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シナリオ詳細

キャプテンオルカと海賊タイムアタック

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●海洋警備隊ミルフィー支部長『キャプテンオルカ』
「よォう、ブラザー。今日も荒波を越えてるかい」
 紙煙草を手に、シャチの男がニヤリと笑う。
 牙の多いギザ歯に煙草を咥えると、フィンガースナップによるスパークで火をともした。
 チューインガムのような長細い名刺カードを受け取ってみれば、『海洋警備隊ミルフィー支部長』と書いてあった。
 本名はなく、二つ名である『CAPTAIN ORCA』が記されている。
「ここらミルフィー諸島周辺の海域を担当してる警備隊さ。
 聞いたぜ。『大渦』を倒したんだってな。俺らの間じゃブラザーは有名人だ。
 思い出話をサカナに酒に付き合って貰うのが依頼……ってのは冗談」
 煙草を手に取り、キャプテンオルカは港のむこうを振り返った。
 ウミネコの飛ぶ更に先。おおいなる水平線。
「依頼内容は『海賊退治』だ。
 が、ただ退治するってんじゃあおもしろくねえ。
 俺らのチャレンジチームとブラザーたちチャンピオンによるタイムアタックで行こう。
 ブラザーたちが勝ったなら、今夜の酒を奢るぜ!」

 ルールは簡単。
 それぞれ別々の船に乗り込み、別々の海賊船を襲撃。
 襲撃開始から撃滅までのタイムを競おうというワケだ。
「ま、こんな作戦にしたのはワケがあってな。
 まずこの図を見てくれ」
 キャプテンオルカがチェスボードの上に船の模型を二つ並べた。帆の模様からして海賊船だろう。
「こいつらは通称『堕落のリリス』。
 姉と妹でそれぞれ海賊船を持ってるコンビの船隊だ。
 以前一隻で挑んだところうまい具合に連携されちまってダメだった。
 ここはもう一チーム必要だ……となったが、あいにく前回の襲撃に失敗したことで人手が足りねえ。
 そこで急遽追加人員としてブラザー――ローレットに依頼を出したのさ。
 俺の船とブラザーの船で同時に『堕落のリリス』へ襲撃を仕掛け、連携を寸断。各個に撃滅って寸法だ。
 ブラザーの強さは疑っちゃいねえ。楽しくやろうぜ!」

GMコメント

 海洋警備隊、『キャプテンオルカ』のチームと合同で海賊退治を行ないます。
 彼らとローレット、どちらが先に海賊を倒せるかの競争をしましょう。

【戦闘の流れ】
 海賊船隊『堕落のリリス』。その姉側にキャプテンオルカたちが、妹側にローレットが船をぶつけフックをかけ、襲撃をしかけます。
 戦闘終了後はどちらが先に倒しても手出しは無用です。自分側が終わったら他を手伝うといったプレイングはカットしてください。

【エネミーデータ】
 『堕落のリリス』は姉妹海賊をリーダーにした集団で、部下はほぼ男性戦闘員と奴隷(非戦闘員)でできています。
 ローレットが担当するのは妹側。こちらのリーダーは『マゼンダ』といいます。(余談ですが姉の名はアッシュです)
 パワーファイターで格闘と小さなマスケット銃による至~中距離戦闘を得意としています。イレギュラーズとタメはるかちょっと強いくらいの戦闘力を持っています。
 部下の戦闘員は10名。イレギュラーズとタイマンはったらまあイレギュラーズが勝つだろうという個体戦力差ですが、しっかり連携していかなくては相手の統率力に負けてしまうかもしれません。
 部下を効率よくかつ早く倒す方法と、できるだけダメージを抑えつつリーダーのマゼンダを釘付けにする方法を考えておきましょう。

【味方NPC】
 今回『堕落のリリス』姉側を担当するキャプテンオルカとその部下たちです。
 キャプテンオルカは電撃による攻撃や音波打ち込むタックルなどで敵をしびれさせ、的確に潰していくというスタイルです。
 今回のイレギュラーズとは同じくらいの戦闘力があるので、きっといい勝負をしてくれるでしょう。

