シナリオ詳細
<泡渦の舞踏>イヴィル・マーメイド
オープニング
●
まわる、まわる、まわる。
その渦は色欲の色をしていた。嫉妬が混じり、復讐が混じり、今や素敵な大渦に。
まわる、まわる、まわる。
可愛いチェネレントラ。わたしも気持ちよくなりたいわ。
その戦い(パーティ)、混ぜてもらってもいいかしら。
断られても知らないわ、勝手に混ざりに行ってやるわ。ほら、さあ、私と一緒に踊りましょう? ただ欲の高ぶるままに――それが私たち、色欲(ルクレツィア)の子のあり方なのだから――
●
「海洋にある渦は皆も知る所だと思う」
グレモリー・グレモリー(p3n000074)は珍しく、自己紹介を省略して話し始めた。話しながらスケッチブックに何かを書いているのは変わらないが、その表情にはやや緊張したものが伺える。
「海の都『ウェルテクス』。御伽噺にも語られていた都市が本当にあったという驚きもあるが――しかし、問題はそこにいる魔種、チェネレントラだ。彼女から海洋に“招待状”が来たらしい」
――月夜の晩、皆様をお迎えに参ります。『色欲』と『嫉妬』の呼び声に乗せて――
「実に端的で詩的だが、つまり魔種が動き出すという解釈で良いだろう。もちろんチェネレントラと嫉妬の魔種だけではなく、大渦と古都に集まった全ての魔種が動き出すといっても良い。君たちには今回、その魔種のうち一体を倒してもらいたい」
グレモリーは早口で、しかし丁寧に言う。スケッチブックをくるりと回して、描いていたものをイレギュラーズに見せた。――人魚、のように見える。
「魔種……名称はパピリオとしよう。彼女は人魚の形をしているが、“宙を泳ぐ”。その動きは素早く、並大抵の攻撃では当たらない。――実際に一度岸辺に“遊びに”来た事があるそうだ。結局無傷で返してしまったようだよ」
幸い、泳いで遊んだだけなので被害も軽微で済んだのだけれどね。とグレモリーは頭を振る。魔種のやる事は理解できない、と言いたげに。
「パピリオは海の上で泳ぎながら君たちを待っている。船で彼女のもとに向かい、撃破して欲しい。――魔種はそこにいるだけで狂気をふりまく存在だ。一人たりとも見逃す理由はない」
それは、彼にしては真剣な声色だった。
「船は二隻までなら貸し出すように交渉してある。僕は行っても戦力にならないので、行けない」
けれど君たちが全員帰ってくることを祈っている。
――どうか、武運を。
- <泡渦の舞踏>イヴィル・マーメイドLv:5以上完了
- GM名奇古譚
- 種別通常
- 難易度HARD
- 冒険終了日時2019年02月04日 21時45分
- 参加人数8/8人
- 相談6日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●出会って
二隻の船が、絶望の大海原を行く。その先には、文字通り“とぐろを巻いて”悪意が待っている。
「大丈夫でごぜーますか?」
『マリンエクスプローラー』マリナ(p3p003552)が己に命綱を括りつけながら、他の面々を見回した。
総舵手は『風来の名門貴族』レイヴン・ミスト・ポルードイ(p3p000066)。同乗者はマリナと『ガスマスクガール』ジェック(p3p004755)。こちらは遠距離攻撃を得意とする者が乗船している。もう片方、『信仰者』コーデリア・ハーグリーブス(p3p006255)が操舵する船には近接戦闘を得意とする者が。それぞれ得意なレンジを最大限に生かすため、別々に乗船している。
「ダイジョブ、オッケー。もう少ししたら耳栓するネ」
指でマルを作ったジェックは、サインとか決めとこうか、とマリナとレイヴンに声をかける。今回の敵は空を舞う人魚だが、歌にどのような効果があるのか判らない。判らない以上、歌を聴く訳にはいかないので、耳栓をしておく事になった。――尤も、それが意味を成すかは受けてみない限り判らない事ではあるが。
