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シナリオ詳細

ゴロング・リング・ラヴォア

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●海洋のとある島

 暖かい陽気、温暖な気候。そんな海域にありながら、未だ開拓の進んでいない一つの島。
 海洋においてこのような島な島はいくつも存在しているのだが、比較的わかりやすい位置に存在しながら、未だに開拓の進んでいない島があった。
 何故そのような状態になっているのか、調査に送り込んだ者達は数日すれば気絶して海岸に放り出されており、総じて急に何かに襲われた、という。
 だからこそ、その島の調査をしてほしいという事でローレットに依頼が回り、今君達はその島の調査をしている。
 現状、調査自体は問題なく進んでいるのだがこれといった脅威はない。果実や気候も温暖で、恵まれた島田という事はわかるのだが。
 ある程度奥地までもぐりこんだときだろうか、不意に仲間の一人が何かに気付く。
 迫る何か、慌ててイレギュラーズが周囲を警戒すると、目の前に巨大な生物が降り立った。
『ヴォオオオオオッ!!』
 凄まじい咆哮。巨大な腕に、人間の倍はあろうかという体躯に、全身が黒い体毛に覆われた人に似た存在。
 いや、これあれでは。どこかで旅人に聞いたような覚えもあるし、どこかで見たこともあるような気がする。

 ―――ゴリラだこれ。


●時を遡ってローレット

「と、いう感じで未開の島の調査が今回のお仕事なのです」
 『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)は海洋から巡ってきた依頼を一通り説明する。
 内容は単純。未開の島を調査し、その情報を持ち帰る事。
 そんな簡単な依頼なのになぜこちらに回ってきたのかといえば、何度も何度も調査隊が満足な調査を行う前に失敗してしまっているからだという。
「現地には野生の動物がたくさんいるらしいのです。基本的にはおとなしいのですが、たまに暴れる動物もいるらしいのです」
 どんな動物がいるのか、と聞けばほとんどが海洋に存在する野生生物であり、ローレットに所属している彼らにとってはそこまで脅威ではない。人によっては片手間で対処できるようなものだろう。
「あ、でも注意してほしいのです。噂では、その島のジャングルには『ゴロング・リング・ラヴォア』と呼ばれる存在がいるらしいのです」
 ゴロ……聞いたこともない名前が出てきた。
「現地の人達が名付けたらしいのです。とても巨大で、人のような姿。力自慢で島の守護者? らしいのです。でも一応現地の存在だと思うので、大きく傷つけないでほしいのです」
 と、ユーリカは説明していたような気もする。


●結局どっち?

 結局、これがユーリカの行っていた『ゴロング・リング・ラヴォア』なのだろうか。
 いやどう見てもゴリラではあるのだが、その動きの速さも、体格もゴリラとは比較になりそうにもない。
 敵意はある、君達の顔をじっとそれは見る。
『ヨソモノ デテイケ』
 喋った。拙い言語だが何という事だろうか、喋った。
 え、喋るのこれ。と困惑しながらもとりあえず調査の為にも対処しなければならないだろう。
 いったん安全圏まで距離を置けば追いかけてくるような気配はない、作戦をまとめて対処してしまおう。

GMコメント

 そんなこんなで陽気なジャングル。
 調査中に に襲われました。
 ゴリラじゃないかって? いいえ、ゴロング・リング・ラヴォアです。名前の意図は全くないです。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●状況について
 海洋のとある島のジャングル。
 現在地は森の中ですが、比較的穏やかな気候で過ごしやすい状態です。
 周囲には木々が生い茂っており、超距離や遠距離の射線が通りづらい環境です。

●ゴロング・リング・ラヴォアについて
 今回、島の調査を行う際に皆さんの障害となっている存在です。サイズは凄まじく大きいですが、見た目はゴリラとそっくりです。
 高い身体能力と筋力。そして見た目に似合わぬ機動力を持ち、単純な走行速度もさておき、森の木々を利用して立体的な行動を行う様子も確認できています。
 知力も高く、テクニカルに行動したうえに単純な武器の様なものであったら利用するようなこともあるようです。

 攻撃手段はその体躯を生かした強烈な打撃と、自然環境のものを利用した投擲、もしくは武器攻撃となります。
 BS付与などの行動は行いませんが、単純に高い攻撃力とタフさは脅威です。
 自然環境に長く身を置いているためか、BSに対して高い耐性を誇るようです。