【宴会パート】
 戦闘に勝利したなら宴会パートがひらかれます。
 一般的な海辺のレストランで開かれるので、好きな食べ物とお酒の好みをリクエストしておきましょう。
 未成年の方はノンアルコールをどうぞ。
 余談ですが、キャプテンオルカは刺身料理と電気ブランの組み合わせが好物です。

【アドリブ度】
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用くださいませ。

  • キャプテンオルカと海賊タイムアタック完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年03月26日 22時20分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

エイヴァン=フルブス=グラキオール(p3p000072)
波濤の盾
燕黒 姫喬(p3p000406)
猫鮫姫
伊吹 樹理(p3p000715)
飴色
寒櫻院・史之(p3p002233)
冬結
マリナ(p3p003552)
マリンエクスプローラー
フィーゼ・クロイツ(p3p004320)
穿天の魔槍姫
カタラァナ=コン=モスカ(p3p004390)
海淵の呼び声
ルア=フォス=ニア(p3p004868)
Hi-ord Wavered

リプレイ


 春先の海にはどこか暖かい風が吹き抜け、港近くを飛ぶ海鳥がきゅーきゅーと声をあげている。
 揺れる船の手すりに寄りかかり、『Hi-ord Wavered』ルア=フォス=ニア(p3p004868)は併走するもう一隻の船へ振り返った。
 シャチそのもののような模様をした船、オルカ号。その舵をとっているのはシャチのような頭をした男、キャプテンオルカである。
 声の届かない距離ではあるが、キャプテンオルカは親指を立てて合図を送ってくる。
 今回は『堕落のリリス』という海賊船団を彼らと協力して一席ずつ相手取る作戦になっている。
 それだけでもナンだからと、早く倒した方が打ち上げの費用をもつという賭けレースとなっていた。
「海賊退治を競争するとは、中々に面白い事を企てるのぅ」
「たしかに、小粋な催しねぇ。んま、程々に運動しますかっ」
 ぐいっと身体を反らせて準備体操らしきものをする『猫鮫姫』燕黒 姫喬(p3p000406)。
 そうこうしていると、肉眼で確認可能な距離に海賊船が見えてきた。
 同じ船首像をもつ二隻の船が、若干のカラー違いでぴったり並んで走っている。
 この二つで挟み込み船の機動力を殺して一気に攻め落とすというのが、彼らのやり口であるらしいが……。
 対してこちらも二隻。逆に相手の内側から押し広げるように攻め込み、戦力を分断させたまま倒してしまおうというのだ。
「やるからには勝たないとね。勝ったら奢ってくれるっていうし」
 『黒曜魔弓の魔人』フィーゼ・クロイツ(p3p004320)は愛用している弓の調子を確かめるように、弦を指でぴんと弾いた。
「要は目の前の奴等をとっちめればいいんだろう?」
 話をざっくりとだけしか聞いていなかったらしい『海抜ゼロメートル地帯』エイヴァン=フルブス=グラキオール(p3p000072)。盾をノックして突撃の準備を整える。
「突入かぁ……ちょっと懐かしくなってきたかも」
 医療鞄の中身をチェックし、軽く柔軟体操を行なう『飴色』伊吹 樹理(p3p000715)。
「試されてる気もするし、頼られてるなら、期待に応えないとね」
 目に決意のようなものを浮かべて、盾をとる樹理。

