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シナリオ詳細

蒼穹を泳ぐ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 遥かなる蒼穹。
 何処までも広がるその青が何所まで続いているのかとパサジール・ルメスの少女は聞いた。
「さあ、どこだろうね」と返した彼女の父親の顔は優しく。温かな日溜りを思わせる。
 海――広がる絶望の青の先は何処につながっているのだろうと問い掛ける人もいた。
 寓話でしか知らないそれを思い出しながらパサジール・ルメスの少女を乗せたキャラバンは行く。
 ふと、空を見上げれば、すいすいと泳ぐのは空を渡る魚達だった。


「ソラトビサカナ」
 ローレットの看板娘が愛用している寓話集の中にあるというその一説。
 愛らしくアレンジされたそれは本当に存在する魚を元にしたものなのだと『パサジールルメスの少女』リヴィエール・ルメス(p3n000038)は告げた。
「今年は少しばかりあったかい日が続いたっすから。
 少し遅れてあたしたちも、ソラトビサカナたちも拠点を移すんすよ」
 パサジール・ルメスは国を、街を、拠点を持たない。移動しながら過ごす民族である彼女らにとって寒さ厳しい気候になれば穏やかな場所を探し求めるのが当たり前だ。
 パカダクラ達に荷物を積み、ゆっくりとキャラバンを走らせるのだという。
「空を見上げれば、雲とソラトビサカナが泳いでるんすけど……
 ソラトビサカナたちが移動している最中に餌がきたと大騒ぎするモンスターの存在があるっす」
 自然の摂理なのでソラトビサカナ達を守るわけではないが、今回はパサジール・ルメスのキャラバンも移動している。
 リヴィエールからのお願い事は『パサジール・ルメスのキャラバンをソラトビサカナを食べに来たモンスターから守って欲しい』というものだった。
「ソラトビサカナが大好物なモンスターは大きなトカゲという雰囲気っす。
 クモトカゲといって幼いころから飼えば割りと言う事を聞いてくれる愛玩等物なんすけど許から野生の生物は凶暴化しやすい傾向にあって……冬ごもり前っすから」
 餌を蓄えなければいけないと言う事もあってか、お構いなしに大暴走するそうだ。
 特に動く物を見れば餌かと思って掴みかかる性質が危なっかしい。
 掴みかかってから餌じゃないからポイッなんてこともザラにある。
「簡単なモンスター退治のついでに、ソラトビサカナ達の『空渡り』を見守ってやって欲しいっすよ」
 綺麗な風景なのだと笑みを溢して告げたリヴィエールは何処か思い出に耽る様に小さく「懐かしい」と呟いた。

GMコメント

パサジール・ルメスの毎日はふしぎがいっぱいです。

●成功条件
 パサジール・ルメスのキャラバンを護る事

●クモトカゲとソラトビサカナ
 暑い時期は涼しい場所で、寒くなれば温暖な場所へと居住地を映すソラトビサカナ。
 その移動を『空渡り』と呼びます。まるで虹と雲が川を作り動く様に美しい光景です。

 クモトカゲは卵生。小さい頃は50cm程の大きさですが、野生では巨大化する傾向があります。(飼育しているクモトカゲは人工フードを与えることで小さなサイズとなるようです)
 もくもくとした雲を纏ったような巨大なトカゲです。
 動く物に飛び付く習性があり、普段は棲家の穴に居ますが冬ごもり前に大好物が大量に移動している気配を感じ巣穴から飛び出してきました。

●広く開いた空の場所
 鮮やかな空を見られる荒野です。残念ながらキャラバンが隠れられる場所はなさそうです……。
 何処までも晴れた空が美しく、空だけ見ればソラトビサカナの優美な姿を確認できます。
 特異運命座標到着時にはクモトカゲがずどーんと登場したばかり。パサジール・ルメスのキャラバンは皆、息を潜めて立ち往生しています。

