PandoraPartyProject

シナリオ詳細

その花は、愛の花

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●それは騒がしい一幕

 いつもいつものローレット。
 依頼を探して君達がやってきていたり、特に意図もなくたむろっていたりしている日々。
「いやぁ、お久しぶりです皆さん!」
 ばぁん、と音を立ててそんな日常はあっさりと砕け散った。
「依頼、依頼ですよー!」
「え、誰でしたっけ?」
 飛び込んできたのはやや体躯の低めな金髪の少女。
 白衣と眼鏡が特徴的だが、どこかしら可愛さを感じさせる見た目をしている。
 どこかで見たような……見た人もいるかもしれない。
「いや、前依頼持ってきたじゃねーですか」
「うん……?」
 かくいう『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)は少々思いだせていない様子で、しばらく考え込みだす。
「ああ、練達からやってきた"旅人"さんですね?」
 約数分程悩み、ようやく思い出したのか、ぽんと手を打つ。
「ようやく思い出してくれましたかぁ。改めて自己紹介を、私は練達で色々と開発をしていたウィンと申します」
 正確な名前は初めて聞いたが、彼女は確か、『夢見のアイマスク』という商品のテスト依頼を過去に一度申し込んでいた人物だという事だ。
 深々と、若干適当さを感じさせる礼をすると一枚の資料を取り出した。
「まぁ、やってきた理由としては依頼を申し込みにっていう感じなんですがー」
 突飛もない登場から、丁寧に彼女は説明してくれる。
 まず、そもそもで彼女が幻想の貴族から依頼を受けており、今回はその依頼の素材を集める手伝いをしてほしい、という事だ。
「え、自分で集めろですか? いやー、そううまくもいかないものでして」
 そううまくいかない。厄介な素材なのだろうか、と嫌な予感が思い立つ。
「今回作成を依頼された物はー……まぁ、言っちまえば人の心を奪う恋薬といいますか、これを使って貴族さんが何をしようとしてるのかは定かじゃねーですが」
 その材料となる植物を回収してきてほしい、と彼女は付け加える。
「ただまぁ、回収だけが問題ではなくて、植物事態に非常に強い誘惑作用がありまして……」
「ゆーわく?」
 首をかしげながらユーリカは君達を見る。
「ええ、危険な動物や魔物を呼び寄せる可能性があるんですよ。あの付近じゃ……ああ、最近だとオークの一団がいましたっけ」
 そういえば、大した脅威ではないが豚鼻の魔物、オークの集団が出たという話があったことを思いだす。
「なのでまぁ、あまり近づきたくないんですよね。私そんなに強くないので」
 へらへらと笑いながらウィンは依頼料を掲示する。
「あ、そうそう。もし受けてくれるならもう一つ注意ですけど……この植物の香りは絶対嗅いではいけませんよ? ええ、絶対ダメですよ??」
 念を押すように強く強くウィンは言う。
 一体どうなるのか、ちょっとばかし興味がわかなくもないが。
 ともあれ、依頼は正式に通り、受理出来る事となった。
 後は準備をするだけだ。


 目的は、『ラブフラワー』の回収。

GMコメント

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。
 参加者の皆様がハプニングを起こさない限りは。

●状況について
 貴族から依頼を受けた、依頼人ウィンが掲示した植物『ラブフラワー』の回収を目的とする依頼です。
 『ラブフラワー』は近隣の渓谷にあるらしいですが、そんなに危険な場所には存在しません。
 故に、探索に大した時間はかからず、描写は到着したタイミングから行われます。

 周囲に魔物や危険な動物の姿もあるらしく、探索の際に襲われる危険性は非常に高いです。
 その為回収作業の前に危険を排除する必要があるでしょう。

●『ラブフラワー』について
 甘酸っぱい香りが特徴的な不思議な花です。
 見た目はごくごく普通の花であり、鑑賞性はゼロに等しい存在ですが、その花粉に強い強い愛情を分泌させる作用があり、これが貴族の中では惚れ薬としてもちいられることが多々あります。
 効果時間は1時間程度で強くないものですが、それでも使いたがる貴族はいるようです。
 また、この香りは魔物や動物を引き付ける作用もあるらしく、花の付近には愛情を爆発させた魔物や動物が現れます。色々とお気を付けください。いろいろと。

