シナリオ詳細
女性を攫いし小鬼ども
オープニング
●人攫いを行うゴブリン
この世界には、奴隷商人というものがはびこっている。
人の斡旋、派遣ではなく、単純に商品として人を売買する者達のことだ。
その人を確保する手段として、人攫いを行う者達がいる。
大抵、悪党であり、大切な商品として扱ったり、奴隷として扱ったりとひどい扱いをされている。
それでも人である以上、扱いはその域を出ない。
人攫いを行う者は人だけとは限らず、それらは人を人としてすら扱うことはない。
意外かもしれないが、ゴブリンという生き物は女性を攫うことで知られている。
たかがゴブリンと侮ると、大変な目に遭う。
単体だと弱小の部類とされることも多い魔物ではあるが、群れるとかなり厄介な連中となる。
また、遭遇例はそこまで高くはないが、ゴブリンの中でも強化個体が存在する。
例えば、ホブゴブリン。群れを統率する能力が高く、数倍の体躯を持つ個体だ。
ゴブリンシャーマンは、怪しげな術を使う。これが1体いるだけで群れの精度が非常に高まり、危険度を増す。
これら2種が存在するだけでも、初心者であれば返り討ちどころか、全滅の危険すら発生する危険な相手となりうる。
こいつらが攫った者達は人としての扱いすら受けない。人を商品としてすら扱わないどころか、家畜同然、いや、それ以下の扱いを受ける。
下手をすれば、飽きられれば殺される危険すらある。生きているうちに、攫われた者達を助け出したいところだ。
●女性達の解放の為に
傭兵……ラサ傭兵商会連合、首都ネフェルストの街中。
ローレットから派遣されてきたイレギュラーズを発見し、『穏やかな心』アクアベル・カルローネ(p3n000045)は笑顔を見せる。
「お待ちしていました。少し店に入りましょうか」
昼間は徐々に日差しが強くなってきている。
砂漠地帯に位置するこの国だと、さすがに外で立ち話は辛いとメンバー達もそれに応じる。
店に入ったメンバー達は水ですらも高価な飲み物になりうるこの国で、それよりも安価な果実ジュースを口にしつつ、アクアベルの話に耳を傾けることになる。
「依頼書で、人攫いを行うゴブリンの話はすでに目を通しているかと思います」
場所は王都の北、山岳地帯に差し掛かる辺りにゴブリンどもが根城としている洞穴がある。
この場所に、複数の女性が攫われているという被害報告が上がっている。
規模は最低でも20体とされているが、具体的な数は確認されていない。
この為、できる限りこちらも人を集めて対処をという状況だ。
「すでに、この王都だけでなく、近隣の集落から若い女性ばかりが攫われているようです」
アクアベル自身も、以前は人身売買された過去を持つ。
ただ、それでも相手は人間だ。奴隷とされるなどひどい扱いはされるが、それでも扱いは人間の域をでない。
「相手は家畜以下の扱いを強いると言います。……それは想像を絶する苦痛を伴うはずです。肉体的にも、精神的にも」
ともあれ、早く女性達を救出したいが……。
アクアベルは事前調査である程度の敵の能力とその場所だけは調べてはいるが、さすがに奥の方までは調べることが難しかったようだ。
何があるか分からない為、洞穴内には慎重に侵入したい。
敵のペースにハマってしまえば、それだけでパーティー壊滅の危険すらある。
「繰り返しますが、たかがゴブリンと侮りませんよう、くれぐれもご注意を」
一通りジュースを飲み干したメンバー達へとアクアベルは釘を刺してから、依頼の説明を終えたのだった。
- 女性を攫いし小鬼ども完了
- GM名なちゅい
- 種別EX
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2019年05月31日 22時00分
- 参加人数10/10人
- 相談5日
- 参加費150RC
参加者 : 10 人
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参加者一覧(10人)
リプレイ
●ゴブリンの巣穴へ
傭兵北部の山岳地帯。
その洞穴へとローレット所属のイレギュラーズ達は向かう。
「今回の仕事は、人拐いのゴブリンどもを始末だ」
元居た世界では任侠の世界で生きていたという『義に篤く』亘理 義弘(p3p000398)が改めて内容を確認する。
敵の詳細は不明、通常個体の他、強力な奴もいるらしい。
「何度か戦った相手だけど、全部『外』の戦いなんだよね」
優しい笑顔のお兄さんといった風貌の『瞬風駘蕩』風巻・威降(p3p004719)の言うように、ゴブリン自体の交戦経験はあれども、相手の陣地での戦いは初めてという者も少なくない。
「数の暴力というのは、それだけで危険だわ」
たかがゴブリン、されどゴブリン。
