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シナリオ詳細

<秘密結社NF>昆虫人間来たる!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●悪の組織の暗躍始まる
 ――ネオフォボスは、幻想支配をもくろむ悪の秘密結社である。
 ――幻想防衛を依頼されたイレギュラーズは幻想の自由のため戦うのだ!

『この世は、自身に支配されることこそが何より素晴らしい』
 そんな思考を抱く総帥ナンイドナイトメア……通称フォボスを中心とした魔種による組織、『秘密結社ネオフォボス』。
 練達のアンダーグラウンドから現われた彼らは本格的に動き出し、まずは幻想支配と計画しているらしい。
 傲慢の魔種であるナンイドナイトメアは、『改造能力』を持っていることが分かっている。
 これは、部下となった人間を練達の技術によって特殊改造し、『怪人』に変えてしまうというものだ。
 独自の軍勢を作り上げたネオフォボスは、様々な騒乱に見舞われて疲弊する幻想を我が物にしようと企んでいる。
 散発的に、怪人『油圧ワニファラオ』の幻想ナイル化作戦、怪人『バズーカライオン大佐』による幻想サバンナ化計画と攻め入ってきていたが、地元の戦隊とローレットの協力により、これを撃退。
 生半可な戦力では攻略は出来ないと見たネオフォボスは大量の軍勢を率い、一斉襲撃を仕掛けてきたのである……。

 彼らは突然、幻想内のとある貴族街へと姿を現す。
「さあ、やっておしまい!」
 黄色のハチを思わせる女が大声で言い放つと、全身真っ黒いコスチュームを纏った戦闘員達が街中へと飛び出していく。
 異様なその集団に人々も慌てて逃げ出し、自宅など建物内へと閉じこもろうとしていく。
 周囲で住民達が逃げ惑う様子を3人の怪人はゆっくりと眺めながらも、石畳を踏み締めて街の中央にある噴水広場へと向かう。
「あたしらはここで待つとしようかね」
 ハチ女がふんぞり返るように広場中央にある噴水の縁に腰掛けると、他2人の男性怪人が問いかける。
「あっしらは襲わなくてもいいんで?」
「黙って待ってな」
 セミ人間の言葉に、ハチ女は横に座るよう噴水の縁を叩く。
「人質取れば、それだけでアドバンテージを取れるっすよ?」
「いいって。人質は手間がかかるじゃあないか。あたし達の目的は敵をかわして王都へ侵攻することさね」
 カマキリ男の提案もさらりと却下したハチ女は上体を起こし、瞳を赤く輝かせて。
「さあて、幻想の貴族はどう攻めて来るかね。チチチチ!」
「ジジジジ……!」
「シッシッシッ……!」
 貴族達の叫び声があちこちで起こる広場で、怪人達の気味の悪い笑い声が響いていたのだった。

