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シナリオ詳細

舞踏会に込める想い
舞踏会に込める想い

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●少女の悩み
「どうしよう」
 少女は悩んでいた。
 来週に行われる貴族の舞踏会に急遽参加する事になったからだ。
 少女は貴族ではなく、普通の町娘なので、踊りなどできはしない。それが重大な悩みだった。
 そもそも貴族ではない普通の町娘が、本来は参加する事などありえない話なのだが、今回は貴族の三男坊のたっての願いで、彼女も参加する事になったのだ。

 少女の名前は、リリィ。
 長い金髪が似合う小柄な美少女だ。スタイルも決して悪くない。

 リリィは貴族の三男坊を思い浮かべた。
 優しい瞳をしたブルネットの姿を。

 (あの方に恥をかかせるなんてできない)
 リリィは彼の事を想って、拳をぎゅっと握りしめた。

 リリィはこうして、ギルドローレットの門を潜ったのだった。


●少女の依頼
 『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)は、面々を見ながらにこやかな笑みを浮かべていた。
「集まってくれてありがとうなのです!今回はですね、甘酸っぱい依頼なのです」
 どこか楽しそうなのは、やはり彼女も乙女だからだろうか。
「依頼主は、リリィさんという方なのです。彼女、実は来週、貴族の方が開く舞踏会に参加する事になったのですが……。彼女は普通の町娘で、舞踏会で踊るようなダンスは全くできないのです。加えて、礼儀作法なども詳しいわけではないので、それらを教えてくれる人を急募しているのです。といっても、数日で完璧にマスターするのは不可能ですから、最低限の練習をしてあげてほしいのです」
 要は、リリィと、誘ってくれた貴族の三男坊に恥をかかせない程度の身のこなしをマスターするのが今回の仕事と言うわけだ。
「ちなみに!」
 ユーリカがこほん、と咳をした。
「リリィさんは鈍くて気付いていませんが、貴族の青年はリリィさんに一目惚れしているのです。ですから、舞踏会に誘ったのです。結果として彼女を悩ませる事になってしまったというのはアレですが、もし可能なら二人の恋のキューピッドになってあげてほしいのです。あと、当日の舞踏会ですが、イレギュラーズの方は特別に招待状なしでも入れるのです。吉報をお待ちしています!」

GMコメント

舞踏会に参加する際のマナーやダンスなどのレクチャーの任務と、当日の見守り隊の任務です。

「成功条件」
・舞踏会でリリィが恥をかかない事

練習パートと、本番パートに別れて描写します。
イレギュラーズの方は自由に参加でき、ドレスなどのレンタルもできます。
戦闘は禁止。
豪華な食事が出ますので、食べながら見守るもよし、ダンスをするも良しです。

●リリィ
18歳。小柄な金髪の女性。綺麗な顔をしている。
町の村娘で、普段は針子の仕事をしている。
仄かに貴族の三男坊に恋心を抱いていますが、相思相愛だと言う事には気付いていません。

●貴族の三男坊
細身の優しそうな美青年。23歳。
リリィに一目惚れしており、勇気を出して彼女を舞踏会に誘いました。
温厚な性格です。

  • 舞踏会に込める想い完了
  • GM名ましゅまろさん
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2018年02月08日 20時50分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

アルファルド・オズ・クエララ(p3p000090)
嘆きの魔術師
メド・ロウワン(p3p000178)
メガネ小僧
リゲル=アークライト(p3p000442)
死力の聖剣
主人=公(p3p000578)
ハム子
スリー・トライザード(p3p000987)
LV10:ピシャーチャ
ニーニア・リーカー(p3p002058)
堕天使ハ舞イ降リタ
スティーブン・スロウ(p3p002157)
こわいひと
ノースポール(p3p004381)
差し伸べる翼

