PandoraPartyProject

シナリオ詳細

悪戯には悪戯を

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●お祭りは、楽しめましたか?
 今年も幻想各地で盛り上がりをみせた収穫祭。
 Trick or Treat!?
 ある者は仮装を、ある者は悪戯を、またある者は――。
 十人十色、めいめい思うがままに過ごし、大人も子供もそしてお化けたちも皆一様にお祭りを愉しむ幻想の風物詩。

 楽しかったね。
 また来年も、楽しもうね。

 やがて、収穫祭は終わりを迎え、大人も子供も家に帰る。
 夢のような素敵な一時を愉しんで、人はみな、日常に還るのだ。
 切ないけれども、それがこの世の理。
 しかし、帰らぬ者たちもいる。

 Trick or Treat!?

 どんなに可愛くねだってみても。
 どんなに大声で叫んでみても。
 お菓子は貰えないのに――。

●お片付けの時間です
「収穫祭、楽しかったよなー。お酒もたらふく飲めたし。お前らもそう思うだろ? ……ほんと、毎日が収穫祭だったらいいのに」
 収穫祭じゃなくても毎日飲んでる『酔っ払い』ジュリエット・ノックス(p3n000036)が、ぐだぐだとダメっぷりを発揮する。
「はぁ……気持ちを切り替えて、お仕事の話だ。そんなわけで、収穫祭の後始末の依頼がきている」
 幻想の収穫祭、仮装に紛れて本物のお化けたちが混ざっているというのは知る人ぞ知る――というか結構、周知の事実だ。普通にお化けや魔物が跋扈する幻想では、さもありなん。一部ではリアルにお化けたちと絡む収穫祭まであるという。イレギュラーズたちもそんなことで驚いていては、身が持たない。
「で、問題なのは仮装に紛れてお菓子を貰っていたお化けたちなんだが、収穫祭が終わってもお菓子貰いを止めないんだよなー。祭りが終わったことに気が付いていないんだな」
 やれやれと云った具合に、ジュリエットは肩をすくめる。
「連中も悪気があってやってるわけじゃない。ただ、いつまでもお祭り気分で愉しんでるから始末に負えない。悪気がなくても悪戯されたら迷惑だし、かといっていつまでもお菓子を与えていたら町の子供たちに示しがつかない。何より教育にも悪い。けれども相手は子供のお化けだ。退治するのは偲びない」
 それでな、悪戯には悪戯だとジュリエットは悪戯っ子のように笑う。
「連中に、もうお菓子が欲しくなくなるような――例えば激辛なお菓子とか、そういうお菓子を与えて追い払ってくれ」

GMコメント

 ハロウィンはどうでしたか?
 こんにちは。茜空秋人です。
 以下情報。

●依頼成功条件
 お化けたちがもう欲しがらなくなるようなお菓子を与え、追い払う。

●情報確度
 Aです。想定外の事態は起きません。

●ロケーション
 お化けたちが棲むという墓場です。
 墓石とかいっぱいありますが、地形的な制約はないとします。
 夜間の場合、ローレットからカンテラが全員に貸し出されます。

●お化け
 子供のお化けです。10人います。
 魔法使い風だったり、カボチャ頭かぶったり、ハロウィンっぽい格好です。
 ある程度弱ったところに、お菓子を与えましょう。成功すれば、退散します。
 回避や特殊抵抗に秀でています。
 イレギュラーズと戦闘になっても、悪戯の一環、遊びの延長だと思うようです。

 ・ポルターガイスト(神特レ単)距離の制約を受けません
 ・おばけだぞー(神近単) 【不吉】【呪い】
 ・憑りつき(神至単) 憑りつかれると3T行動をのっとられます
 ・透ける(付自単) 透けることによってさらに回避が上がります

●お菓子
 思う存分、各自でこれだと思うお菓子を作ったりゲットなりして用意しましょう。
 準備できない場合は、ジュリエット特製の唐辛子入りチョコが配布されます。
 甘いお菓子だけは厳禁です。

