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シナリオ詳細

<泡渦の舞踏>パイレーツ・スライム、船上決戦

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●血潮のにおい
 上下に荒く揺れる甲板で、はった帆の上から眺める。
 船影がおよそ10。
 そのうち一つが、こちらへと向かってくる。
 もし遠くの様子がことこまかに分かるのであれば、船に乗った人間たちが皆半透明なスライムめいた肉体をしていることに気づくだろう。
 先に接触した仲間の船が、敵船へと乗り込みを開始する。
 スライム体の海賊たちが、腕をナイフのように硬質化させて迎撃を始めている。
 なるほど。
「あれは『パイレーツスライム』という魔物ね。沈んだ海賊団の肉体に寄生するタイプの魔物よ。おそらく脳あたりに核があると思うんだけれど……」
 撤退を始める連絡船から、『色彩の魔女』プルー・ビビットカラー(p3n000004)が声をかけてくる。
「人間のボディを借りて人間に近づき、殺して卵を植え付け寄生先を増やしていく……そんなモンスターだったけれど、今回の騒動でかなり好戦的になっているみたいね」
 人間への擬態をやめ正面からせめてきた以上、奇襲の効果はほぼ無くなったようなものだ。
「チェネントラの影響は、モンスターにも出ているのね。決してよくない形で……」

 チェネントラという魔種をきみは覚えているだろうか。
 狂気のサーカスの騒動で逃げ延び、海洋の海に魔の渦を作り出し動乱を呼んだかの者は、再びネオフロンティア海洋王国近海に魔の大渦を作り出した。
 恐らくある嫉妬の魔種と協力し、古の海底都市を呼び覚ましたのだろう。
 その影響は少なからず海魔たちにも現われ、渦突入を目指す船の一段をこうして阻んでいるのである。

『この段階で兵力を削られれば海底都市への進撃に大きな支障が出る可能性もあるわ。あなたたちがここでモンスターを倒しきってくれることを、皆期待してるのよ』
 プルーの言葉を思い出し、前方を見やる。
 渦はまだずっと先だ。それを守るように、まるでそれが己の使命であるかのようにすりこまれたモンスターの船が、こちらの船へと攻撃を仕掛けてくる。
 さあ、大いなる戦いの始まりだ。

GMコメント

 こちらは全体シナリオ<泡渦の舞踏>のひとつ、船上戦シナリオです。
 目的はパイレーツ・スライムの船1隻分を倒すこと。
 他の仲間たちもあちこちで戦っていますが、戦闘において非我の影響はでないものとします。

【エネミーデータ】
●パイレーツスライム
 人間の死体に寄生し、肉体をスライム体へと変換して使用するモンスター。
 脳に核があるので人間同様頭を吹き飛ばせば死ぬ(勿論人間同様簡単ではない)。
 武器は硬質化した肉体そのもの。
 近接格闘能力に秀でており、防御技術、回避に優れる。
 また崩し無効、足止無効、精神無効、怒り無効のパッシブ能力がある。
 船一隻にたいして10~15体ほどいる模様。

【シチュエーションデータ】
●船の上
 敵の船は1隻。こちらの船は海洋王国からレンタルされたものが1隻。
 これをPCの小型船に入れ替えたり、船の数を増やしたりすることで戦闘を有利に運ぶことが出来ます。(その場合必ず自分で装備し、できるかぎり自分で操作するようにして下さい)

※飛行とペナルティについて
 通常通りに足場にできる甲板などでは、3m以下ではペナルティ無し。水面上ではペナルティありとします。
 またジェットパックによる簡易飛行や媒体飛行は戦闘利用不可とします。

【成功度と余裕度】
 この戦闘で『どれだけ余力を残したか』によって成功値にあれこれプラスされることがあります。
 どういうことかというと、「敵船一隻を倒したついでにもう一隻やれちゃうかも」という場合のボーナス判定です。
 もし継続戦闘能力に自信がおありでしたら、トライしてみるのもいいかもしれません。

