロア中をまんべんなく照らしていた。
「やっぱり王道のギミックといえばこれ!」
 シャルレィスが取り出したのは三つの色の水晶だった。
 これを、壁にあいた同じ形の穴に順序よくはめ込んでいけば木の根が動いて道が開けるという作りだ。
 開けた先はながーい縦穴だが……?
「えっ、落ちたら死ぬし」
「いえいえ、よく見れば葉が上向きに飛んでおりますよ。それに……」
 ふと見ると、にゃんこが首から『穴に飛び込むといいことがあるよ』と書かれた札を下げて横穴からちょこんと顔を出していた。
 どうやらギミックが解けずに迷っている人への救済措置として、にゃんこがヒントを出してくれる仕組みになっているらしい。
 カルトとエリザベスが試しに穴にぴょんと飛び込んでみると、強い風によって上階層へと一気に吹き上げられた。
 そうして現われる古代の機兵や怪鳥たち。
 精霊パンチやエリザベス砲で追い払いながら突き進むと……。
「さあ、おまちかね! ダンジョンのボスといえばコレだよね!」
 シャルレィスが天空を指さすと、暴風を纏ったドラゴンが舞い降りた。
「ファンタジックなギミック。古代の兵器。そしてドラゴン! これぞダンジョンのロマンだよ! そして全てを倒した先で手に入るのは……」
 シャルレィスが特別に最後の部屋に通してくれた。
 綺麗に飾られた部屋には大きな宝箱がひとつ。
 カルトとエリザベスがいそいそと開けてみると。
「…………」
 山田精霊さんが体育座りで入っていた。
 黙って閉じる二人。
「いれなくていいっていったのに……」
 当のシャルレィスは顔を覆っていた。





 こうしてダンジョニウムを一通り楽しんだイレギュラーズたち。
 彼らの体験はレポートにまとめられ、宣伝材料として商人へと広められていくだろう。
 もしかしたら、街角でダンジョニウムを見かける日が来るかも知れない。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 お帰りなさいませ。
 ダンジョンへ挑むことはあっても作ることはそうそうないものですね。
 けれどいざ作ってみると王道から特殊な環境まで、ネタものやおもてなしをするだけの変わり種まで、様々な種類が作られました。きっと事業を始めたハーモニア女性も新鮮な発想に喜んでいることでしょう。

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