PandoraPartyProject

シナリオ詳細

<PantsPantyProject>ヒノハチドリのから騒ぎ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●その日、イザベラ女王は「どうしてそうなったのじゃ」と告げた。
 海洋王国は何時も『表立った戦乱が起きる』事はない。
 海種と飛行種が火花を散らしている言ってもそれなりの事象で収まるのが通例だ。
 その日、『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)と『パサジールルメスの少女』リヴィエール・ルメス(p3n000038)は世界各国で流行(?)のパンツ風邪を防ぎましょうと海洋王国に訪れていた。
「パンツ風邪……?」
「なのです。今年大流行のパンツ風邪。異様なパンツパンデミックが起きるのです」
「すでに起きてるっす。えーと『じーえむ』? とかいう人の中で。
 パンツ風邪が起こりすぎて規模が広すぎたっす。どういう訳か普通の中規模全体の様になってるっす」
 ユリーカとリヴィエールの力説にイザベラ女王の表情は困惑に満ちている。
 パンツ風邪。シャイネン・ナハトを楽しみに楽しみに――それはもう楽しみに! していたであろう特異運命座標達を脅かす恐怖の病だ。誰も彼もがパンツを被り、見せ、そして狂喜乱舞するパンツ好きには堪らない祭り――いや、病だ。
「それもこれも、気紛れにパンツのシナリオアイコンを作ってきた奴が悪いっす。
 まさか、突然それがウイルスになって蝕み出すだなんて……! 誰も予想はしてなかった!」
 悔し気に言うリヴィエール。イザベラ女王は『よく話かからないが緊急事態』なのかと納得したように頷き、ゆっくりと――顔を上げた。
「して、」
「「はい」」
「『あれ』は……?」

 海洋王国の貴族派筆頭。ソルベ・ジェラート・コンテュール。
 褐色の肌に飛行種としてヒノハチドリの特徴を持つ見目麗しき青年だ。
 うっすらと付いた筋肉と紳士然とした雰囲気から一応隠れファンは多いらしい。
 だが、海種vs飛行種の最中に――女王は立場上『相手を易々と選べないことを前提に』――女王は彼へと言い放ったそうだ。

「そなたも貴族であろう? そろそろ『婚約者』、いや、家を守る者くらい用意せねばならないであろうに。議会でピーチクパーチク『鳥の様に』していてはその気配もあらなんだわ」

 その言葉に傷付いた彼は煽り顔も出来ぬまま、海洋王国で膝を抱えで轟沈していた。
 そんな彼がパンツ風邪に罹患したのだ!
 一大事である。
 ユリーカは「鳥貴族が『ぴんち』なのです」と怯えている。
 リヴィエールは「えらいこっちゃ」とどこかで覚えた言葉を呟いている。
「わかりました。お見合いをしましょう。パンツで」
「「パンツで」」
「ええ。私も勝負パンツで参ります。しかし、見合い会場には危険は付き物でしょう」
 支離滅裂なソルベ・ジェラート・コンテュール。
 リヴィエールとユリーカは何故、海洋に来たのかを其処で思い出した。
「ああ! そういえば、ノーパン主義者がソルベ卿のお茶会に襲撃をかけるって言ってたっす!」
「それがお見合いです」
 斯くして、青年のパンツパーティー……いや、お見合いパーティーが今始まったのだった。

GMコメント

夏です。シナリオディレクターってパンツ連動を作り出すことだったんだ。
GM内でパンツが流行してたんでいっちょパーティー開くかと思ったら、こんなことになりました。ドウシテ……ドウシテ……。

●達成条件
 ソルベ・ジェラート・コンテュール卿のお見合いパーティーを荒らすノーパン主義者の捕縛or討伐。
(ソルベ・ジェラート・コンテュール卿のパンツの無事は成功条件に含めません)

●ソルベ・ジェラート・コンテュール卿
 お馴染み貴族派筆頭。愛され系鳥貴族。
 可哀想な事にパンツ風邪を罹患し、意味の分からぬ言動を繰り返しています。
 心は傷付いてますが、お見合いパーティー目的ではなく特異運命座標と遊びたかったのに……パンツ風邪のせいでこんな……。
 基本的にパンツパンツ言ってます。戦いませんがなんかパンツ論争で前線に出ようとしてきます。支離滅裂。
 彼のパンツの色は描画してくださったILに聞いてみないとわかりません。