ふくよかな体に柔和な笑みを浮かべているのが印象的な『毎夜の蝶』十六女 綾女(p3p003203)だが、巣穴の中でどの程度敵が増えているか分からないからと気を引き締める。
「世界平和を望む一魔王としては、ゴブリンたちの所業を許すわけにはいかん!」
長く赤い髪をツインテールとした黒い肌のアンデッド、魔王とも呼ばれていたことがある『不死の女王(ポンコツ)』ホロウ(p3p000247)が叫ぶ。
ホロウは本来、あまり生命を奪うことを好まないのだが、ゴブリン達が話の通じなさそうな相手だから仕方ないと割り切っていたようだ。
「魔法少女参上! です!」
今回の話を聞いたボーイッシュな赤髪格闘少女、『体育会系魔法少女』秋嶋 渓(p3p002692)は怒りを露わにして叫ぶ。
「悪いゴブリンさんたちですね! さらわれた女性を助けなきゃ! です!」
「そうです。何より攫われた女性達の安否が心配です」
そこで、大きなおめめと兎の耳が目を引く小柄な少女、『小さき首狩り白兎』飛騨・沙愛那(p3p005488)が気にかける。
女性達が無事だといいが……。現状では何とも言えない。
「ゴブリンってあれだよね! 群れると危険な女性の敵って聞きました! つまり、悪い生物!」
「……純粋に怒りを覚える所業ではありますね」
沙愛那が伝え聞いた情報を仲間達へと伝えると、弱気そうな儚げな印象を抱かせる少女、『氷晶の盾』冬葵 D 悠凪(p3p000885)が本音を語る。
ゴブリンの行為は許されざるものだが、その怒りすら利用されそうな相手とあって、悠凪は冷静になろうと努めていた。
「ただ群れると面倒な相手なのに、指揮する個体がいるみたいなんだよね?」
すでに攫われた女性を救出したくはあるが、異世界で治癒士として活動していた少女、『治癒士』セシリア・アーデット(p3p002242)は油断しているとこちらが全滅しかねないと仲間達へと告げる。
「それでも、捕まっている人達を助けてあげたいよ」
ゴブリンに連れ去られた女性達は間違いなく、辛い思いをしているだろう。
けれど、きっと生きていれば、いい事もあるだろうから。
「……だから、私も頑張って助けに行くよ」
凛とした表情で、セシリアは一切の迷いを抱かず、仲間達へと本心を告げた。
「悪いゴブリンさんも成敗しないとですね! 許せませんから!」
少しばかり、渓はゴブリンに捕まってしまうことに不安もあるが、大丈夫と彼女は自らを奮い立たせていたようだ。
「放っておいたら、どんどん被害が広がっちゃうよね。早く退治に行かなきゃ!」
「攫われた女性を、悪夢から早めに救い出せるよう頑張ろうか」
赤い髪をポニーテールにした半神半人の女の子『炎の御子』炎堂 焔(p3p004727)が気合を入れるのに対し、威降はミイラ取りがミイラにならぬようにと注意を促す。
「人の命もだが、尊厳にも関わる戦いだ」
仮に命が助かったとしても、被害者女性が生を選ぶとは限らぬ状況。だからこそ、全力で当たると義弘が拳を鳴らす。
「女性を辱める悪い子は首を断たないと!」
沙愛那もまた、干し首コレクションにゴブリンを追加すると首狩り包丁を煌めかす。
「私たちはゴブリンを狩るものとなりましょう」
決意を口にする悠凪はこんな考えを脳裏に過ぎらせる。
仲間が誰も犠牲にならず、かつ、皆救出して。
……もし犠牲が出ても、自分や最低限で済むように、と。
●いざ、洞窟内部へ
問題の洞穴へと到着したイレギュラーズ一行。
敵地への侵入とあり、皆、様々なスキル、道具などの準備を整えているが、特にブレザーの制服姿をした『ハム男』主人=公(p3p000578)は長い棒、毛布、ロープ、水に食料、灯りの予備と用意していた。
余談だが、デュアルアバターというギフトを持つ公は、男女の姿を使い分けることができる。今回は男性姿での参加の為、彼と呼称する。
これらの道具は、攫われた人々の為にと公が用意したもの。組み立てれば担架にだってできる。
最悪、服が剥ぎ取られている場合、食糧を与えられずにひもじい思いをしている場合。彼は考えられうる事態を想定していたようである。
さて、突入に当たってはホロウが霊魂操作で死者の霊魂を呼び寄せていた。
「中で挟み撃ちにされたくはないのでな!」
外に出払っているゴブリンがいるとも限らず、洞穴内で敵に挟まれる危険を考えた彼は、その霊魂に入口の見張りを頼むことにしていた。
とりあえずは、後方の憂いがなくなったことで、イレギュラーズ一行は奥へと突入する。
洞穴内部は松明が焚かれているが、基本薄暗い。
その対策は、メンバーによって様々。
まずは、暗視のスキルを使うのはホロウ、セシリア。
サイバーゴーグルを使って対策をしていたのは、公、威降、沙愛那だ。
それらを使えば、視界の確保は容易だろうが、やむなく灯りを使う者もいる。
隊列中央の綾女は発光のスキルで自らを光らせ、光源とする。
とはいえ、その光度は義弘の持つカンテラと同程度といったところだ。