リプレイ

●初めての練習
「よ、よろしくお願いします」
 晴れやかな昼下がりの日。依頼主のリリィが緊張した様子で頭を垂れた。
 『嘆きの魔術師』アルファルド・オズ・クエララ(p3p000090)、『嘆きの魔術師』アルファルド・オズ・クエララ(p3p000090)、『銀閃の騎士』リゲル=アークライト(p3p000442)、『異世界なう』主人=公(p3p000578)、『LV3:ワイト』スリー・トライザード(p3p000987)、『梟の郵便屋さん』ニーニア・リーカー(p3p002058)、スティーブン・スロウ(p3p002157)、 『ふわふわ』ノースポール(p3p004381)の8人係での授業だ。
 さすがに初対面8人の前では、リリィも緊張するらしい。
「ただの町娘が舞踏会の招待状を貰っちゃうなんて、まるで御伽話みたいだよね
リリィさんがヒロインなら僕達はお願いを叶える魔法使いかな?」
 冗談めかしてニーニアが言うと、隣のノースポールがリリィの緊張を感じ取ったのか、素早くフォローを入れた。
「舞踏会で踊るなんて、不安だよね……大丈夫!わたし達が支えるよ。よろしくね、リリィ!」
「は、はい!」
「では、早速はじめようか」
 時間は限られている。各々の指導できる事を、これから彼女に教えてなくてはならない。
 長い様で短い数日が始まったのだった。

●礼儀作法&ダンスの授業
 アルファルドが話す礼儀作法の話をリリィが神妙な顔をして、聞いている。
 平民である彼女にとっては、一つ一つが驚きの連続だった。どこか緊張した表情は、自分がこなせるだろうか、という不安からだろう。
 そんなリリィに、公が優しく微笑んだ。
「こんな作法に何の意味があるんだろうって思うよね。心がこもっていればいいじゃない、っていう人も居るけど、作法を守ることで貴方たちの大切にしているものを私は尊重します、って心を形にして表すのが礼儀作法なんだと思うよ」
「急ぎですから、座学は、ほどほどに実践練習で、学んでいきましょう。とはいえ、焦らずとも、大丈夫。ゆっくりでも、確実な習得が、大切ですから分からない所は、遠慮なく、質問なさってくださいね」
 サポート役を買って出たスリーの優しい言葉に、リリィの緊張はほぐれていく。
 舞踏会の流れをアルファルドたちが説明するのを、たどたどしいながらも、リリィは順調に覚えていった。

「さぁ、次はダンスだよ」
「は、はい」
 かなりぎゅうぎゅうに詰め込まれた時間割だが、日がないのだから仕方は無い。
 手にした不思議なアイテムを弄ると、公の姿がジジジと揺れるようにぶれた後、女性の姿へと変わっていく。
 それを見たリリィが驚いた様子で公を見た。
「あ、これはボクのギフトなんだ。気にしないで」
 女性パートのお手本を見せるため、男性の姿より分かりやすいだろうという配慮だった。
「スリーさん、相手役やってもらってもいい?」
「構いませんよ」
 スリーに声をかけて相手役をしてもらいながら、公がステップを踏む。
「ここは、姿勢に気をつけて」
「は、はい」
 じっと穴が空くのではないかというくらいに、リリィが真剣な眼差しで見つめている。
「ありがとう、スリーさん。じゃあ、次は実際にリリィが踊ってもらうから」
 そう言うと、またアイテムを弄る。先ほどと同じ様に姿がぶれた後、今度は男性の姿へと変化した。
 リリィの手を引き、彼女の腰へと手を回しながら、レッスンが続けられた。



 練習が終わったリリィに、メドが優しく声をかける。ダンスレッスンは実は結構体力を使う。へとへとになったリリィが部屋の隅で座っている。
 冷たく冷えたドリンクにサンドイッチを見て、リリィが嬉しそうに微笑んだ。
「お気遣いありがとうございます」
「何か欲しいものがあったら遠慮なくいってください」
「はい」
 タオルを受け取りながら、リリィが頷く。
 休憩中の時間は楽しい物だった。
 最初の緊張はどこへやら、甲斐甲斐しくも丁寧な8人に対して、気付けば心を開いていたリリィ。
 質問攻めにあえば、戸惑いながらも、ぽつぽつ、と応えている。
「ねぇ、彼のどんなところが好きなの?いつから?」
「えっと、私のお店にあの方がいらっしゃって……」
 女性の恋話というのは、いつの世も華やかだ。
 男性陣は、少し離れた場所から女性陣を見て、互いに顔を見合わせ笑った。


