PandoraPartyProject

シナリオ詳細

<クレール・ドゥ・リュヌ>狂乱のランチタイム

冒険中

参加者 : 8 人

冒険中です。結果をお待ちください。

オープニング

●今日も飯が美味い
「ふん、ふんふん~、ビューティフル・デェィ~~」
 天義、首都フォン・ルーベルグ。
 乱立する豪奢な屋根の上に腰かけて、男は鼻歌交じりで肩掛けバッグの口を開いた。
 陽気な男である。
 ラフにして雑に気崩された流行りのスーツ。どっかの世界の旅人がもたらしたモノだったか、と男は考えて、すぐに忘れた。今ここにスーツがあるのだから、来歴はどうでもいいだろう。
 男がバッグから取り出したのは、魔法瓶――これもどっかの世界の旅人が持っていた奴だったか。いつでもどこでも暖かい紅茶が飲める優れものだ。奪い取ってよかった――と、紙に包まれた、巨大なサンドウィッチだ。具はチーズ。ハム。レタス。トマト。シンプルにして王道。男の大好物だ。
 男はサンドウィッチを膝にのせてにんまりと笑うと、だらしなく開かれたシャツの、これまただらしなく伸びたネクタイの先端を背中側にやる。ちょうどその時、眼下の街並みに変化が訪れた。静かだったそれが、瞬く間に騒々しくなる。
「殺せ! 殺せ殺せ殺せ! 騎士どもを許すな! 聖職者どもを許すな! 我々から愛しき人を奪い取る、悪魔の手先を許すな!」
 眼下、一般市民風の男が叫んでいた。手には棒にナイフをくくり付けた即席の槍を持ち、いらだたし気に、カツカツと石畳に叩きつける。
 その背後には、さらに無数の一般市民――老若男女問わず。その全てが狂気に眼を血走らせ、手に手に凶器を持ち、吠えるようにがなり立てる。
 一方、殺気立つ彼らに相対するのは、天義の治安を維持する駐屯聖騎士たちだ。
「クソ、暴徒どもをこれ以上放置するな! 捕えろ……いや、殺しても構わん! 所詮は邪教に堕ちた背教者どもだ!」
 上ずったように叫ぶ駐屯騎士隊長。彼が騎士剣を抜き放つと、控える部下たちもまた一斉に剣を抜き放った。
 果たしてどちらとも知れず駆け出し、両者は街の最中で衝突する。
 響くは怒号。打ち鳴らされる剣戟。消える悲鳴。彩る鮮血――。
「あーっ! アッ、アッ、アーッ! 待て、待て待て待て待て待て! まだ紅茶開けてねぇだろうがよぉ~~~~~~~~~~~~~!!!!」
 眼下にて惨劇が始まったのへ、男は苛立たし気に悪態をついた。慌てて魔法瓶の蓋を開けると、その湯気にのせられた紅茶の匂いを、胸いっぱいに吸い込む。
「飯の前はまず紅茶の香りを楽しむんだよ……血なまぐさいのはそれからッ! あーもう台無しだよ! 飯には段取りってもんがあるじゃねぇかよぉ~~~~~!!!」
 男は慌てて紅茶を一口、口中で転がす。広がる苦みと香りをいっぱいに堪能してから、サンドウィッチにかじりついた。
 瞳を閉じて、ゆっくりと咀嚼する。
「紅茶で湿らした口の中に……広がるチーズとトマト、ハムの味のハーモニーがよぉ……たまんねぇなぁ~~~……そしてレタスがいい仕事してるッ! 加えて最強の環境音っつーの? オーケストラっつーの? それが流れてればよぉ……」
 ごくり、と、男はサンドウィッチを飲み込んだ。恍惚とした表情で、ため息をつく。
「最高のランチじゃねぇかぁ……お前らの悲鳴で飯が美味ぇよ……ここで紅茶を一気ッ! しちゃうんだなこれがぁッ!!」
 男が勢いよく紅茶を飲み干した。……眼下に繰り広げられる地獄など、男――魔種にとっては、食事の余興でしかないのだ……。

