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シナリオ詳細

幻影は声も出せずに
幻影は声も出せずに

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●そこに心はあるのか
「幽霊ぇ?」
「そうなのです、花畑に幽霊が出たということでローレットに調査依頼が入ったのです。話がちょっと込み入っているのです」
 頓狂な声をあげたイレギュラーズに、『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)はしきりに頷き、口早に依頼内容を読み上げようとする。目の焦点が定まっていない用に見えるが、季節外れの怪談に気もそぞろであるから、と考えればわからなくもない。
「幻想北部の農耕地帯に、ちょっとした花畑があるのです。毎年春に色とりどりの花が咲くのですが、大型の虫が集まることがたびたびあったらしいのです。ところが、今年の春先から花畑の中心あたりに『半透明のカオスシードらしき人影』が現れるようになったのです。虫たちは人影に攻撃を仕掛けたそうですが、通り抜けるばかりで当たらなかったそうなのです」
 虫は驚いて逃げたそうなのです、というのがユリーカの言。虫が寄り付かないのなら、まあその半透明のナントヤラが厄介ではあれど、いいことなのでは? という問いかけには、そうでもないのです、と彼女は返す。
「幽霊っぽいものが出るようになったのに合わせて、その周りの草木が枯れているのが確認されたのです。原因は明らかに半透明の影なのですが、普通に攻撃しても全く通らないということですし、魔術的ななにかを向けても素通りするだろうということなのです。影から害意のあることをしてきていませんし、調査に行った農地の人達も異常を訴えていませんので、地面の栄養を吸い上げるようななにか、じゃないかと噂されてるのです」
 それと、とユリーカが続ける。どうやら大型の虫も、そろそろ大群で現れる時期だろう……と。
「虫は放っておいても花畑を荒らすだけ荒らして去っていくのです。それはそれとして、一度駆逐すれば来年以降はそうそう襲ってこないと思うので、どうせだから討伐してほしいとの依頼なのです」
 ひとつだけ問題があるとすれば、地面の栄養が吸い取られているということは、周囲の魔力の総量が減ったりなんやかんやで、イレギュラーズの神秘を司る力も多少なり制限を受ける可能性がある、ということぐらい。
「皆さんならそこまで辛い状況にはならないと思いますが、大技をバンバン放って花畑を荒らし回るのも本末転倒なので気をつけて下さい、なのです」

GMコメント

 いろいろわちゃわちゃしていますが、暴力で全部解決だ! とはいかないようです。

●成功条件
・半透明の人影を調査(最終的に消滅させる)
・花喰蟲の大群の殲滅

●花喰蟲×20
 毎年現れる大型甲虫。受粉とか蜜とかではなく花ごとかじり取って去っていく。人を齧ったりはしないが、邪魔されれば排除にかかるので危険性は変わりない。
 単体の戦闘力はイレギュラーズと1対1なら高確率で負ける程度。だが群れとしての総合力は侮れない。知性がないので連携はしないが、フェロモンに忠実。
 フェロモングロウ(パッシブ。花喰蟲から攻撃を受けた回数に比例して攻撃の集中率が上がっていく。ターン毎リセット)
 鉤爪(物近単・出血)
 臼顎(物近単・痺れ)

●半透明の人影
 幽霊騒ぎの現物。カオスシードの成人女性を思わせる外見をしていて、半透明。あらゆる攻撃が通じないが、攻撃もしてこず意思疎通もできない。
 出現してから今に至るまで、影の周囲から土壌の栄養が吸い上げられているかのような反応を示している(ので、高確率で地中が怪しい)。
 人影が消滅する(人影が現れている原因を排除する)までの間、すべての対象は「物攻・神攻ともに最大値-10%、毎ターンAP-10」。

●花畑
 幻想北部にある色とりどりの花が咲く場所。だが、毎年虫害にあっている。
 戦闘開始時点では花畑から前方40m地点で虫を迎撃することになる。虫達はイレギュラーズをすり抜けて花畑に向かうことはまずない(フェロモン・グロウの影響下)。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 桜の木の下でもないですし死体でもないと思います。不思議だなあ。

  • 幻影は声も出せずに完了
  • GM名ふみの
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年05月07日 00時05分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

日向 葵(p3p000366)
紅眼のエースストライカー
レッド・ミハリル・アストルフォーン(p3p000395)
特異運命座標
武器商人(p3p001107)
闇之雲
七鳥・天十里(p3p001668)
ガンスリンガー
アベル(p3p003719)
未来偏差
鴉羽・九鬼(p3p006158)
Life is fragile
御天道・タント(p3p006204)
きらめけ!ぼくらの
ハッピー・クラッカー(p3p006706)
爆音クイックシルバー