【アドリブ度】
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用くださいませ。

  • <泡渦の舞踏>パイレーツ・スライム、船上決戦完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年02月03日 21時50分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

デイジー・リトルリトル・クラーク(p3p000370)
共にあれ
古木・文(p3p001262)
文具屋
寒櫻院・史之(p3p002233)
冬結
クローネ・グラウヴォルケ(p3p002573)
幻灯グレイ
ルチアーノ・グレコ(p3p004260)
Calm Bringer
黒星 一晃(p3p004679)
黒一閃
エリーナ(p3p005250)
フェアリィフレンド
シャルロッテ=チェシャ(p3p006490)
ロクデナシ車椅子探偵

リプレイ

●大渦と海魔
 チェネントラの作り出した大渦と、それに魅せられ集まってきた海魔たち。
 特に海魔は本来の特性を歪められ、『大いなる自殺』に巻き込まれるかのようにイレギュラーズたちへと襲いかかっていく。
 露払いのためにと駆けつけたネオフロンティア海洋警備隊の船が次々と幽霊船やクラーケンたちへとぶつかっていく。
 波の音も海鳥の声も、銃声と炎と獣の咆哮にかき消されていく。
 ここは戦場。海の、戦場。
 そんな中へ、ひときわきらびやかなな装飾の施された船、『ビッグドリーム号』が現われた。
 先頭に立ち胸を張る『大いなる者』デイジー・リトルリトル・クラーク(p3p000370)。
「妾の前で、そして海の上で好き勝手はさせぬのじゃ!
 パイレーツだか何だか知らぬが、その身体……返して貰うぞ!」
 目指す獲物はパイレーツスライム。
 人間に擬態して船に近づき、人間の身体と船をそれぞれ乗っ取ってしまうという恐ろしいモンスターだが……こうして真正面から、それも擬態を解いて接近してくる以上その特性は無いに等しい。
 デイジーの船と並んで、もう一隻の船が現われる。
 船首にイザベラ女王の像をそなえた船は、『女王忠節』秋宮・史之(p3p002233)のものである。
「もう始まってるな。燃えるね……」
 時計型装備のダイヤルを回してエネルギーシールドの発生を開始。
「女王陛下のためだ。美しい海を荒らすパイレーツスライム、覚悟するんだな!」
 やる気十分のイレギュラーズたち。
 彼らの船にはそれぞれの仲間たちが乗り込んでいる。
 妖精を指に乗せ、いつでも戦えるように意識を集中させている『フェアリィフレンド』エリーナ(p3p005250)。
(死体に寄生し、肉体をスライム体へと変換するモンスター……けれど今はただ、立ち塞がる障害にすぎません。海底都市への進撃を妨害させない為にも出来る限り多くの敵を)
 目を見開く。
 パイレーツスライムの船は一隻だけではない。この先に続く渦を守るべくさらなる数が守りを固めているのだ。
 この戦闘を終えてももし余力があるのなら、続けて彼らとの戦闘に突入することもできるだろう。
「体力(HP)はともかく、スタミナ(AP)を保たせるのは苦労しそうだね」
 通常攻撃縛りで殴りかかるのもナシではないが、それによって多大な被害が出ることを依頼主である海洋王国は望んでいないらしい。
 『ハーフメタルジャケット』ルチアーノ・グレコ(p3p004260)はふるふると首をふり、そして刃渡りの長い暗殺ナイフを取り出した。
「多くの命を呑みほし、膨らんでいく海という魔物か……今から、僕らはそれに挑むことになるのかな」
「……大げさッスよ」
 『繊麗たるホワイト・レド』クローネ・グラウヴォルケ(p3p002573)は深く呼吸を整えて、船の縁に手を添えた。
 冬の海。潮風は冷たく、そして刺すように吹く。
「まあ、やれるぶんだけやりますか」

