PandoraPartyProject

シナリオ詳細

野イチゴを摘みに

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●少女と森のイチゴ摘み
 ――とある森に、野イチゴがたくさん実る開けた場所がある。
 幻想の大通りで情報屋の『穏やかな心』アクアベル・カルローネ(p3n000045)へと声をかけ、そんな情報を持ち掛けてくれたのは1人の少女だった。
「あのね、野イチゴを一緒に摘みに来てほしいの」
 レリクと名乗るその女の子は10歳くらいで、長い髪をおさげにしていた。
 少女が言うには、野イチゴが採れるのは幻想の端にある森。
 以前はよく人が立ち入っていたのだが、最近はほとんど誰も来なくなり、元々は道のあった場所にも草が生い茂ってけもの道となっているのだとか。
「だからこそ、野イチゴがいっぱい実っているんだよ」
 現状、人の手がほとんど入らなくなった場所となっており、自然の幸を存分に採取できる穴場スポットということなのだろう。
 木々のない開けた所で、日の光を浴びて真っ赤に実った野イチゴ。それはさぞ甘すっぱくて、美味しいことだろう。
 少女はそれをお腹いっぱい食べたいそうで、イレギュラーズの力を借りたいのだそうだ。
「レリクだけじゃ、あんまり持つことができないの」
「……なるほど、情報を纏めますから、少し待ってくださいね」
 レリクから話を聞いていたアクアベルが紙とペンを手に取り、さらさらと依頼書を書き始める。
 依頼日当日の朝、レリクは森の入り口で待ってくれており、森の中に案内してくれるそうだ。
 後は一緒に野イチゴを摘み、レリクが持てない程度に摘んで運べば完了。簡単なお仕事だ。
「じゃ、よろしくね!」
 にこやかな表情を浮かべ、町の外へと走り去っていく少女。
 その後ろ姿を見送ったアクアベルが首を傾げて。
「冬に野イチゴなんて、実るものなのでしょうか……」
 とはいえ、無辜なる混沌なら、何が起きても不思議ではない。
 アクアベルはそう割り切りつつ、その依頼書を貼り出すべくローレットへと向かっていくのだった。

GMコメント

 イレギュラーズの皆様、こんにちは。GMのなちゅいです。
 野イチゴを摘むだけの簡単なお仕事です。

=====以下、プレイヤー情報です========

●敵
 魔物です。出現条件は不明です。
 なお、実在する猪、鳥は野イチゴを食べるようです。

◎猪……3体
 全長2mの猪で相手に向かって突進し、
 動きを止めたモノを喰らうようです。

・突進(物中単・飛)
・突き上げ(物近単)
・いななき(神域・混乱)

◎鳥……1体
 全長2m程度。
 森を飛び回り、獲物と見定めた敵へと襲い掛かってきます。

・飛び掛かり(物近単・出血)
・ついばみ(物至単)
・羽ばたき(神中扇・乱れ)

●状況
 幻想のとある森の中へと野イチゴ摘みにいきます。
 何事もなく事件が解決し、野イチゴを摘むことができたなら、食べることができます。
 摘むことができれば、ですが……。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はC-です。
 信用していい情報とそうでない情報を切り分けて下さい。
 不測の事態を警戒して下さい。

=====以上、プレイヤー情報です========

 それでは、よろしくお願いいたします。

  • 野イチゴを摘みに 完了
  • GM名なちゅい
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年01月26日 00時40分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)
自称・旅人
ラダ・ジグリ(p3p000271)
静謐なる射手
サンディ・カルタ(p3p000438)
アニキ!
リナリナ(p3p006258)
原始力
酒々井 千歳(p3p006382)
行く先知らず
シュテルン(p3p006791)
星頌花
クリストファー・J・バートランド(p3p006801)
俺の冒険はこれからだ
カナデ・ノイエステラ・キサラギ(p3p006915)
ロマンチック・ブーザー