「多少、目立つのは仕方がないけれど、余り遠方まで届かせると投石による先制攻撃を許しそうだしね」
「それでも、相手にこちらの位置を知らせる事になるがな」
だが、暗がりから強襲されるよりはよりゃよっぽどいいと、義弘もカンテラの使用は割り切っていたようだ。
焔もまた、敢えて目立つような形で照明を確保する。
所持する槍『カグツチ天火』の先に、焔は自らのギフト『神炎』で火をつけて松明替わりとする。
混沌を訪れた焔の力が弱体したモノらしく、余り熱くはないのはさておき。
さらに、彼女は足元に落ちている石にも同様に、ギフトで火をつけて通路の先へと投げ込むなどしていて。
「足元の罠は見つけやすくなるかな?」
実際、暗がりの落とし穴を発見するのに一役買っていたらしく、焔は満面の笑みを浮かべていた。
もちろん、見つけた罠をメンバー達は放置などしない。
見つけた罠は後の憂いがないように、公や渓がしっかりと罠対処で解除していった。
●分岐の先には……
少し行くと、直線に続く通路の右手に折れる脇道を発見する。
そこで、イレギュラーズ一行はこの場で待機する班と、探索に向かう班の2手に分かれることになる。
脇道へは、公、悠凪、セシリア、威降、焔、沙愛那の6人が向かう。班分けには、超聴力などのスキル所持を考慮していた。
「すでに、ゴブリンに気づかれている可能性もあるね」
公は罠や敵の待ち伏せも十分警戒し、聞き耳を立てながら少しずつ進む。
その通路は、あちらこちらに罠が仕掛けられていた。
毒矢、落石、槍衾に落とし穴。小細工を弄した感がはなはだしい。
さらに、沙愛那が通路にゴブリンが隠れていないかと視力、聴力、嗅覚と、ハイセンスをフルに活用する。
大所帯での攻略もあり、通路で奇襲されることだけは避けたいところ。
威降も天井、壁、床、松明の陰などに、罠や敵などが隠れていないかと細心の注意を払う。
少し進んだところで、セシリアが仲間達の歩みを制して。
「気を付けてください。かなりの数のゴブリンがいるようです」
「女性の声も聞こえてくるぞ」
「私も聞こえました。どうなっているのか、心配です」
セシリアのエネミーサーチで感知した敵は15程度。さらに、威降と沙愛那がかすかな女性の声を耳にしていた。
メンバー達が物陰に隠れながら近づいて様子を窺うと、そこはゴブリンの生活空間といったところらしい。
「グギャッゲギャアッ!」
「ひいいいいっ!!」
そこには、足枷をされた2人の女性の姿がある。
どうやら、ゴブリンどもの日常生活の世話を強制させられているらしい。
その待遇は、奴隷となったメイドの方がマシなレベルだろう。
全身は殴打されてアザとなり、腕や足に残る傷跡がまだ新しくて実に痛々しい。
強いて言うなら、顔に殴打された跡がないのが救いか。
ちょっとしたゴブリンどものこだわりなのかもしれないが、殴られる女性達は怯え切っており、逆らう気力すらも失っていたようだ。
「…………」
「…………」
言葉を失ってしまうメンバー達。
それでもまだ、生かされているだけマシではあるのだが……。
ともあれ、女性がいるなら見過ごせぬと、探索班は一旦待機班と合流に向かう。
中央通路で待機していた班はホロウ、義弘、渓、綾女の4人。
彼らは探索班を待っている間、後方、天井などを警戒していた。
「今のところ、近場に悪意は感じないですね!」
「少し静かに頼む。物音が聞き取れん」
感情探知持ちの渓や超聴力持ちの義弘がメインとなり、敵の接近がないかと警戒しつつ、皆の帰りを待っていた。
今のところ、ゴブリンどもが猟兵に気づいた様子は見られない。
合流したメンバー達はまず、右手脇道の攻略をと踏み込んでいく。
そして……。
「「「ギャギャッ!?」」」
踏み込むイレギュラーズに驚くゴブリンども。
メンバー達は布陣を保ったまま攻め込むのだが、先ほどは確認できなかった大きな個体が奥から歩み寄ってくる。
「オノレ、ニンゲン……!!」
それは、身長3mもある個体、ホブゴブリン。
そいつは両腕の拳を叩きつけるようにしながら、イレギュラーズ達との距離を詰めてくるのである。
●巣穴のゴブリン
その空間は、洞穴の中にあってそれなりに広い場所だ。
この場所を使い、ゴブリン達は衣食住を行って生活していたらしい。
「グギャアアアッ!?」
「ギャッ、ギャッ、グギャアアウウ!!」
思いっきり喚くゴブリン達は自らの巣穴でくつろいでいたようで、気が抜けていた様子。
だからこそ、イレギュラーズ達にも付け入る隙がある。
飛び出していくイレギュラーズ達はゴブリンどもが戦闘態勢を整え切ってしまう前に、一斉に蹴散らしにかかる。
一行がこの場で最優先討伐対象としているのは、ホブゴブリンだ。
こいつは事前情報によれば、怪力を活かした直接攻撃だけでなく、遠距離から石を力に任せて投げつけてきたり、火炎瓶を投擲してきたりすることもあるという。