●ノーパン主義者
 パンツなんてくそくらえなやばい奴らです。
 結構強いです。8人がかりでパンツなんてくそくらえしてきます。

●ソルベ・ジェラート・コンテュール卿のお見合いパーティー
 お茶会会場でした。当初は特異運命座標を呼んでシャイネン・ナハトの前にのんびり楽しもうと思っていたようです。
 どうしてかパンツお見合いパーティーになってしまっています。
 それなりに穏やかな気候。それなりに広い庭園。それなりに美味しそうなお菓子があります。
 お菓子を食べにくるも、お見合いパーティーと聞いて駆けつけるも、ソルベを弄りにくるも参加の方針は色々だと思います、が、理不尽にもノーパン主義者は襲い掛かってくるので、対処してくださいね。
 終わった後は何故かソルベの風邪もスっと治るので普通のお茶会を楽しめそうです。そう言う風邪だそうですよ。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。パンツの色です。

  • <PantsPantyProject>ヒノハチドリのから騒ぎ完了
  • GM名夏あかね
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年12月19日 22時15分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

Lumilia=Sherwood(p3p000381)
渡鈴鳥
リュグナート・ヴェクサシオン(p3p001218)
咎狼の牙
佐山・勇司(p3p001514)
赤の憧憬
アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)
無限円舞
津久見・弥恵(p3p005208)
薔薇の舞踏
瑞泉・咲夜(p3p006271)
宮里・聖奈(p3p006739)
パンツハンターの血を継ぐ者
真菜(p3p006826)
脱兎の逃げ足

リプレイ

●やっぱり、イザベラ女王は「どうしてそうなったのじゃ」と告げた
 海洋王国は平和そのもの。季節病が蔓延する混沌世界でも一応は平和そのものだった。
 ……はずだったのだが。
「パンツ風邪とはまた珍妙な病もあったものですね……。
 せめての救いは、ソルベ卿がパンツ連呼しても許される見目麗しい方である事ですね」
 何処か間違った感想を季節病『パンツ風邪』に罹患しているソルベ・ジェラート・コンテュールに抱いた『咎狼の牙』リュグナート・ヴェクサシオン(p3p001218)。
「お褒め頂け光栄です」
 堂々と――お前のせいだという『白き渡鳥』Lumilia=Sherwood(p3p000381)の厳しい目が向けられている――胸を張ったソルベ。
「御機嫌よう。お茶を飲みに来たのだけれど」
 茶会と聞いたのだと『殊勲一等』アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)の表情は歪む。
 イザベラ女王より説明を受けた際に「意味が解らなかったのだけど」と高潔なる聖教国ネメシス貴族出身・アンナ嬢。
「はい。貴族の方の開くパーティーと聞いて楽しみにしてきたんですが……」
 所謂、『普通の高校生』である『脱兎』真菜(p3p006826)にとっては貴族の茶会というのは夢のまた夢。ファンタジー世界での出来事だ。あり得ない夢を体感できると聞けばパーティーに参加してみたいのも乙女心だ。
「美味しいお菓子とか食べれるかな、と……」
「食べれるんじゃないですかね!? 聖奈はぷんすこですけどね!」
 地団駄を踏んだ宮里・聖奈(p3p006739)。今日は師匠と過ごす予定だったのにローレットから舞い込んだ仕事はソルベ・ジェラート・コンテュール卿のお見合いパーティーの参加だ。
「なーーーんでっ! なんでなんでなーーんでっ! 聖奈はこんなパーティーに参加してるんですかね! うう……なんでソルベ卿のお守をやってるんですかねぇ?」
 ぷんすこ聖奈と首傾げた真菜。あまりに混乱した様子に、前情報とパーティーの様子を眺めていた瑞泉・咲夜(p3p006271)は確かめるように「パンツ」とそう言った。
「パンツですか?」
「あ、いや。……本当にパンツなんだな。
 実はパンツという名前の何かかと思っていたんだが、本当にパンツなんだな」
 支離滅裂なようにも思える咲夜の言葉。痛いほどわかるという様にLumiliaは頷いた。
 これがパンツという名前の何かであれば。もう、パンツという名前のモンスターでもよかった。
 ――『パンツ』なのだ。紛う事なき。何がパンツですか、だ。お前は貴族派筆頭の有力貴族だろう、と言いたげなLumiliaの瞳が痛い。
「えと……この風邪はあまり罹りたくないですね。病気は病気ですし……まあ……」
「あ、ああ、パンツ風邪だもんな。病気だもんな」
 パンツの発言に反応するソルベ卿に『そっとしておこう』とセレクトする『月影の舞姫』津久見・弥恵(p3p005208)。
『赤の憧憬』佐山・勇司(p3p001514)はローレットに一斉に張り出されたパンツに関する依頼に、そして、パンツ風邪という流行り病に、一つ呟いた。