 戦闘中、うっかり花を踏んだり、香りをかいだりしてしまうとたちまち『状態異常:ラブラブ』になってしまい、身近な人に愛を叫び、愛のままに行動したくなってしまいます。
 こちらも注意していれば(プレイングに明記があれば)嗅ぐようなことにはなりません。
 うっかり、うっかりなら仕方はないですが。状態異常にってしまった場合は、性別問わずに愛が爆発しますが、効果は1時間なので大したことは出来ません。
 愛の対象は近場に居て、意識している対象(プレイングに指定のある対象)となりますが、特に指定がなければランダムになります。
 オークや動物も関係なしです、はい。

 回収容器は密閉式のパックを使うので危険なく持ち帰れます。

●依頼人について
 過去にローレットに依頼を出した人物で、練達からやってきた自傷医者のウィンという名の女性です。
 普段から飄々としており、掴みどころがなく性格や口調が特徴的で、割と印象に残りますが相変わらず特に悪事などを働いているわけでもありません。
 依頼現場には彼女は向かいませんが、報告の際には姿を見せるので逆におちょくるならこのタイミングです。

●動物とオークについて
 ラブフラワーに寄せられた存在です。
 動物は狼や熊といった一般的な動物で、オークはごくごく普通のオーク5体ほどです。
 どれも大した危険性はなく、冒険を始めたばかりの人でも苦戦なく仕留められる相手です。
 状態異常でハプニングさえなければきっと乗り越えられるでしょう!
 

 依頼の説明は以上となります。
 真面目にやれば大した依頼でもありません、きっとおいしい依頼です。
 でもうっかりなら仕方ないです。うっかりいちゃついてもしかたないですよね。

  • その花は、愛の花完了
  • GM名トビネコ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年11月17日 22時55分
  • 参加人数8/8人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

御幣島 戦神 奏(p3p000216)
黒陣白刃
マナ・ニール(p3p000350)
まほろばは隣に
ティア・マヤ・ラグレン(p3p000593)
穢翼の死神
エリノア・シャノワール(p3p002319)
時計と夜を愛する猫
ラクリマ・イース(p3p004247)
白き歌
宮峰 死聖(p3p005112)
同人勇者
名馳 悠(p3p006735)
中二病お嬢様
宮里・聖奈(p3p006739)
パンツハンターの血を継ぐ者