 海洋にその人あり、と最近割とがちめに噂される『女王忠節』秋宮・史之(p3p002233)。
「競争とは燃えるね! しかも相手は女王陛下の海を荒らす悪しき海賊。これは見過ごせないね」
 史之は赤い光のシールドを展開させると、遠い昔を思い描いた。
 いや、それほど遠くはないのかもしれない。数えてみれば数ヶ月のことである。
「女王陛下とのあの夜の思い出は月日が経っても色褪せることはないよ。さあ今回も海洋の平和を守るぞ。はりきっていこう!」
 彼のやる気を受けて、のんびりと歌っていた『海淵の呼び声』カタラァナ=コン=モスカ(p3p004390)がぱちりと目を開いた。
 イルカの尾にも似た髪を払い、振り返る。
「そろそろ、かな?」
 オルカ号がこちらに戦闘開始の合図を出してくる。
 こちらもそれに応えるように、戦闘開始の合図を出した。
 もうじき船は射撃可能エリアへと入る。
 情報にあった相手の戦闘能力からして、先制をとれるのはおそらくこちらだ。
 船……白夜壱号の舵をとる『マリンエクスプローラー』マリナ(p3p003552)。
「賊は滅ぼすデース」
(大体、賊の癖に私より部下が多いとかゆるせねーんですけど……いやそもそもアレは部下というか奴隷みたいなモノだから、別に部下ではない、という事にしておきましょう)
 マリナはフリントロック式の銃を抜くと、帆に受けた風で強く船を進めた。
「油断大敵。確実に潰していきましょーね」
 狙いをつけて、引き金を――。

●『堕落のリリス』マゼンダ隊
 目標発見。二隻です。
 マゼンダの船でそんな声があがった。
 作戦というのは二度以上続けば対策がたつものである。
「非戦闘員は隠れててくだせー」
 マリナは凍てつく魔弾を敵船に向けてシュート。
 一拍遅れてカタラァナやニアが範囲砲撃を開始した。
「貴様らに、重力の何たるかを叩き込んでくれるわ。文字通りにな!」
 次波動による干渉を大気へと行い、高濃度の重力子を錬成。それを照射する。範囲内では強烈な潮汐力が生じ、変形・破砕を引き起こす。直撃時、重力子の残留による質量増加が生じる。
 ……という説明を聞いて正しく分かるものは少ないだろう。要するに、星の力で遠くの敵を殴るのだ。
 カタラァナも『夢見る呼び声』を歌うことで威力を加算していく。
 作戦というのは二度以上続けば対策がたつものである。
 マゼンダたちは奴隷を盾にして船を急速前進。
 白夜壱号に叩き付けるように距離を詰めると、船から一斉に部下を送り込んできた。
 援護射撃を仕掛けようとしていたフィーゼは急速な接近に対応。
 打ち出すはずだった矢を黒い槍に変え、近距離から発射した。
 船へ乗り込む海賊が、マスケット銃による乱射を仕掛けてくる。
 両者ヒット。衝撃でよろめく。
 フィーゼのよろめきがいくらか大きく、その隙を突くように別の海賊がサーベルを繰り出してくる。
 が、その間に挟まる盾。
 樹理は盾からちらりと顔を覗かせると、盾を中心に増幅した魔術が弾となり、ガトリング砲のように打ち出された。
「姫喬ちゃん、援護するよ!」
「あいよ、背中ぁよろしくね樹理ちゃん!」
 射撃直後の空白地帯を狙って飛び込む姫喬。
「ここはあたしらローレットと警備隊らの鉄火場んなった! 文句があんなら、このあたし、姫喬にブツけなァ!」
 腰から宝刀を抜くと、踊るように振り回して見せた。
「向かってくる奴ァ、斬る!」
「そっちは任せたぞ!」
 エイヴァンと史之が味方を船に残し、それぞれ敵船へと飛び込んでいく。
 部下を先に行かせたマゼンダに強襲するためだ。
「ぬん……!」
 『リダホッド・ヴォルヌーイ』というパワースイングでそこらの木箱や樽を振り回すエイヴァン。
 マゼンダの周囲を固めていた海賊たちに叩き付けると、彼らの注意を引きつけにかかった。
 【飛】や【怒り】の効果が通ったわけではないが、ここまで食い込んで暴れ出した奴を普通は放っておけないという心理からの行動である。ある種、まっとうな引きつけ作戦であった。
 その一方で、史之はマゼンダへと突撃。
「やあはじめまして、きみ可愛いね。俺とお茶でもどう? 俺、パンケーキの美味しいお店知ってるよ」
 軽口を叩きながらシールドでの体当たりを敢行した。
 対するマゼンダは鋼のグローブをはめ込み、シールドめがけてパンチを繰り出してきた。
「アタシはタフな男が好きなんだよ。ひょろひょろ野郎はクラゲとでも遊んでな!」
 クリーンヒット。
 が、史之はその衝撃を七割殺して受け流し、マゼンダを船中央まで押し込んでいく。
「そういわないでよ。キスで口を塞いじゃおうかな?」
「チッ……」
 マゼンダの拳と、シールドを纏わせた史之の拳が激突する。