●アドリブ
 アドリブ描写が用いられる場合があります。
 プレイングやステータスシートにアドリブ度合、『アドリブNG』等記入くだされば対応いたします。

 有用そうなスキルやアイテムには色々なボーナスがつくことがあります。
 ご縁ありましたら、どうぞよろしくお願いします。

  • 悪戯には悪戯を完了
  • GM名茜空秋人
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年11月27日 23時45分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

リュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガー(p3p000371)
無敵鉄板暴牛
ジョゼ・マルドゥ(p3p000624)
ノベルギャザラー
アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)
灰雪に舞う翼
ボルカノ=マルゴット(p3p001688)
ぽやぽや竜人
タルト・ティラミー(p3p002298)
あま~いおもてなし
レスト・リゾート(p3p003959)
にゃんこツアーコンダクター
ラルフ・ザン・ネセサリー(p3p004095)
我が為に
木津田・由奈(p3p006406)
闇妹

リプレイ

●それぞれのお菓子
「あらあら~、お祭りが終わった事に気がつかないほど楽しんでいるのかしら~?
 んふふ~、なんだか少し羨ましいなぁ」
 両手を前に突出して、ぴょんぴょん飛び跳ねるキョンシー姿の『夢色観光旅行』レスト・リゾート(p3p003959)の第一声は、非常におっとりとしていた。
「それでね。おばさん、カボチャまんを作ってきたわ~」
 収穫祭が終わってもお菓子をねだりに出没するお化けたちに、あえて不味いお菓子を与えて退散させるといった依頼を受けたイレギュラーズ一行。
 レストは生地にカボチャを練りこんだオレンジ色の饅頭を取り出してみせる。焼印でジャック・オー・ランタンが刻まれた可愛らしい饅頭だが、中の餡にはとびっきりの辛子が混ぜられている。子供なら、いや大人でも泣いちゃう一品だ。
「悪いお化けさん達にお菓子をあげる簡単なお仕事ですね?」
 お菓子作りなら負けていられないのは(美味しいとは言っていない)、闇ずき……赤ずきんの仮装をした『闇妹』木津田・由奈(p3p006406)だ。
「アハハ! ちょっと作り過ぎて余ったお菓子と料理がありましたから、ちょうどいいですね!」
 妹の愛情がこもった由奈のお菓子は、お兄ちゃん以外が食べても名状しがたき味となるのだが、
「お化けさん達、感謝してくださいね? 愛情込めて作った料理とお菓子を一部とはいえ、食べられるのですから……泣いて喜んでくださいね?」
 それも今回の依頼にはうってつけだ。
「やっぱっつーか、お化けも門限とか破るやついるのな。
 それともロスタイムに乗じて追加でお菓子ゲットでも狙ってる?」
「まだ収穫祭の終わりに気づいていないのであるなー。
 我輩たちが気づかせてあげて、穏便に帰って貰わなくては! でも、その前にちょっと遊んでから!」
 オレンジ基調の貴賓服に身を包みヴァンパイアのコスプレを愉しむ『ノベルギャザラー』ジョゼ・マルドゥ(p3p000624)と、黒ローブと帽子で魔法使いの仮装をした『ぽやぽや竜人』ボルカノ=マルゴット(p3p001688)も持ち寄ったお菓子を自慢げに取り出す。
「オイラのダチコーが作ってくれたんだ。これがまた、めっちゃ苦いんだわ」
 甘い香りのするお菓子の包装紙に包まれているが、中身は全くの別物、苦味の効いたハーブと愛情がたっぷり使われたダチコーお手製である。なお、元の甘い包装紙の中身は、うまうまとジョゼが美味しく頂きました。
「我輩が持ってきたのはサルミアッ――」
 ボルカノが持ってきたのは、知る人ぞ知るお菓子だ。信じられないことだが、これを好んで食す人たちもいるという……。こどものお化けが、万が一北欧系でないことを祈るのみ。