「ヨグモ、オレダチノスアナヲ……!!」
不明瞭ではあるが、どうやら人の言葉がわかるらしいホブゴブリンへと、威降が素早く迫る。
「風巻・威降だよ。覚えなくてもいいけれどね」
「オバエラ、ユルザン……!!」
ホブゴブリンを煽る威降は両腕に嵌めた手甲『リベリオン』を構えつつ、その抑えへと当たっていく。
しかし、ホブゴブリンの周囲へと通常種のゴブリンどもが群がり、棍棒や毒ナイフで攻撃してくる。
攻撃に当たってはホブゴブリンを巻き込みながら、雑魚の数も減らしたいところ。
前線で棍棒をぶん回す敵は比較的対しやすい部類だが、毒ナイフを振るう個体は雑魚ながらに面倒だし、後衛にいて弓を射てくる敵も地味に厄介だ。
公は指にはめた真鍮製の指輪、『魔神の指輪』を煌めかせる。
魔術の触媒ともなる指輪の力に頼り、彼はその場に高圧水流を巻き起こしてゴブリンどもを押し流していく。
敵の数が多ければ、義弘も存分に力を振るうことができる。
「人の尊厳を奪った罪、安くはないと知れ」
己の肉体を武器として戦う彼は、両腕を突き出すようにして体を旋回させ、小さな暴風域を発生させていく。
これに巻き込まれ、空中へと巻き上げられたゴブリン数体が呼吸を奪われて苦しそうにしていた。
「女性を辱めたんだもん。首を断たれて当然だよね!」
そいつらの首目掛け、沙愛那は楽しげに禍津刀「首断」を振り下ろしていく。
次の瞬間、首が胴体へと別れを告げたゴブリンがどす黒い血飛沫を吹き出して崩れ落ちていった。
「できるだけ、節約していきたいですね!」
渓は後で、肝心な時にヒールができないと問題だからと、後衛から抑え目に攻撃を行う。
それでも、渓が発する不吉なる囁きはゴブリンどもを惑わせることとなる。
その一撃にぶち抜かれた雑魚は耳から脳漿をぶち撒け、卒倒していたようだ。
やや遅れる形で飛び込んだ悠凪は、前線で抑えに当たる威降や公のカバーへと当たる。
「前哨戦なのは間違いありませんからね……」
敵の数が足りない上、シャーマンの姿が見えない。この場に情報のない個体がいないことは僥倖というべきか。
だからこそ、悠凪は勝利のルーンで自らに加護を与え、前線で己の身を張り続けていく。
そんなメンバーの支えを受けながらも、ホロウも距離をとりつつ魔力銃で応戦する。
「やはり、話が通じぬか……、致し方ない」
敵の数が多い序盤であれば、ホロウも心の底に渦巻く悪意を殺傷の霧に変えて、敵陣へと浴びせかけていた。
焔も道中は照明として利用していた槍をしっかりと武器として利用し、ゴブリンどもを痛めつけていく。
「女性達は返してもらうよ!」
その槍の先端から、焔は炎の斬撃を飛ばす。
彼女の父親は炎の神であり、その力を自分でも使えるようなレベルに調整したものなのだとか。
ゴブリンは業炎に包まれ、その身を焦がしていたようだったが。果たして、それが完全な力で放たれていたならどれだけの力を振るっていただろうか。
綾女は仲間の中央に立ち、サポートを続ける。
舞う夜蝶の如く立ち振る舞う綾女は、荒ぶるホブゴブリンを狙う。
「群れの長は優先的に潰さないとね」
ひらり、ひらり……。
彼女は獲物と見定めた相手から、精気と運気とを奪い取っていく。
「グ、グオオオオオッ……!」
その巨体へと、イレギュラーズ達の攻撃が集まる。
ホブゴブリンも苦しそうに呻きながらも、自らの拳を、剛腕を振るってくる。
依然として、ホブゴブリンを抑え続ける威降が彼の重い一撃に苦しめられていた。
「やはり、長期戦は不利ですね」
長引けば、相手に力で押し切られかねない。
威降は正面から相手の巨体を殴り掛かり、さらに鋭い手刀で膨らんだ腹へと渾身の一撃を刻み込み、深く傷を与える。
ただ、幾度かホブゴブリンから拳をもらっている威降も足元がぐらついていた。
「早く、女性達を助けなきゃ……」
セシリアは、怯えて助けを請う女性達の姿から目が離せないでいるが、下手に動けば人質にされる恐れもある。
まずは、この場のゴブリンを倒すことが先決。
セシリアは攻撃する仲間を回復役として支える為、調和の力を賦活の力へと転化し、抑える威降の体力を取り戻させていく。
交戦は5分程度だったろうか。
ホブゴブリンを優先的に叩くイレギュラーズだが、結果的にはそのホブゴブリンが最後まで残る形となる。
勝利のルーンで自らの強化する悠凪が他メンバーのダメージを肩代わりしつつ、敵の剛腕に対して膂力でカウンターを繰り出し、相手の顔面目掛けて曲刀『ドレイクの尻尾 』で切りかかっていく。
「グガアアアアアアッ!!」
顔面を真一文字に切り裂かれたホブゴブリンが叫ぶと、そいつの胸部目掛けて義弘が至近距離から衝撃波を伴う一撃を打ち込んでいった。
「しまいだ」
「オ……オデ……」
ようやく、ホブゴブリンは意識を失い、重い音を立てて崩れ落ちていったのだった。