リプレイ

●野イチゴを摘むだけのお仕事……?
 とある日の朝。
 イレギュラーズ一行は目的の森へと移動していく。
「野イチゴかあ……俺は食べた事ないなあ、どんな感じの味なんだろう」
 異能の力を持つ黒い長髪の男性、『行く先知らず』酒々井 千歳(p3p006382)は、普通のイチゴとは違うであろうその味に興味を抱く。
「野いちご……ふつーの、いちごと、違う、なの?」
 すると、天義出身の人間種の『星頌花』シュテルン(p3p006791)が言葉を返す。
「いっぱい、いっぱい、あったら、いーね!」
 表情をほとんど変えぬものの子供っぽい口調で、彼女は仲間達へと楽しみであることをアピールする。
「そうだね。依頼人にたくさん持って帰って貰える様に頑張りますか」
 千歳はそう言いながらも、何か引っ掛かりを覚えている。
「野イチゴを、そう、野イチゴを摘むだけの簡単な御仕事なのですよ」
 首から右頬に紋様が刻まれた大柄な女性、『自称・旅人』ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)がたったそれだけの依頼だからこそ、この事件の裏を考える。
 依頼書を読んだ参加メンバー達は、いくつも腑に落ちぬ点を感じていたのだ。
「冬に野イチゴか……そういう種類なのかな?」
 天義の母と鉄帝の父を持つ人間種、『俺の冒険はこれからだ』クリストファー・J・バートランド(p3p006801)も、そんな品種を聞いたことがないらしく考え込む。
 できれば、まだ出会っていない依頼人である少女、レリクにたんまりと野イチゴを渡してあげたいところ。
「悲しい顔は見たくないから、出来れば実っていてほしいけどなぁ」
「この依頼、情報精度が低すぎるのよね……」
 見た目は豊満なボディを持つ少女の容姿をした旅人、『特異運命座標』カナデ・ノイエステラ・キサラギ(p3p006915)は依頼の情報書きについて、訝しむ。
 野イチゴが魔物だった、などというオチをカナデも想像していたようだ。
 幻想のスラム出身で怪盗志望の少年、『アニキ!』サンディ・カルタ(p3p000438)は幅広く状況を想定し、対処できるように心構えをしていた。
「確かな情報がないと、不安が拭えないな」
 今は人型をとっているが、馬の獣種で下半身が馬の四肢を持つ『静謐なる射手』ラダ・ジグリ(p3p000271)は少なからず憂いを表情に出す。
 さすがに、当人の前では、そんな顔はできないが……。
「さてさて、いったいどの様な野イチゴが出てくるのでせうか?」
 傷を押して参加のヘイゼルは、どんな顛末になるかと淡白に告げる。少女と穏便な関係で済むことを願って。

 イレギュラーズ達はあらゆる事態を想定し、依頼の準備を行う。
 少女との合流の前に、メンバー達は目的の森近場の集落へと立ち寄る。
「個人的には、『以前はよく人が立ち入っていた』ってところが気になるんだよね」
「旧道が使われなくなった時期と理由を聞いておきたいな」
 千歳の意見に、サンディも同意する。
 それらについて、彼らが聞き込みすると……。
「野イチゴを摘みたいって女の子の依頼で森に入る事になったんで、危険がないか調べたいんだ」
 クリストファーが人々に尋ねると、やめなさいと住民達が口々にイレギュラーズ達を止めようとしていた。
 その理由を尋ねると……。
「少し前、森で人隠しって話もあってなぁ」
 集落民の話では2年ほど前に住民が森から返ってこなくなる事件があり、すっかり立ち寄らなくなったらしい。
 以前は、野イチゴなどを摘むスポットではあったそうだが、今は自家製で育てることにした為、無理して摘む必要もなくなったのだとか。
 サンディがそのジャムやタルト菓子を購入するのを見て、千歳は考える。
「人隠し……か」
 また、カナデは地図を出し、人隠し事件以前に森へと入っていた人に危険な場所を尋ねていたようだ。
「ついでに、その女の子のことも聞きたいんだ。レリクって子なんだけど」
 もう一つ、クリストファーが集落の住民達へと尋ねる。
「……という少女について、何か知りませんか?」
 ヘイゼルも一人一人に少女の名前と特徴を出して問いかけるが、皆そろって首を横に振る。
 ラダも同じく、仲間に合わせる形でローレットだと素性を明かして聞き込みを行い、それらしき子が集落に住んでいる様子はないことを確認していた。
 情報収集の結果。
 集落自体にはさほど変化はなく、人々は森には近寄ろうともしていない。
 また、レリクなる少女を知る者は1人としていなかった。
 この集落の娘ではないだけか、あるいは……。
「情報が集まらければならない程、警戒が必要ということなのです」
 ヘイゼルは森についてはある程度の危険は認識したものの。レリクという少女に関しては警戒心を強めざるを得ないと捉えて。
「まあ、行くしかないな」
 ラダは集落でバスケットを借り、合流した仲間と現場の森へと向かっていくのである。