 その味を簡潔に表現すると、なんだかすごく舌触りが独特で味がなんだかこう……グミみたいな……ゴム?
「うっ……やだ……試食したときの味を思い出したら吐き気が……」
 ヴォエエ!! と苦しみに咽るボルカノ。
「と、とにかく! そういうクソマズお菓子であるから! きっと退散してくれるはず!」
 竜の目にも涙。ハァハァ、ゼェゼェと涙目で息を整えるボルカノに、
「はい、美味しいお菓子だよ」
 『あま〜いお菓子をプレゼント♡』タルト・ティラミー(p3p002298)が、口直しをはいどうぞと差し出す。
 好きなものは甘いお菓子! 嫌いなものは苦いお菓子! 甘い物食べてたら、ふわふわ幸せ~。そんなタルトも、依頼となったら話は別。心を鬼にしてお化けたちにパイをぶつける気満々だ。
「こういうお祭りは、ちょっとの期間だから楽しいのもあるしー、来年まで大人しくしてもらわないとだねー」
 もう猫に変身はできないんだよね、残念。とジャック・オー・ランタンをかたどったカボチャの兜を頭にかぶっているのは『空歌う笛の音』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)。
「オイラは素材を生かしたチョコレート菓子を用意したよ!」
 アクセルが持ち込んだのは、味付けなしのレモンの輪切りやフレッシュな渋柿に、カカオ99%の超苦いチョコをコーティングした、実に素材の悪いところを生かしたお菓子だ。口の中で素材の不味さが大喧嘩すること間違いなし。
「嘘は言ってないよ!」
 料理を美味しく作ることが出来る技術が、なんていうかもう、宝の持ち腐れである。
「私は肉の味を染み込ませたガムだ。レシピは思い付いても私は料理は出来ないからね」
 墓場に集ったイレギュラーズたちハロウィンの仮装集団の中でも、一際異彩を放っているのが『カオスシーカー』ラルフ・ザン・ネセサリー(p3p004095)だ。只一人純和風とでもいえばいいのか、芋羊羮のぬりかべを模した衣装で参加している。
 190cmの長身、だが芋羊羹ぬりかべ。ワイルドさと野心家的な冷たさ――普段の彼の持つシリアスな雰囲気がことごとく、芋羊羹で霞んで見える。
 つまり、とてもシュールだった。
「角煮を染み込ませたガムは、胸焼けする様な味がしてしまうな」
『ぷはっ!』
 シュールな妖怪・芋羊羹が発した斜め上の台詞に、猫の魔法使い姿の仮装をした『拵え鋼』リュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガー(p3p000371)が堪えきれずに噴出してしまった。
「くっ……ボクのお菓子は、昆虫モチーフの苦すぎる薬草味クッキー……デス」
 失礼、と真面目な口調で取り繕うリュカシスは今回が依頼初参加なのだが、いまの笑いでビギナー特有のガッチガチな緊張――硬さもとれ、身の引き締まる心地よい緊張感、頼もしい仲間――先輩と一緒の心強さ、それらの気持ちが一緒くたになったわくわく感で胸が一杯になる。
 もしかしたら、後輩の緊張をほぐそうとした大先輩なりの仮装かもしれない――。

『Trick or Treat!?』『お菓子頂戴!』
 魔法使い風、カボチャ頭、シーツを被っているお化けと様々なお化け――目標の子供のお化けたちと遭遇したイレギュラーズが、たちまちお菓子をねだられ始める。
 ――予定通りいこう。
「お菓子が欲しいなら、我々とゲームをしないかい?」
 ラルフが景品を餌に、子供たちにゲーム的な戦闘を提案する。
『お菓子!? 芋羊羹!? 芋羊羹くれるの!?』
「芋羊羹は用意していないが、もっと素敵なお菓子を用意してきている」
 ぶふっ!
 また、耐えきれずにイレギュラーズの誰かが噴き出したが、『原初の勅令』――言霊の力をのせたラルフの言葉は、子供たちにしっかりと届く。
『やろう! やろう!』『お菓子だ! お菓子だ!』『わーい、ゲームだ! 悪戯だー!』