リプレイ

●
 愛、それはとても素敵なもの。
 愛、それはとても恋しいもの。
 愛、しかしてそれは目をくらませる。
 恋は盲目とは誰が言ったものか。
 
「あったぞー!」
 幻想近隣の渓谷、そのやや開けた場所に小さく咲く花畑を見て、『黒陣白刃』御幣島 戦神 奏(p3p000216)は大きく声をあげた。
「そしてい……うわ……」
 いつも元気な彼女もさすがに引いた。
「もしかしてあれ、性別関係ない……?」
 花の効能をしっかり理解していた『白き歌』ラクリマ・イース(p3p004247)は、女性だらけのこの空間で更に危機感を強くした。
 オーク同士がいちゃついてる。なんともまぁ、酷い状況である。
「催眠……のようなものなのかな?」
『興味があるとしても不用意に嗅ぐものではないな』
 危機感を覚えるラクリマの横で『穢翼の黒騎士』ティア・マヤ・ラグレン(p3p000593)は自身の神様と会話を交わす。
「あ、えーっと。今ならチャンスじゃないでしょうか?」
「い、いえ……たぶんもう気づいてます。シャノワール様」
 『時計と夜を愛する猫』エリノア・シャノワール(p3p002319)が戦闘準備をする頃にはオークの連中は既に戦闘態勢を取っていた。
 『まほろばを求めて』マナ・ニール(p3p000350)が周囲に注意してみてみれば、獣の姿もちらほら見える。
 なんというか、ここに近づくなという明確な敵意を感じとれ、恋敵に見られるようなそんな感じがマナにちくちく突き刺さった。
「しかし、実にロマンティックな愛の花ですね……愛の花咲くこの世界はきっとロマンスに溢れているのでしょう」
 そんな視線を一切気にせずか、『中二病お嬢様』名馳 悠(p3p006735)は目を閉じて自分の世界に入り込んだ。
 ウィンの言う嗅ぐな、という言葉。あれはそう、きっとこの腕の封印が解けるのを恐れての事だ。
「暴れさせろと、もう一人の私が、こんなにも疼いているの」ドゴォン! という強烈な炸裂音が悠の台詞を完全に消し飛ばした。
 目を開いた瞬間、目の前でいちゃついていた一組のオークが『ブラッディ・バール』宮峰 死聖(p3p005112)の魔術砲撃によって吹き飛ばされたのが見えた。
「おっとすまない。隙だらけだものでね」
「にしし、やりますねぇ!」
 宮里・聖奈(p3p006739)吹き飛ばされたオーク二体を追いかけ、軽く刃で切り付けてトドメを刺した聖奈が離脱し、戻ってくると周囲に花弁が舞い上がる。
「あ」
 それを見て咄嗟にラクリマはやばいと本能的に、直感的に理解して花弁から一気に距離を取った。
「わわっ……! 花粉が」
 同じく距離を取り切ったエリノアや最初から距離を置いていた死聖もまた、無事のようだが。
「ふわ……」
 他の面々は、そうでもなさそうだ。
 やばい、やばい、やばい。そんな思考がラクリマを支配した。
「イース……様?」
 ゆらり、ふらりとマナがこちらを向いた。
 とろんとした眼付きで、その小柄な体躯でラクリマを見上げながらどこかもじもじとして近づいてくる。
「いやいやいや……!!」
 ますい、まずいと必死で自分の感情を抑え、何とか彼女に向き合う。
「マナさん、シェルピア、シェルピアを使ってください」
「え、でも……私……貴方に……」
 艶めかしいため息を吐きながら、ラクリマとの距離をじりじりと詰める。
「あ、後で何でもしますから」
「は、はい……!」
 あまりの事態に、普段の落ち着いた様子もどこかに行きながら賭け半分にそういえば、マナは素直に治癒を開始した。
 柔らかい光が辺りを包む……と、同時にマナを含む何人かは元の状態に戻って行ったが、全員治癒できたわけではないようだ。
「……やられました」
『運が悪かったな』
「……本当に」
 まさか自分が巻き込まれるとは思っていなかったのか、少し不満げな様子を見せながらも戦闘中盾となるアンデットを呼び出しながらティアはゆっくりを浮かび上がる。
 といっても残りのオークは3体。気が立った狼や熊の姿もちらほら見えるがそう危惧するほどでもなさそうだ。
「ふふー、ふふふー」
 オークと獣と花粉が入り乱れた最前線。随分と楽しそうに周囲をキョロキョロを見回す奏。
 どうにも不思議と気分が高揚する。抱き着いてぎゅっとしたい、そんな思考が目の前の1体の哀れなオークに向けられた。
 向こうも何故か興奮している、きっと同じように抱きしめたいのだ。
「ふふーっ!」
 どごぉ、と凄まじい音を立てながら奏が体当たりと同時に、オークを胴をがっちりとホールドする。
 ぎゅうっと力いっぱい、抱きしめる。
 この気持ちは何だろう。とても暖かくて、幸せだ。


「……ああ、もう支援いらなさそうです」
 奏でに抱き着かれて、腰が完全に捻じ曲がったオークを見てラクリマは彼女の周囲で興奮している2体のオークへ自身の血から作り出した鞭を絡め、動きを封じる。
 俺は機械、機械……と呟きながら魔法を打ち続けてるのはどこか哀れみすら感じる。
「えーいっ!」
 腕の中に抱えた媒体から、鋭い魔力の一射が奔り、縛り上げられたオークを撃ち抜き一撃のもとに打ち倒す。
「お見事。後は少しだけだね」
 離れた距離で遠距離術式を放ちながらオークの逃げ場を塞ぎながら、周囲の狼達が不意を打たぬ様に牽制を続ける。
「ふふ、ああ。本当に」
 牽制の網を抜けて接近してきた狼を青い衝撃波を放って吹き飛ばしながら悠はふふ、と笑う。
「気づかなかった、嗚呼、何故でしょう」
 その視線は、吹き飛ばした狼にはなく、目の前にいる1匹の熊に向いていた。
「これまで私はどれだけ無知だったのでしょう!」
 空虚だった、けれどこれが知れて私は実に幸せだ。
 そう、求めるものはすぐそこに―――!