 30分ほどの休憩を挟み、続いては当日のドレスについての打ち合わせが始まった。

「着慣れねぇにしても、こいつはしっかり慣れといてもらわねぇとな……ダボダボじゃ格好がつかねぇぜ」
「く、苦しいです」
 軽めのコルセットではあったが、普段そんなもの着ないリリィにとっては、中々どうして大変だった。苦しそうに眉根を寄せる様子に、スティーブンは苦く笑った。
 用意したヒールは、彼女の足が痛くないように、つま先や踵に綿を仕込んだものだ。スティーブンの気遣いに、リリィは気付いたのか、スティーブンの顔を見て、ぺこりとお辞儀をした。
 スティーブンの仕立てるドレスを、リリィはとても楽しみにしていた。いや、リリィだけではない。サポートで参加する女性陣のドレスもスティーブンが仕立てる事になっていたので、他の女性たちもとても楽しみにしていた。
「我が輩の主観だが、ドレスは、極力脚を見せないデザインの物が良いのではないか?」
「ああ、確かに正式な場だしな。品があるほうが良いな」
「ヘアアレンジは必須だろうな」
 王という経験から、アルファルドがそう言った。王族であった彼は、舞踏会なども経験があるのだろう。
「こっちは少し人目を引くように大胆にしとこうかねぇ……他の連中の目は引きつけてくれよ」
「あ、僕、実はちょっとリサーチしたんだ!好みとか」
 ニーニアが元気に手をあげる。
「貴族のお兄さんは薔薇の花がお気に入りなんだって。色はピンクが好きだって。庭にも彼が育ててる薔薇があるみたい」
「なるほどな、参考になるな」
「僕、街で良い感じの髪飾り見つけたから買ってみたんだ」
 ニーニアの出した髪飾りは派手すぎず、しかし美しいデザインの品物だった。
「良いじゃねぇか」
 8人によって、話し合いは行われ、ニーニアの髪飾りは正式に採用される事になった。
「当日が楽しみだな」


●練習最終日
「リリィさん、練習、お疲れ様でした。色々と覚える事が多く、大変だったかと、思います。本当に良く、努力なさいましたね。後は自信を持って、本番に臨みましょう」
「舞踏会の間だけでも自分が町娘であることは忘れよ。貴殿は招かれた客の一人、胸を張って堂々としていれば良い。
 スリーとアルファルドの言葉に、リリィが力強く頷いた。
「最後に誰でも使える簡単な魔法を教えるとしよう。人差し指を口の両端に当て、上に向かって押す……以上。笑顔……、微笑みは人を魅力的に見せる。そして、それが心からのものであったなら、相手からも微笑みを引き出すことが出来る。幸福を連鎖させる善の魔法だ……舞踏会で不安になった時は使ってみると良い」
「幸福の、魔法、ですか」
 アルファルドの言葉を戸惑いながらもリリィは理解したのだろう、優しく笑った。
メドが、リリィに近づき、真剣な表情を浮かべる。
「舞踏会が上手くいったら、是非とも想いを伝えてほしいのです。気休めかもしれませんが、きっと上手くいくと思います」
 その言葉に、リリィが赤面した。
「え、そ、その」
 戸惑うように視線を明後日の方向にやるリリィだったが、決してメドの言葉が不快だった訳ではないらしい。むしろ、その言葉には照れはあったものの、どこか嬉しそうだった。
「明日、頑張ろうね。リリィ!」
 ノースポールが、リリィの手をぎゅっと握る。
「完成したドレスは、最後の直しをしておくぜ」
「は、はい、お願いします」
「貴女の努力と志は、誰にも引けを取りません。きっと想い人を幸せにすることができますよ。これを」
 リゲルがリリィにガーベラの花束を差し出す。
「前に進め、という花言葉がこの花にはあります。貴方の気持ちは伝わりますよ」
「ありがとう、ございます」