●ゲームルール
 戦闘を行い、戦闘継続不能になった者はリタイア。
 此方側に二人のボーナスキャラクター(レスト、リュカシス)を用意して、彼等に与えたダメージ等で特別ポイントを付与。
 成績優秀だった者にはお菓子の詰め合わせを贈呈。
 リタイアしても、参加賞でお菓子を贈呈。

●ゲーム開始
「そんなわけで、第一回ファントムナイト後夜祭!」
 どんどんどんぱふぱふー、とタルトがゲームの開始を告げる。
「スタート♪」
「いくのである!」
『竜だ、竜だ!』『竜の魔法使い? 似合わない!』
 先陣を切って突っ込んだボルカノを、子供たちがくすくすと笑う。
 300cmの筋骨隆々な竜人なのだ、どうみても筋肉達磨の肉弾派。これは子供たちを怒れない。
「我輩、どこからみても魔法使いさんであろう! ほ、ほら、光る杖もあるであるし?」
 刀身が光るオーラソードを子供相手に振り回す姿は、どう見ても物理です。本当にありがとうございました。
「ボルカノぽん、流石に仕方ないわ」
 予め仲間内で決めていた符牒、呼び名に『ぽん』をつけ、ジョゼも子供たちに駆けつける。幻影のジャカランダ――愛用の小ぶりの剣に魔力を纏わせると一閃。刀身から魔力でばら撒かれた花弁までもが刃と化して、お化けを切り付けた。
「トリックオアトリート! あんたたちがお菓子が欲しいようにボクもお菓子が欲しいのよ♪
 お菓子くれないならイタズラしかないわよね?」
 子供たちに負けじとタルトがお菓子を投げる『イタズラ』をする。30cmの小さな身体で投げると、お菓子がとても大きく見えるから不思議だ。
「アイスやパイをぶん投げて、嫌がらせし放題ってことよ!
 さぁ喰らいなさい! ボク特製の出来立てアップルパイよ♪」
 一見何の変哲もないが、タルトの投げつけるレッドホットアップルパイは108個分の唐辛子を内包しており、既に美味い不味いを超越している。なんていうか、痛い。
「美味しく食べるんだよ♪」
 顔面にパイを喰らい泣き声をあげる子供に、笑顔でにっこり微笑んだ。


「オイラと遊ぼうよー」
 名器ストラディバリウスを奏でながらアクセルは唄うように声をだす。
 パーティーの始まりだ。伝説の楽器が自身の音楽に合わせて魔力の弾丸を撃ち放つ。弾丸は花火の様に鮮やかに燃え、夜の墓場を照らしながらお化けに吸い込まれていった。
「うーん、素敵な夜だねー。オイラも、楽しくなってきたよ」
 墓場をコンサートホールにして、アクセルの奏でる独奏会はさらに盛り上がっていく。
「んふふ~、今日のおばさんは怪物なんだから~。がおがお~」
 ボーナスキャラクター役のレストがボルカノの巨躯の陰に隠れながらパラソル・ステッキを突き出して威嚇する。実に可愛い怪物もあったもんだ。
「えーい、憑りついてやるう!」
 頭上からレストを丸飲みするように、覆い被さってくる白いシーツのお化け。
「あらあら、悪戯っこね~。でもね~、怪物だからおばさんには効かないのよ~」
 それを言うなら、お化け全員が悪戯っこなのだが。キョンシーに見えてその実、強い神性をもつ『神の子』レストに憑りつくのはほぼ不可能だ。ゴソゴソとシーツの下から出るとボーナス担当の役目を全うすべく逃げ始めた。
「レストぽん!」
 レストを守ろうと、彼女に追いすがるお化けたちの前に由奈が立ち塞がる。
「喰らえ! あまりの美味しさに身悶えさせてあげる!」
 炸裂する妹流必殺ご奉仕技『闇料理乱舞』!
 昨日作りすぎた冒涜的な外見の『暗黒お好み焼き』を、無理やり子供たちの口に突っ込み食べさせる。
「ううぅ……おかあさーん……」
 まさに地獄絵図! ゲーゲーしながら泣き始める子供がいたとかいなかったとか。