「おーい、そっちは大丈夫ー?」
隣の船から『光鱗の姫』イリス・アトラクトス(p3p000883)が声をかける。今回のメンバーは、大半が練達産の海洋戦闘用スーツ・ナウスを着用しているが、イリスは海種なので着用せず、命綱もつけていない。
「大丈夫でごぜーます。そちらはどうです?」
「うん、みんな大丈夫みたい。ね?」
「大丈夫だよ。あとは人魚のお姉さんを迎えに行くだけだ」
『髭の人』ムスティスラーフ・バイルシュタイン(p3p001619)が頷く。ね、と更に振り返ると、ナウスを着用した 『勇者の使命』アラン・アークライト(p3p000365)がおうと頷いた。
「歌姫にも人魚姫にもなれねぇって事を、クソ人魚に教えてやらなきゃな」
「魔種、……シュテ、とっても、怖い」
ぽつり、呟いたのは『星頌花』シュテルン(p3p006791)。仲間とのサインを一生懸命覚えながらも、恐怖はぬぐえない。でも。でもね。
「皆、傍にいる。シュテ、一人じゃない。……だから、戦う、出来るよ……!」
「シュテルンちゃんは偉いね。うん、僕も頑張るよ」
ムスティスラーフが感心したと頷く。いつだって大局を覆すのは、小さな勇気なのだ。
そうして船は進み――やがてレイヴンが、空を舞う影を見つけた。蝶ではない。魚でもない。その禍々しい影は。
「……見つけた」
「皆さん、戦闘の準備を! 寄せます!」
操舵していたコーデリアが言う。大渦より少し離れた場所に、そいつはいた。
「ああ! ああ! 貴方達が、私と遊んでくれるの?」
両腕を拡げてイレギュラーズを歓迎する。
彼女こそ魔種、パピリオである。
●遊んで
「ああ、来てくれて嬉しいわ……おもてなしするには、ディナーも紅茶もないのだけれど。でも、わたしがいるから良いわよね? だって、殺し合うんだものね? そのために来たんだものね?」
パピリオは嬉しそうに言うが、イレギュラーズ達には聞こえていない。人魚の魔声を警戒されていると気取ると、いっそう嬉しそうにパピリオは笑う。
「あらあらまあまあ。わたしが怖いの? わたしの歌声が怖い? うふふ、ふふふふ……!」
そんなもの無駄だって教えてあげる。そんなものあったって、わたしの歌は防げはしないわ。
「シュテは、シュテは、みんなの力、なる、の……!」
シュテルンが歌う。それは希望の歌。祝福の囁きが皆を包み込み、加護を与えた――けれど。災厄の人魚はその儚い旋律を無情に塗り潰す。。
人魚が歌った。朗々と。恋の歌だ。――まるで頭に直接叩き込まれるような、情熱的で押し付けるような恋の歌……!
「ぐっ、う……! この、クソ人魚……!」
アランが呻く。頭にわんわんとこだまする人魚の歌声が、まるであざ笑っているかのようだ。周囲を見ると、仲間たちもそれぞれうずくまり、もたれかかり、人魚の歌に耐えているようだった。仲間から攻撃される気配はない。恐らくは魅了、行動不能の類――
「うふふ、どうしたの? わたしを殺しに来たんでしょう? これくらいで駄目になっちゃ困るわ」
歌うのをやめた人魚は自ずから船に接近する。歌の余韻をこらえるイレギュラーズを見て哂い、素早く宙を泳いだ。風が吹き溜まり、衝撃波となって一同を襲う。
「こっ、の……!」
イリスが前に出て、衝撃波を受ける。血しぶきが舞い、肌に赤い傷が刻まれる。
「乙女の珠の肌になんて事すんのよ!」
「うふふ。赤い傷がついてとっても綺麗よ?」
「……あなたとは気が合いそうにないわね。一生」
語り合う二人のディープシー。片方はディープシー「だったもの」だが……笑いあった一瞬、パピリオの横っ腹に、光の矢が突き刺さった。
「っぐっ……?」
「へい、おぜうさん。僕と遊びませんか……なんちゃって、ね! あ、好みじゃありませんでした!」
