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シナリオ詳細

ワイハビーチ・セーバー

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●夏は終わらない、いつまでもだ!
 常夏の島、ワイハアイランド。
 毎年寒い時期になると夏を忘れられない観光客がやってきては熱い日差しと心地よい波を感じようと無数の観光客が訪れる。
 真っ赤な太陽!
 ビキニのチャンネー!
 鳴り響くクラブハウスミュージック!
 そのさなかに、イレギュラーズたちは……いた!

 時は遡ることちょっと前。
 幻想が砂蠍だ鉄帝だゆーてる時でも世界は回っていて、海洋から舞い込んだ依頼をそうそう無碍にもできない。
 とはいえ放っておくと軽く数百人がドッと動き出すローレットである。このくらいの余裕はあろうというものだ。
「今回の依頼はライフセーバーの代行だ。だが、ただ高いところで双眼鏡を覗いていればいいってワケじゃあないぞ」
 依頼人はワイハアイランドのビーチでライフセーバーをしているジョンソンという男だ。
 見るからに筋肉の塊って感じの男だが、その筋肉は海でおぼれた人を助けたりビーチの安全を守ったりするために使われる。
 が、そんな彼が包帯をまき、腕をつっていた。それだけの事件がビーチで起きたということを意味している。
「ビーチは平和で安全な場所だ。だがそれは俺たちが守っているからであって……放っておけば危険な連中がごろごろとやってくる。見てみろ」
 ジョンソンが机に広げた写真は、ビーチを狙う悪人図鑑のようであった。

 ケース1:置き引き
 ビーチで水着姿になり海へ飛び込む客たち。当然ながら荷物はまとめて置いておくことになり、不用心な時には見張りすらたてていない。
 そんな連中を狙った置き引きグループは、ビーチを海鳥を使ったファミリアーなどで偵察し、気配遮断や忍び足を用いたステルス窃盗術で荷物を奪っていくのだ。奪われた荷物が戻ってくることはない。
 そんな彼らをいち早く発見し、現行犯で捕まえることこそがライフセーバーのつとめだ。

 ケース2:船上火災
 ビーチから離れた沖ではマイボートの上でリゾート気分を味わいきっている輩も多い。
 そんな彼らは時として火の扱いを誤り、ボートの上で火事を起こす。燃料が海上に漏れ出れば海の表面は広い炎に覆われ、ボートもたちまち炎と煙に包まれてしまう。
 そんな彼らのもとへいち早くたどり着き、そして脱出させること。
 もしライフセーバーが怠ったなら、彼らの命は失われるだろう。

 ケース3:重大犯罪グループ
 リゾートでうかれた人間は隙を見せる。それゆえ悪人たちはその隙をついてくるのだ。
 特に深刻なのは一人きりになった女性を拉致するグループや、子供に劣悪な麻薬を売りつけるグループたちだ。
 彼らは殺人すらいとわない用心棒を抱えており、もし見つけたなら相応の戦闘力をもって撃退しなければならないだろう。
 敗北したならば、この世に新たな悲劇が植え付けられ、悪が笑うのだ。

「俺はこの通り大けがを負ったが、監視業務だけならできる。ビーチを知り尽くしているのも俺だしな。だから、君たちには犯罪者が現われた時、もしくは救助が必要なとき、飛び出す準備をしていてほしい。たのんだぞ!」

GMコメント

 海洋の常夏ビーチで犯罪者と戦う。これは平和な世界を守るための戦いと言っても過言ではないだろう。
 では早速、役割ごとに解説していこう。

 この依頼ではそれぞれがそれぞれの任務に集中するため、役割をあらかじめ分けておくことを推奨する。
 全てを対応しようとすれば、たちまち行動力が底をついてしまうのだ。

【置き引き犯対策】
 ビーチでは日常的に、そして頻繁に置き引きが行なわれます。
 監視塔の位置は決まっており犯人グループもそれを熟知しているため、必ず裏をかいてくるでしょう。
 しかしご安心ください。
 今回雇われたイレギュラーズたちは顔割れしていないため、観光客のふりをしてビーチを歩き回っていれば犯人を見つけることが可能になるのです。
 勿論犯人もプロですので、『怪しい行動』をとるまえにサッと荷物を奪って逃げてしまいます。

 重要なのはここからです。
 荷物をもって逃げ出した置き引き犯を捕まえるには、足が必要です。全力で走れる足。つまり機動力です。
 もしくはビーチでひとより早く移動できるなにかしらの手段をもっていることでしょうか。
 犯人に追いついたら彼らを実力行使によって捕まえましょう。
 犯罪を裁くのは役人の仕事なので、生かして捕まえるのがベターです。殺したらダメってわけじゃありませんが、後味が悪く、ビーチが確実に凍ります。

