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シナリオ詳細

『タマ』ちゃんを探して!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ペット確保の依頼なのです!
「急ぎの依頼が入ってきたのです!」
 ギルド・ローレットは盛況だ。連日依頼が舞い込んできている。
 の、だが――その舞い込んでくる数よりも依頼希望者の数の多さの方が圧倒的に上回っている状況だった。希望する者皆を纏めて送り込めば良いという訳ではなく『ご縁がなかった』と言う形で依頼に入れぬ者もいる。
 今日もまた依頼が全て締め切られる。些かの吐息が誰かの口から洩れようとした――その時。ユリーカ・ユリカ(p3n00002)が、アチョー! という声と共に扉を勢いよく蹴り開いて。
「ペットの『タマ』ちゃんが居なくなってしまったそうなのです! 誰か、誰か行けませんか!?」
「ペット探しの依頼か……」
 存外、簡単そうだ。決して派手さのある依頼ではなさそうだが、これも誰かがやらねばならぬ依頼の一つには違いない。それに依頼を待っていた身としては丁度いい。依頼主もきっとペットがいなくなって不安がっているだろうと、ユリーカに近付けば。
「あぁ問題ない。依頼なら受けよう――で、そのペットの特徴は?」
「行ってくれるのですか!? ありがとうございます! 『タマ』ちゃんはですね、とってもキュートな!」
 うんうん。
「体長5メートルの!」
 うんうん?
「体全体に斑模様のある!」
 うん、うん?
「学術名、ボア科アナコンダ属の『オオアナコンダ』なのです! さっき確かに依頼を受けると言いましたね! ――さぁ逃がさないのですよ!!」
 謀ったなユリーカァアアアア!!
 誰もペット『探し』の依頼なんて言ってないのですよおおおおお!

GMコメント

 茶零四です。急ぎの依頼で、相談期間は「四日」となっております。
 この依頼の参加には特殊な「レベル制限」が存在します。詳しくは一番下の『その他』をご覧ください。
 では、よろしくお願いします!


■依頼達成条件
 ボア科アナコンダ属の『オオアナコンダ』の『タマ』ちゃんの捕獲。
 なるべく傷つけない様に捕獲してください。


■『タマ』ちゃん
 とても人懐っこいアナコンダ。人懐っすぎて巻き付いて相手を気絶させちゃうのが欠点かな。でも噛んだり飲み込んだりはしないとの事。本人感覚ではじゃれてるだけ。結構力は強いので気を付けましょう。
 飼い主と遊んでいたらいつの間にか飼い主が気絶。その間にどこかへ行ってしまった。
 ローレットの調査により近くの空き家に侵入していることが判明しました。確保してください。


■空き家
 二階建ての空き家。中は割と広い構造になっています。
 また、空き家となって結構な年月が経っているのか老朽化しています。
 放棄された家具や食器が散乱していますので移動の際にはお気を付けください。


■その他
 この依頼にはレベル制限が存在しています。
 レベル「1」以下のキャラクターでなければ参加できません。
 経験値・報酬は通常通りの値が付与されます。

  • 『タマ』ちゃんを探して!Lv:1以下完了
  • GM名茶零四
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年02月16日 23時45分
  • 参加人数8/8人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ズットッド・ズットッド・ズットッド(p3p002029)
脳髄信仰ラヂオ
シフカ・ブールカ(p3p002890)
物語のかたち
フルオライト・F・フォイアルディア(p3p002911)
白い魔女
錫蘭 ルフナ(p3p004350)
澱の森の仔
アテネ(p3p004434)
無宿渡世の用心棒
ン’ドルア(p3p004633)
蛇神様
グリード・ビッツ(p3p004635)
特異運命座標
アンジェリーナ・エフォール(p3p004636)
クールミント