 ――コレが冗談でもなくガチで病状として認定されてるって、頭、混沌だよな?

●ノーパン主義者の策略
 ずばーんと音立て飛び出すはノーパン主義者。
「はっはっは! 海洋のえらーーーーい貴族と言えど風邪に罹ればこちらのもの!
 パンツの気配に呼ばれて参上。貴様らのパンツ、狩りとってくれよう! 我ら、ノーパン主義者!」
「カッコつけてる場合ですか。……『惨状』の間違いでは……?」
 突如として茶会に乱入したノーパン主義者。その悲惨な様子にLumiliaは目を背けたくなるのを堪え震える声でそう言った。
「今宵こんばんこの場所で、不埒な輩を成敗します。月影の舞姫、津久見弥恵の参上です」
「不埒? はは、履いてる方が不埒では……?」
 弥恵の表情が固まる。いや、そう言われてしまってはどうするべきなのかと乙女は非常に考えた。
 最近はちょっとお茶目な様子を露見してしまっている――ギフトのせいだと思いたい――クール系弥恵。
「いえ、パンツの良さをしかと教えてあげましょう……!」
「その意気です!」
 ソルベの声を聴きながら弥恵は何故だろうか。微妙な気持ちになったのだった。
「病気、ああ、病気なのだろう。さっさと終わらせて茶を戴いて帰りたいところだが……、いや」
 咲夜はマグダラの罪十字を構え、呆然としたようにその様子を眺めていた。
 ノーパン主義者。その名の通りまさか――脳裏に過るのは嫌な予感である。
「病だ。そう、パンツを履いている? それはパンツという悪しき文化に脳が侵されている証拠だ!」
「いえ」
 Lumiliaは静かに反撃したがノーパン主義者は止まらない。
「ならば解放感はどこにある? 貴様ァッ! パンツは何色だァッ!?」
「ここにはそういうやつらしかいないのか……?
 私は違うぞ、機能的なものだぞ。……そんな目で見るな、本当だぞ」
 ノーパン主義者の盛大なる発言に真菜は首を傾ぐ。怖い――こんな奴ら元の世界ならすぐ様お縄だ。
 通報したいレベルだ、いや、通報しなければ身の危険さえ感じる。
「あの……そういえば私ちょっと飲み込みきれていないんですが」
「どうぞ」
 意外と紳士的なノーパン主義者だ。
「あのノーパン主義者って言われている方々も今回の風邪に感染しているという理解でいいんでしょうか。
 違うとしたら元からあんな風な人達が存在することになっちゃいますもんね……」
「我らは何の病でもないぞ!」
「頭が病だろう!?」
 勇司は吼えた。アンナと勇司の許へと飛び込んでいくノーパン主義者。無理は禁物だ。彼の脳裏には様々な思考が過る。