●少女と森へ
 程なくして、森の入り口へとやってきた面々は、おさげの少女レリクと合流する。
「約束の時間!  案内の女の子発見!」
 一足早くこちらへとやってきていた『原始力』リナリナ(p3p006258)がやってきた仲間へと大きく手を振る。
「おー、これで全員集合! 遅刻者無し! みんな食いしん坊だなっ!!」
「今日はよろしくね」
 リナリナは楽しげに仲間達へと告げると、レリクがぺこりと挨拶する。
 彼女の先導によって、一行は森の中へと踏み入っていく。
 サンディがそこで、人助けセンサーを働かせる。
 依頼人の少女が助け、苦しみを求めるサインを出している様子はないと確認し、それとなく情報を仲間と共有していくのだった。

 少女と共に楽しい野イチゴ摘み……とはならない。
 前よりの位置で、クリストファーは仲間の列が乱れぬようにと時折後ろを振り返りながら進む。
 千歳も超聴力を働かせ、周囲の木陰が揺れ動く音すらも聞き逃さない。何かあれば、すぐさま仲間に伝える構えだ。
 レリクの傍で有事の際に庇える態勢を取りながら進むラダもまた、怪しげな物音がないかと聞き耳を立てていたようだ。
 皆、神経を張り詰め、森から漂う異様な雰囲気に警戒感を強めていた。
「おー、人来ない森の道! ツウコウリョウ減少!」
 そんな中で、リナリナの存在は雰囲気を和ませてくれる。
「ユダンタイテキ草ボウボウだなっ!!」
 リナリナはレリクと共にいるよう努め、できる限り仲良くなるよう努めていた。
「まあ、のんびり行きましょう。野イチゴは逃げませんよ」
 ヘイゼルは警戒を解くべく、当たり障りない話を振る。
「シュテ、野いちご、初めて! レリク、どんな味、知ってる?」
「うん、すごく甘くて、それでいて、ちょっぴりすっぱいんだよ」
 シュテルンもまた、楽しく野イチゴ摘みができるようにと、レリクへと話しかけた。
 レリクも少女らしくわからないことが多いようだったが、知っていることはちゃんと受け答えしてくれる。
「しかし、よく穴場を知ってたな。誰かから聞いたのか?」
「お友達が教えてくれたの」
「友達……か」
 ラダは他意なく繰り返す。
 そこで、シュテルンはレリクの心情をこっそりとギフトで目にする。
 彼女のギフトは、その人の心の状態が花として見えるというもの。
 良い子であるなら、花はきらきらと開花するのだが……。
(んん? レリク……?)
 見えたその花は、悲しくなるくらいにしぼんでいた。
 シュテルンの報告を聞いたヘイゼル、サンディは何かを確信していたようだ。
 それにしても、さすが人の手が入らぬ場所。
 道はもはやけもの道となり、イレギュラーズでも歩くのに一苦労という場所。
「この道、コドモ通るの大変! 女の子ダイジョーブか?」
 リナリナが案内するレリクを気遣い、おんぶする。
「案内役重要! エンリョ禁止! 無理もキンシ!」
「あ、う……」
「丁度いいですね。休憩しましょうか」
 戸惑う彼女の姿に、ヘイゼルが仲間達へと休むよう促す。
 そこで、サンディがタルトをレリクに差し出すと、彼女は美味しそうに食べていた。
 メンバーがくつろぐ間、空中歩行で森の上に出たヘイゼルはここまでの経路を確認し、行く先となる野イチゴポイントを確認する。
 その時、怪しげな影が向かう先へと降りていくのが見えた。

●野イチゴポイントにて
 休憩を終え、一行は再びレリクの先導で森の奥を目指す。
 後方でカナデが鈴を鳴らし、獣除けを行う合間、前を行くクリストファーは時折、木を叩いて反響で状況を把握する。
 どこからか感じる何者かの視線。クリストファーはそれを透視で見据えようとしていた。