リプレイ

●幽霊騒ぎより君達のが騒がしい
「オーッホッホッホッ!」
 幻想の花畑を背に、『きらめけ!ぼくらの』御天道・タント(p3p006204)の高笑いが響き渡る。花畑と彼女の(どことは言わないが)輝きが相乗し、華やかさを演出している(ような気がする)。
「幽霊騒ぎ……如何な原因かははっきり致しませんが! 良いでしょう!このわたくしっ!」
 言葉を切ったタントは高らかに指を鳴らす。さあご一緒に。

  \きらめけ!/
  \ぼくらの!/
\\\タント様!///
「──が!白日の下に明朗解決ですわー!」
 七鳥・天十里(p3p001668)、『未来偏差』アベル(p3p003719)、『クイックシルバー』ハッピー・クラッカー(p3p006706)、 『特異運命座標』レッド・ミハリル・アストルフォーン(p3p000395)、『Life is fragile』鴉羽・九鬼(p3p006158)の5人はこのコールに乗っかっていたらしく、タント(以下『タント様』)の放つ光に拍手喝采を送っていた。ここまで依頼の空気塗りつぶされたの初めてだよ。
「さて、幽霊騒ぎかぃ。本物か、枯れ尾花か、はたまたお宝か突いた蛇か……。どれだろうねぇ?ヒヒヒヒヒ……」
 そんな一種の狂騒もどこ吹く風、『闇之雲』武器商人(p3p001107)はニタニタと笑いながら、背にした花畑に軽く目をやった。彼等からだいぶ距離があるが、それでも『幽霊』の姿ははっきりと見えている。ゆらめきながらもはっきりと姿を主張する様は、なるほど、騒ぎになる程度には恐怖を助長する姿をしている。実に彼好みな案件と言えるだろう。
「オカルト話と害虫退治が一つになって来るんスか、なんだそりゃ」
 『紅眼のエースストライカー』日向 葵(p3p000366)は依頼内容を聞いても、実際に現場に赴いてもなお、今ひとつ理解に苦しんでいた。一度に相手にする出来事、要素が不必要に多い気がするのだ。たまさか複数の出来事が重なったので、体よくまとめて処理させられているに過ぎないのでは? そんな疑問が湧くのも当然だ。
 当然、なのだが。放っておけば来年もその次も、花畑は無残なありさまを晒すことになる。土壌から植物を育む力が失われつつあるのなら、いずれその一帯が草一本生えぬ地帯になることもあり得る。
 いずれ解決せねばならぬ問題なのだ、どちらも。
「で、実際に見る影不思議っす! たしかに見る限り女性の人っぽいっすね」
「うぅ、怪談とかでありそうですよね……」
 レッドと九鬼は『幽霊』の姿を目にし、想像以上にハッキリ見えることに驚きを隠せない。
 九鬼は同行している人魂、『イン』にしきりに煽られているが、それとこれとは別で怖いらしい。乙女心は得てしてそういうものだ。
「こまけぇことはいいんだ! よ!!! 虫は駆除すりゃオールオッケーだ! ミ☆」
 ハッピーはそもそも自分が幽霊なので今回の騒動に関して何か深く思うところはないらしい。ついでに言えば幽霊なので戦闘面では滅茶苦茶しぶといが、素で生身の肉体持ってて彼女以上にしぶとい武器商人がいるので文字通り『影が薄い』。幽霊に影があるのかは知らないが、装備には影が差すのだろう。
「いやはや、敵にすると恐ろしいですが味方になると心強いと言う奴デスネ?」
 アベルの言ももっともである。運命というやつはなんて恐ろしい連中を得意運命座標として選んだのか。多分これ9割ハンマーのせいだろ。絶対そうだ。
「うーん、幽霊なのかなあ、でもそれなら多少は意思表示しそうだけど。案外ホログラムとかだったり」
 天十里は「しないか」、と続けて自分の推測を否定したが、『そう』とも『そうではない』とも言える状況なのである。仮に当たっていたら、と考えると恐ろしい洞察力だが。
「では花喰蟲の引きつけは武器商人様とハッピー様にお任せして、わたくし達で駆除して差し上げますわ! わたくしが居れば大丈夫ですわー!」
 タント様は一事が万事この調子なので、仲間達は見ているだけで安心できる状況だ。その安心感こそが戦場での一挙一動を差配するというのが恐ろしいだけで。
「クイックシルバーも頑張ってくれるならラクが出来て嬉しいねえ、ヒヒ」
「私に薬がキいてる限りは万事問題なく終わりますよ!!!」
 武器商人とハッピーは言葉を交わしながら花喰蟲の一群の方へと駆けていく。ハッピーは秘薬なしでは武器商人の粘り強さに一歩劣るが、アベルに言わせれば『誤差』である。一般論でもそうである。
 先頭切って飛んできた花喰蟲目掛けて個体にハッピーが持ち前の声量とマイクで挑発を入れ、脇を抜けて後方のイレギュラーズに向かいかけた個体へと武器商人が破滅の呼び声を浴びせかける。突如として噴き上がった強烈な危機感と敵意は、蟲風情でも十分理解できたらしい。
 両者へと群がる花喰蟲は次々と増え、顎と爪とが無遠慮に全身に突き立てられる。それぞれの傷は浅いかもしれないが、群がられれば必然、避け難くなり、受ける傷も深くなっていく。
 まだまだ、戦闘は始まってもいないというのに――満身創痍、ここに極まる。