「聖奈さん……大丈夫ですか?」
「うえー。思った以上に散らしてしまったみたいですね」
 マナから治療を受け、ふらふらしていた意識がクリアになっていく感覚を覚えながら、聖奈はしかと周囲を見回した。
 オークは3体倒れ、1体は奏によってほぼ無力化され残る1体も捕縛されている。
「悠ちゃんは何やってるんです?」
「あ……えっと」
 非常に説明しづらい。マナは悠と聖奈を何度か見直す。
「ふふ。ふにふに……素晴らしい。ここに在ったのですね、我が愛しの肉球様!!」
 高らかに宣言しながら、爆発するような声であたりに響き渡らせる。
 それだけすさまじい音量を出せばもちろん周囲の意識を引くのだが、近寄る獣達を簡易術式で追い払っているのだから手が付けられない。
「愛しの肉球様との逢瀬は邪魔させません……ふふ、ふふふ……ちょっと、暴れないでください」
 弄られ過ぎて流石に嫌になったのか、熊が暴れ出そうとしても追撃の簡易術式で昏睡させられている。
「うひひ、ちょっとすごい状況になってるのはそれはそれ」
 現状、奏と悠以外は元に戻っているが周囲の状況は恋の混沌とでもいうべき状態か。
 だがまぁ、依頼をまずはこなさねばなるまい。悪戯は……その後だ。
 刀を構えなおして聖奈は駆ける。
「援護します!」
 後方からエリノアが術式を展開、支援魔術が放たれオークに一撃が加えられる。
「おー、いいねぇ」
 持ち前の速度をもって素早く接近、舞うように、踊るような刀の乱舞がオークを華麗に切り刻む。
「遅い! 遅いのです! もっと早くなって出直してきやがれですぅ!」
 聞こえていない可能性もあるが。オークはもんどりうって倒れる。
「あ」
 だが、その不意を打ってか突出した聖奈が離脱するよりも早く狼が群れて突撃してくる。
 移動してからの、攻撃直後の隙というものはどうしても消す事が出来ない。
「大丈夫」
『貸し一つだ』
 目の前に割り込んだアンデットが狼の攻撃を受け止め、そこにティアの漆黒の閃光が降り注ぎ狼のうち一つが撃ち抜かれる。
「うおーっ! だいすきーーー!」
「肉球様ぁ!!」
「……はぁ」
 オークは壊滅、残る獣達も暴走する奏や悠を中心に一掃されるだろう。
 誰のついた溜息か、それはわからないまま無事に周囲の安全は確保された。


●
「やっと終わりましたね……」
 ふぅ、と一息を付くマナ。周囲に脅威はなくなり、これで無事にラブフラワーの回収ができる。
「愛しの肉球様、ああ私の愛を! 受け入れて!!」
 離れた所では、いまだに悠が高らかに歌を歌い続けている。
 あまりの騒音で逆に獣避け担っているの幸いか……とりあえず効果が切れるまで置いておくしかない。
「そうですね」
『早く回収してしまおう』
「ええ、急ぎましょう。早くしましょう」
「ら、ラクリマさん?」
 妙にラクリマだけ焦りながらティアやエリノアがテキパキと、香りに気を付けながらラブフラワーの回収を進めていく。
 こうしてみれば綺麗な花だ。
「ししし」
「聖奈さん……?」
 ラブフラワーを片手に何やら悪巧みをする聖奈を見て、マナは怪訝な視線を送る。
「ていっ」
「あっ」
 あろうことか、ラブフラワーを奏目がけて放り投げる。
「ふわ……」
 せっかく治療したのに、と思いながらマナは再治療の準備をする。
「マナちゃーん!!」
「あわ、あわっ……!?」
 だが、マナが治療するよりも早く、奏ではマナを組み敷き、抱きしめる。
「ま、まってくださ……」
「ま、マナさーん!?」
 慌ててエリノアが助けに入って力づくで引きはがそうとするが、なかなかうまくいかない。
『どうする』
「……なんとかしよう」
 とりあえず助けなければとティアはマナに助けの手を差し出しに向かった。
「それにしても綺麗な花だね。これを持ち帰れば……」
「あ、ちょっと待ってください。勢いよく取ると」
 ラクリマの目の前で死聖が勢いよく花を摘み上げると辺りにふわりと花粉が飛び散った。
 その花粉は周囲に飛び散り、慌ててラクリマは後ずさる。
「……?」
 香りは辺りに広がり、ふわりふわりと舞っていく。
 その香りの中心にいた死聖はぼうっと顔を赤く染める。
 視線の先にはマナを押し倒す奏と助けようとする面々。
「はわっ!?」
 そして、視線の先に在ったエリノアに凄まじい勢いで近寄り、抱きかかえる。
「君が好きだ……このまま……浚いたい」
「ま、待ってくださいぃ!?」
「……増えたね」
『どうする』
 そんな様子を見て、ティアはさらに頭を抱えた。
 唯一の男性のラクリマはもう何というか、関わっていはいけないと完全に距離を取っている。
「し、師匠!」
 だが、そんなところに突っ込んできたのは聖奈だった。
「あ、あの……その、好き……です。貴方の事」
 先ほどまでの言動はどこに行ったのか。
 弱弱しい声で死聖を見上げながら上目使いで愛の告白を始めだす。
「……ふふ、可愛いね」
「か、かか、可愛いですか!?」
「うん、弟子にするなんてもったいない。君には……一緒に来てほしい」
 気が付けば死聖はエリノアを手放し、聖奈の顎をゆっくりと片手で持ち上げた。
「せ、聖奈はそんなこと言われる存在じゃ……」
「そんなこと言うもの者ではないよ。聖奈ちゃん」
 はわ……と聖奈は言葉に詰まる。
「一時も離れたくない、瞬きすら邪魔だ……僕と、共に歩んでくれないか?」
「……はい」
 もはやだれも近づけない。
 ラブフラワーによって生まれた百合の花の咲く花畑に近寄れるものは居らず、二人はそのまま手を取り合い、二人で来た道を戻っていく。
「どうするの」
『どうしろと』
 とりあえず、落ち着いたら戻って二人は先に帰ったという事にしよう。
 事態が落ち着くまで、ティアはひたすら頭を抱え続けた。