●秘密結社の活動を阻止せよ!
 幻想内に現れた『秘密結社ネオフォボス』の怪人達。
 王都を目指して攻め込む多数の軍勢を幻想の貴族軍が迎え撃とうとしているが、怪人の圧倒的な数と電撃的な勢いに圧されている状況だ。
 敵は貴族軍の間を縫うようにして、王都へと攻め込んでいる。
「……と、現在までの情報としてはこんなところでしょうか」
 『穏やかな心』アクアベル・カルローネ (p3n000045)の説明に、イレギュラーズ達の反応も様々だが、また厄介な連中が出てきたかといった反応が多く見られた。
 無理もない。幻想内ではこのところ、様々な勢力に狙われていた。
 その迎撃の為、貴族軍もイレギュラーズ達もあちらこちらへと奔走していたのだ。愚痴の一つも出てしまおうというもの。
 近場で別の情報屋達が各地の戦況について説明している中、アクアベルも侵攻を行う軍勢の一つについて話し始める。
「とある貴族街で、昆虫人間のような怪人が確認されています」
 確認されている怪人は、ハチ女、セミ男、そしてカマキリ男だ。
 すでに、彼らは住民……貴族達を襲い始めているが、現状は戦闘員に任せ、自分達は街の中央にある噴水広場で成り行きを見守っている。
「相手は幻想の貴族軍かローレットが来ることを確信し、出方を見て滞在している貴族街から王都へと侵攻を考えているのだと思います」
 この街は噴水広場を中心に、円周状に広がる構造をしている。
 街道は広場を中心に等間隔……90度ごとに東西南北に4本延びているが、広場は半径5、60m程度とそれなりに広く、建物を活かした奇襲などは難しい。
「石畳が敷き詰められた広場は噴水以外に障害物もほとんどありませんから、戦いになれば相手を広場から出さぬよう抑えながら戦う展開が想定されます」
 住民を戦闘員から護りつつ迅速に噴水広場を目指し、怪人達とのバトルに臨みたい。
 アクアベルは敵情報を一通り示した後、最後にこうイレギュラーズ達へと告げる。
「ややコミカルな敵ではありますが、その実力は本物です。どうか、油断されませぬようご注意願います」
 参加するメンバー達を気遣い、彼女は説明を終えたのだった。

GMコメント

●目的
 全ての怪人、戦闘員達の撃破。

●敵……15体
◎怪人……3体
○ハチ女
 他2人から『姫』と呼ばれる、黄色いハチを思わせるスタイル抜群の怪人です。
 周りの怪人、戦闘員を鼓舞するなど、カリスマ性もある様子です。
 また機動力に優れ、高所からの奇襲など、個人としてもかなりの力を持つようです。

・飛翔攻撃(物中単)
・毒針(神遠単・猛毒)
・やーっておしまい!
(神特レ・自分を中心に半径5m以内、識別・物理、神秘攻撃力増加)
・飛行

○セミ人間
 全身茶褐色をしたセミの怪人で、逃げ足の速さが特徴です。
・鳴き声(神特レ・自分を中心に半径10m以内・足止)
・羽ばたき(物中単)
・体液をかける(神近単・怒り)
・飛行

○カマキリ男
 全身黄緑色で鋭いカマのついた両腕を持つ、攻撃力が非常に高い怪人です。
・2本のカマ(物近単・連)
・マウントをとる(神至単・崩れ)
・覆いかぶさる(物中単)

◎戦闘員……12名
 フォボスが作り出した魔物で、一般人に毛が生えた程度の強さを持つ使い魔達です。
 パンチ、キックと肉弾戦を仕掛けてきますが、枯れ木も山の賑わい程度の実力しかない連中です。

●状況
 現場は、幻想のとある街道沿いの街です。
 怪人の指示で、戦闘員達が好き勝手に街道上で人々を襲っております。
 怪人どもは街の中心にある噴水広場で、幻想貴族軍、ローレットの出方を窺っているようです。

●情報確度
 A。想定外の事態(オープニングとこの補足情報に記されていない事)は絶対に起きません。

 それでは、よろしくお願いいたします。

  • <秘密結社NF>昆虫人間来たる! 完了
  • GM名なちゅい
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年12月28日 23時05分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

如月 ユウ(p3p000205)
浄謐たるセルリアン・ブルー
アラン・アークライト(p3p000365)
勇者の使命
オラボナ=ヒールド=テゴス(p3p000569)
腸々と蠢き続ける思考の鍵られt
江野 樹里(p3p000692)
ジュリエット
コラバポス 夏子(p3p000808)
駆け出し
ユーリエ・シュトラール(p3p001160)
愛の吸血鬼
ヨルムンガンド(p3p002370)
暴食の守護竜
リナリナ(p3p006258)
原始力