 ――この風邪に罹患したらどうするべきか。

「こんな狂った病、罹りたくもないわ。はしたない」
 罹患しては儚煌の水晶剣が曇りに曇ってしまう気さえする。狂った茶会に狂った奴らが大集合だ。
「貴様のパンツは何色だァッ―――!」
 叫び飛び掛かるノーパン主義者。放つフレイムバスターの火炎がノーパン主義者を包み込む中、リュグナートは小さく笑う。
「下着の色? 万一のことがあっても安心のカラーリングですね」
 そう。彼のパンツは派手な紫なのだ。万が一があったって。万が一……があったらヤバいだろうと勇司は叫ぶ。
「と、彼らは言っていますわ。ソルベ卿はどう思われますこと?」
「私ですか! くまさん柄です!」
 アンナは全ての問答を彼に受け流すと決めていた。右から左、そうすれば心は何も穢れぬのだとでもいう様に。右から左――何も聞いてなどいない。何も。
「……隙あらば弄る心算ですが、彼のメンタルに止めを刺しそうな予感がします。戦略眼見地的に」
 正解だ。
 しかし、今のソルベの様子では弄る機会は十分だとリュグナートは理解していた。
「ははは、ノーパン主義者? 笑わせる。パンツの凄さを理解してないというのですか」
「わかります。わかりますいよ。所詮、パンツの良さを理解しない愚者はこんなものですね! パンツハンター聖奈の敵じゃないのです!」
 胸張った聖奈。その様子を見詰めながら真菜は混沌世界ってすごい所なのだなと呆然と考えた。
 アドレナリンがだばだばと脳から出続けている。組技で流す様に受け止めて、彼女はノーパン主義者をしっかりと相手取る。
「パンツを何故履く!」
「何故!?」
 聞かれた言葉に真菜は真顔になってしまった。そりゃ、普通に『常識的に』履かなくてはいけないだろう。彼らが理解不能な言葉を放つと同時に、幾重も重なる攻撃はやはり重たい。
「だいたいノーパン主義って何ですか、無かったら大事な体のラインが崩れるじゃないですか。
 見えなくてもしっかりと、気持ちを引き締める為に良い物を付けるのが大事です」
「尻を抑えつけることへの罪悪感はないのか!」
 弥恵はノーパン主義者、手ごわいと感じていた。魅惑のレースパンツは気持ちを引き締める為にある、見せるためではないのだ――!
「喰らえェェェェッ―――!」
「きゃああああ!?」
 ハプニングの痕跡。これはお約束なのかもしれないが凛々しく立ち回る彼女はまだまだ、負けることはない。く、と唇をかみしめてノーパン主義者を撃退していく。
 アンナと勇司は「耐えなければならない」としっかりと踏ん張り続けている。
「いえ、何故かと聞かれましても……」
「私がお応えしましょうか!」
 ずいずいと前線に飛び出ていくソルベ。こいつは莫迦かと言わんばかりに聖奈が「ちょっとーー!?」と慌てて走る。
「アンタ論争するだけならもう少し下がってくれ頼むから!」
「成程! パンツを愛する者はこういう時こそクールにしろと言う事ですね? はは。仕方ありません!」
 莫迦でよかった。
「……まあ、本来のソルベ卿は紳士らしいですし、パンツ風邪って面白すぎる現象のせいでこうなってるのはわかるんですがね……その……パンツの事ばっかり話すのはセクハラなのです……」
「失礼。レディにはしたない言い方をしてしまいましたね。それではお履き物の話ですが――」
「変わってないです!」
 自分でパンツを叫べども、他人に話されるとなんだかちょっと恥ずかしいのが乙女心。
 ノーパン主義者の熾烈な攻撃を受けながら聖奈が吼える。
 その様子に真菜は「混沌って怖いですね」と冷静に――いつ帰れるんだろうかなんて考えて――ソルベ卿を眺める事しか出来ない。
「奥義ッ! パンツ脱がせ!
 知っているか! パンツをはかない解放感を! 知らないとは言わせない! 元来人は裸なのだ!」
「やめろ、お前達。私の知らない常識を私に吹き込むな!!!
 そんな話、私は知らない! 聞きたくもない! 早く口を閉じろぉ!!!!!」
 叫ぶノーパン主義者。そして、頭を振り続ける咲夜。炎がパンツを、パンツを――!
「危ない、パンツが!」
 ソルベが叫ぶ。
「もう、アンタは黙ってろ!」
 やはり勇司が吼える!
「うるせぇ! パンツ剥ぎ取るぞ!」
 その瞬間、聖奈はキレた。 疾風の如く。そう、疾風の如くだ。
 ずるん、とパンツを(PPP倫)されたソルベ・ジェラート・コンテュール。
「てめぇらもソルベ卿ノーパンになったんだから黙って帰れや!」
 響いたのは誰の叫び声であっただろうか……。

●大団円

 グッグアアアア―――――!