「……ついたよ」
 リナリナの背で指さすレリク。
 その先には開けた場所があり、日の光を受けて赤く実ったたくさんの野イチゴが。
 だが、この場に血なまぐささを感じ、サンディはすぐに険しい顔をする。
 それを受け、シュテルンが保護結界を張り、できる限り野イチゴを守ろうとする。
 程なく、木々の間から現れたのは、全長2mほどもある3体の猪。
 そいつらは鼻息を荒くし、獲物が来たと興奮する。
 それだけではない。先ほど空からこの場に向かった大型の鳥が翼を羽ばたかせ、目を光らせてイレギュラーズ達を睨む。
「おー、お邪魔どうぶつ! イノ肉3つ、トリ肉1つ! 旨そうだなっ!」
 リナリナはレリクを背から降ろし、獲物を見据えて構えをとる。
「でもダメ! 今、ノイチゴ優先! お邪魔どうぶつ排除! ハイジョ!」
「…………」
 レリクが大きな反応を見せぬ中、魔物と化した動物達がこちらへと一気に迫ってくる。
 そのレリクの前を守るべく、カナデが立ちはだかって。
「その心、絶望に染まれ……変身!!」
 変身バンクを使うカナデは、ビキニ姿の忍者の恰好となり、敵の迎撃へと当たる。
 突進してくる猪の勢いは速い。そいつらの前に立つクリストファーはそいつら目掛けてカウンターのように殴り返す構えだ。
「戦いの舞!」
 リナリナはテンテケテンテケとその場で舞い踊り始めると、鳥が目を光らせて頭上から飛び掛かってきた。
「レリク! 危ないっ!」
 その身を案じたシュテルンが叫ぶと、ヘイゼルがレリクを抱えて宙を歩き、彼女を枝張りの木の上へと避難させる。
「終わるまで、そこにいてくださいね」
「わ、わかったの……」
 これには、2つの狙いがある。
 1つは魔物達から狙われないようする為。鳥からも視界は遮られており、簡単には狙われないはず。
 もう1つ、レリク自身が勝手な行動をしないよう抑止する為。
 大きな動きを見せぬ為、しばらくはあの位置にいてもらう方がイレギュラーズとしてもありがたい状況だ。
 さて、メンバー達は手早く獣達の駆除へと当たる。
 サンディはヘイゼルがうまくレリクを移動させたことで、仲間達のカバーへと回っていた。
「泣く子も黙る大怪盗、サンディ様とは俺のことだ!」
「クリストファーだ。遠慮せず来なよ」
 サンディが猪を、クリストファーが鳥を引き付け、囮となる彼らにシュテルンが祝福の囁きで仲間達に活力を与えていく。
 千歳は鋭い牙で突き上げてくる猪目掛け、2本の妖刀で切りかかる。狙うは弐撃決殺、壱で機を生み出し、弐でその命を断つのだ。
「何て、ただの師匠が言っていた心構えなだけなんだけどね」
 とはいえ、彼の刃は見事に相手の体を捕らえ、切り裂いていく。
 カナデは鳥目掛け、理力の杖から術式を飛ばして相手を撃ち抜いていた。クリストファーが抑えてくれており、広範囲への羽ばたきが来ないのがありがたいところ。
「鳥も猪も大きいな」
 仲間達の情報から、人の立ち入らなくなった原因はこれだけでないことはすでにラダも把握していたが、細かく移動しながら猪の駆除を優先し、ライフルの照準を合わせて相手を射抜いていく。
「おー、リナリナ、イノ肉に突撃!」
 踊りを終えたリナリナも、妖刀を煌めかせて相手の脚を狙い、切りかかっていった。

●魔獣の駆除を
 襲い来る魔獣は、確かに強敵ではある。
 だが、今回は状況もあって念入りに警戒を重ねたイレギュラーズ達。メンバー達に死角はほとんどない。
 獣どもの抑えはクリストファーとサンディがしっかりと行う。
 気をそらせば、それだけで相手は広域に被害をもたらす。それだけは絶対避けたいと、彼らは気を抜くことなく対処していく。
 彼らの回復支援にはヘイゼルが回り、主に血を流すクリストファーの止血に回るべく問題を解決する大号令を放っていた。
 また、体力回復にはシュテルンが当たっていく。
 誤って敵まで回復することのないよう気がけながら、彼女は囁くような唄を疲弊する仲間へと聞かせていた。
 そして、シュテルンは時折頭上を見上げて。
「レリク、だいじょーぶ!」
 ――あとは、レリク、が、信じる、くれたら、もっと、強く、なる、出来るよ!
 たどたどしい言葉で告げるシュテルンの呼びかけに、レリクは一層表情を陰らせていた。