リプレイ

●東側街道
 幻想の街道上にあるとある街。
 そこは貴族が多く集まる街のようで、それなりに敵が幻想の中心近くまで襲ってきていることが分かる。
「秘密結社ネオフォボスね……。また厄介な勢力が来たわね……」
 クールな銀髪美人、『浄謐たるセルリアン・ブルー』如月 ユウ(p3p000205)が呟く。
 怪人達による悪の組織の幻想支配計画。
 これには、ユウも表情を険しくせざるを得ない。
「兎に角場所が場所だし、放っておくわけにもいかないわね、被害が拡大する前に何とかしないと行けないと」
 この地の中心で貴族軍やローレットの出方を窺うは、3体の昆虫人間と化した怪人達。そいつらをこれ以上、王都『メフ・メフィート』へと近づけさせるわけにはいかない。
 8人のイレギュラーズは2人4組に分かれ、それぞれ街の東西南北から中心の広場にいる怪人達を逃がさぬよう討伐に当たる。
「あ~もー! 年末忙しいって、もー違うでしょ!」
 そんなユウの相方は、やや、いやかなり軟派な戦士、『駆け出し』コラバポス 夏子(p3p000808)だ。
 なお、軍馬を駆る彼の忙しい用事というのは、温かい食事の準備や、シャイネンナハトでイチャつくこと、一年の垢をそっと落とす家族総出の大掃除だとか、来年に持ち越せない仕事を必死こいて眠れずに処理するだとか……らしい。
「平和の邪魔するんじゃあないよー!」
(下心のある男ってどうもね……)
 そんな夏子の叫びに些かユウは眉を顰めるものの、悪い人ではなさそうだと判断して。
「援護はするから、前は任せたわよ」
「おっしゃまかせろ!」
 街の入り口が近づき、彼は軍馬を走らせて名乗りを上げた。
「てめぇら、我々の庭同然の場所で何やらかしてやがんだ!」
 すると、黒いコスチュームを纏う戦闘員が彼に気を取られ、近づいてくる。
「ごめんなさいとかすいませんとか! あれば、まだ許すが!?」
 街を走り回る夏子は、この場の戦闘員3人を全員引き付けるまで走り回っていく。その最中、手にするロングスピアで相手を攻撃することも忘れない。
 思わず舌を巻くユウはやや相手から距離をとり、温存も考えて遠術を使って1人ずつ倒していった。
 程なく戦闘員を撃破し、夏子は馬から下りて。
「もう安心ですマドモアゼル。夏子です。お見知りおきを」
 ただ、解放した女性に優しく対応し、逆に男には「ちゃんと助けろ」とどやす彼の姿に、ユウは思わず首を横に振ってしまうのだった。

●西側街道
 西を行く『原始力』リナリナ(p3p006258)は楽しげに語る。
「おーっ、『アレ』ニンゲン! 『アレ』ニンゲン!」
 ちなみに、たまに家の隅などに出現する黒い『アレ』の名称を、リナリナはダイレクトに発していた。
 字面で不快に思う方もいるかもしれないので、『アレ』で置換することをご了承いただきたい。
「いえ、リナリナさん、今回の怪人は昆虫の怪人で……」
 ここに到達するまでに、茶色のストレートヘア、『愛の吸血鬼』ユーリエ・シュトラール(p3p001160)はかなり彼女に振り回されてきた様子。
 なにせ、西を「お箸を持つ側」と認識して違う方向に行きかけたリナリナを、ユーリエはここまで引きずってきたのだ。
「ハチ『アレ』! セミ『アレ』! カマ『アレ』! え、違うのか? ん~、リナリナよくわからない!」
 なお、「はじめ人間」である彼女は、昆虫を『アレ』と認識しているらしい。
「『アレ』は『アレ』! 『アレ』ニンゲン!」
 ……もとい、「残念系はじめ人間」である。