●エネミー『クモトカゲ』×3
 巨大なクモトカゲです。2m越え2匹、3m越え1匹。
 普段は荒野などに巣穴を作ってます。冬こもり前に空にたくさん飛んでるソラトビサカナを捕まえに出てきました。
 足元に動くパサジール・ルメスのキャラバンがあるとついつい飛び掛かるかもしれません。けちょんけちょんにしてあげてください。重傷を負えば撤退します。

●パサジール・ルメスのキャラバン
 皆さんが到着時にはソラトビサカナの下に居ます。
 クモトカゲに関しては自分たちだけでは被害が出ることを理解しているので皆さんの指示に従う構えです。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

頑張ってくださいね。宜しくです。

  • 蒼穹を泳ぐ完了
  • GM名夏あかね
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年12月11日 21時00分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

鳶島 津々流(p3p000141)
かそけき花霞
如月 ユウ(p3p000205)
浄謐たるセルリアン・ブルー
シャルレィス・スクァリオ(p3p000332)
蒼銀一閃
御堂・D・豪斗(p3p001181)
例のゴッド
刀根・白盾・灰(p3p001260)
煙草二十本男
マルク・シリング(p3p001309)
軍師
ヴィマラ(p3p005079)
ラスト・スカベンジャー
津久見・弥恵(p3p005208)
薔薇の舞踏

リプレイ


 遥かなる蒼穹。何処までも続く空――蒼く塗りつぶされたキャンバスを悠々と泳ぐソラトビサカナを見上げて『猪突猛進冒険者』シャルレィス・スクァリオ(p3p000332)はほう、と息を付く。
「空を飛ぶ魚か、すごいなぁ……! 見蕩れてる場合じゃない、今はキャラバンのみんなをしっかり守らなきゃ!」
 まるで空を映し込んだような刀身を持つシャルレィスの愛刀・烈風を構え、彼女はきょろりと周囲を見回した。
 急激に寒くなった気候に怯える様に移動を始めるのはソラトビサカナ達だけではない。パサジール・ルメスのキャラバン隊は美しい空と、地上の脅威に板挟みになった儘、息を潜めているのだろう。
「クモトカゲ、ね。……今回は運が悪かったと思って貰うしかないわね」
 僅かに肩を竦めた『浄謐たるセルリアン・ブルー』如月 ユウ(p3p000205)。「ちょっとかわいそうですけどね」と何処か困った様に笑う『月影の舞姫』津久見・弥恵(p3p005208)にユウはゆるりと頷いた。
「流石に命を奪うのは忍びないわ」
「そうですね。この厳しさも自然の摂理――ではあるんですが……」
 其処にキャラバンが居た事が『運の尽き』。人命を優先することこそが今回のオーダーである以上はクモトカゲを見過ごすわけにはいかない。
 そう。クモトカゲという名前が幾ら愛らしいとしても、だ。
「巨体ですしね!」
 現場に到着して、いの一番に『屑鉄卿』刀根・白盾・灰(p3p001260)はそう言った。
 じり、じり、と。
 距離を詰めるクモトカゲ。大きさで言えば『蜥蜴ちゃん』なんて可愛いものではない。
「小さい頃から50cmのトカゲとは! 動く物を掴んでしまう習性も可愛らしい!」
「――かわいい、で済ませられるかなあ……」
 頬を掻いたマルク・シリング(p3p001309)。空を泳ぐ魚達は美しく、楽しみにな景色だと告げていたマルク。
「うん、渡り鳥の群れみたいに不思議な景色だね。けど、それを『狙う』のか……」
 舌をべろっと出したクモトカゲ。じりじりと特異運命座標をその両眼に映して首を傾げる様子は愛らしくも、恐ろしい。
「凄いね、空を飛ぶ魚なんて……!
 僕がいた世界にはそんな魚はいなかったよ。やっぱり混沌って面白いものが本当にたくさん、いるんだなあ」
 瞳を輝かせた『行く雲に、流るる水に』鳶島 津々流(p3p000141)は空を眺め、リヴィエールがあれだけ嬉しそうに語っていたのだから『素敵な光景なのだろう』と期待に胸を膨らませていた。
 津一流にこくこくと大仰に頷くはシャルレィス。ユウはちら、と空を見て「ホントに飛んでるのね」と小さく呟く。
「ゴッドワールドにもフィッシュは生まれたが空を飛ぶものはいなかったな!
 如何な理由があってそのようなエボリューションを迎えたのか! 興味はあるが……まずはこの場を収めねばな!」
『神格者』御堂・D・豪斗(p3p001181)にとってもやはりそれは物珍しい。ゴッドとしての神々しさを一心に放った豪斗。
 現状において、ゴッドは混沌世界に適応しそのパゥワーのおよそ76億5800万分の1程度しか発揮できてイナイが人の子の世間と共に在る為にはこれ位がジャストライトなのだそうだ。
 トカゲとキャラバン隊の双方を見比べたゴッドの隣で『スカベンジャー』ヴィマラ(p3p005079)がにぃと笑う。
「人助けついでに素敵な景色も見れるなんて素敵すぎる仕事じゃん!
 ついでに化け物退治でかっこいーとこ見せれるし? お得しかないね! だから遠慮なくこき使って、心おきなく助けられてね!」
「えっ……」
 ヴィマラの言葉にパサジール・ルメスの少女がぱちりと瞬いた。まだ幼いキャラバン隊の一員にヴィマラは何時も通りの笑みを崩さずハイテンションの儘、地面を蹴る。
「そんでワタシ達は自己流で好きにやってくぜロックンロール!」