 (緊張するけど、皆さんがこんな親身になってくれた……大丈夫だわ、絶対)
 8人の心遣いに、リリィは覚悟を決めた。

●本番!
 泣いても笑っても、一度限りの本番の日を迎えた面々。控え室でリリィに最後の発破をかける。
「よし、飛びきり似合うぜ。坊ちゃんを釘づけにしてきな」
 スティーブンが仕立てたこの世に一着しかないドレスに身を包んだリリィが、少し緊張した様子で頷いた。
「大丈夫だよ、リリィ!行ってらっしゃい!」
 ノースポールもまた参加者だ。同じくスティーブンが仕立てたドレスを身に纏ったノースポールの姿は可憐だった。
「ノースポールさん、素敵です」
「ありがと!」
「少し、まだ心配ですけど……」
「失敗を心配するよりも、せっかく誘ってくれた貴族さんに綺麗になったリリィさんを見てもらって喜んでもらえるようにしようよ! その方が頑張れる気がしないかな? 大丈夫、そのために僕達が来たんだから!」
 少しだけ不安そうなリリィにニーニアが微笑んだ。
「近くにボクはいるから、ピンチだったら呼んでね」
 公が男の姿で、頼もしい言葉を言うと、リリィがふふ、と笑った。
「今日は男性の姿なんですね」
 男女を入れ替えられるギフトが面白かったのだろう。先日のことを思い出して、緊張が僅かにほぐれたらしい。
「では、行ってきます」
 ドレスを摘まんで、リリィが8人に礼をする。
 ここからは、彼女の頑張り次第なのだ。

 リリィはゆっくりと男へと近づいた。
 男の周りには、着飾った女性がたくさん居た。皆、煌びやかな宝石で身を包んだ女性ばかりだ。
 リリィの可憐な姿に、興味を持ったのだろう。壮年の男が一人リリィに近づこうとしたのを見て、メドが自然な装いで近づき阻む。
「あの~、すみません。お手洗いはどちらでしょうか?」
 ふわふわとした風貌は、保護欲をかきたてさせるのか、その壮年の男は特に不愉快そうでもなく、優しく教えてくれた。
「これは素敵なお嬢さん、私とも一つ踊ってはいただけませんか?」
 三男坊に声をかけていた若い女性が、正装に身を包んだスティーブンの言葉に、ほんのりと頬を染めた。
 手を取りながら、ホールへと歩いて行く。
「わ、すごい」
 その様子を見ていたノースポールは、感嘆の声をあげた。
「やっぱり大人の魅力かな」
「はは、さすがだね」
 ノースポールの手を引きながら、リゲルがホールへとエスコートする。
 その様はさながら王子様の様だ。
 演奏がはじまり、二人は共に踊り始める。
 みっちりと練習した成果はしっかりと出ていた。危なげのない軽やかなステップで、二人は踊る。
「まぁ、可愛らしい」
「王子様みたいね」
 リゲルの端整で華やかな容姿に、女性たちは黄色い歓声をあげた。
 (頼み事をするのは不得手なんだけど……勇気を振り絞って良かった)
「リリィさんを支えられるよう精一杯頑張ろう!」
 小声でリゲルが囁くのに、ノースポールが微笑みながら頷いた。