この場のゴブリンどもへと、イレギュラーズは1体ずつトドメを刺して回る。また気づいて奇襲されてはかなわないからだ。
そこで、ようやく、助けが来たのだと実感した女性2人が涙を流してイレギュラーズ達へと感謝を示す。
見たところ、10代後半くらいに見える。
まだ、花も恥じらうような年代なのに、ゴブリンによってトラウマを植え付けられてしまった、悲しい少女達。
「ありがとう……ありがとう……」
「もう、ダメかと……思いました……」
途切れ途切れに喋るのは、それだけ彼女達がゴブリン達にこき使われ、虐げられていたからだろう。
そんな彼女達を、セシリアが優しく抱きしめる。
「どうか落ち着いてください……」
まだ、混乱を見せる彼女達に簡単な治療を施し、食料を与える。
他にも、回復スキルを持つ公や綾女や焔が差し出す救急箱を使って手当てを行うが、ゴブリンの巣穴では満足に休ませることもできない。
「…………」
女性達の姿を、険しい表情で見つめる義弘。
攫われた女性の数は最低でも5,6人はいたはずだ。
それを考えれば、彼女達よりもなお酷い仕打ちを受けているかもしれない。
「女とクスリはご法度なんでな」
その事を頭の片隅に置き、義弘はなおも女性達の救出活動、及びゴブリンどもの殲滅に動く。
そこで、イレギュラーズ達は彼女達をどうすべきかで一時意見が分かれてしまう。
外へと逃がすべきか。それとも、自分達と共に行動すべきか、である。
「外に止めた馬車に避難してもらう方がいいと思うのです」
沙愛那の主張は最もだが、先ほど誰かが話していたが、外へと繰り出すゴブリンがいないとも限らない。
そうなれば、馬車などは真っ先に狙われる危険がある。結果として、安全が確保されているこの場が最も安全ではないかとメンバー達は判断していた。
「ゴブリンがうろうろしている外より安全だから、ここに潜んで待っていてほしい」
公が少女2人へと頼み、「こんなこともあろうかと!」と大きな音を立てる防犯ブザーの様なものを出し、彼女達へと託す。
「不安だと思うが、我を信じて待っていて欲しいのだな!」
ホロウがそんな彼女達へとドンと胸を叩く。
一番の力不足を感じているホロウだが、そんな彼女の言葉も女性達を勇気づけるには十分。
すでに一度、ゴブリンの魔の手から救い出している状況である。
彼女達も助けてくれたイレギュラーズを信じることなど、動作でもないことだ。
とはいえ、折角助け出した少女達をゴブリン共の死臭漂う場所に放置する状況も忍びない。
メンバー達は手早くこの場の跡片付けを済ませ、メインの通路奥の探索を再開させていく。
「おっと、その前にっと」
先ほど、自らのギフトで火をつけた石を投げこんでいた焔。
この場のあるその石はしっかりと回収してその火を消す。
「これなら、外からゴブリンが来たりしても、脇道の方に行ってないって思ってくれるかな」
女性達を残す脇道奥に松明はあれど、人為的な形跡だけは残さぬようにと配慮し、焔はその場を後にする。
「なら、こうしましょう」
綾女はゴブリンの遺体をいくつか運び出す。
それを入口付近から主要な道に点々とこれ見よがしに転がすことで、襲撃者たる自分達の方へと真っ先に来るよう誘導しようと提案していたのだった。
●奥の分かれ道
さらに、奥へと進んでいくイレギュラーズ達。
次、左手側に伸びる脇道も先ほどと同様に待機班を残し、探索班だけで進んでいった。
その先には残念ながら、さらわれた女性の姿は確認できなかった。
数体いた通常種のゴブリンは沙愛那の『沙愛那ちゃん★キック!』などであっさり倒してしまったのだが、袋小路となったその場所は食糧庫や宝物庫となっていた。
食料はほとんどが生肉の類。襲った家畜などを無造作に放り込んでいるような印象だ。
宝物は人々等を襲い、追いはぎしたものだろう。
強引に奪い取った為かほとんどが使い物にならぬ状態であった為、メンバー達は後程回収して換金することにしていた。
程なくして、合流した2班。
「お帰りなさい。どうだったかしら」
「お疲れ様です! 癒やしますよ!」
綾女が探索班を気掛けて、傷つくメンバーへと治療へと当たっていく。渓も同じく治癒魔術によって、探索班の傷の手当てに回っていた。
長期の探索に当たり、気力の充填を気掛けていたのは綾女だけではない。
ホロウもある程度温存も気掛け、気力が少しでも回復できるようにと考えていた。
また、セシリアは充填能力を最重視してスキルを組み立てていた。
彼女のエネミーサーチと回復スキルは一行にとって大きな力となっており、この依頼の功労者となっていたのは間違いない。
その後、メンバー達は通路に仕掛けられた罠を解除しつつ奥へと進む。
「隠し扉や落とし穴にゴブリンが潜む状況も考えていたが……」
義弘がそんな懸念も口にしていたが、さすがに敵はそこまで考えていなかったのか。それとも、そもそもそういった相手は最初からいなかったのか……。