ムスティスラーフだ。冗談めいてウィンクするその姿に、かっと怒りが湧く。
「この……!」
怒りに囚われた人魚の喉元を掠める銃弾。ジェックのD・ペネトレイション。咄嗟に身を引いたパピリオの喉に、赤い筋が奔る。
「オット、乙女の珠の肌に傷をつけてしまったネ」
「ははっ、赤い傷がついてとっても綺麗よ……ってか!」
アランが続けて放つ、アクセル・ジャベリン。甲板をへし割るかと思われるほどの踏み込みからの、神速の突き。くるりと空を泳いだパピリオの尻尾、その鱗をがりがりと削り取る。
「海洋の災厄。……この手にて刈る」
「貴方達の嫉妬も誘惑も、私が乗る船には絶対に届かねーですよ!」
レイヴンのピューピルシール、マリナのブラックドッグが続き、パピリオの肌に傷が増えていく。回避を余儀なくされた蝶は、怒りを含んで笑いながらふわふわと宙に舞う。
「うふふ……素敵、うふふ……」
「今のうちに畳みかけます!!」
コーデリアが舞った。蓮華と名付けられたその格闘銃術は、パピリオにさらなる笑顔と傷をもたらす。
「うふふ……ふふふふ……! とても良いわ、とても良い……でも……」
血が足りないわ。傷が足りないわ。死が足りないわ。愛が足りないわ。
パピリオが動き出す。再び宙を素早く泳ぎ、風を衝撃波に変える。狙いは……コーデリア。最も近くにいた彼女に不可視の牙が襲い掛かる。
「……っ、かは……!」
「まだよ」
吹き飛ばされかけたコーデリアを捕まえ、その爪で思い切り幾度も引き裂く。衣服と皮と肉が裂かれ、血飛沫が舞った。
「コーデリアさん!」
「ぐっ……! 皆さん、攻撃を……! 攻撃を、重ねて下さい……!」
「ああ、良いわね貴方……とても痛いのに、痛くないふりをして……とてもぞくぞくしちゃう。こんな思いをチェネレントラはしていたの? とても素敵……ねえ、そうでしょう……?」
魔種(こちらがわ)って、とても素敵よ?
「ぐっう……!?」
コーデリアを取り返そうとしたイリスが、己の身体を抱えてうずくまった。
「みんな……! ヤバイ、呼び声ダ! 注意シテ!」
ジェックが叫ぶ。
純種に襲い掛かる、狂気と狂喜の影。招かれたら二度と帰れない、狂った舞踏会への手招き。こちらへおいで、さあおいで。お菓子はとっても美味しいし、お酒もとっても良い気持ち。血と肉で着飾って、狂気で彩って、ほら、こちらはとても楽しいよ。
「っの、クソ人魚……!」
ウォーカーであるアランが、一気に仕掛ける。コーデリアを紙屑のように甲板に打ち捨てて、パピリオが嬉しそうに出迎えた。
二度目のアクセル・ジャベリン。一気に踏み込み、ただ一心に突く。パピリオの肩を捕らえたその付きは、見事に彼女の腕を根元から飛ばした。
ジェックが続けて白銀のライフルから銃弾を放つ。ばらまかれるような銃弾は、パピリオがアランに伸ばした爪を弾いて飛ばした。アランもすぐに身を引いて、一定の距離を保つ。
「おい! お前ら大丈夫か!」
「な、なんとか……呼び声ナメてたわ……魅了とか、そんなんじゃない、もっと……」
「引き込まれる、感じ……でも、シュテ、負けない……! そっちには、絶対、行かない、だから……!」
アランの呼び掛けに、徐々に立ち上がる仲間たち。幸いにも魔種に堕ちた者はいないようだった。
「そろそろ相手の攻撃も判ってきた頃カナ。攻撃できる? ダイジョブ?」
「爪に、衝撃波に、歌……厄介だけど、やれない事はないね」
ジェックの言葉に、ムスティスラーフが頷く。心配なのはコーデリアだ。総舵手がいなければ船は置いていくしかない。最悪、帰りの船は一隻になるだろうが――別にそれはそれで構わない。目の前の魔種さえ倒せるのなら。
片腕になった魔種はそれを笑ってみていた。とても楽しい。絶望の淵に立たされて、震える足で帰ってくるそれが愛おしい。食べちゃいたいくらい可愛い。可愛い。可愛い。可愛い!