 そんなこんなで、ようやく西側の街道へとたどり着いた2人。
「リナリナさん、あそこ! やっつけよう!」
「おーっ!」
 噴水広場から遠い戦闘員を指差したユーリエに返事をしたリナリナはまず、その場でテンテケテンテケと踊り始める。
「はぁ~、戦いの舞!」
 そうして力を高めた彼女は、戦闘員へと特攻していった。
「突撃! るらー!!」
 害虫駆除の為に、セントーインのオッサン達が邪魔と叫ぶリナリナは両手をぐるぐると回して殴りかかっていく。
「殺虫の前にオッサン達倒す! 倒す! ボコボコに排除!!」
 これには、戦闘員も悲鳴を上げてしまっていた。
 ユーリエはと言うと、広場に近い敵に近づいてから格闘戦を仕掛ける。
 彼女達は挟み打ちする形で、3人の戦闘員を殴り倒す。
 その討伐後、ユーリエは救出した人の怪我を気遣い、家の中へと避難させていった。

●南側街道
 街道へと到着した半竜人の姿をとる『世界喰らう竜<ワールドイーター>』ヨルムンガンド(p3p002370)。
「行くぞ……、竜と勇者の快進撃を見せてやろうじゃないか」
 戦闘員を見つけ、竜の力を解放して仕掛けるヨルムンガンド。
 一見傍若無人な態度を見せる『勇者の使命』アラン・アークライト(p3p000365)はそんな今回の相方に感嘆して。
「竜に挑むは勇者の誉れっつーが……。ま、いっちょ派手に行くか」
 こうして竜と戦うのは実際初めてと感じつつも、アランは憎悪の剣を手に戦闘員へと仕掛けていく。
 ヨルムンガンドが2体を相手にする間に、彼は住民を庇って。
「ここは任せてくれ、大丈夫」
 家などに避難するよう促したアランは住民が去った後、広場の方角を見詰める。
 怪人がこちらに来る様子はないと判断した彼は殴りかかってきた戦闘員に対し、戦神の大剣のレプリカで相手を殴り倒す。
 その間にヨルムンガンドは2体を素早く張り倒し、前方の怪人が動かぬことと街の後方からまだ何も来ないことを確認する。
「幻想軍が間に合えば、よかったのだがな」
 それだけを残念がり、彼女はアランと噴水広場に向かっていく。

●北側街道
「戦隊物……改造人間。なんだか、ロマンが溢れる言葉ですね?」
 今回の事件を聞いて、聖職者の衣装を纏う幻想種、『ジュリエット』江野 樹里(p3p000692)は思わず身震いする。
「しかし、ロマンなら私も負けていませんよ? 主にロマン砲的な意味で」
 えへんと大きい胸を張る樹里は、非常に強力な魔法を行使することができる。
「……まぁ。今回は残念ながら調整しているので、そこまでの火力はないのですが」
 ――閑話休題。
「ともあれ、作戦開始ですね」
 先の戦いで負った傷に僅かに顔をしかめた彼女は、傍の『矛盾一体』オラボナ=ヒールド=テゴス(p3p000569)と共に街道へと踏み込む。
「我等『物語』こそが黒。貴様等に終幕を齎す為に参上した」
 女性の声で、語りかけるオラボナ。
 召喚時に自我を得た『暗黒神話大系』そのものである彼(と呼称する)は、重傷の樹里を庇う態勢を取り続ける。
「英雄の面を永久に刻み込むが好い」
 そんなオラボナの態度に、後方の樹里は自らに流れる赤き血潮を感じて。
「……さしずめ、私はパープルといったところでしょうか?」
 くすりと笑う彼女は「真魔砲杖」を突き出し、「キー」と叫ぶ戦闘員目掛けて弾丸に変えた魔力を発し、1体ずつ確実に落とす。
 生憎と一網打尽とは行かなかったが、オラボナの護りもあって、樹里は傷を負うことなく戦闘員を撃破していたようだった。