リプレイ

●嘘は言っていないのです!
「タマだって……」
 青空の下。『猫派』錫蘭 ルフナ(p3p004350)は言う。遠い目で、空を見上げながら。
「『タマ』だって、言ったじゃんかユリーカァ――!!」
 タマとは言いました。でも猫とも犬とも言っていないのです――そんな声が天から響いた気がする。親指をグッとしたユリーカの姿が青空に錯覚。ちくしょう覚えてろ。
 ともあれ現実逃避もここまでだ。タマちゃんだと言われてしまったのなら仕方がない。まぁいいさと力無く呟けば、目前にある空き家――この家の中に侵入するとしよう。
 鍵はかかっていない。古ぼけたその扉を、ゆっくりと開けば。
『ター』『マーちゃん』『出ておいで出ておいで出ておいで』『じゃれついてくるペットとかかーわいー』
 まず入ったのは『脳髄信仰ラヂオ』ズットッド・ズットッド・ズットッド(p3p002029)だ。今の声、だが彼の口から発せられたモノではない。彼の持つラジオから発せられたモノで。
『そういえばこの手の定番といえば』『餌付け作戦』『ですがそれって好物把握が必要?』『いっかがでしょ』
 複数人の、妙なテンションの声が垂れ流れている。彼のギフトの効果である『どこぞ』の電波の受信によるものか。内容は支離滅裂ではなく十分に会話が可能な統一性はある為不思議な所はあるが。
「ふむ、我、同族、蛙でも、卵でも、食す」
 さすればその声に反応したのは『蛇神様』ン’ドルア(p3p004633)である。
 ――蛇だ。いや、勿論の事保護対象タマちゃんではない。大きな枠組みでいえば同族である彼は、タマちゃんの特性という物を身にもって理解しており。
「だが、待つ、無理。時期、寒い、早めに、探す、でないと、夜、マズい」
「ふむむ。寒さには弱いという事か? ならばなるべく急がねばな」
 今は昼。時間に余裕はあるだろうが、万一何かしらの理由で探索に時間がかかってしまっては、と『白い魔女』フルオライト・F・フォイアルディア(p3p002911)は思考する。
 依頼を受けた際は名前から蛇であるとは思わなかったが――猫である。犬である。蛇である、は究極何でも宜しい。そのような形は所詮ただの器に過ぎない、と。箒を取り出せば。
「さて――老朽化した家ならば、飛べる余は二階の方を見てみるとしよう」
 媒体飛行。手に持てる程度の道具に飛行たる能力を付与する技能。それによって二階への道を先導する。途上に落ちているゴミやガラスの破片など、危険に思える物に注意を促しながら。
「うむむ……空が自在なのは羨ましいな。いや、私は飛びたいというよりも」
 この家を歩いて本当に大丈夫だろうか――と言葉を紡いだのは『魔法の馬』シフカ・ブールカ(p3p002890)である。ン’ドルアは蛇であったが、次の彼は馬であった。混沌肯定の効果により体重などの問題は解決しているとは思うのだが……それはそれ、これはこれ。不安と言うものはどこまでも存在する。
 とはいえここまで来て留まる訳にもいかず。意を決し、空き家の中に侵入すれば。
「おーい、タマチャン。ご主人が心配しているよ。出てきたまえ。ご主人は怒っていないよー」
「タマちゃん、怯えてたりしないだろうね。意図せずだろうが飼い主を気絶させちゃったんだろう?」
 シフカ・ブールカと共に『無宿渡世の用心棒』アテネ(p3p004434)も探索を開始する。目の前に無造作に倒れていたテーブルを、通りやすいようにするべく力を込めてどければ。
 顔を左に右に、タマちゃんがいないか探す行動を。次いで、老朽化した床を踏み抜かない様に下も警戒だ。大きな物音を出すのはなるべく控えねばならぬと考えて。
「いやしかしタマちゃんとかいう邪悪なネーミングはどっから来たんですかね」
 更に続いてグリード・ビッツ(p3p004635)も家の中へ。こういう依頼が出された事そのものは別に構わないが、それよりもタマちゃんと言う名前を付けておきながらその正体は蛇。どういう事だご主人。そのネーミングセンスは何の罠だこれは。
「仕舞いには絞め殺されかけているとか……頭おかしいでしょう、全く」
「……ま、まぁネーミングセンスはひとまずとして、タマちゃんを探しましょう」
 そして最後に『クールミント』アンジェリーナ・エフォール(p3p004636)が慎重に家の中へと。直前に独特なステップを踏むが、それは唐突なるタマちゃんの襲撃を警戒しての事だ。幻惑なる力を身に宿す、シャドウステップ。
「それでは先に床の片付けを始めますね。えっと、二階までの道は……こっちでしょうか」
 メイド服を身に包む彼女が片付ける様は、本職の様な雰囲気を漂わせる。まずは二階へ向かう味方の為にと、そこへ至るまでの障害物の排除に取り掛かるのだ。ガラスの破片などがあれば尚に危なく。大型の物品が落ちていたりすれば純粋に通行の邪魔である故に。
 はてさて一体――タマちゃんはどこにいるのだろうか。