「リュカシスぽん、手筈通りにやれるかい?」
「ラルフぽん、大丈夫デス。参りマショウ」
 ラルフの問いに、リュカシスが応える。
 ベルトにカンテラを吊るしたボーナス役のリュカシスと、そのサポート役のラルフ。
「子供たち、まずは全力でいくよ」
 洗練された古いアンティークのような――錬金術の結晶である左の義肢を子供たちに向ける。
 ――メギドイレイザー。
 全力で――全身全霊の力が魔力に変換され、エネルギーが左腕に収束されていくのを感じとる。
 一点から放出された魔力は純粋な破壊の力と化し、薙ぎ払うように子供たちに向かう。生体融合魔導兵器、ラルフが使う最強の武器だ。
「悪戯好きのおばけのみなさん、ボクは猫魔法使いのリュカシスです。
 お菓子をかけたゲームを致しマショウ。悪戯ごっこのバトルゲームです。
 ボク達に当てられるものなら、当ててゴランナサイ!」
 隠者のカードで作られた自身の幻影――デコイに紛れ、リュシカスもまた、気合いを入れて初陣に挑む。
 迫り襲い来るお化けには、盾をぶんぶん振り回して迎え撃つ。
(猫魔法使いなのに魔法は使えないけれど、それ以上に頑張るのデス。
 そして、サポートをしてくださるラルフ様の戦い方や動き方をたくさん見て学ぶんだ)
 ヒーローに憧れる少年は、今、長く険しいヒーローへの道程を歩み始めたのだった。

「あいつに集中攻撃しよー!」
 アクセルのマジックミサイルが、魔女っこお化けを襲う。
「ジョゼぽんどいて! そのお化けは、魔女なのよ!」
 続いて由奈の愛用する『嫉妬の包丁』が、狂ったように振りおろされる。決して夜に一人の時に、特に墓場でなんかは見たくない光景、ちょっとしたホラーだ。
「ごめんなー、ファントムナイトに延長はねーんだわ」
 由奈との連携、充分に距離を取ったジョゼのアタックオーダーが、魔女っこお化けの弱点を正確に抉る。
「ジョゼぽんもなかなかやりますね! お兄ちゃんには、まだまだだけど!」
『ううう……降参だよ』

「おぉっと、楽しむついでにボクのギフトでちゃあんと美味しく食べられるお菓子も混ぜてぶん投げようじゃないの」
 右手でレッドホットアップルパイ、左手で美味しいパイを交互に投げるタルトは正にお菓子製造マシーン。『お菓子の妖精』――妖精さんと云うだけだけあって、彼女も悪戯大好きなのだ。
「文字通り当たり付きのお菓子攻撃ね♪」
 ちっさい妖精さんにあんまり働かせるんじゃないわよ、とか思いつつもパイ投げを楽しんでいる。
 そのパイで真っ白に染まったカボチャお化けに、名状し難いアイドルが襲いかかる。
「はい! 我輩の特技は笑顔と筋肉である!」
 魔法の杖はどうした? 岩のような筋肉達磨がカボチャお化けを押し潰した。
「子供だからあんまり怖くはないけど、でもお化けはお化けであるな!」
 実は今まで恐怖をひたすら打ち殺し続けていたボルカノだった。