メンバー達はあれこれ考えるうちに、目の前の通路が大きく2つに分岐する場所へと差し掛かった。
これまでとは違い、脇道への分岐ではなく、両方とも本線の延長線上といった印象だ。
「ここは、音がする方が優先ということでどうだろう?」
公の提案を受けて、一行は多数決をとる。
超聴力を持つ義弘、威降、沙愛那がしばし聞き耳を立てて。
「左から何か物音がするな」
「そうだな、こっちがゴブリンで間違いないと思う」
「同感です! ゴブリンの首を断ち切りましょう!」
全員一致で、左の道から確認することに。
ちらほらと罠が巡らされているだけでなく、ここにきて、通路上にゴブリンが現れるようになってくる。
ここでも、エネミーサーチを使うセシリアや、感情探知を行う渓が敵を早期に発見してくれる。
比較的、余裕をもって対処できる状況は実にありがたい。
そんなゴブリンの奇襲も難なくやり過ごしつつ、メンバー達は左奥へと到達して。
「よく ここまで きたな……」
これまでで最も流暢に語るゴブリンの声。
そいつは通常種のゴブリンと同程度の大きさながらも、明らかに知的な顔をした個体。
ゴブリンの中で妖力を操り、トラップ技術に長けるゴブリンシャーマンだ。
さらに、通常種のゴブリンもずらりと集まっている。
その数はまた20程度。残るゴブリンのほとんどがこの場に集まっているとみて間違いない。
どうやら、一行が脇道に入っている間に、洞穴内への侵入に気づいたシャーマンがある程度イレギュラーズ達を迎え撃つ準備を整えていたらしい。
見るからに、幹部が集まりそうなこの部屋にも、あちらこちらに罠が仕掛けられてある。下手に動くと危険だ。
そして……。
「これいじょう ちかづくと こいつら ころす」
シャーマンはイレギュラーズ達へと、捕らえた女性3人の姿を見せつけ、勝ち誇ったような笑みを浮かべていたのだった。
●死力を尽くして
「助けて……」
「もう、いや、いやなの……!」
「ここから、出して!!」
その女性達はいずれも、イレギュラーズ達へと救いの眼差しを向けてきている。
にやにやと笑うゴブリンシャーマンに対して、イレギュラーズ達は丁寧に対処を試みる。
「人質を取らねば、なにもできないのか」
下手に相手を刺激するのもそうだが、義弘が相手へと問いかける。
目の前の女性達は、先ほどの女性達と同様、暴行の跡が見られた。
彼はこの状況でも、冷静に熱く行動をと心がける。
「相手は俺達だ。彼女達は関係ないだろう」
そこで、威降もまた、シャーマンの気を引こうと試みる。
それによって、敵が感情的になって人質の利用を止めれば最良なのだが……。
「なんとでも言え……」
しかし、シャーマンもまた冷静だ。こちらの言葉にすぐ感情的になどはならない。
今度は、沙愛那がシャーマンへと呼びかける。
彼女はただ呼びかけるだけでなく、ギフトを使って20歳となった自分の姿を見せつける。
小柄だった身長はすらりと伸び、Bカップだった胸はGカップにまで成長する。
「ゴブリン共、そんな人質なんて捨てて私に向かってこいよ! 私を『凌辱』して『くっころ』してみなよ!」
見事なプロポーションをさらす沙愛那は眼光鋭く告げ、ゴブリン達を誘惑しようとする。
なお、本人は「凌辱」も「くっころ」もよくわかっていない。
彼女はお母さんが「ゴブリンにあったら気を付けなさいと言ってたから、多分好きなモノ」くらいに考えていたらしい。
実際、通常種のゴブリンなどはにやにやして近づいてきていたし、シャーマンも彼女の姿に感嘆する。
付け加えると、ゴブリン共が捕らえた女性達は比較的スタイルの良い女性が多かったようである。
そこで、悠凪と公がスキルを使う素振りを見せた。
最終手段ではあるが、盾にしてくるのであればと、彼女達は止む無く女性達を巻き込むようにして、ゴブリン達へと攻撃を仕掛けていく。
公が高圧水流でゴブリンどもを押し流し、悠凪がその間に飛び込み、女性達の救出に当たる。
だが、シャーマンにとって、それは一つの手段が失敗しただけ。
「ならば これでどうだ」
シャーマンが奥から呼んだのは、先ほどと同じくホブゴブリン。
しかしながら、シャーマンはそいつの体に強い霊を降ろしてさらなる強化を施していた。
シャーマンとは元々、霊と交信する者を指す。
ゴブリンの中では高度な知識を有するシャーマンの名を有する個体だが、こいつもまたその例には漏れなかったということか。
「グオオオオオオオオォォォォ!!」
強化ホブゴブリンが猛然と殴り掛かり、悠凪を昏倒させてしまう。
パンドラの力に縋ることのなかった彼女は、倒れて動く様子がない。
「いきては かえさん……!」
怒りに満ちるシャーマンが筆頭となり、ゴブリンどもは残る全ての力を使い、イレギュラーズ達に対して抵抗してくるのである。