●ターマちゃんやーい
「我、上、探す、おそらく、上に、いる気がする」
 言い、ン’ドルアは階段を伝って二階を目指す。
 もし寒さを避ける行動をしているのならば一階よりも二階にいるだろう、という判断だ。日差しがある分上にいる可能性はあると考えて。
「この辺り、どこかに、いる気、するが……さて」
 探してゆく。温度視覚によって部屋に存在する熱源を直接、だ。温度が高いモノは赤く、低いモノは青く見える技能――なるべく視界を広げた方が良さそうだと家具の上に登って全体が見えるように探索すれば。
「ふむ。汝ら、この周囲で何か余所者を見はしなかったかの?」
 フルオライトもまた、二階にて探索を開始している。彼女が話しかけたのはン’ドルアではなく――古い家に微かに侵食している蔦であった。自然会話。植物と意思を交わせる事の出来る技能を用いて、情報を取得せんとする。相手は植物である故、断片ではあるが。
 見てないよ――
 そんな意思が、フルオライトの脳に響いてきた気がする。
「しかし、見つかるのはともかくとしても急に出てくるのはご勘弁願いたいですね」
 私は貧弱なので、と自然会話をグリードも用いて探索だ。近くに生えていた苔に話しかけてみると。
 おみずーおみずプリーズ。
「最近雨降ってないものですもんね。うんうん」
 ま、その内また降りますよ。と声をかける。こっちにタマちゃんはいないのだろうか?
「タマちゃんの体温が低下し続けたら大変だからね。早く見つけてあげないと……」
 そしてルフナもまた、タマちゃんの捜索に急ぎ早だ。
 速やかなる発見、確保を果たさねばならない。捕獲時の為に毛布を持参してきたが、これを活用する為には当然タマちゃん本体(5m)が必要だ。包んでやるにも実物が無ければ。焦りは禁物だが、なるべく急ごうと彼は決意し。
 ――しかし決意とは逆に、状況をとにかく進める事は難しかった。何せ色んな物がこの家には散らかっている。まずは片付け。最低でも押しのける事をせねば中々探索も進まず。
「何だか、こんな暢気に片付けしていて良いのか分かりませんね……」
 必要な事だとは分かりますが、と一階方面のアンジェリーナが呟いた。片付け事態はまぁ別に構わないのだが目的は勿論タマちゃんの捜索・確保の依頼だったよなぁ。と頭の中で思考して。
 アンジェリーナはどけた。一階の部屋の中程に倒れていた洋服入れの家具を。