●幽霊よりも厄介で
「群がられてる様子からしてオカルトなんスけどね……っと!」
 葵は、花喰蟲が2人に群がったのを見て取ると、性格なコントロールでボールをうち一体の頭部に叩き込む。腕の何本かを弾き飛ばしたその一撃に続くように、連続して弾丸が突き刺さる。黒と銀、二挺のアンティークリボルバーを構えた天十里は、銃口の先で1体が散ったのを見て心中で快哉を上げた。
「うわぁ……見てるだけでちょっとげんなりします……」
 九鬼は心からの嫌悪を顔に貼り付け、因業断を抜き放ち、勢いよく斬撃を『飛ばす』。触れずとも切れる斬撃を、他事に心を乱された蟲が避けられる道理はない。
「ここまでわらわら群がってるのは勘弁願いたいっすね、ボクも」
 見えない斬撃に身を捩った個体は、続けざまに放たれたレッドの剣技で胴を切り裂かれ、すぐさま動きを止める。明らかに花を食う為ってレベルじゃない発達ぶりに顔をしかめつつ、レッドは距離を取る……そこに降り注ぐ銃弾の雨は、しかしレッドも、2人の仲間を巻き込むこともなかった。
「ほら、死なないって言った所で痛くないわけでもないんでしょう?」
 アベルのくぐもった声に合わせるように、矢と弾丸が驟雨のごとく降り注ぐ。仮に花喰蟲が彼を認識し、回避という選択肢を取って避けうるか。その現場を見た仲間達は否と断じるに違いない。
 平時の彼を知っていればカルい青年程度にしか思うまいが、いざ戦闘となればこの通りだ。……敵に回したくない、という認識は彼にだって当てはまろう。
「――おいで、おいで。好きなだけ、貪りに来るがいい」
 噛みつかれ切り裂かれ、あふれる血の量は明らかに致死の程度を超えつつあった。否、すでに超えていてもおかしくはない。それでも武器商人は倒れなかった。
「済まんね! 悪戯するのがアイデンティティなんでね!!!」
 冗談めかして騒音の如き声を撒き散らすハッピーにしてもそうだ。倒れそうな傷を負って、全く動じるところがない。
 ……これが2人の『しぶとさ』だ。戦闘続行にはとても向かない傷ですら耐える。血の一滴、傷のひとつで毎秒ごとに倒れ続け、立ち上がり続ける。まさに不出来なダンスをみているようだが、今この戦場で、2人を倒せる『敵』はいない。
「オーッホッホッホ! この完璧な布陣を前にして花畑を荒らそうだなんて許しませんわよ! 皆様に何かあればわたくしが全力で! 癒やしますもの!」
 タント様の自信に満ち溢れた言葉は、彼女自身の実力ではなく仲間を誇ってこその言葉。彼女の目は、一分の隙もなく場のすべての存在、その一挙一動を見守っている。
「いくら攻撃されても倒れないとか、アレこそオカルトじゃないスか……?」
「頼もしいことにはかわりないっすよ……ってうわぁ!?」
 葵は的確に1体ずつ蟲を(文字通り)蹴散らしていく。討ち漏らしを斬り飛ばしたレッドは、そのうちの1体が自身に向かってきていることに悲鳴を上げた。下手をすれば、群がられる。
「さすがにそれは見逃せないね!」
 天十里は素早く状況判断を下すと、レッドに取り付いた蟲を撃ち抜いていく。
 彼の銃弾はときに怒りを呼ぶが、今この瞬間に必要とされるのはただただ『破壊』の一点のみ。
「助かったっす……だいぶ減ったっすけど、ほんと見た目エグいっすね」
「まったくねぇ。さっきまでバスバス倒されてたくせに土壇場になって死にきらないとか距離を取るとか、なんだあれ」
 レッドの言葉に応じつつ、アベルは四方を撃つ手を緩めない。2人を覆う蟲達はしきりに位置を変え、イレギュラーズの攻撃を避けようとしているが、アベルのそれを躱せるか、というと無理がある。
 結果として多くが撃ち落とされ、残すは少数。なれどしぶとく生き残るそのザマは、もはや何を目的としていたかすらわからない。
「もうそろそろお暇の時間だ! ぜ!!!」
 ハッピーは、ことここに至ってしまえば遠慮なしといったふうにマイクを構え、大音声を至近の虫に叩きつけた。音はそのまま破壊力と化し、最後の1体を破壊する。……仲間が影響を受けなかったのは、指向性マイク様様といったところか。
「これで全部ですわね! あとは人影の調査ですけれど……」
 タント様が状況を確認し、武器商人とハッピーを念入りに治療する。倒れはしない、といっても無傷ではないわけで、うっかり倒れられると困るのである。
 ……そんなわけで、今回の依頼の本題。幽霊調査へと移る。