【船上火災対策】
 もし船上で火災が起きたなら、定期的に島周辺を巡回している使役鳥ネットワークが発見、通報する仕組みになっています。
 燃えている船までは限られたジェットスキーを用いて進むため2~4人までしか急行できません。(自分の足や羽根では遅いのです)
 現場の海上は漏れたオイルによって燃え上がっており、ただ立っているだけでもキツい息苦しさを覚えるでしょう。呼吸不要とかあると実は便利です。
 また飛行できるならもっと素晴らしく、船の上で救助を求める人を担いで離脱することができます。
 もしあなたに医療知識があるなら怪我をした人やおぼれた人を適切に応急処置することが可能です。
 どのみちビーチまで運び終えればジョンソンが適切な医療処置をするのでご安心ください。ライフセーバーってのはそういうプロです。

【重大犯罪対策】
 このチームに配属されたなら、通報を受け次第現場へと突入します。
 ビーチというより町側。それもひとけの無い場所で重大な犯罪は行なわれており、そこへ飛び込んで用心棒に対し実力を行使することになります。
 用心棒に関しちゃいっそ殺してしまっても構いませんが、犯罪抑止の目的から誘拐犯や麻薬売人たちはとらえるのをお勧めします。方法は簡単です。用心棒をメッタメタにした後『手を上げろ』と言うだけです。不殺スキルを使わない場合のスマートな不殺です。
 ただし、通報を受けて急行する場合大体は1~2人でことにあたるため、このチームを担当するならそれなりの個人戦闘力が必要です。
 特に回復専門の方は向かないかもしれません。仮に行くとしても、必ずアタッカーとタッグを組むようにしましょう。

【アドリブ度】
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用くださいませ。

  • ワイハビーチ・セーバー完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年11月16日 21時35分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (8人)

Lumilia=Sherwood(p3p000381)
優響の音色
北斗(p3p000484)
遠い海からやってきたトド
カイト・シャルラハ(p3p000684)
風読禽
海音寺 潮(p3p001498)
揺蕩う老魚
秋宮・史之(p3p002233)
浮草
マリナ(p3p003552)
マリンエクスプローラー
シエル(p3p006444)
天空の狙撃役
矢都花 リリー(p3p006541)
(((´・ω・`)))シ ミゞ

リプレイ

●常夏の島
 さざなみに響くクラブミュージック。
 水着姿の人々が遊び、くつろぎ、バカンスに興じるここはネオフロンティア海洋王国のワイハビーチ。
 コンテナタイプの監視室からその光景を眺めていた『揺蕩う老魚』海音寺 潮(p3p001498)は波の音に目を瞑った。
「若いころ似た様な事をやったのう。規模は今回の方が桁違いな分頑張らんとな」
 監視室はいわゆる透明なコンテナタイプ。砂浜から三メートルほどの高さにあるこのコンテナからビーチを見回し、必要ならば拡声器を使って呼びかけをすることができる。とはいえ、ビーチの安全と安心を守る立場ゆえ、主な使い方は休憩と監視のみになるだろう。
 『特異運命座標』シエル(p3p006444)はそんな監視室の屋根に立ち、ぐるりとビーチを見回している。
 広い海と長い砂浜。
 相応に人員を必要とする広さだ。
 振り返ればいかにもシーサイドといわんばかりのホテルが建ち並び、道の並木として椰子の木が等間隔に飢えられている。
 100パーセントの観光地だ。
 気候の影響で一年中が真夏日だというのだから、この施設投資も無駄にならないのだろう。
 が、それだけに犯罪も横行するのだ。
「せっかく観光客がバカンスを楽しんでいるのにそこを狙うなんて酷い人達ですね。地の果てまで追いかけて問答無用で1人残らず捕まえるとしましょう」
 そういって、手足を簡易飛行モードにして飛んでいくシエル。
 フルートを手にその様子を見送っていた『白き渡鳥』Lumilia=Sherwood(p3p000381)は、少し前に経験した海の家を思い出していた。
(旅人として、たまにはこういうお仕事も良いでしょう。私自身の息抜きにもなりますし、ただの旅人では請け負えなかったかもしれない大役です……)
 Lumiliaの考えるイレギュラーズ感からは外れるようだが、経験としては悪くない。そんな受け取り方のようだ。
「小さな平和ですが、手の届く平和を守るのも、また気分の良いお仕事です」
 翼を広げ、出番を待つまでの間にと演奏を始めるLumilia。