「死してからもなおモンスターの殻として使われるとは、不運だったな」
 船はもうじき戦闘可能圏内へと近づく。
 『墨染鴉』黒星 一晃(p3p004679)は刀に手をかけ、戦闘に向けて心の準備を整えていた。
「だが安心しろ、貴様らが散った海にもう一度眠らせてやる。
 墨染烏、黒星一晃。一筋の光と成りて起こされし骸を葬らん!」
 気合いを入れる仲間の様子に、『夕焼けの窓辺でソファに略』シャルロッテ=チェシャ(p3p006490)はこっくりと頷いた。
「さて、相手はまず間違いなく船に接近して乗り込んでくるはずだ。
 けれど幸いにもこちらの船は二隻……」
「ひとつの船で敵の攻撃をしのぎ、残る船から安定して射撃攻撃を加えていくという作戦……だね」
 『文具屋』古木・文(p3p001262)は眼鏡のブリッジを人差し指で丁寧に押すと、広い視界に目を光らせた。
「他の皆が海底都市に向かえるように、そして安全に帰ることができるように……そして彼らの遺体をちゃんと海にかえしてあげるために」
 文は懐に手を入れ、拳銃を取り出した。
 狙いは敵船。パイレーツスライム先頭の一体。サイトに相手の頭を重ねた。大きく揺れ動く船なれど、狙って打つのは重要だ。
「さあ、始めようか」
 始まりの砲を、打ち鳴らした。

●海原は炎のごとく
 風をうけて走る船の速度が、髪を大きく靡かせていく。
「準備はいいね。一斉射撃」
 シャルロッテの神子饗宴を頭にして、一晃が鋭く抜刀。
 斬撃が風を切り、海を走り、パイレーツスライムの一体に命中。翳した腕を切り裂いた。
 パイレーツスライムは切り離された部分を再生しながら、落とされた腕を苦労してくっつけている。
 目を細める一晃。
「手応えはあったようだが……」
「自己修復に集中されると面倒だね。どのみちぶつかっていくしかないか」
 史之はキャッスルオーダーの構えをとりつつ、船を前進させた。
 パイレーツスライムの船もまっすぐこちらに突っ込んでくる。
 すれ違いつつ乗り移るか激突するかで少しばかり悩んだが、史之は思い切って激突させることにした。
「船首像は傷付けないように、っと……!」
「……けれど、その前に。もう一発打ち込んでおくッス!」
 クローネは疫病のおまじないを唱えると、呪いの塊そのものを手槍のように投擲。数十メートルを飛んだ呪いはパイレーツスライムの船へ直撃し、大きな呪いとなって膨らんでいく。
 直後、船と船が頬をたたき合うようにして激突。大きな揺れに違いが踏ん張る中、史之はアンカーフックを敵船めがけて放った。
「船はこっちで押さえておく。そっちは頼んだ……!」
 そっちとはつまり。
「大船に乗ったつもりで任せておくのじゃ! 小型船じゃが、の!」
 デイジーのビッグドリーム号である。
 ビッグドリーム号は敵船、つまりパイレーツスライムの船を中心にぐるぐると回るような進路をとり、一定距離を保ちはじめる。
 タコさん型の舵を固定し、壺から魔力を引っ張り出すデイジー。
「スライムがふよふよ泳いで近づいてきたりはしとらんな!?」
「大丈夫。みんな船から動いてないよ」
 文が指でOKサインを出した。
「よおし、撃ち砲台じゃ!」
「味方を巻き込まない程度に、一方的にやろう」
 文の拳銃が乱射される。
 海を越えてはしった弾頭がパイレーツスライムに接近。それに気づいたパイレーツスライムはサーベルで弾を弾くが、更に打ち込まれた弾が肩に命中。
 続けて周囲の手すりや空の木箱にばすばすと打ち込まれていく。
 更におかわりで打ち込まれたデイジーの魔法が船の中央で爆発。
 史之の船へと乗り移ろうとしていたパイレーツスライムたちが転倒した。
「これはいいね。相手が近接タイプばっかりだから安全だ」
 ルチアーノは狙いをつけてバネ仕掛けのナイフを発射すると、続けて細くて黒い投擲ダガーを投げ込んでいく。
 パイレーツスライムの肉体にざくざくと突き刺さり、動きを乱れさせていく。
「この分だとずっと距離を保っていられるかな?」
「いえ、アモルの回復射程から外れているので、回復支援するにはもうちょっと近づかないとですね」
 指をふたつ翳してなんとなーくの距離感を確かめるエリーナ。
「中距離ラインを保ちながら旋回できますか? それで不都合なら……」
「いや、問題ないよ。デイジー! もうちょっと近づけて!」
 ルチアーノが腕をぐるぐる回してサインを送る一方で、エリーナは『それまでの間に』と氷の妖精スティーリアを召喚。この一回限りではあるが、思い切り雹の魔法を発射させた。
 氷のナイフがパイレーツスライムたちの頭上に大量に生成され、次々と降り注いでいく。
 かよわい人間であれば既に死んでいてもおかしくない傷だが、そこは人間のフリをしたスライム。
 無言で穴だらけの身体を動かすと、接続した船へと飛びかかっていく。