 男の周りにはまだ女性が居たが、リリィに気付いた男は、それらの女性に優しく微笑みながらも、断りの言葉を口にする。
 リリィを前にし、男は微笑んだ。
「すごく、似合ってるよ」
 照れた様子で男がリリィを見る。リリィもまた照れた様子で、俯いた。
 (頑張って!)
 ニーニアがリリィの視界の端っこで小さく拳を少しだけ上げ、応援した。
 リリィが覚悟を決めた様子で顔をあげると、視線が男とあった。
 けれど、今度は視線を逸らす事は無い。
 音楽が奏でられれば、ドレスの両端を持ち、軽くお辞儀をした。
 (皆が教えてくれた。絶対上手くいく)
 そんなリリィの手を、男が取った。どこか緊張した様子ではあるが、二人とも少し嬉しそうだった。思いあっているのだから当然ではあったが、二人の性格からして、こんなにすぐに行動を起こせたのは、イレギュラーズの後押しがあってこそだった。
緩やかな曲の中、ゆっくりと踊り始める二人を、皆が見ていた。
 視線の中には嫉妬の視線もあったが、不思議とリリィには不安も焦りもなかった。
 (だって、皆さんが見ていてくれているのだもの)
 共に踊ってくれているノースポール、リゲル。彼らが近くで踊ってくれるからこそ、勇気が沸いてくる。
 スティーブンが仕立ててくれた綺麗なドレス、ニーニアが用意してくれた髪飾り、どれも自分には過ぎたものだけれど、大切な大切な品物だ。
 ただの町娘にしかすぎない自分に、礼儀作法を教えてくれたアルファルドたち。
 感謝してもしきれない。
 (だから勇気を出さなければ)
 こんなにたくさんの人から助けて貰って、何の結果も残せないなんて、リリィも嫌だった。

 一曲が終わった後、リリィは勇気を出して男に愛の告白をするべく、口を開こうとして、男によって止められた。
「……っ」
 思わず後ろへ下がりそうになったリリィだったが、男がその手をぎゅっと握る。
 無音の中、二人のそんな様子に周囲が気付き、彼らの周りを空けるように人が避けた。
 (大丈夫、かな)
 何かあったらすぐさま行動する気だったメドが、少しだけ心配そうな視線を二人に送る。だが、二人の間に漂う空気は、嫌な物ではない事が分かり、見守るように少しだけ近い位置で彼らを見た。
「……あ、あの」
 リリィが戸惑いながら小さく声をあげた。
 ざわついていた会場が一転して静かになる。
「今日は来てくれてありがとう。リリィ」
「は、はい」
「今日の君はいつもよりもずっと綺麗だ」
「あ、りがとうございます」
 会場の面々が見守る中、男は気障な台詞を紡いでいく。それが嫌みにならないのは、彼の人柄だろう。
「あ、あの……」
 メドの言葉を思い出して、リリィが告白するべく口を開いた。
 けれど、男はそれを拒絶するかの様子でゆるりと首を左右に振る。
 (リリィ、さん)
 そんなまさか、とメドが不安そうに見つめるが、事態は悪い方向を向いてはいなかった。
 ゆっくりと男が跪くと、リリィの左手をそっと持つ。
「私は情けない男です。けれど、貴方を想う気持ちは誰にも負けないつもりです」
 その言葉は真摯であり、心からの言葉だった。
「私と婚約してください。リリィ」
 その言葉に、周りの女性陣から黄色悲鳴が上がった。悲鳴の種類は色々だった。嫉妬からのショックの悲鳴だったり、素敵、と言わんばかりの明るい悲鳴だったり様々だ。
 けれど、漂う空気は決して嫌は物ではなかった。
 リリィは少し戸惑った様子で、自身を助けてくれた8人へと視線をやった。
 8人の視線が言っていた。「頑張れ」と。
 リリィはぎゅっと拳を握りしめ、精一杯の勇気を出した。
「よろしく、お願いします」

「2人の幸せに、心からの祝福を!」
 ノースポールの言葉に、わっと、会場が沸いた。

 舞踏会は、その後お祝いの場へと変わっていた。
 どんちゃん騒ぎとまではいかないが、貴族のお堅いダンスパーティとも違う不思議な雰囲気だ。
 少し疲れた様子のリリィたち二人を、スリーが気遣った。
「お疲れのご様子、あちらで暫し、ご休憩されては如何でしょう」
 頷く二人を見送りながら、スリーはほっとした様子で微笑んだ。
 (二人きりにしてあげましょう)
 あえて、二人を不躾に見る気などない。
 二人のこれからの幸せを祈りながら、スリーはその場を後にした。


 その数ヶ月後、二人の結婚が決まったと知らせが届いたのだった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

お疲れ様でした。
また、よろしくお願いします。

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