 聞こえてくる増えの音に、ビーチの監視員をかってでた『遠い海からやってきたトド』北斗(p3p000484)と『大空緋翔』カイト・シャルラハ(p3p000684)が振り向いた。
 海は北斗、空はカイト。足の速さではシエル……という具合に割り振るために相談をしていたようだ。
「今回はぁ、基本的に平和な部類の依頼ですねぇ。おいら的にはぁ、今回は海洋の平和のために頑張るんだよぅ」
「俺も海は大好きだしな。たまにはビーチもいいもんだ!」
 からからと笑うカイト。
 なにげに名前の語呂が近いからか、北斗もつられておうおうと笑った。
「小さな平和? いいえ……これは重大な海洋王国の平和維持活動だよ」
 『特異運命座標』秋宮・史之(p3p002233)が眼鏡のブリッジを中指で押しながら現われた。陽光がレンズに反射し、人相に迫力をもたせる。
「女王陛下の統べるネオフロンティア海洋王国のビーチに暗躍する不届きな輩……許せない!」
「圧。圧がすごすぎるでごぜーますよ」
 『マリンエクスプローラー』マリナ(p3p003552)がその後ろからそーっと顔を出した。
(秋宮さんはじゅくじょずきなのかな……)
「なにか?」
「なんでもねーっす! 海の平和を荒らすやつはゆるせねーっすね?」
「デスヨネ!!」
 今日の史之は圧が倍。
 暫くでっかい貝殻に収まっていた『なげやどかり』矢都花 リリー(p3p006541)が顔だけをにょきっと出した。
「ライフセーバーねぇ。まぁ……そんな言う程何も起こらないっしょ。潮だまりで日向ぼっこしよ……」
 よじよじ潮だまりに這っていって、よっこいしょとひなたぼっこの姿勢になった……その時。
 監視室のサイレンが鳴り響いた。
『沖にて火災発生。セーバーは急行せよ。繰り返す――』
「えぇ……もう……? いみわかんない……」
 さあ、一日続く激務の始まりだ。

●戦場火災救助班
 ライフセーバーは選ばれし猛者たちである。
 ビーチの監視、困りごと全般の解決、犯罪の防止と抑制、そしてなにより重要とされる海難事故の防止と救助を役目としている。本来これら全てを同時に担うが、今回臨時セーバーとなったイレギュラーズは分担制でコトに当たった。
 戦場火災は一瞬一秒を争う。
 なにせ船が燃えれば当然煙に包まれ、海に逃げようにもあたりは文字通り火の海だ。
 たちまち煙に巻かれてしまう。
 救助は勿論、蘇生に間に合わなければ即死亡ということもありうる。
「さあ、行きましょう」
 ジェットスキーに跨がり、アクセルリングをひねるLumilia。
 猛烈なスピードで水上を走るリリーが同上。追って走り出すジェットスキーには潮が跨がった。
 船が見えてくる。
 ジョンソンから指定された座標に近づけば嫌でも分かる。燃えさかる炎とあがる煙がなによりの目印だ。
 潮は自分が先行することをハンドサインで知らせると、ぬらしたバンダナを鼻から下に装着した。
 煙を吸わないための工夫だ。同じように装着することをLumiliaたちに指示すると、一足先に海中へとダイブ。
「アツいのは船も人もメンドくてイヤなんだけど……ま、行こっか」
 リリーは同じく海中に飛び込むと、船へと近づいていった。
 船はいわゆるクルーザー。バカンスに訪れていたのか、金持ちと水着のねーちゃんといういかにもな顔ぶれだった。といっても、救助に性別も身分も関係ない。
 潮と共に船内によじ登っていったリリーたちは炎を振り払いながら船上で慌てている人々を落ち着かせた。
 空中を飛行したLumiliaが舞い降り、船上に出ていた人々を抱えてゆっくりとだが上昇、ジェットスキーへと移動していく。
「まだ残されてる人が!」
「ふむ……では行こうか」
「しょーがないな……」
 どっから出したのかバールを握りしめると、閉じられている扉やなにかをめきめきと破壊し始めた。なんだこのバールの正しい使用方法は。
 煙にまかれて声が出せないのを察したリリーは手にしたバールやハサミでそこらへんを叩きながら移動。救助が近づいたことを本能的に分からせる。
(いたぞ!)
 潮がハンドサインで知らせると、要救助者を抱えて船を飛び出した。
「飛び込むぞ!」
「えぇ……」
 燃えさかる海へと一気にダイブ。
 暫く海中を得意の水泳と行動力で泳ぎ抜けると、潮はジェットスキーの後部に接続したゴムボートへと救助者を乗せた。
「煙を吸って意識が朦朧としとる。今すぐ回復が必要だぞ」
「応急処置は簡単にしかできませんが、肉体ダメージの回復なら任せてください」
 Lumiliaがボートの上まで飛んできて、ハイ・ヒールの魔術をかけ始めた。
 スキル等によるHP回復と医療行為は根本的に別物で、火災や焼けどのダメージと火炎系BSもなにげに別物(火炎無効持ちでも可燃)ではあるのだが、全く無関係とも言い切れないところがある。
 肉体に負ったダメージを一旦回復し、残る適切な医療行為を受けさせるべくLumiliaとリリーは即座にジェットスキーを用いて帰投した。
 一方で潮は現場に残り、簡単な消化剤を周りに撒いて火災の広がりを押さえる作業をはかる。
「人の命も、海の安全も、両方守ってこそじゃよ」