 また、比較的紳士的なのか、逃げたりしていく人には追撃はしないようで、気絶した人達を海岸まで運ぶという行動を見られています。 

●島の調査について
 一応主目的は島の調査ですが、調査に対するプレイングは無くても問題なく調査は完了します。
 プレイングはしっかりゴリrゴロング・リング・ラヴォアに向けていただいて構いません。

 依頼の説明は以上となります。

  • ゴロング・リング・ラヴォア完了
  • GM名トビネコ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年02月04日 21時40分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

エイヴァン=フルブス=グラキオール(p3p000072)
波濤の盾
十夜 縁(p3p000099)
幻蒼海龍
ヨハン=レーム(p3p001117)
おチビの理解者
琴葉・結(p3p001166)
魔剣使い
ニーニア・リーカー(p3p002058)
辻ポストガール
寒櫻院・史之(p3p002233)
冬結
六車・焔珠(p3p002320)
祈祷鬼姫
湖宝 卵丸(p3p006737)
蒼蘭海賊団団長

リプレイ


「いやぁ、出て行けって言われちまっちゃ仕方ねぇな、よし、帰って酒でも飲……」
「仕事だぞ。帰れないぞ」
 『水底の冷笑』十夜 縁(p3p000099)はいきなり出会ったゴロング・リング・ラヴォア(以下ゴリラ)にデテイケと言われた以上すぐにでも帰りたかったが、仕事である以上放り出すわけにはいかない。
 『湖賊』湖宝 卵丸(p3p006737)のストップもあり、しかたねぇなぁと再度ゴリラの元へ向かう。
「せっかくこれたのにゴロング・リング・ラっ痛っ……ゴロー調査の邪魔はさせないんだからなっ!」
 あまりい長い名前を言い切れず、うっかり舌を噛んでしまった卵丸は顔を赤くしていっそ別の呼び方で言い切った。
「にしてもゴロング・リング・ラヴォアって、誰こんな名前付けた人……?」
「さぁ……」
 『雪だるま交渉人』ニーニア・リーカー(p3p002058)の疑問には流石の『海抜ゼロメートル地帯』エイヴァン=フルブス=グラキオール(p3p000072)もわからない。本当に誰が考えたんだこんな名前。
 もうゴリラでよくないか。そんな結論が出そうになった瞬間、突如として目の前に衝撃と共にゴリラが飛び降りてくる。
 これ以上は進むなと言わんばかりに構え、イレギュラーズを威嚇する。
「ええと……まずは一応話し合いね」
 『魔剣使い』琴葉・結(p3p001166)が確認を取るが、特に問題視するものはない。
「私達は島の調査をしたいだけで、森や動物達を傷つける気は無いのだけれど退いてくれる気はないかしら?」
 彼女の言葉を真摯に聞いているのか、しばらくじっと顔を見つめるがしばらくすると首を振り、拳を振り上げる。
「……ダメですか」
「待って、どうして僕達を追い返したいのか、理由を教えてもらえないかな?」
『オマエタチ トオセナイ』
 ニーニアの問いにも首を振る。完全に交渉は決裂、絶対に通さないという意思を感じる。
「俺たちはこの島を荒らしに来たんじゃない。保護しに来たんだ。だけどそのためには、島がどうなってるかを調べなくちゃならないんだ。島の環境に傷をつけないと誓うよ。調査を許可してくれないかな」
 陣形を整えながら『女王忠節』秋宮・史之(p3p002233)が問いかけるも、頑なに首を振り続ける。
『イッヒヒヒ。こういう相手には話合いも何も先ずは力を示さないと無駄だろうよ。殺さない程度に上手く加減しろよ!』
「全く……!」
 魔剣が笑う。少女が構えを取り直せば、ゴリラは完全に戦闘の構えに入っている。
「こんにちわ! ってやる気満々ね」
 『祈祷鬼姫』六車・焔珠(p3p002320)が挨拶をすると、律義にゴリラは唸る。挨拶を返したようにもみえるが、戦う気配は消えていない。
「対話するにも何とかしなきゃダメそうですね。それにこれだけの人数で対処しないとならない……知ってますよ、このゴロング・リング・ラヴォアって相当な強敵ですね?」
 友好的であることは間違いないが、どうしても奥に進んでほしくないという事だろう。
 話して解決するなら自分たちは要らない。その推測は確かに正しい、『見習い剣士』ヨハン=レーム(p3p001117)は先の動きと体躯から冷静に相手の力強さを分析する。