●その真相
「……何も返ってきませんね? 幽霊じゃないんでしょうか」
 九鬼が人影に対して意思疎通を試みたが、霊魂相手の手法ではなんら反応を見出すことは出来ず。
「……挨拶してもなんともないっすね? もしかして、本当に映写機のようなものが埋まってるんすかね?」
 レッドの声に対しても、何の反応も示さない。人影はただ立ち尽くすだけで、外部の声や音、霊魂としての機能すらもないように思われた。
「ヒヒ、こんなこともあろうかとスコップを用意しておいたんだヨ。枯れてるところを掘り返そうじゃないか」
 武器商人はマジでどこから取り出したのか、スコップを地面に突き立てる。葵は手持ち無沙汰だったので、予備のスコップを借り受けて勢いよく掘っていく。
 ハッピーもまた、こんなこともあろうかとって感じで土を袋に詰め、スコップで穴を広げていく。どんなことを想定していたんだ本当に。

 やがて、葵のスコップが硬いものを探り当てると、三者はそれを素早く掘り出し……出てきたのは、立方体の塊であった。
「人工物……ですわね? 誰が何の目的で埋めたのかしら?」
 タント様は首を傾げ、しげしげと立方体を眺める。よくよく見れば、人影は立方体を中心に上下しているので、どうやら本当に人工物によるホログラム、であるらしい。
「いや、これ最近とか何年前とかに埋められた土の様子じゃないでしょう? 花畑に埋めたっていうより、埋めた場所が花畑になっただけじゃないです?」
 アベルは、土の状態や立方体の具合を五感を駆使して確認し、それが相当な昔に埋められたという推測を立てた。どうやら彼の言葉どおり、目的と結果が逆になったパターン、のようだ。
「箱で機械で構造がわかるならスイッチもあるってことだね! っていうか分りやすいところにスイッチ付けろよ! ミ☆」
 ハッピーは幽霊らしく箱をすり抜け、内部を手探りし、ときに顔ごと突っ込んで探りを入れる。よくわからないコードとかよくわからない部品を触ったり引っ張ったり……した結果、ブツンと音を立てて人影は消えてしまった。
「……やっちゃった?」
 ええ、なんの前触れもなく、普通に、いきなり。大体ハッピーのせいで。
「と……とにかくこれで一件落着ですわ! いい感じに解決ということでこの箱は役に立ちませんでしょうから! 処分ということで!」
 タント様が慌ててフォローを入れると、一同は機械的に頷き合い、掘り返した土を埋め戻しにかかった。こんなこともあろうかと、袋に止めておいてよかった。本当に用意周到である。
 それから数日後、箱が埋められていた場所にもささやかであるが芽生えがあり、来年以降は見事に花をつけるだろう……という話がローレットに届いた。
 ささやかな幽霊騒ぎは、結果として来年と、その先の未来の花畑の平和を守ったのである。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 お疲れ様でした。遅れて申し訳ありません。
 それにしても、事件の発端から敵に対する攻撃対策まで、だいたい全部アタリを着けられてしまって、これはもうどうしたものかと。2人も的中するとか予想外でした。
 虫も、なんていうか……その、不幸な事件だったね。

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