 手にしたのはノーワイズ・ノーライフ。脳金思考をディスる魔導書を握り締めたマルクはくるりとキャラバン隊を振り返る。
「キャラバンの皆さんは、そこでじっとしていてください。動かなければ相手の気を引くことは無いですから」
 彼の説得力ある言葉に、クモトカゲの性質を知っているキャラバン隊は大きく頷く。
 クモトカゲが獲物を狙う様に舌を伸ばした様子を眺め津々流はゆっくりと首を傾いだ。
「空飛ぶお魚を食べるということは、クモトカゲってジャンプ力とか凄いのかなあ……」
「ソラトビサカナを捕食するってことは、あの高さまでジャンプできるってことかもしれない。僕らの頭上を越されないように注意だけはしておこう」
 うんうんと頷くマルク。特異運命座標達の言葉を聞いてパサジール・ルメスの青年がひょこりと顔を出した。
「そりゃ、勿論――」
 ――そう言い掛けたはパサジール・ルメスの青年。応える前にびょんと跳ねたクモトカゲがソラトビサカナをぱくりと掴む。
「……凄いわね」
 氷精霊としての権能を解放していたユウはぱちりと瞬いた。凍て付く冷気を纏う彼女の『冷ややかな気配』は予想以上に捕食シーンがグロテスクだったからか。
「わ、わあ……だ、だいじょうぶ! ちょっと捕食を見ちゃうとこわいかんじするけど、私たちが絶対に守るから!」
 走り出したシャルレィス。頭上を越えていかれぬようにとキャラバンとクモトカゲの距離を取り、その動向を確認する。
『動くな』と言われてもすべての動きを封じるのはキャラバン隊にも無茶というものだろう。動く物を狙うならばと過剰な程に――反復横跳びを思わせる程に――灰はクモトカゲを相手取る。
「こちらです! 何、この動きを見たら狙わずにはいられませんでしょう!」
 絵面としては中々にシュールかもしれないが『動く物を狙う』性質を利用すれば灰の動きは理にかなう。
 大仰な程に彼の動きに頷いて大きく頷いたは豪斗。全てを受け止め全てを赦す左手をそっと掲げ、彼は胸を張った。
「ゴッドとヒーローズ&エンジェルズにターゲットを移さねばな!
 ゴッドのマジェスティとソウルがあらば言葉は通じずともゴッドの名は通じる! クモトカゲ諸君! ゴッドである!」
 たん、たん、と地面を踏み締め敏捷性に優れた弥恵は身体を強化し、更にその動きに磨きをかける。
 パッションムーヴは今、まさに、というところであろうか。跳ねる乙女のドレスからセクシーでエレガントなレースのパンツが覗いた気がするが……気のせいとしておこう。トカゲには分からない事なのだ。
「月を彩る華乙女、津久見弥恵の参上です。見惚れると怪我をなさいますよ?」
 派手に動く前衛陣。負けず劣らずのシャルレィスは無形の術を雨の如く放つ。
「クモトカゲもソラトビサカナも、自然の流れの一部……。
 そこにたまたまキャラバンがお邪魔してしまったようなものだし……。