●エピローグ
「そろそろいいかな?」
 死屍累々まではいかないが半数以上のお化けがリタイアし、残った子供たちもだいぶ疲れているのを見て取ったラルフがゲームの終了を宣言する。
 一番成績優秀だった子供――骸骨のお化けにお菓子の詰め合わせを送る。
 詰め合わせの中には、『君が一番大切な物?』と書かれた問題を解かないと食べられない包装のチョコが一つだけ混ざっている。なお、芋羊羹は入っていない。
(君がこの答に気付いた時、新たな人生を迎えられる筈。努力に対する報酬は裏切りたくない。
 生まれ変わったら、またおいで)
 さらに全員に、各々が持ち寄ったお菓子を配り始めるイレギュラーズ。
(豪華景品のプレゼント! 恐ろしいお菓子を食べるのは、ちょっぴり同情をしてしまうのけど……みんなが頭を捻って考えたお菓子なので、豪華なことには変わりないのデス、ウン……)
 リュカシスが苦いクッキーを配りながら――。
「さあ、これ食べて、よいこはもう帰る時間だぜってな!」
 ジョゼが香りだけは甘い、にっがいお菓子を配りながら――。
「一度戻って、また来年おいでー、ね?」
 アクセルが超苦いチョコを配りながら――。
「はい、これを食べたら、もう収穫祭はおしまいであるよ」
 ボルカノがクソマズお菓子を配りながら――。
「ファントムナイトはもう終わったのよ。お祭り気分なのは大いに結構だけど、今年はもうおうちに帰りなさいな」
 タルトが激辛アップルバイやにっがぁいキャラメルを配りながら――。
「みんな~。よく頑張りました~。は~い、お菓子の時間よ~」
 レストが辛子饅頭を配り、嬉しそうにお菓子を手に取るお化けちゃんたちに少し心を痛めながら――。
(ごめんなさいね……)
 レストは心の中で謝りながら、そっと目を閉じた。

『いただきまーす!』
 お菓子を口にする子供たち――。
『んぐっっっ!?』
 そこに追い打ちをかけるように、
「大丈夫! 見た目はちょっと悪いけど……私特性のクッキーだから美味しいわ!」
 由奈が子供たちの口の中に、触手が蠢く謎の暗黒クッキー『物体X』を無理やり突っ込んだ。
「……うふふ? どう? 美味しいわよね? だって『お兄ちゃん』が『美味しい』って言ってくれた料理お菓子だもの! 歓喜の涙流すほど美味しいに決まってるわ!」
 違う、それは拷問の涙だ。
 また、夜の墓場に子供たちの絶叫が響き渡った。

『ゲームは楽しかったけど、もうお菓子は要らないかな……』『お菓子怖い、お菓子痛い……』『モウイラナイ……』『饅頭……怖い』
 落ち着きを取り戻した子供たちが、しみじみとお菓子に怯える。
「アノネ、おばけサン達。正しいファントムナイトでなら甘いお菓子、貰えるんだよ。
 だから、その日に備えてお休みなさいをしませんか? また来年、おばけの夜に遊びましょう」
「来年まで、ゆっくりおやすみである」
 徐々に存在が薄く――あの世に還っていく子供たちにリュカシスとボルカノがお別れを告げる。

「また来年も、元気に遊びに来てくれるといいのだけれど~」
 賑やかさが消えた墓地を見回して、少し寂しい気持ちになったレストに、
「大丈夫! お菓子を求めてきたお化けちゃん達の望みはちゃんと叶えられたでしょ?
 きっと来年もまた、遊びにくるよ! だって、子供たちはみんなお菓子大好きなんだからね♪」
 子供はみんな楽しいこととお菓子が大好き、そう信じて疑わないタルトだった。


 Congratulations!
 イレギュラーズの活躍により依頼は達成された!

成否

成功

MVP

ラルフ・ザン・ネセサリー(p3p004095)
我が為に

状態異常

なし

あとがき

依頼お疲れ様でした。茜空秋人ポンです。
当初は弱ったお化けたちに、無理やりお菓子を投げつけ退散させるなんて構想でした。
それがまさかのゲーム!?
MVPは作戦立案し、展開を決めちゃった貴方に。

よろしければ、またご縁がありますように。

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