 さて、イレギュラーズ達はその後、順当に魔物となった獣達を攻め落とす。
「るら~っ!! 」
 リナリナ曰く、イノ肉目掛けて彼女はその足の破壊を目指し、切りかかる。
 実際、それで勢いが衰えてきていたこともあり、ラダが突進してくる相手を正面からライフル銃で射抜く。
 弾丸に穿たれた相手がどうと音を立て、草むらの上に転がる。
 交戦は続き、次なる猪に対しは、刃を煌めかした千歳が相手の体からどす黒い血を撒き散らす。
「中々手強いけど──、死を感じる程の相手じゃない」
 目の前の相手は前衛陣から気をそらし、大きくいななく。
 千歳はそれをこらえ、すぐに両手の刃を握り直す。
「……櫻火真陰流が一刀、酒々井 千歳。邪魔をするなら遠慮はしないよ」
 飛び込んだ彼は相手の喉元を掻き切り、絶命させていった。
 2体倒れれば、クリストファーの負担もかなり軽くなる。
 彼は頭上を飛び回る鳥が痛んできていたことに気づく。
 ラダが高空にいる敵を狙ってライフルで射抜き、撃墜したところでクリストファーはコンビネーションを活かして大戦斧を叩きこむ。
 鳥を狙っていたカナデは毒を含む魔法弾を飛ばして追撃し、そいつを完全に沈黙させた。
「毒撃で倒した相手の肉って、食べられるのかしら……?」
 毒抜きすれば行けるかもしれないが、それはさておき。
 残る1体は前線から気をそらし、大声でいななく。
 ヘイゼルはそれを危険視して相手の至近にまで迫ってから赤い糸を飛ばし、相手を引き付ける。
 重傷状態なのが怖いところだが、残る獣はこの1体のみだ。
 仲間達が攻撃を重ねる中、サンディが相手に毒苦無を投げつけていく。
 それが炸裂すると同時に、鮮やかな花火のごとく爆発する。
 サンディにとっては支援のつもりの一撃だったが、十分にダメージを受けていた猪は高い声を上げて崩れ落ちていったのだった。

●レリクの正体は……?
 魔物を倒し、地上にレリクを降ろしたイレギュラーズ一行。
 そこで、彼女は怪しげに目を輝かせて。
「本当は、レリクがあなた達を食べるつもりだったの」
「レリク、ちょっと待つ!」
 彼女はレリクの手を取り、野イチゴのある場所へと近づく。
 疑似餌かとも考えたリナリナだが、野イチゴ自体は実際に赤く実っている。寒い空気の中でも、不自然なほどに。
「やっぱり、冬にノイチゴは変! 確認!」
 彼女はマンモの肉をつかんで投げつけると、レリクがするりと手をほどき、その本性を露わにして肉をぱくりと食べてしまう。
「おー、ノイチゴお化け!」
 リナリナがその姿に目を丸くする。
 この近辺の野イチゴを活性化させていたのは、レリク……魔物と化した一株の野イチゴだったのだろう。
「レリク、うそ、うそだ、な!」
 警戒したまま、問いかけるリナリナ。
 レリク……rellik……killer。
 森がけもの道になるほどだから、おそらく年に1,2回程度の低い頻度で人を襲っていたと思われる。
 全く人がやってこなくなったのでわざわざ自分から出向き、野イチゴをちらつかせて森へと誘い込んだ……こんなところだろうか。
「レリク……」
「皆、優しすぎなの……」
 シュテルンが首を傾げて声を掛けると、レリクは戸惑いながらいずこともなく走り去ってしまったのだった。

 そうして、残っていたのは、人の手が入らず今なお実り続けるたくさんの野イチゴ。
「いっぱい、野いちご、あるね」
 心なしか、シュテルンのテンションは低くなったようにも感じる。
 カナデは念の為にと木の棒や石を軽く投げ、ヘイゼルも空中歩行をして採取を行うが、トラップも新手の襲撃ももうなかった。
「野イチゴで、周囲の住人達もつっていたんだろうな」
 人隠しについて、思い出すラダ。
 その原因を考えれば、レリクに同情できぬ部分も生まれてはしまうが……。
 ラダはそれを表には出さず、野イチゴでいっぱいになったバスケットを見つめる。
 それを求めた少女はもういない。おそらく、もう姿も現さないだろう。
 野イチゴを一つ、千歳は口にくわえて。
「……酸っぱいな」
 その味は甘くも、思いっきり酸っぱさを感じた。
 さらに、千歳は倒れたままの猪や鳥の姿を見下ろして。
「……さすがに、解体している余裕はないか」
 メンバー達は暗くなる前に森を抜け、近場の集落まで戻ることにしたのだった。

成否

成功

MVP

サンディ・カルタ(p3p000438)
アニキ!

状態異常

なし

あとがき

リプレイ、公開です。
MVPはサンディさんへ。
不明な点も多い状況の中、
色々なことを想定して対処していたかと思います。

思った以上に、優しい皆様のプレイングに、
彼女も毒気を抜かれてしまったようです。
収穫した野イチゴはお持ち帰りくださいませ。
ご参加、ありがとうございました!!

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