●
「いやはや、大変でしたねぇ?」
「………」
 ローレットに戻ってきた6人。
 二人の姿はないが、きっとそれはそれでいいのだろう。
 依頼人のウィンにそう言われるなり、マナは少し不機嫌そうな顔を向けた。
「ご、ごめんなさいぃぃぃ」
 その横ではひたすらマナに謝り続ける奏の姿。
 半泣きなので、あまり怒る気すら浮かばない。
「とりあえず依頼はこれでオッケーですね。後は私が薬を作るだけで、報酬は後で持ってきます」
 これから作る恋の薬。
 それを見ていて、エリノアはふと思う事があった。
 愛とは自分で見つけ出す物であり、だからこそかけがえなく尊いものになる。
 惚れ薬を使った紛い物の愛、それに何の意味があるというのか。
「ふむ、どうにも気になります?」
「え?」
 にしし、とウィンはエリノアを見て笑う。
「まぁ、依頼人の貴族はきっと臆病者なんでしょう。だからきっかけが欲しいんじゃねーですかね」
「きっかけ……」
 なら、とふと思い立ったエリノアはウィンの持つラブフラワーを手に取った。
「だったら少しだけ、薬以外もどうでしょうか!」
 直接依頼人には会いに行けない。だから素材になるこの花に対して恋が実る様に「おまじない」をかけた。
 効果があるかどうかはわからない、けれどせめてもの元気づけになればと思って彼女はそうしていた。
「おや……だったら、これから作る惚れ薬は一流の占い師のおまじない付き、っていう説明も備え付けますか」
「え、え?」
 ししし、と笑う彼女は楽しそうに、悪びれもなくそう言った。
 だが、これはきっと、とても強い後押しになるだろう。
「ところでウィンさん、この花一輪貰っても?」
「ん? 構わねーですけど悪用はなしですよ? 依頼を出した私が変に疑われたくねーですしね」
 それはもちろん、とティアは返しながら許可をもらってラブフラワーを一つ懐に収めた。
 特に他の依頼でも使えそうにないが、きっと彼女なりに何かに使うのだろう。
 依頼はこれにて完了、報酬も出ると手続きを終えた。
「あの、ところでウィンさん」
「ほい?」
 至極真面目な顔で、ラクリマはウィンに向きなおる。
「次はガスマスクの支給をお願いします」
「えー?」
 意地悪げな顔を浮かべるウィン。
「えーじゃないです」
 必死に抗議するラクリマを見て、愉しげに彼女は笑う。
 またきっと、厄介な依頼を持ってくるんじゃないかと、この場にいるイレギュラーズは思う事だろう。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

いやぁ……大変なことになりましたね。
ですが依頼は無事完了、ええ、依頼は完全に完璧です。うっかりはありましたが仕方のないことなんです。

またシナリオ後にラブフラワーを回収しておりますが、アイテムとしての付与はない状態ですのでRPなどの活用程度にご利用ください。

以上となりますが、ご参加ありがとうございました!

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