 その瞬間。

「――シャ!!」
 その中にいたタマちゃんが彼女の顔面目掛けて――飛び出て来た。
 それは攻撃ではない。驚いたが故の、反射的行動。
 事前に幻惑なる力を身に宿していたことが功を奏したか――アンジェリーナの反応は早かった。接触直前。足首に力を込めて強引に上半身を捻れば。
「あ、ぶな……ッ!」
 回避する。タマちゃんはそのまま壁に衝突――否。
 酒場で貰ったジャーキー片手に、背中より触手を出して探していたズットッドの背後目掛けて。
『わああああ』『ぎゃあああああ』『だめだめこれ塩分過多、塩分過多ー』『ヘェルプミー!』
 巻き付いた。ラジオの悲鳴があちこち受信。阿鼻叫喚。
「むっ! どうしたのかね――まさかタマちゃんが発見されて」
 と、その声を聞きつけてシフカ・ブールカが駆けつける。
 部屋の中でもがくズットッド。巻き付きながらこちらを見ているタマちゃん。こちらを見ているタマちゃん。
 ……えっ? こちらを見ているタマちゃん?
「――!」
 飛び移ってきた! 色んな知らない人、いや人じゃないのもいるが。とにかく目に見えるモノに興味津々の御年頃か! あーこれはまずい! まずいですよ!!
「タ、タマチャン! 待ちたまえ、遊ぶのはもう少し待ってくれないか……! 待、待つんだ!」
 動物疎通によるタマちゃんとの会話――首に巻きつこうとしていたタマちゃんの動きが止まる。一瞬。
「君が楽しいのはその様子から見て分かるとも。分かるのだが――君の力は人間には強すぎる」
 自分の首筋を動くタマちゃんへそのまま言葉を紡いだ。お願い止まって。
 力が過ぎる者は己の力の加減を考えなければならない。それは混沌肯定において変化が生じる前の自分もきっとそうだった。馬の力で人に接した事があっただろうか。人が犬猫に接する際、力加減を考えずに彼らに接するだろうか? ちょ、ちょちょちょ良い話してるから止まって?
「遊ぶのはご飯の後にしたらどうかね。家に帰ればご主人がきっと餌を、あッ――! タマちゃん君はまず人の話を聞くことから覚えよ――うッ!!」
 駄目だ止まらない! 巻き付ける力が強くなってきた!
 ならばやむなし。シフカ・ブールカは己が肉体の内から力を呼び覚まし、タマちゃんへの備えへとせん。マッスルパワーの力である。攻撃を極力抑えようと思っている故、中々効果の程を実感し辛いかと思うが。
「なんだいタマちゃんがいたのかい――うぉぉもう巻き付いてるじゃないか!」
 さすればアテネも駆けつけてきて。部屋に入るなり目に入ってきた光景――巻き付いているタマちゃんと、踏ん張って耐えているシフカ・ブールカ。それを庇おうと行動しているズットッドの揉みくちゃな様子に流石に驚きを隠せない。
 しかしそれも一瞬。ギフトたる鋼鉄の心臓で鼓動を一定になるように穏やかに調整を加えれば呼吸も落ち着いて。
「人によっちゃあペットてのは子供もみたいなモンとは聞くし……なるべく丁寧に扱ってやりたいもんだがね。さ、て行こうか!」
 往く。彼らだけに任せていてはダメージが酷い事になるだろう。少しでも分散をさせる為に。
 さぁ確保の時間だよ!