 人の都合でどいてもらうのだから、倒すのではなく追い払う感じで動きたいなって」
 出来る限り動きを少なくと、狙いを定められぬように意識する津々流は大いなる悪意と殺傷力をその身に宿しながらも『殺さず』の威嚇術を放つ。
「まーいらない殺しをしなくていいなら、それに越したことはないよね~」
 ヴィマラは笑う。悪ノリ? 勿論大歓迎だ。エレキギターは『悪ノリ』の産物なのだとロックンロールを奏でだす。
『無謀蛮器“ネクロホープV”』の音色と共にぞわりとあふれ出した死霊の気配。死の匂いを纏う彼女は「いっくぜー!」と気合を込める。
 タイミングは全てマルクに委ねる。協力してくれるなら頼もしいと笑う津々流にユウは「命まで獲るのは忍びないもの」と頷いた。
 ぴく、とその体を揺らしたキャラバン。パカダクラが我慢できずに僅かに動いたのだろう。獲物の気配だと顔を上げたクモトカゲが跳ね上がらんと舌動作にシャルレィスが地面をける。
「行かせない……! 冬ごもりの準備の邪魔して悪いけど、キャラバンは君らの餌じゃないんだ!」
 刃片手にひらりと跳ねる彼女の一撃にクモトカゲが地面に叩きつけられる。その動きに反応したクモトカゲを行かすまいと灰がじりじりとその合間を詰めた。
「しかしユー達のライフを奪う気もまた無し! キャラバンのセーフティさえ確保できれば良いのだ!
 バトルの後はピースフルかつジェントルにお引き取り願いたい!」
 堂々たる豪斗は『激しきランペイジ』により、前線でクモトカゲの強襲を受けるヒーローズ&エンジェルズへと癒しを送る。
「キャラバンの皆様に魅せて……」
「おっと、危ない! 思わずファランクスしてしまいましたな!?」
 ちら、と見せたハプニング。破れたりずれちゃったり。なんてセクシーな弥恵の魅せたがりが勢い良すぎればPPP倫とクモトカゲの対応に思わず灰の理力障壁がその実力を見せてしまう。
「いやはや、怖いものですな。巨大生物!」
 大騒ぎの状態でマルクが「弱ってきた」と判断するのはクモトカゲ達の攻撃の素振りが明らかにぬるくなりつつあるからか。
 ユウの氷の槍がクモトカゲの行く手を阻む様に鋭く突き刺されば、それに続く様に奏でるヴィマラの『ロックンロール』が響き渡った。
 音楽あれば舞いもある。ヴィマラのロックに乗りながら踊る弥恵。
 津々流の放った威嚇がその巨体へと見事、命中し、ずずんと音たてクモトカゲは地面へとその身を横たえた。
 気を失って目を回したクモトカゲ。マルクが指示したことが功を為し、殺める事無く本件は無事、終焉だろう。
「お、おわった……?」
 恐る恐る聞くパサジール・ルメスのキャラバンの一員にマルクはゆっくりと頷く。対象の強弱を感知したところ、もう脅威ではないというのが彼の結論だろう。
「うん、もう大丈夫だよ。……ごめんよ。今度は人がいないときを狙って、餌を獲ってね」