「来い、相手になってやる」
威降が改めてシャーマンの引きつけに当たると、綾女も脇道部屋での戦いと同様、群れの統率者を潰す為に夜蝶のごとく舞い踊る。
「グギギギ……」
シャーマンは精気と運気とを奪い取られながらも、新たに呼び寄せた霊をけしかけてくる。イレギュラーズの言うところのアタックオーダーの様なスキルだろうか。
しかしながら、その霊もまたメンバーに取り付き、運気を吸い取ろうとしてくるところが大きく異なる。
そのシャーマンを気にかけながらも義弘は邪魔な通常種へと突撃していき、次々にゴブリンどもを薙ぎ倒していく。
公もまた、ハイドロプレッシャーでの攻撃を続けていた。
その水流では敵を倒すことはかなわぬが、それでも敵の動きを封じ、さらに弱らせることができる。
気力が切れれば、指輪から牽制の為の魔術弾を放ち、公は場を持たせようとしていたようだ。
ゴブリン共も、この場を持たせねば自分達の命はないと知っているからこそ死力を尽くして攻撃してくる。
飛んでくる矢と毒の刃、そして棍棒による殴打。
単純ながらも、いくつかの攻撃方法で攻め立ててくる敵へ、焔は槍を使って炎の斬撃を繰り返し、数体を巻き込んで溶断していく。
「ゴブリンは総攻撃を仕掛けている。後、ひと踏ん張りだ!」
敵から距離をとるホロウは仲間へと呼びかけながらも、殺傷の霧を展開し続けてゴブリンを纏めて地面へと沈めていく。
順調にも見えるが、それはあくまで通常種との交戦のみ。
シャーマンや強化ホブゴブリンを相手取るメンバーは、見る見るうちに疲弊してしまう。
半ば乱戦状態ということもあり、セシリアは天使の歌声を響かせていく。
「皆さん、頑張ってね……!」
セシリアの歌声はこの場のメンバー達もそうだが、先ほど人質にされていた女性達も合わせて癒やす。
現状、先ほどの水流やいざこざに巻き込まれて昏倒しているのはある意味で幸いではある。
下手に騒いで、ゴブリン達の感情を逆なですると彼女の太刀の命も危うい。
「早く助けてあげたい……」
女性の数はおそらくまだ足らないとセシリアは考えている。
きっと、もう一つの分岐に残りの女性が捕われているはず。
だからこそ、この戦いを早く片付けたいところだ。
「罠は設置させませんよ!」
渓はシャーマンを狙う。新たに設置する素振りは見せないところを見ると、戦闘用のスキルではないのかもしれない。
それでも、霊を操る攻撃は面倒だ。渓はシャーマン撃破を優先しつつ不吉な囁きを発して敵を攻め立てていく。
もう片方の通路を確認はしていないが、メンバー達もこれ以上激しいゴブリンの抵抗はないだろうとほぼ確信しながら、戦いを繰り広げる。
たかがゴブリンとはいえ、相手は手強い。
威降はシャーマンを正面からねじ伏せようとするが、強敵が2体いる状況で、かつ共に戦線を持たせていた悠凪が倒れた状況もあり、かなり苦しそうにしていた。
それでも、これ以上女性達に危害を加えさせぬようにと、威降も力を振り絞って
「人質は返してもらうよ」
威降は正面から敵を捩じ伏せるべく、シャーマンへと躍りかかり、歌舞く一撃を叩きつけていくが、やや浅い。
にやりと笑ったシャーマンは再度霊を呼び出し、威降へと取り付かせてくる。
うすら寒いその感触は、彼の残り少ない体力を奪いつくしてしまって。
「ごめん、どうやら、ここまで……だ」
意識を失い、威降も冷たい洞穴の床の上へと崩れ落ちてしまった。
しかしながら、義弘はもう一息だと疑わず。
仲間が仕掛けるのを信じ、彼もまた正面から衝撃波を帯びた拳の一撃を打ち込んでいく。
「ぐ、ぐげええ……!」
「今だ」
「任せてください!」
すると、大人の姿のままの沙愛那がスタイル抜群な体を躍動させながら、攻撃集中させた魔術と格闘を織り交ぜた攻撃を仕掛ける。
「その首、もらうよ!」
彼女は禍津刀「首断」を大きく振り下ろし、ゴブリンシャーマンの首を切り落として見せたのだった。
「グ……グオオオオオオォォォッ!!」
そして、強化ホブゴブリンは荒ぶるままにメンバー達を殴り掛かり、攻め立ててくる。
こちらも強敵ではあるのだが、他のゴブリンが倒れた今となってはただ暴れる敵といった印象だ。
怒りで抑えるメンバーが倒れた状況もあり、力を高めてから投擲する火炎瓶や小石が非常に厄介な相手。
「本当、バカ力よね」
綾女は霊の力も相まった強化ホブゴブリンのパワーに辟易としながらも、ひらりひらりと戦場を舞い続けて相手の体力と気力を奪い続けていく。
すると、ようやく目に見えて、敵の動きが鈍り出してくる。
「なかなかに骨の折れる戦いだな」
ホロウは死者の怨念を一条に束ね、それを弓に番えてから一気に射放っていく。
「グ……アアッ……!」
喉元を射抜かれ、大きな声が出せなくなった敵へ、焔が飛び込んで。
「絶対、あの人達を助けるんだ」
別室で自分達がまた訪れるのを待っている女性達がいる。