「この状況、都合が良い……!」
 ニアは跳躍、反転、船の縁に着地すると、ガンウォンドを二丁まとめて構えた。
「タイムアタックじゃからな、効率良くいこうではないか。徹底的にのぅ!」
 直線上の放電攻撃が船内を走り。ほぼ混戦状態にあった海賊たちの間をまっすぐに抜けていく。
 直後、マリナはアンカーを結んだロープを頭上でぐるぐると振り回し、遠心力でもって海賊の一人に叩き付けた。
 直撃を受け、船の外へと落ちていく海賊。
 続けとばかりに歌うカタラァナ。『掻き抱くブライニクル』の魔術が海賊の動きを氷結させていく。
 むろん、一方的な戦闘というわけではない。
 マスケット銃による集中砲火が浴びせられ、樹理は盾によるガードを強化。
 カラフルなエネルギーフィールドを全周へ広く展開し、銃撃をなんとかこらえていた。
 それでも抜けてくる弾を身体で受け、全弾を耐えしのぐ。
 少人数ではどうあっても訪れるリロードタイム。
 これを効率的にふさげるほどの統率は、どうやらとれていないようだ。
 姫喬はギザギザの歯で笑い、海賊の中へと飛び込んだ。
 咄嗟に繰り出されたサーベルを剣で受け、表面をぎらりと発光させながら滑るように斬撃。
 海賊の腕がはねとばされ、悲鳴をあげたところに顔を寄せた。
「イマ投降してくれたらアトで便宜を図らなくもないぞ。いっひひ」
 その一方で、敵陣に思い切り乗り込んで注意を引いていたエイヴァンは集中攻撃を受けて深く傷ついていた。
 エイヴァンの命中能力と相手の回避性能及び特殊抵抗値ではそうぽんぽんBSが付与されそうにないというのを逆に利用して、エイヴァンは豪快なリダホッド・ヴォルヌーイをあえて連発していく。
「これで最後だ……!」
 海賊の一人の足を掴み、船外へと遠投するエイヴァン。
 史之はその様子にニッと笑った。
「どうやら、僕らの勝ちみたいだね」
「……ハッ、前言を撤回してやるよ。あんたはクラゲ野郎じゃない……タフな野郎だ」
 マゼンダはほぼ無傷。一方の史之は結構な怪我を負っていたが、必要な時間を稼ぐことはできたようだ。
 すかさずフィーゼは黒曜魔槍を発射。
 マゼンダの腕を槍が強引に貫き、マゼンダは衝撃によって船中央へと転げ落ちていく。
 カタラァナが掛けより、史之へ『信奉者たるポリプス』の歌を聞かせて治療をおこなう。
 追い詰めにかかる姫喬、樹理、マリナ、ニアの四人。
「海種任侠一代燕黒姫喬! 真っ向勝負!」
 姫喬の剣と樹理の魔術弾がそれぞれ打ち込まれ、ニアの銃撃が追い打ちをかける。
 船へ飛び移り、階段を全段抜かしで飛んだマリナの拳が、振り返るマゼンダへと命中した。
「キスの一つもしとけばよかった」
 呟くのを最後に、マゼンダは船の床へ沈むように倒れたのだった。

 一方のキャプテンオルカは、音波を発しながらのタックルによって『堕落のリリス』姉側であるアッシュを派手に突き飛ばし、意識を奪って気絶させていた。
 テレパス情報が送られてくる。
『ようブラザー。全員無事か? どうやら、タッチの差でブラザーの勝ちみたいだ。港へ帰投する。今から宴会のメニューを考えておくんだな!』