「……お決まりの叫び声で死んでくれたんですけど……」
 彼女は、真顔だった。穏やかな気持ちで、日々を過ごす純白の乙女、Lumilia。
 色素の薄い金の瞳はもはや『いつもの穏やかな色』をその瞳には宿していない。
「……やったか!?」
 ぜいぜいと肩で息をしている咲夜。そして、呆然としているソルベは立ち尽くしていたが顔を上げる。
「あ、ああああ、あのっ、いえ、あっ」
「漸く正気に戻ったか。ほら、パーティーの続きをすんだろ?
 動き回って流石に腹が減っちまったし、美味いモン食わせてくれよ」
「あ、ああ……いえ、ご迷惑をおかけして。すぐに準備を整えましょう」
 勇司の言葉に呆然とご自慢の庭園を見詰めていたソルベ。その傍らでは『ご機嫌もそろそろ治ってきた』聖奈が居心地悪そうに目線をうろうろさせている。
「いや、その……」
「ええ、いえ……」
 一方は『クソヤロウ扱いしてごめんね』的な意味合いを込めて。
 そして、もう一方は『こんな風邪に罹り、迷惑をかけて本当にごめんなさい』と言う事だろう。
「有力貴族(だれ)でも罹ってしまうんですから……パンツ風邪というのは本当に恐ろしい病気ということですよ」
 励ます様な真菜の言葉にソルベの肩は更に丸まっていく。
 その様子を眺めるだけ眺め、Lumiliaと咲夜が茫としていることに弥恵は咳ばらいを一つ。
「よろしければ宴の余興にでもダンスを披露させていただきましょうか」
 長い黒髪を揺らし、すらりとした足先から地面を滑るように動く踊り子。
 エンターテイナーとし誇りを胸に躍る彼女に『普通の世界に戻ってきた』と安堵するようなLumiliaの「よかった」という呟きが届けられる。
 背後で積まれたノーパン主義者――そう書いてずっとルビは『ヘンタイ』だった――の山なんて見ない、見ないったら見ないのだ。
 ある程度、使用人に指示をして椅子に腰かけたソルベの近くに「失礼」とアンナは腰掛ける。
 リュグナートはソルベに気持ち安らぐハーブティーを。そして、療養を必要としていたアンナにはホットココアを手渡した。
「まあまあ、下着を見せたくらいで男は死にませんから、元気を出して下さい」
「紳士たるもの……いえ、女性からの視線が厳しくとも、ええ、泣いたりは――泣いたりは……」
 そろそろ女王にまで『結婚は?』と問い掛けられて、心の免疫が低下していたのかもしれないとソルベはがっくりと項垂れる。
 そんなにヘコまれてはパンツに並々ならぬ想いを抱き、執念でノーパン主義者を攻撃できる聖奈とて心が痛むというものだ。
「勿論、俺自身にもアイリッシュコーヒーを淹れてお話、させて下さいね? 先ずはソルベ卿の恋愛遍歴辺りから等ね」
「ソルベ卿の恋愛遍歴。ええ、私も少し興味がありますわ」
 安定安心の雰囲気で茶会を続けようとするリュグナートとアンナ。ある意味で『いつも通り』なのかもしれない。
 そして、その何時も通りが訪れたのはローレットのおかげなのだ――!
 有難う、ギルド・ローレット。そして、さらばパンツ風邪(今年の免疫はついたな?)……!

「おそら、きれい」
 ――普段のあの覇気ある咲夜は何処に行ったのだろうか。
 その様子を見詰めていた勇司は心の傷を感じ、目を伏せる。
「……はぁ」
 静かに、吐き出されたLumiliaの溜息にソルベの肩がびくりと震えた。
 その様子にも「ドンマイ」と肩を叩いた勇司。暫くは女性陣の瞳を冷たい事だろうが――まぁ、それは我慢してくれよな、と困った様に囁いた。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 PantsPantyProjectってシナリオが一斉に並ぶんだって。
 怖いね――? この、ゲーム。

present for 宮里・聖奈 様 称号:『乙女のパンツはピンク色」

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