●怪人どもを討伐せよ!
 こちらは、街の中心にある噴水広場。
「おかしいねぇ」
「何がおかしいんで?」
 噴水の縁に座る全身黄色のハチ女が爪の手入れをしつつ呟くと、全身茶褐色のセミ人間が問いかける。
 すでに、住民の姿はこの近辺に1人もない。
 街で戦闘員が暴れているはずなのに、あまりに静か過ぎるのだ。
「貴族軍が街を包囲したっすかね?」
「……にしても、静かすぎやしないかい」
 そこに、南側からやってくる足音が2つ。
「ローレットの暴食ドラゴンイージスの私が来たからには、これ以上先に進めるとは思わない事だな……!」
 怪人……特にカマキリ男に対して、ヨルムンガンドはNF風に名乗りを上げる。
「お、やるっすか?」
「おい、挑発にのるんじゃないよ!」
 ハチ女が叫ぶが後の祭り。挑発に乗った全身黄緑色のカマキリ男は、カマとなった両腕を構えて見せた。
「の、ノリノリだな、ヨル……」
 相方のテンションにアランはやや唖然としつつも、怪人達の姿を確認して。
「しかし、蠍の次は蜂と蝉に蟷螂か」
 虫嫌いになりそうだと毒づきつつ、アランは真っ先に倒すべきハチ女へと大剣を突きつける。
「人々を傷付ける悪い奴らには……おしおきだなぁ~!」
 ヨルムンガンドがカマキリ男のブロックにつくと、セミ人間がハチ女を見詰めて指示を仰ぐ。
「おい、お前達!」
 ハチ女は戦闘員を呼び寄せようとしたが、代わりにやってきたのは北側街路から走ってくるオラボナ、樹里のペアだった。
「我等『物語』も一度だけ『黒』として参加したが、在れは良き戯れで在った」
 立ち止まるオラボナは自らの物語を思い返してから、目の前の怪人達に薄暗い視線を投げかけて。
「されど、此度の相手は群れ。重ねて強敵と思考可能な面構え」
「な、なんだい、一体」
 言葉を紡ぐオラボナの風貌、態度に、ハチ女は警戒を強める。
 ――喜劇や王道こそが長続きすべき物語故、悦ばしい事たまらない。
 さらに、オラボナは怪人どもへと愉悦の笑いを浮かべて。
「さて。物語を始めよう。此方が英雄で貴様等が悪役だ。華やかに散るが好い」
 彼はヨルムンガンドと共に、攻撃力の高いカマキリの抑えへと当たる。
「きーっ、やーっておしまいっ!」
 ハチ女が号令を出すと、カマキリ男とセミ人間がこの場のメンバーへと襲い掛かり始める。
「やぁっておしまい! と言われたならば……応えてあげるのが世の情け、というやつですよね?」
 そこに敵味方の区別はないと応じた樹里は、ならばお答えしましょうと魔法の詠唱を始めた。
「かしこみかしこみ申し上げます――」
 集中してから彼女の杖に集まる膨大な魔力。それがハチ女へと向けられて。
「落ちろカトン……もとい女王蜂」
 ハチ女へと浴びせかけられたのはまるで、大砲を思わせる一撃。
「せ、戦闘員はどうしたんだい!?」
「だーれもいないんで?」
 なんとか堪えたハチ女が戦闘員を呼ぶも、やってきたのはセミ人間だけだ。
「すでに倒しちまったからな。東西も直に合流するはずだ」
 アランはハチ女へと近づき、憎悪の爪牙を振るってハチ女を圧倒しようとする。狙うはその羽だ。
 だが、ハチ女は羽ばたき、上空から襲い掛かってくる。
 その前へ、東から駆けつけた夏子が飛び込む。
「ハチ女さあん! 子供作りませんか僕とー!」
 不動の構えを取る夏子がハチ女の前に出て、膂力を活かしたカウンターを繰り出す。
 夏子に一撃を与えはしたが、ハチ女も一声呻いて崩れかける。
「悪いけど、貴方達の狙い、止めさせて貰うわよ」
 すでに開戦していた戦いを目にしたユウは、カマキリ男の近くまで移動して。
(カマキリ男がいる間は、事故が怖いし……)
 そのまま、ユウは抑え役2人の回復支援に当たっていく。
「ま、ますいさね……!」
「怒ったっすー!」
 苦しい状態のハチ女に、怒り狂うカマキリ男。
 彼らの対処の間、もう1体の怪人セミ人間は。
「ジジジ……」
 フリーとなっていたそいつは戦場で鳴きながらも、重傷の樹里に狙いを定めていたのだった。