「――……あら?」
だから、気付くのが遅れた。己の尻尾の付け根を、潰さんばかりに握りしめている華奢な手に。
「……惜しむ身など、あるものか……! 魔種を、倒すためなら……!」
「あらぁ……あなた、とても健気なのね……仲間はあなたより、わたしの腕を取ったのに……」
コーデリアだった。小さな奇跡を寄る辺として意識を取り戻し、パピリオの尻尾をぎりぎりと握り締めている。
「……!」
咄嗟にシュテルンがハイ・ヒールを施す。二隻の距離は近いため、辛うじてヒールはコーデリアに届く。パピリオは彼女の傷が癒える事はどうでもいいようだった。
「わたしの声をこんな近くで聞いて、それでも“其処に立っている”なんて、とっても可愛いわ……」
「コーデリアを返して貰うわよ……っ!」
「あらぁ、わたし、奪った覚えはないのだけれど……良いわ? おいでなさいな」
立ち上がり、こちらへぶつかってくるイリス。無粋だわ、と機嫌を害した人魚は術中にいる。それでも油断は出来ないと、レイヴンが魔獣カルキノスを召喚してその鋏で人魚を害する。残りの腕を断たれてはたまらない。身を逸らして避けたパピリオを、ジェックがスコープ越しに見ていた。一息に解き放つ弾丸が、人魚の喉元を抉る。
「魔種といえど、その命は儚いものだよね」
ムスティスラーフが死を告げる。魔種はその死を笑って抱き、至近にいるイリスに赤い筋を幾本も幾本も、深く刻む。まるで死すら嘲笑うよう。
耳栓をかなぐりすてたマリナが、ブラックドッグを解き放つ。妖精の牙が落ちた腕の傷口に食い込み、初めてパピリオは表情を歪めた。
「絶対絶対……みんな一緒! みんなと、生きる! 絶対、死ぬ、ダメ!」
シュテルンは力強く言うと、歌う。命の尊きを知る彼女の声は、そっと周囲を包み込み、魔種の歌に侵されていた者たちを癒していく。
「良い歌ね。じゃあ、わたしも……」
「それは無理な相談だネ」
ばきゅん、と一つ銃声。歌を奏でようとした魔種は、声が出ない事に最初、不思議な気持ちを覚えた。それは魔種になって初めて感じた、寂しさ。己とずっと共にいた歌との別れを、本能が先に理解していた。
続けて、生暖かいものが己の胸元を伝ってゆく。指で拭ってみてみると、それは血の色をしていた。声が出ない。ああ、わたしの喉を、撃ち抜いたのね。パピリオはそれを理解すると――己の内でいつも揺蕩っていた情動、他人を快楽のためだけに求める意識に身を任せ、咆哮した。
「……――――――――――!!!!!」
愛して。わたしを愛して。こんなわたしを愛して。
愛して! 愛して! 愛して!! 殺して!
「なっ、何……!?」
己も小さな奇跡を寄る辺としたイリスに引きはがされるコーデリア。パンドラの力を借りてなお、その傷は深い。ムスティスラーフと協力してその傍にコーデリアを寝かせ、イリスが盾となる。
「!!! !! !!!」
「やべえな……みんな! ありったけ撃ちこめ!!」
人魚が纏う気が、途端に荒々しくなる。異変に気付くや否や、アランは再び踏み込んでアクセル・ジャベリンを――
「……っ!?」
振りぬく手ごたえがない。……止められた。大剣を掴む人魚の片腕――血走った瞳がアランを捕らえ、至近距離で魚の尾が振るわれる。したたかに男の腹を打ち付けるそれは、まるでしなやかな鋼のよう。かふっ、と意図せず息を吐き出すアラン。
「まるで暴走してるみたいだねぇ」
ムスティスラーフが二度死を告げる。見えない衝撃に切り刻まれながらも、アランの大剣を手放して、別れ際に鋭い爪で深い傷を残していくパピリオ。その様は最早蝶ではなく、魔獣か何かのようだ。
「カルキノス――」
レイヴンが召喚した魔獣が、鋏を打ち鳴らす。パピリオはそれを見上げると、一気に空を泳いだ。素早くターンして、更にターン。風を吹き溜めた衝撃波を放ち、カルキノスを一息に打ち倒す。
「ここで永遠に水底に沈めてやります! 覚悟してくだせー!」
マリナがブラックドッグを解き放つ。妖精の牙に噛み砕かれながら、パピリオは声もなく歌う。もう、頭を打ち鳴らすような歌はない。
「シュテも、みんなの力、なるの……!」