 海岸に戻ってきたLumiliaたちは、即入院が必要な者を救急馬車に乗せて搬送させ、その場に残って不安がる人たちに音楽演奏を聴かせて落ち着けていた。
 仕事が一段落してほっと息をつくリリー。
「終わった? お疲れ様ー。じゃあお昼寝でも……」
『沖にて新たな火災発生。セーバーは急行せよ。繰り返す――』
「嘘ぉ……」
 ライフセーバーの仕事は止まらない。

●置き引き対策班
 サイレンにせかされるように走って行くジェットスキーを、北斗は薄目で見送っていた。
 こちらは置き引き対策班。
 たかが置き引きと侮るなかれ。ビーチにおける窃盗はきわめて深刻で、グループを組んで計画的に窃盗を行なう彼らを止めるのは相当に難しい。
 北斗は荷物の多いところに陣取って寝たふりをして監視するつもりだったが、ビーチは横に広く観光客は当然間隔を開けてひろーく点在しているため、荷物の多い場所というもの自体がなかった。
 結局のところ、定期的に移動しつつ寝たふりをして監視することになったが……。
「そこのー! 止まれよー! さもなくばこの爪で服をずったずたに引っ掻くぞ!」
 カイトが翼を羽ばたかせながら真横を駆け抜けていった。
 その前を走るのは置き引き班だ。
 スピードをとにかくあげてじわじわと追いついたカイトは相手の肩に体当たりをしかけて強制的に転倒させると、ばさばさと羽ばたきながらつついて抵抗力を奪った。
「へへっ、海辺は俺のテリトリーだぜ!猛禽に狙われる餌の気分はどーだ! 北斗! 手伝ってくれ!」
「今行くんですよぅ」
 カイトが押さえつけて居る間に相手から荷物を取り上げる北斗。
 これを一旦警備隊に預けて(間接的に)持ち主へ返す流れになるのだが……。
「誰かー! そいつを捕まえてくれー!」
 後方から声がした。
 ハッとして顔を上げると、ディープシーの男が財布を握ったまま海へと飛び込んでいった。
「まずいぞ、海中に逃げる気だ! 北斗、そっちは頼む!」
 犯人を押さえつけているカイトに荷物を渡すと、北斗はホバーダッシュで海上へと直進。ジャンプ一発で海中へと潜り込んでいった。
「悪い事するのをぉ、見ていたんですよぅ」
 ディープシーのライフセーバーは多い。相手とて海中が安全だとは思っていないだろう。
 抵抗にと魔術の弾丸を放つ置き引き犯。北斗は左右にぐねぐねと泳ぐと弾丸をかわし、体当たりを仕掛けた。
「…………」
 その真上を飛行して通り過ぎていくシエル。
 どうやら手を貸すまでもなかったようだと判断すると、身体を傾けて再び海岸線の警備に戻った。
 ビーチというのは広い。
 かの有名なワイキキビーチの構成ビーチはそれぞれ3~500メートルはある。
 このビーチも例外ではなく、往復するのに結構な時間がかかるものである。(勿論常時全力移動ってわけにはいかないので想定よりずっとかかる)
 が、その点シエルは基本的な機動力が人の倍あり飛行能力も有しているということで巡回には適していた。強いて弱点らしいものを探すとすれば、視力をはじめとする探索力の拡張スキルを持っていないため犯人捜しが気合い頼りになることくらいだろうか。
「あれは……」
 シエルはクーラーボックスを持って歩く水着姿の男を見つけた。
 男は海岸に広げられた誰かのシートの上にボックスを一度だけ置くと一瞬で持ち上げてそのまま通り過ぎてしまう。
 が、しっかり監視していたなら気づくだろう。ボックスの下に小さなポーチが置いてあったこと。そしてボックスを持ち上げた途端消えて無くなっていたこと。
 仕掛け箱だ。
「目標を発見。逃がしませんよ」
 シエルは足を変形させて高速飛行モードに移行すると、とんでもない速度で犯人に接近。腕に装着していた格闘パーツを非殺傷モードにすると、接近した犯人めがけてテーザー端末を発射。激しいショックを与えた。
「さぁ、大人しく逮捕されてください、抵抗するのなら……おや?」
 砂浜を盛大にはじけさせるように着地し、振り返る……と。
 犯人はクーラーボックスを抱えたまま気絶していた。
「目標の確保を完了。警備隊に引き渡します」
 シエルは男とクーラーボックスを抱えると、速度を大きく落として警備隊詰め所へと飛んでいった。