●暴徒鎮圧戦
「ローレットのイレギュラーズだな? すまんが、事態はひっ迫している。手短に話すぞ」
 男――駐屯騎士隊長は、依頼を受けてやってきたイレギュラーズたちを見るや、そう告げた。
 現在、天義首都、フォン・ルーベルグを中心に、狂気に侵された人による事件が多発している。その狂気の伝播は、さながら幻想における『嘘吐きサーカス』をも彷彿とさせるものであった。
 だが、天義にサーカスは……狂気のキャリアーの存在は、表面上、見受けられない。
 だが、ローレットのレオンは、こう推察する。
 現在、時を同じくして発生した『黄泉返り』事件――この、『蘇った人物』こそが、狂気の伝播者なのではないか、と。
 この推察が正しければ、同事件をイレギュラーズが解決し続けてきたことは、まさに不幸中の幸いであったと言えるだろう。もしイレギュラーズたちが動いていなければ、潜在的な爆弾の解除はできなかった――つまり、被害は今日の比ではないのだ。
「その、魔種による『原罪の呼び声』……だったか? それにあてられた連中が、市街を乗っ取って……と言うか、まぁ、元からそこの住民なんだが、とにかくそこで暴徒化している。我々も鎮圧を試みたが、いかんせんイカれたあの連中のタフネスは尋常じゃない。腕を切り飛ばしても、平気な顔で襲い掛かってくる……いくら我らが信仰が篤くとも、これでは……」
 そう言って、駐屯騎士隊長は、左手の方角へと視線を移した。その先には、傷つき、うめき声をあげる騎士団員たちの姿が見える。その被害は、どうにも尋常ではないようだ。
「どうやら住民たちは、とある男に『天義は蘇ったモノたちを再殺し、もう一度君たちから愛する者を奪おうとしている』などと扇動されていたらしい。この男ってのが、どうにも魔種のようだ。今も市街でも一番高い建物の屋根に陣取ってわめいてるようだが……」
 駐屯騎士団長は忌々し気に吐き捨てると、続けた。
「だが、奴はどうも……食事にご執心らしい。住民たちを煽ってはいるが、我が我がそれを鎮圧することに対して、妨害めいたことは行っていない。奇妙だが、これはチャンスだ。我々に……そして君たちにとっても。暴徒の数は多い。それを抑えながら、魔種と戦うとなると、おそらく作戦の難易度は激増するだろうからな」
 つまり、今回に限って言えば、魔種は放置しておいた方が得策という事だ。イレギュラーズ達は、残る騎士たちと協力し、暴徒化した住民全てを鎮圧する。
「無力化してとらえろ……とは言わん。全員、殺してしまっても構わない……と言うより、少なくとも我々はそのつもりで戦う。とてもではないが、相手の身を思いやる余裕などはないのでな」
 駐屯騎士団長はため息をつくように言って、イレギュラーズたちへと視線をやった。
「それでは……頼むぞ。命を懸けろ、とは言わん。だが報酬分は働いてくれ」
 駐屯騎士団長の言葉に、イレギュラーズたちは静かに頷いた――。

GMコメント

 お世話になっております。洗井落雲です。
 天義を脅かす暴徒を鎮圧し、街に平穏を取り戻してください。

●成功条件
 暴徒化した住民全ての無力化(生死を問わず)。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●Danger!
 当シナリオにはパンドラ残量に拠らない死亡判定が有り得ます。
 予めご了承の上、参加するようにお願いいたします。

●状況
 場所は、天義の首都、フォン・ルーベルグの一市街区画。太陽が頂点に到達したランチタイムの始まりに、作戦もまた始まります。
 暴徒たちは、市街中に分散しており、すべてを見つけて討伐する必要があります。
 暴徒たちの数は甚大ですが、同時に天義駐屯騎士たちも、鎮圧作戦を開始します。そのため、すべての暴徒たちと戦う事はありません。順調にいけば、総数の半分程と戦う程度になるでしょう。
 騎士たちは、イレギュラーズたちよりは弱いため、もし騎士たちに暴徒の鎮圧を任せきりにしてしまえば、そう遠くないうちに瓦解し、全滅します。
 また、街の最も高い建物の屋根の上では、この件を扇動した魔種『アッティ』が食事をとっています。
 アッティはこちらの作戦への介入を行いません。放置しておいた方が良いでしょう。
 もし、仮にアッティの討伐を目指すのであれば、難易度は上昇し、上記の死亡判定が発生し、情報精度はBに変更されます。

●エネミーデータ
 暴徒化した市民 ×50
  特徴
   老若男女を問わず、狂気に飲まれ、狂暴化した市民たちです。
   総数は50ですが、イレギュラーズたちが順調に作戦を遂行していけば、半分は騎士たちが受け持ってくれるでしょう。
   能力値の類はイレギュラーズよりも低いですが、狂気により痛覚が遮断されているのか、EXFは高くなっています。
   遭遇状況によりますが、3~4名と同時に戦う事になります。
   使用スキルは、近距離を射程距離とする、物理単体攻撃。これは鋭い刃物による攻撃のため、出血のBS付与能力を持ちます。

 『ランチタイムの』アッティ ×1
   特徴
    本件を扇動した魔種です。街の最も高い建物の屋根の上でご飯を食べています。
    こちらからちょっかいを出さなければ、ご飯を食べているだけです。
    情報が不足しています。
    もし討伐するのであれば、『原罪の呼び声』も含み、最大限の注意を払ってください。

 以上となります。
 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。

  • <クレール・ドゥ・リュヌ>狂乱のランチタイム 冒険中
  • GM名洗井落雲
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 出発日時2019年05月18日 23時59分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険中です。結果をお待ちください。

参加者一覧(8人)

クラリーチェ・カヴァッツァ(p3p000236)
ほのあかり
マルベート・トゥールーズ(p3p000736)
饗宴の悪魔
楔 アカツキ(p3p001209)
軋む守り人
河津 下呂左衛門(p3p001569)
武者ガエル
アーサー・G・オーウェン(p3p004213)
烈鋼
新田 寛治(p3p005073)
ファンドマネージャ
藤堂 夕(p3p006645)
小さな太陽
ソア(p3p007025)

PAGETOP