●逃走を警戒して……
 イレギュラーズと怪人の交戦の最中、遅れて駆けつけたのは、南のユーリエ、リナリナのペア。
「『アレ』ニンゲン! 『アレ』ニンゲン!」
 実際にリナリナは昆虫人間達を見て、さらにテンションを高める。
「おーっ、リナリナよくわからないけど、セミ『アレ』殴る!」
 叫ぶ彼女は一直線に、セミ人間目掛けて殴りかかっていった。
 そして、ユーリエ。
「貴方達がここの人達を襲った怪人ですね!」
「だったら、……なんだい」
 仲間が優先して攻撃を仕掛けていたことで、すでに息を荒くしていたハチ女へとユーリエは怒りを募らせて。
「普通に暮らしていた何の罪もない人達を襲うなんて……」
 人々に対する愛の力でユーリエは髪を銀色に変え、その尖端を朱に染める。
 吸血鬼へと変貌した彼女は街を守る為に保護結界を展開し、怪人を睨みつけた。
「絶対に許せない……!」
 ユーリエはハチ女へ、妖刀「不知火」から飛ぶ斬撃を発していく。
「じょ、冗談じゃないよっ……!」
 傷から血を流すハチ女は翼を羽ばたかせ、この場から逃げようとようとする。
「ハチ女! なんとしてでも、俺と子作りしてもらうぞ!」
 夏子が名乗りを上げて牽制すると、直後にアランが大剣を振り上げて。
「お前ら『如き』が王都に攻めるなんて甘い考えを、その身体ごと叩き潰してやらぁ!!」
 その重い一撃は、敵の体を切り裂いてしまう。
「キーッ、覚えてなさい……!!」
 捨て台詞を吐いたハチ女は噴水の中へと落下していったのだった。

 オラボナ、ヨルムンガンドはカマキリ男を抑え続ける。
「うらっすー、うらっすー!」
 とぼけた声に反して攻撃の威力はかなり激しいこともあり、ユウはハイ・ヒールで抑え2人を癒し続ける。
 オラボナはしっかりと相手をブロックし、仲間達の方に行かせぬよう立ち回っていた。
 その最中、彼は一度至近距離から拳で殴りかかり、相手が刹那硬直した隙に簡易封印を施す。
「な、何っすか!?」
 うまく体が動かず、カマキリ男はスキルを使うことができない。
 ヨルムンガンドもまたそいつを抑えるよう動いていたが、合わせて抑えようとしたセミ人間の距離が離れすぎている事に気付く。
 そのセミ人間はフリーになっており、序盤にハチ女の支援を受けてから徐々にイレギュラーズ達の身を苛んでいた。
「あっしの番で?」
 リナリナが到着するまで、主に狙われていたのは樹里だった。
 彼女の魔法の威力はかなりのもので、ハチ女の体力を削るのに一役買っていた。
 だが、戦場を飛び回る敵は液体を飛ばすと、微笑んだまま樹里は血管を浮き上がらせて。
「格好の獲物で」
「そんな……」
 セミ人間は理性を失った樹里へと羽ばたいて襲いかかり、彼女を卒倒させてしまった。
「空飛ぶヒキョー! でも、チャンス!」
 その瞬間を狙ってリナリナが飛び込み、大きく空気を吸う。
「ガオ~!!」
 彼女は三つ首肉食大恐竜の声真似をしてみせ、セミ人間の身体を硬直、さらに吹き飛ばしていた。
 カマキリ男に対しては、メンバー達は着実にダメージを与えている。
 ブロック役に夏子が加わって各自の負担を軽減する中、回復の手を止めたユウが地面から突き出す氷の槍でカマキリ男の身体を貫く。
「いくっすー!」
 身体を凍りつかせたそいつは近場のユーリエのマウントを取ろうとするが、前線のオラボナがガッチリとブロックしてみせた。
 そこで相手に近づいたユーリエが青白い妖気をたなびかせた2本の妖刀『不知火』でカマキリ男のカマを弾き、続いてその刃で突きを繰り出していく。
 さらにアランが襲い掛かり、上腕を狙って自らの大剣『偽千剣=フラガラッハ・レプリカ』で叩き潰す。
「まいった……っすー……」
 カマキリ男はぐったりしてうな垂れ、石畳の上に倒れていったのだった。