●船の利点
 地上での戦闘と船の戦闘で大きく違うのは、足場が限られているということ。
 相手の船を固定し碇をおろし船もろともブロックするという戦法をとったり、海を隔てて射撃を加えることで敵の接近を防いだりということが場合によっては可能になる。
 このとき重要なのは射程を合わせることで、R4とR0が主体のメンバーを同じ船に乗せているとどちらかの能力が活かせないなんてこともあるだろう。
 また、時と場合にもよるが大型クルーザーでも全長40メートルあるかないかなので、同じ船の中で戦うならレンジ2以下のスキルに絞るのが適切という話もある。
 そこへ来ると今回のメンバー配分はいい具合だった。史之の船にはブロッキングバッシュを主体とした史之と味方を巻き込みづらい近接剣術を主体にした一晃。船全体に支援効果を送れるシャルロッテと、中~近距離で魔弾を打ち続けられるクローネの構成だった。見ようによってはクローネとルチアーノを入れ替えることで万全、と言えたようにも思えるが、そのあたりにはバランスや気分というものもある。
「ああくそ……派手なアクションが出来そうなタイプに見えるかねボクが?」
 シャルロッテが首を振りながら車いすのオプションスイッチを操作。ジェット噴射で大きく距離を取り、クローネを盾(?)にするような位置まで引き下がってヒールオーダーを放った。
 敵船に対して近接戦闘を選択した史之とその船。戦力バランスとしては10対4程度。
 敵側としては誰を先に倒すべきなのか全く分かっていない状態らしく、まずはまんべんなく殴りかかる方針をとったらしい。
「いいよ、かかってこい!」
 史之は舵を最低限守りながら、階段を駆け上がってくるパイレーツスライムの斬撃をシールドで防御。相手の腕を固定したところで蹴りを入れた。階段をころげ落ちていくパイレーツスライム。
 そのそばについていた一晃は助走をつけて跳躍。
 手すりを飛び越えると、空中で刀を振り込んだ。
 たったひとふりでパイレーツスライムたちが一斉に吹き飛ばされる。
 手すりに叩き付けられたパイレーツスライムのひとりがそのまま船外へと転げ落ちていく。
「――『一鬼討閃・衰勢無惨』」
 クローネは吹き飛んだパイレーツスライムめがけ、灰色の小瓶を投げつけた。
 咄嗟に切り払うパイレーツスライムだが、はじけた溶液がふりかかり浸透していく。
 スライム状の肉体にしみわたり、核になっている脳部分へとしみこむ毒。
 あわをふき、パイレーツスライムは溶けるように消えていく。
 一方で、デイジーは本を開いてなかの一文を読んでいた。
 『ドリーミング・ダーク』のおぞましい呪いが、パイレーツスライムへと次々に打ち込まれていく。
「所で……あのパイレーツスライムって泳げるんじゃよな? 当然」
「まあ、海に住んでる動物が泳げない理屈はないよね。心配しなくてもこちらに接近してる個体はないよ。もうひとつの船が派手に突撃したのが良かったみたいだ」
 文は『あれを見て』と言いながら、船側面をうねうね這い上がっていくパイレーツスライムを指さした。
 船から落とされた個体が、同じ船によじ登ってリトライしようとしているらしいシャルロッテが背後をとられ、囲まれ始めているのがわかった。
「回復に集中できるのは本当にいいね」
 文は魔法のペンで空中に文字を書くと、清らかな便せんを召喚、発射した。
「一緒に頼めるかな」
「勿論。そのためのアモルですから!」
 エリーナはなかよし妖精の中からアモルを呼び出し、便せんに乗せるようにして一緒に飛ばした。
 シャルロッテたちはおよそ倍の戦力に対して近接戦闘を挑んでいる状態にある。そのためダメージもかなり膨らむが、ある程度の耐久力を持っていれば回復によるカバーが可能なのだ。
「あの、すごく今更なことを言ってしまうんですけど……史之さんの船ってもしかして」
「うん。総合的な耐久力で言うとむしろ低いね」
 ルチアーノがうーんと唸った。
 そもそも今回のメンバーは全体的に耐久力が低めなので、船を二つ用意するという作戦がかなり有利に働いていた。
 その上での話になるが、(防御の鬼と化した史之はまあ倒れはしないとして)シャルロッテやクローネは比較的打たれ弱く、一晃に至ってはむしろ自分から打たれにいく勢いである。
 ルチアーノがあまり危機感を抱いていないのは、『殆どが倒されてしまうとしても』史之の耐久力なら充分カバー可能であり、そのまま打ち放題タイムを続けられるだけの実力があるからである。
 もっというと一晃は突っ込んでナンボの美しい性能をしているので、派手に突っ込んで派手にぶっ放して派手に散るまでがセットみたいなところがあった。
 実際彼の範囲攻撃は船上という限定された空間では凶悪の一言であり、彼が倒されるまでの僅かな時間に結構なキル数を稼いでいた。
 むろんその働きにシャルロッテの支援能力やクローネの安定した火力が加わっているのも無視できない。