 単純に攻撃を受ければ1発か2発。うまく受け流せばもう何発かは受け止められそうだが、まともに受ければ危険な事は即座に判断できた。
「皆さん、こちらでカバーの入れる位置取りでお願いします!」
 ヨハンの言葉で一斉に動き出したイレギュラーズ。雷を前面に展開してゴリラの前に躍り出るが、その雷をやすやすと拳が突破してヨハンへ襲い掛かる。
「っ!? や、やっぱり強敵ですね!?」
 咄嗟に構えた大剣で攻撃を受け止める。雷の壁で軽減はされていたとはいえ、強烈な一撃に腕がしびれる。
「ヨハン!」
 一撃を受け止めたヨハンと入れ替わるように飛び込んだエイヴァンが正面から全身と共に盾を叩きつけて大きくゴリラを仰け反らせる。
 ぐらりとその巨体が揺れるが、即座に耐性を立て直す。しかしその僅かな隙があれば充分であった結が、側面に回り込むと同時に雷を伴った刃を翻す。
 ヨハンの雷の壁と重なるように電流が走り、刃がゴリラの足を裂く。
「ヴォオオオオオ!!」
「効いてるけど余裕みたいね……!」
 電撃と痛みに確かにうろたえはしたが、即座にそれを振り払って結を追い払うように拳を薙ぎ払う。
「これもお仕事、お許しいただけるとありがたいわ!」
 だが、その隙をついた焔珠の二振りの曲刀がゴリラへ叩きつけられる。咄嗟に腕を交差して防御の姿勢を取ったが、その防御ごと弾き飛ばす魔力を込めた一撃が文字通りゴリラを吹き飛ばす。
「ゴロング・リング・ラヴォア……さあ聞くんだ野生のたかぶりを! うほほほほ! うほっほ! うほ!」
 突如として史之が挑発するようにドラミングを始める。
「おっと……」
 挑発して意識を向けさせる意図があったのだが、特に脅威ではないと判断されてしまったのか攻撃を仕掛けてきた結と焔珠に駆け出していく。
「思った以上に冷静だな……なら」
 直接正面からやり合うのが一番いいだろう。盾を構えなおし、史之はゴリラを追いかける。
「通さないっ!」
 再び飛び込んできたゴリラの前にヨハンが割り込む。正面から突撃を受け止めるが盾にした剣と通しても後ろに押し戻される。
「厳しそうだな!」
 おそらく意識を向けさせるという行動もそう効果はない。ならばできる事は一つ、エイヴァンも盾を構えてヨハンを支えるように飛び込み抑え込む。
 じり、じりとと一方的に押されてた動きが拮抗し始める。
「今です!」
「やるねぇ、か弱いおっさんは適度にやらせてもらおうかね」
 完全に拮抗したところへ盾を構えて突撃、殴打と同時に怯ませると流れるようにゴリラの足をすくい、崩れたところを転倒させる。
「流石、続くよ! さぁ皆、この旗の下に!」
 加速した卵丸が転倒したゴリラに鋭い蹴りを叩き込み、大きく仲間を鼓舞するように宣言する。
 一撃を受けたゴリラは素早く体勢を立て直し、その場から距離を取ると同時に手近な樹へと駆け寄り、登ろうとして腕を伸ばす。
 しかし、その腕は空を切る。体勢を崩したゴリラはその場で着地に失敗する。
「引っかかった」
 蜃気楼。記録した静止映像を投影するスクロール。この乱戦において二ーニアが仕掛けておいたそれはゴリラに大きな隙を作るのに一躍買っていた。
 それを狙いすましたように放たれる魔砲の奔流がゴリラを飲み込む。凄まじい一撃を単純な耐久力だけで耐え凌ぐが、そのダメージは確かに大きい。
「これ以上は使えないわね」
 凄まじい奔流はこのジャングルを傷つける。これ以上は使うわけにはいかないと判断した焔珠は再び曲刀を構えなおす。
「えーいっ!」
 だが、その間に近づいた二ーニアが錬金術で精製したハンマーを振りかぶり、その一撃をゴリラへ叩きつける。
 強烈な一打を受けたゴリラは呻き声をあげるが、全力でハンマーを押し返してまだまだ戦えると咆哮した。
「やれやれ、タフだねぇ……大丈夫かい?」
「何とか、まだですけどね」
 一身に攻撃を集め続けたヨハンは少しふらつきながらも剣を構えなおす。
「このっ! この島を荒らそうなんて、これぽっちも思ってないんだからなっ」
 拳の一撃を躱し、卵丸は懐に潜り込むと強烈な蹴りを叩き込む。確かな手ごたえ、今までの攻撃の集中もあり流石のゴリラも疲弊が見え始めてきた。
「交代だ!」
「予定通り頼むぜ!」
 立て続けに盾を構えた史之とエイヴァンが卵丸に振り下ろされる拳に対して強烈なカウンター気味に盾を押し付け、弾き飛ばす。