この場で倒れる女性達も、救出を望んでいた。おそらく、別分岐の奥にも捕らわれの女性がいることだろう。
彼女達の為、焔は極限にまで攻撃性を高め、火焔となった闘気を伴って槍を振りかざし、愚かなゴブリンへと猛撃を食らわせていった。
「グ……ア……!」
全身を炎に包んだ強化ホブゴブリンは前のめりに倒れ、そのまま全身を燃え上がらせてしまったのだった。
●事後、女性達の抱えたモノ
その後、倒れていた悠凪を介抱して。
「耐久には自信があったのですがね……。迂闊でした」
「いや、ひどい目にあったね……」
少し、悔しさを滲ませる悠凪。威降も思った以上の強さを持つ強化ホブゴブリンに驚きと戸惑いを覚えていたようだった。
その後、メンバー達は洞穴内の探索を続ける。
全てのゴブリンを討伐はしていたが、念の為にとメンバー達は警戒を怠ることなく、探索を続ける。
実際、シャーマンが残したと思われる罠はまだ生きていた。
ゴブリンをあらかた倒した状況であっても、罠は生き続けていることがあるのが怖いところである。
このフロアの捜索と、もう一方の通路の捜索にも当たるイレギュラーズ達。
ゴブリンシャーマンが左通路に全戦力を集めていたこともあり、それ以上の抵抗はなかったが、さらに、捕まっていた2人を解放する。
先ほどの脇道に一旦居続けてもらった2人を合わせて、7名の女性はいずれも10代後半から20代の女性達だった。
その後、イレギュラーズ達はようやく、暗くジメジメした洞穴から日の光を浴びることができる外へと出て。
「無事、解決できてよかったです!」
なんとか捕まらずに済んでホッとしていた渓。
一方で、沙愛那は宣言通りに、ゴブリンの干し首をなど作りつつ、女性達の安否を心配していたようだ。
公の用意した毛布などで包み、保護した女性達は今度こそ外の馬車へと運び出す。
彼女達はこれから、植え付けられたゴブリンに対する恐怖と一生涯戦うことになるのだろう。
そんな苦しみについて察しながらも、メンバー達はラサの首都ネフェルストへと戻っていくのである。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
リプレイ、公開です。
MVPは探索、戦闘と活躍を見せたあなたへ。
今回は難易度ノーマルだったので、このくらいで。
またタイミングを見て、もっと手強いやつをやりたいです。
今回は参加していただき、ありがとうございました!
GMコメント
イレギュラーズの皆様、こんにちは。なちゅいです。
今更ながらに、某スレイヤーさんに触発されて、ちょっとガチな奴をやりたいなーと。
ゴブリンと侮ると大変なことになりますので、くれぐれもご注意を。
あくまで、事前情報として分かっている範囲内です。
不測の能力を持つ敵が出ることが十分考えられます。
●状況
王都を含め、近隣集落から女性が攫われる事件が起こっているようです。
表立って確認できている範囲で、5、6件。
ラサの傭兵達も目を光らせていたようですが、敵ゴブリンはなかなか狡猾であり、明らかに群れの精度を高める強化個体がいると思われます。
●敵、ゴブリン
具体数は不明だが、20以上は確実。
それぞれの内訳も不明です。
〇ホブゴブリン
身長3mほどもあるトロルを思わせる巨体を持ちます。
筋力も通常種とは桁が違い、一撃で普通の人間をミンチにするほどの威力があります。
・ぶん殴り……(A)物近単・ブレイク
・鉄拳粉砕……(A)物至単・崩れ
・火炎瓶……(A)神遠列・火炎
・力を高める……(A)神自・溜1・物攻+、神攻+
・小石投げ……(A)物遠貫・防無
〇シャーマン
能力不明。妖力を操る他、トラップ技術などに長けているようです。
〇子分
全長80cm~1m程度。
緑色の肌を持つ小鬼を思わせる姿をしています。
様々な武器を使いこなす為、油断は禁物です。
・毒ナイフ……(A)神近単・毒
・棍棒……(A)物近単
・弓矢……(A)物遠貫・麻痺
=====プレイヤー情報============
ゴブリンの住む洞穴の幅は5~6mほど。
松明こそ焚いてはいますが、基本薄暗い場所であり、灯りは必須です。トラップを仕掛けるずる賢い頭を持つ個体が確実におりますので、くれぐれもご注意を。
入って少し行くと右に脇道。さらに進んで左に脇道。そして、最後2股に分かれております。
どこかに連れ去られた女性達がいるものと思われますが、現状はどこにいるのかわかりません。
========================
●情報精度
このシナリオの情報精度はCです。
情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。
それでは、よろしくお願いいたします。
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