 残るは、セミ人間のみ。
 飛翔して襲ってきていた敵目掛け、リナリナはジェットパックで飛び上がって。
「『アレ』アウト!! タイジョーする!」
 彼女は思いっきり頭突きを見舞ったが、そいつもそこまで柔ではなく。
「お返しで」
「お、お~……」
 羽ばたいてリナリナへと襲い掛かり、彼女を地面へと沈めてしまう。
 ハチ女からの支援も切れ、仲間も全て倒れている。
「そろそろ潮時で……」
 どうすべきか逡巡したセミ人間は、この状況を総帥に報告せねばと判断したらしい。
 しかし、そいつが翼を羽ばたかせようとした時、カマキリ男を倒したメンバーが一気に攻め入る。
 オラボナは巨大な肉の壁を『四方』に造り出し、セミ人間を囲っていく。
「おしおきだなぁ~!」
 さらに、ノリノリなヨルムンガンドが名乗り口上をあげると、夏子もまた名乗りを上げて相手を牽制した。
「来たのは我々だけ。王都が狙いみたいだけど、当然守りに響いてないよ。解る? チェックメイトな訳」
 なお、実際のところまで彼は把握していない。
「む、無理なんでー」
「やっぱり、逃げる気ね」
 それでも飛び上がろうとするセミ人間を追い、ユウも飛び上がる。
「死ねぇ!」
 そして、アランは自身の大剣に魔力を纏わせ、光芒を放つ。
 物騒な一言と共に放たれているのが救済の光なのは、ツッコミ所だろう。
「ジジジ……!」
「セミって、鳴くのは求愛の為だとか。なんだか斬るのが可哀想ですが」
 鳴きながら落下してくる敵を見据えたユーリエは同情も見せたが。
「人達を襲ったことは許せません」
「総帥様、お許しで~!」
 彼女が飛ばす斬撃で全身を切り裂かれ、セミの怪人ははかなく散っていったのだった。

 怪人を全て撃破し、平穏を取り戻した街へと街の護りに派遣された幻想貴族軍が現れる。
 最近、幻想中で怒る事件に駆り出され続けていることもあって士気の低い彼らへ、ヨルムンガンドは盗賊王すらも打倒した自分達が一緒に戦っているのだと胸を張って。
「大丈夫だ……私達なら必ず勝てる!」
 例え、『秘密結社ネオフォボス』が如何なる組織であっても、必ず撃破するとヨルムンガンドが告げる。
 すると、貴族軍達は住民と共に彼女の鼓舞を受けてボルテージを上げ、更なる怪人達の襲撃から街を守ると誓ってくれたのだった。

成否

成功

MVP

アラン・アークライト(p3p000365)
勇者の使命

状態異常

なし

あとがき

リプレイ、公開です。
MVPはいち早く広場へと駆けつけ、さらに怪人2体を撃破した貴方へ。
今回は参加していただき、本当にありがとうございました!!

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