 だが、その一撃に突っ込んだ二人も無傷では済まない。
「……ふーっ」
 大きく息を整え、エイヴァンが一呼吸入れて状況を見直す。二人がかりでようやく作れた隙に、ヨハンが飛び込む。
 振り下ろした勢いを殺さず、強引に大剣の軌道を制御し薙ぎ払う。光の十字がゴリラに刻まれる。
「これで……! っぐ!」
 大きく仰け反るも、ゴリラの反撃の拳がヨハンの胴を打つ。小さな体に叩き込まれた強烈な一撃に意識が刈り取られそうになるが、必死に自身の意識を保つ。
 だが、目の前に迫ってくるゴリラの勢いは止まらない。
「うおおおっ!!」
 だが、ヨハンへの攻撃は割り込んだエイヴァンが受け止めた。
 強烈な攻撃に盾越しでも腕がしびれるが、がっしりと攻撃を受けるが、膝が笑い出す。
「少しでこれか……一気に決めてくれ!」
「そういう事らしいんで、おっさんも少しは働くか」
 縁が踏み込み、再びゴリラの体勢を崩すための技を仕掛けようとしていくが、対するゴリラは手近に転がっていた倒木を掴んだかと思うと、それを勢いよく振り回した。
 まるで大剣のように振り回されるそれのせいで、中々踏み込んでいく隙が見つからない。
「……まさか獲物までとはねぇ」
「押しとおるしかないけどね!」
 どうしたものかと縁が思考し始めたと同時に結が踏み込む。剣を構えて樹の一撃を受けながし、多少一撃が体を擦りながらも強引に距離を詰めた結は雷と氷の刃を交互に、何度も何度も叩きつける。
 電撃と氷撃。その凄まじい連撃に、ようやくゴリラが動きを鈍らせ始めた。
「やるねぇ……!」
 ならば、と縁が続けてゴリラの体勢を崩させ、その体を再び地に叩きつける。
 必死に態勢を立て直し、振るわれた拳は結に届くことはなく空を切った。
「そこっ!」
 交代から後ろに回った卵丸が草木の間から飛び出す。咄嗟に気付いたゴリラが近くの石を広って投げつけようとする。
 それと同時にゴリラの視界が光に染まる。光の先には鏡を持った小鳥が一羽。ニーニアの仕込んだ最後の一手がゴリラの視界を眩ませ、卵丸は攻撃直後のゴリラへ不意を突いた蹴りの一撃を抉りこむ。
「……今ですよ!」
 光に覆われた剣を構えたヨハンが飛び込む。慈悲の光、命を奪わぬ光ぬ光に合わせてイレギュラーズ達は一斉に動き出す。
 ニーニアと焔珠が同時に出力を抑えた術式による牽制攻撃を放ち、盾を投げ捨てた史之が鋭い拳をゴリラの顔面を綺麗に捉える。
 大きくふらついたゴリラに、ヨハンの光の一刀が叩き込まれるとぐらりと揺れると同時にその場に勢いよく倒れ伏した。
「ゴロング・リング・ラヴォア、きみは死なせるには惜しい漢だ……」
 倒れた事を確認した史之はそう告げた後、手早くロープで捕縛する。
 しばらくすればヴォウとゴリラが目を覚ます。
「ごめんね、念のために抗しておいただけで敵対するつもりはないんだよ」
 少し暴れる素振りを見せたゴリラを見て、史之は事情を説明した。島の調査に来たこと、帰る時にはロープを解く事を聞くなり彼はおとなしくなり頷いた。
「テキ チガウ シマ シラベル スグカエル バナナ! バナナ!」
 とにかく事情を伝えようと、片言でゆっくりと、大げさなジェスチャーまで加えてヨハンは必死に説得しようとする。
『フツウデ イイ』
「あ、普通でわかるんですね……敵じゃないですし、島を調べたらすぐ帰るんですけど」
『テキ チガウ ワカル ダカラ キヲツケロ』
 気をつけろというのはどういう事だろうか。
「しかし、なんで俺達を通せなかったんだ? 敵意もそんなにねぇのに、どうして阻む必要があった」
 敵じゃないと分かっていたならばなぜ道を阻んだのか、エイヴァンは疑問を問いかける。
『オマエタチガ アブナイ』
「どういうことかしら?」
 結が仲間達を顔を見合わせるが、誰も答えは持ち合わせていない。
「でも、私達なら大丈夫ってこと?」
 ニーニアが聞けばゴリラは頷く。
「ゴロー良い奴なんだな。悪かったんだぞ、これでも食べて」
 ぱっと手近な水面からバナナを一本取り出した卵丸が、皮を剥いて差し出すと安全を確認したのちにゴリラはパクリと口を広げてほうばる。
 こうしてみていると、おとなしいものだ。
「えっと……なんかもう、大丈夫そうですね。足だけ拘束を解いて……案内お願いできますか?」
『ワカッタ』
 ヨハンが案内を頼めば、ゴリラはすんなりと答えてくれる。
 拘束を解いた後、彼はゆっくり先導するように歩きだした。