●確保! 確保ッ――!
「あー一階の方だったのか……!」
 下から聞こえて来た声にルフナは反応。床を蹴り、階段を駆け下りる。
 が、まだだ。まだ一階には飛び込まない。己は小柄である故に絡みつかれては振りほどけない可能性があると考えて。誰かが確保するか、その寸前まで行ってから飛び込むのが最上だろうと部屋を覗き込み。
「タマちゃん! 食後の運動ならば付き合おう! 少しだがね……だから落ち着きたまえ!」
「こっちだよタマちゃん! ほら飼い主から借りて来た毛布があるよ!」
『君を傷付けたい訳じゃないんだ』『お家に帰りましょうね』『あ、待って尻尾が頬に』『痛たたた、痛い』
「タマちゃんタマちゃん――ほら、お肉ですよー」
 カオスだった。シフカ・ブールカに纏わりついているタマちゃんを相手に、飼い主から借りて来た道具によって引きはがしにかかるアテネ。説得をしつつも親愛の尻尾ビンタをされているズットッド。そしてお肉を餌にこちらも引き寄せに掛かるアンジェリーナ――
 加勢しようにも加勢し辛い状況であった。
「汝、主の、所に、戻らない、のか?」
 と、そこへン’ドルアが近付く。思わぬ同族の登場に、タマちゃんもそちらへと視線が流れて。
「依頼者の、所へ、往こう。待って、いる――」
 このような古い家に隠れ潜んでいては体に悪いと彼は言葉を紡ぐ。暖かい場所。世話をしている人間の所へ戻るのが一番だと。だから、そう共に行こうと声を掛ければ。
 あー駄目です! タマちゃん珍しく出会った同族にハイテンションのまま飛びついた――!
「ぬ、ぐ……! ま、待て――もしや、汝、彼氏募集中、という訳、では……!」
 その発言に、えっ? と驚く者もいた。まさか、タマちゃん雌なのか!?
 3mの蛇と5mの蛇が混ざり合っている。全盛期ならばン’ドルアは15mあったようだが、混沌肯定の効果により現在は体長的に太刀打ち出来なくなっている。慎重に、組技としての接触を行いタマちゃんに対抗すれば。
「あーあーあー……駄目ですねこれ。ホントちょっと躾けしましょうか」
 ン’ドルアと絡み合うタマちゃん。なんだか球体状になり始めている。いっその事衝術でも使いちょこっと我々の手で躾けでもしようかと思うが――今の状態ではン’ドルアを巻き込んでしまいそうだ。やるにしてもちょっと待ってみよう。
「なんと! ええい、この状況如何したものか……迂闊には触れられんし……」
 そしてこれまた媒体飛行で一階まで降りて来たフルオライトが二の足を踏む。
 自身が先に巻き付かれていた場合は大声を出していたろうし、いざいざなれば爪を立てたりして抵抗していただろう。いや、出来る限り乱暴はしたくないが……それはともかくとして。
 今や四人以上で対処しているのだ。接近しても良いが邪魔にならないだろうかと思い。
「――うむ! ならば唄うか! こう、明るくなるような歌をな!」
 喉を震わせる。ほうきの上にバランスを取って立ち。声を張る。
 余に出来るのはこれぐらいだと――張り上げたその声に、タマちゃんが反応する。
 なんだろうかこの声は、と。秘められた意味は分からないがほんの少し、確かに気を取られて。
「あっ」『今今今だ』『おいでよタマちゃん!』
 その隙をズットッドは見逃さなかった。ン’ドルアも同様に。タマちゃんと絡みついていた組技を解除。瞬時に抜けたその間に、袋で真上から包み込む。5mの体調である故これだけは足りぬ――
「下の方はアタシが抑えるよ! 上の方、誰か頼む!」
「オーケー任せて! 毛布はある!」
 から、更にアテネが持ってきていた毛布で抑え込み。ルフナもまたこれを好機とばかりにタマちゃんに飛びついて、固定する。その中でタマちゃんが、しまったとばかりに暴れているがこうなってしまえばこっちのモノだ。
「あ、でもこれじゃあ温度、足らないかな? お酒っていうかブランデー持ってきたけどこれで体温められる?」
「止めて、おいた、方が、いい。推奨は、でき、ない」
 ルフナの問いに、ン’ドルアは言う。人間とは血液の流れが違う。神経伝達の阻害になるだけかもしれない。また、そうでなくとも酔っぱらってあれこれにかみつくようになってしまっては逆に危険が増えるかもしれないと。
「――むっ? おおいつの間にやら確保成功か! しかし、後はどうやって運んだものか」
「なぁに、捕まえる事さえ出来れば後はなんとでもなろうさ」
 包まれたタマちゃんの運搬方法に歌い終わったフルオライトが頭を掻く。されど、毛布や袋さえ括りつけてくれれば己が運ぶとシフカ・ブールカは言葉を告げる。もし万一力が足りなくともこの場には八人いるのだ。なんとでもなると。
「全盛期の馬力が恋しいがね……やれやれ」
『ところでこれ、連れて帰っても似たようなことがまた起こるんじゃない?』『それ困る困るー』
 と、それはそれとしてズットッドの言う事は尤もだ。一度起こった事は二度あるかもしれない。経緯がどうであれ飼い主の予測不足が原因で起こっているのだから。
『ペットはしっかり躾けて貰わないとな』
「同感ですねぇ。好きで飼ってるなら尚更……管理はしっかりしてもらわないと」
 グリードも言う。今回はいい、ローレットで対処できたから。
 しかし何度となく続いてしまえば今度は『処分しろ』と言う話がどこから出ないとも限らない。料金外ではあるが、依頼主に引き渡す際その辺りを分からせておかねばいけないだろうか。今回の件、飼い主も飼い主である。全く。
 ――しかして依頼はなんとか無事に成功しそうだ。これが初めての依頼である者も多い。イレギュラーズとして、ともすればこれから過酷な依頼が今後あったりするかもしれないが。
「――皆様、この度はお疲れ様でした」
 未来はともかく。アンジェリーナの一言が、この家での戦いの終わりを告げていた――

 タマちゃん今いい感じに締めてるから毛布から抜け出そうとするの止めてー? 大人しくしてー?



成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

以上で依頼完了なります!

タマちゃんはこの後無事依頼主の下へと帰れたようです。
もう締め落とす程巻き付くことは無いでしょう。多分、きっと、恐らく。

それではご参加ありがとうございました!

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