 結果。

「これで、おしまい!」
 飛行能力を用いて単独で船に乗り込んだルチアーノの『無崩』が炸裂し、三体のパイレーツスライムが一斉に崩れ落ちた。というより、崩れて溶けた。
「お疲れさん、ローレット! 相変わらずいい腕してんな。むしろ腕上がったか?」
 海洋警備隊の船が近づいてきてトド男が声をかけてくる。
「戦えなくなったメンバーを回収して撤退するところだ。まだ戦えるやつは俺たちと一緒に来てもいいぜ」
「ふむ」
 デイジーがちらりと周りをみた。
 戦闘不能になったメンバーはともかくとして、スタミナの鬼であるところのエリーナや結果的にスタミナを使わずに済んだクローネ、なんだかんだタフだった史之、意図的に省エネしていたデイジーの四人が継続して戦うのに充分な余力を残していた。
「女王陛下のためだ。まだまだやれます!」
 眼鏡をくいっとなおす史之。彼らは自らの船をそのまま使って、補充再編された海洋警備隊のメンバーと共に次なるパイレーツスライムの撃破へと向かうのだった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 おかえりなさいませ、イレギュラーズの皆様。
 渦での戦いは大変なものだったと聞いております。けれど海底の戦いに皆が集中できたのはそれを邪魔するパイレーツスライムを片っ端から倒して回った皆様のおかげだとも。
 たいへん、お疲れ様でございました。ゆっくりとお休みになってください。

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