 ゴリラの案内の先、で見た物は開けた空間と湖、その周囲に実る多くの果樹。豊富な実りと様々な動物達。それだけを見ればさぞ平和な空間だろうと確信できるが、足を踏み入れると同時に反応した動物達は一斉に敵意を向け、飛び掛かり始めてくる。
「うおっ!?」
「これは……!」
 エイヴァンと史之が慌てて盾を構えるが、ゴリラが大きく吠えると一斉に彼らは動きを止める。
 ふと見れば体のどこかに傷があったりする動物が多い。蹴散らすのは問題はないが疲弊した身やこの島を傷つけたくないと思うところもあり、イレギュラーズ達ははそのまま来た道を戻ることにした。
「なるほど、俺達に敵意がなくてもあいつらが敵意を出しちまうから通せないってことか」
 あぁ腰が痛ぇ。と腰をさすりながら、ゴリラの元まで戻ってきて縁は事情を把握した。
「普段はあの子達をなだめてるの?」
『ソウダ』
「密猟者か何かに傷つけられたか、密輸船から逃げ出した……とかそんなところかしら」
「そうだね、結構種族もばらばらだったし」
 どうしてあんなに敵意を向けているのかは分からない。原因もいくらでも考えられるが、彼らは少なくとも人を良くは思っていないのだろう。
「だから普段から、人を追いやってたのね。余計な争いにならない様に」
 ここまで理解されると思っていなかったのだろうか、焔珠の言葉に少し嬉しそうだ。
「でも、調査自体はこれで終わりそうね。どうするかとどうなるかは依頼人次第ね」
「だな。俺達も戦いたくはない、安全な案内、頼んでいいか?」
 ヴォウ、とゴリラは短く鳴くと島の案内を再開した。不思議と動物達と出会う事もなく、イレギュラーズ達は島の調査を完了し、無事に帰路に就くことになる。
「随分まぁ、いろいろと守ってたもんだ。これも併せてちゃんと説明してやらねぇとな」
 気が付けば、ジャングルの一角からイレギュラーズ達を見送るゴロング・リング・ラヴォアの姿を見て、彼の頑張りをしっかり伝えないと、と思った。
 誰も殺さず被害を増やさず、野生の紳士に礼をするように。
 これからこの島がどうなっていくかはまだ定かではないが、無事に終わった依頼と不思議なゴリラの事を考えながら今は身を休めることになるだろう。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

ゴロング・リング・ラヴォアとの戦い、無事にイレギュラーズ達の勝利。
皆様お疲れさまでした、依頼は無事に解決。ジャングルに起こっていた事態も無事把握することができました。
これからあの島がどうなっていくのかは分かりませんが、悪いことになっていくことはないでしょう。

今回はご参加ありがとうございました。

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