「さて、フライングするフィッシュの群れ……例えるならばミルキーウェイ、といったところであろうか?
 シャインに煌くはオーシャンの中とはまた違った趣があろう!こればかりはゴッド感性もユー達人の子達とシンクロするものよ!」
 大仰に笑ったゴッド。その言葉に人の子たちは『きれいだね』と返すことだろう。此度はゴッドであろうとも、人の子との交流は無碍にはしない。
「リヴィちゃん、リヴィちゃん」
 ひらひらと手を振ってヴィマラはリヴィエールを手招いた。空渡りとなれば、こっそり見に来てしまうのも情報屋のサガ(?)である。
「やっほー、小さいのにお仕事凄い頑張ってるなっていつも思ってたからさ~」
「やっほーっす。へへへ、ありがとうっすよ」
 褒められたと満更でないリヴィエール。リヴィエールの表情を見るにこの景色はかけがえのない素晴らしい物なのだと弥恵は実感していた。
「凄い綺麗だね……! こんな景色に巡り合えるとは思っていなかったよ……!」
 津々流の感激した声音に空を眺めていたユウは『頑張ったご褒美』でしょう、と空をゆっくりと眺める。楽しみにしていた――なんて言葉は飲み込んで。
「やっぱり自然が描くこういう風景綺麗よね……えぇ、まあ頑張ったかいがあったってものかしら?」
「うんうん。本当に虹が流れてるみたいですっごい綺麗……! ゆっくり、見れて嬉しい……!」
 ゆらゆらと揺れる虹が進む様子は何処か幻想的ともいえる。ちら、と視線をやる様に見るユウの傍らで「すごい」と手を掲げ、両手いっぱいの景色を楽しむシャルレィスは楽し気に跳ねた。
「こんな大人数で景色楽しむってのもなんか久しぶりだなぁ。キャラバンってのも楽しそうだよねぇ」
「危険はつきものっすけど、こうして楽しめるのも旅の醍醐味っすね」
 うんうん、とヴィマラは頷いた。空渡りが好きなんだねと声かけられたリヴィエールはこの季節では一番楽しみなのだと笑う。
「まぁ~、ワタシは醍醐味楽しみ過ぎて、仕事が遅くなったりしてよく文句言われてたんだけどね~」
「いやはや、楽しむのが一番ですぜ! 折角のリヴィエール様おすすめスポット、全力で楽しみたいものです!
 いや……この戦乱の世の心が洗われると良いですなぁ……」
 何処か悟った様にそう言う灰。最近の情勢は心休まる所もない。こうして美しい景色を見れるというのは何よりも安穏だといえるのか。
 だいじょうぶ、と問い掛けるパサジール・ルメスの小さな少女に「心配はいりませんよ」と彼は言う。
「いろいろ、あったの?」
「そうですなぁ……いろいろと……」
 悟ったような彼に少女はこてり、と首を傾げていた。
「ソラトビサカナ達が群れで移動するのはきれいだけれど……彼らは、いったいどこまで飛んでいくんだろうね」
 地平線の向こうに消える様に徐々に魚達は泳いでいってしまう。魚達は何処へ行くのか――その果てか、それともまだ見ぬ海か。
 混沌世界の『果て』は見えない。何処だろうか、と呟く彼はゆっくりと目を伏せる。

 ――歌を歌おう 遥か遠い空 彼方へ続く地平の向こう
 季節を越え風に乗り 想いと共に響く歌よ 巡り巡って君に届け――

 ゆったりと流れる様に。透き通るような歌声と共に、地面を踏み踊る。弥恵は只、ひらひらと穏やかな空の下、虹のふもとで謳い踊った。
 魚達は何処へ行くか。
「ソラトビサカナのオリジン達は何を求め飛び出したのか……。
 無論ライフを過ごす地を求めてではあろうが、そのソウルの在り方、実に興味深い!」
 それは神のみぞ――いや、神さえ知る由はないけれど、美しい蒼穹は何者にも汚されぬまま穏やかな日差しを湛えていた。

成否

成功

MVP

マルク・シリング(p3p001309)
軍師

状態異常

なし

あとがき

 お疲れさまでした、イレギュラーズ。
 美しい景色は心を穏やかにするものです。

 MVPはキャラバンにも有効な説得を用いて、対応していたあなたへ!
 非戦闘スキルの有効活用いいですね。ナイスです。

 また、皆さまの活躍を描けますように!

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