●重大犯罪対策班
 警備隊詰所にカイトやシエルが置き引き班を連れ込んでいる間、史之やマリナたちは観光地の裏で行なわれている犯罪へと対応していた。
 多数の海賊や海魔に対応すべく海まで警戒範囲に含めた海上警備隊のフットワークは決して軽いとは言いがたい。
 特に観光地で行なわれる無数の犯罪をカバーするには、地元のパワーそのものが必要だ。
 そこへ来て力を発揮するのがライフセーバーだ。
 管轄範囲外と言われるかもしれないが、ビーチの平和を守るという意味では、これもライフセーバーの使命にも含まれるのだ。
 比較的荒事慣れしたローレットが手伝いに来たタイミングに乗じた、とも言える。
「理由など何でもいいのさ。女王陛下の海と島を汚す者は……なんぴとたりとも許さない!」
 腕をまくって腕時計を顔の高さに掲げる史之。
 やる気ゲージ200%の彼は腕時計の操作盤にタッチすると真っ赤なエネルギーシールドを展開させた。
「圧がすげーです……」
 その後ろからひょこっと顔を出すマリナ。仕事はしますよとばかりにフリントロック式の魔道銃をちゃきっと翳した。
 麻薬販売。人身売買。売春その他。ビーチの裏で行なわれる闇の取引。
 その現場に押し入り、悪党を捕まえるのが彼らの役目。

「いい天気だね。いいんだよ? 手を上げても。いっしょにおててのヤバイものも足元においてみようね」
 早速コンテナ置き場の隅で行なわれていた子供相手への密売現場を押さえた二人は、武器を翳して犯人たちを威嚇した。
「女子供を食い物にするのは絶対にゆるせねーでごぜーます」
「へっ、子供になにが出来る」
 筋肉の豊かなサングラス男が首を鳴らして前へ出る。用心棒ということだろう。子供たちは恐怖の余り逃げ出し、犯人は用心棒への安心感か少し後ろに下がっただけだ。
 マントを払い、マリナが銃の狙いをつける。
「こう見えても立派な『海の漢』なんですよ。チョロい小娘では無い事を思い知らせてやりますよ」
「僕は違うけど、まあ似たようなものさ――行くよ!」
 史之は腕時計から展開したシールドをナックルモードに変形させるとサングラス男へと殴りかかった。
 両腕をガードして防ぐサングラス男。
 史之の首を掴んで強引に投げ飛ばす――が、身体のしびれに歯噛みした。
 マリナはその隙を見逃さない。
 フリントロックガンの一発がサングラス男に直撃。
 非殺傷弾を詰め込むと急速に接近。
 仰向けに倒れたサングラス男の胸に片足を乗っけると、額に銃口を突きつけた。
「用心棒さん、こんなお天道様に顔向けできない仕事じゃなくて、私の船員とかなりません? しっかり罪を償いながら考えてみてくだせー」
「な、なんだって……?」
「いつでも募集中でごぜーますよ」
 そう言ってトリガーをひくマリナ。
 用心棒が倒されたことで、犯人は逃げ出そうとしていた。
「おっと逃げるんですか」
「手を上げろ! さもなくばぶっ殺す!」
 投げ飛ばされた体勢から転がるように復帰した史之が後ろに回り込み、腕時計をはめた手を指鉄砲の形にして突きつけた。
 本当に殺すつもりはない。
 だが史之の圧の強さに気圧されたのか、両手を挙げて膝を突いた。

 こうして、今日も海洋の平和は守られている。
 小さな平和。しかし町にくらす人々にとっては大きな平和だ。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――mission complete!
 ――Good Job!

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