 港に船をつけ、キャプテンオルカの警備隊と共にすぐ近くにあった酒場へと乗り込んだ。
 どうやらキャプテンオルカは頻繁に通っていたらしく、店は一番大きなテーブルを広い個室席を用意してくれた。
 早速運ばれてくる大量のエールや、魚のフライや、刺身や、焼き物。
 港の大衆酒場であるだけに、魚料理が殆どだ。
 そんな中でフィーゼには、白身魚のフライと清酒という組み合わせが運ばれてきた。
 お勧めを聞いたら『フライと地酒』が出てくる辺り、かなり地元に密着した酒場のようである。
「なるほどなるほど……?」
 酒といえば葡萄酒という感覚のフィーゼにとって、米から作られた酒はなかなか新鮮で、フライの出す魚油の味とざっくりとした味わいが美味く調和をとっているように思えた。
「ふはは! タダ飯にタダ酒じゃー!」
 わーいといってニアは一升瓶を手に取った。
「儂は65歳じゃからな。未成年ではないぞ! 何なら、確かめて貰ってもよいのじゃよ。ん?」
 ニヤニヤしながら椅子をカタカタ寄せていくニア。
 もうこの時点で結構な酔っ払いムーブなのだが、警備隊の面々は案外柔軟にニアの言動を受け止めていた。
 混沌に長く生きているとロリババア(ロバじゃ無いほう)を頻繁に見かけるということなのだろうか。
 なので、こういう大衆酒場に入った場合『未成年は自己申告』という逆転現象が発生する。
「いいことしたあとのご飯はうめーですね。あ、こどもビールこっちです」
 マリナは運ばれてきた『こども!』て書いてあるビール瓶を海洋警備隊の男に注いで貰うと、ジョッキを相手と強く打ち合わせた。
「うぇーい!」
「ぷはー! 動いた後の海水は美味しいねぇ~!」
 一方で上機嫌にコップをぐいぐいやる姫喬。横に座った樹理が貝料理を勧めていた。
「私でも食べられる貝だけど、姫喬ちゃんはどう?」
「殻やわいからサクサクいけちゃう。いっひひ」
 樹理の前には電気ブラン。
 電気ブランというのはいわゆるカクテルの一種で、ブランデーをベースとしてジンやワイン、キュラソーといったものを薬草と混ぜ合わせたものである。
 より厳密に述べるなら、異世界からやってきた誰かが故郷のカクテルを再現しようとこっち側で作った疑似レシピである。ちなみに電気とは全く関係が無い。なんか当時ナウいからって理由でついたらしいよ?
「んー、すごく度数が強いけど、刺激的」
「わっはっは! そうだろうそうだろう!」
 キャプテンオルカは既にできあがっていた。
「おい! おい熊のブラザー! お前は何にする」
「じゃあ、メニューのここからここまでを全部だな」
 メニュー表のほとんどを指さすエイヴァン。中には結構値の張る料理もいくらか含まれていた。
「あ゛?」
 人を殺しそうな目で見るキャプテンオルカ――が、ビッと親指を立てた。
「イイゼ!」
「いいのかよ」
「隊長、酔うと目つき悪くなるから」
「普段からたいがい悪いから」
 トドやセイウチめいた部下の隊員たちがのほほんとハイボールを飲みながら言った。
「あっ、じゃあ僕フグたべたい。フグ!」
「あいよ!」
 酒場のスタッフがフグをまんま掴んで持ってきた。
 フグがべふゅーと口から水を噴射する謎の料理が出てきた。
「ほれ、今流行ってる奴!」
「はやりでフグを生食させないで」
 海洋国家に食品衛生法とかフグ調理免許とかあんのかなって思った史之だが、そこは深く考えないことにした。
 なぜならフグ毒よりヤバい毒が日常的に戦闘で使われていて、それで死にかけても七日くらいで直るからである。毒の危険性が相対的に低いのだ。
「じゃあ、僕はあつーいほうじ茶を一杯」
 史之は湯飲みを手に茶をすすると、ほっと息をついた。
「もうすぐ、春だね……」

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――mission complete!

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