シュテルンが放ったマジックロープが、その尾びれに絡みつく。しかし振り払おうとパピリオが激しく尾を振るった。シュテルンは逆に引っ張られ、つんのめってしまう。
「きゃあ……!」
「おっと、大丈夫?」
イリスがその痩躯を受け止めて、マジックロープをほどかせた。パピリオは一直線にイリスへと向かってくる。
「そうだよね、そう来るよね。わたしは海洋の美少女だからね!」
だからか、なのかは不明だが、人魚は一直線にイリスに向かって……構えた彼女とぶつかり合った。
「今だよ!」
「散々やってくれたな。綺麗な歌声のお返しだ……遠慮せずに受け取って、くたばれ!!」
アランがその横腹を狙い、憎悪で磨いた爪牙を解き放つ。続けてムスティスラーフが今度こそ死を告げ、マリナが妖精の牙を向け、ジェックが銃弾を撃ち放つ。
「悲しき純種よ。その狂気、執行人が持っていく」
レイヴンがカルキノスの鋏で――じょきん。
いよいよ命脈を断たれた哀れな蝶(パピリオ)は、海の泡となって消えた。
●さよなら
「……う……」
コーデリアが目を覚ますと、シュテルンとイリスが覗き込んでいるのが見えた。
「目、覚めた。よかった。大丈夫? 痛い、ない?」
「私は……? あの魔種は、どうなりましたか……?」
「魔種は倒したよ。コーデリアが倒れた後、みんなでね」
「あ、大丈夫~?」
ムスティスラーフたちが気が付いて、コーデリアを案じて集まってくる。
「ひやひやしたよぉ、コーデリアちゃんが倒れたときは」
「すみません……船は、どうなりましたか」
「マリナが操舵してるぜ。お前を動かす訳にもいかなかったからな、あとは行きと同じメンツだ」
アランが言う。そう、とコーデリアは頷いて、空を見上げた。綺麗な青色だ。あの渦とは全く違う色。
「……空は綺麗ですね」
「そうだねぇ。海も本当は、綺麗な色のはずなんだけどね」
ムスティスラーフが言う。
色欲と嫉妬の大渦は、果たして消えるだろうか。消えればまた、海と空は同じ青に戻れるのだろうか。
答えを知る者はいない。ただ、生きていれば答えは自ずと見えてくるだろう。
8人は出来得る最大の戦果をもぎ取り、海洋へ帰港する。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
お疲れ様でした。
如何に魔種の脅威を描くか、はいまだに課題ですが、少しは恐ろしく思っていただけたでしょうか。
少しでも皆さんの雄姿をそれらしく描けていたなら幸いです。
MVPは根性溢れる子女、コーデリアさんに。ご確認下さい。
GMコメント
こんにちは、奇古譚です。
チェネレントラが動き出しました。乙女が求めるは最高の狂喜。
それに引かれて別の乙女も動いたようです。皆さんにはその乙女を討伐して頂きます。
●目的
魔種「パピリオ」を討滅せよ
●立地
パピリオは海洋の沖にある大渦、その傍の海上にいます。
船は二隻まで貸し出し可能ですが、それ以上利用する場合はご自身で用意をお願いする事になります。
また、前回に引き続き、練達で開発された装置『海洋戦闘用スーツ・ナウス』もあります。海に落ちた時のため、こちらを装着しておくのもよいでしょう。
●エネミー
パピリオx1
空を泳ぐ人魚、といえば判りやすいでしょう。
非常に動きが素早く、読みづらい相手です。両手には鋭い爪があり、主にひっかいて攻撃してきます。
また、人魚と言えば歌ですが――その辺りの情報は、グレモリーは手に入れられなかったようです。
チェネレントラを慕う、色欲に侵された魔種です。
●情報精度
このシナリオの情報精度はCです。
情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。
●アテンション
相手は魔種です。原罪の呼び声をふりまく邪悪な存在です。
純種の方々はくれぐれもご注意ください。
また、パンドラの残量によらない死亡判定がなされる場合があります。
では、いってらっしゃい。
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