シナリオ詳細
<漆黒のAspire>深森の誘い
オープニング
●<漆黒のAspire>深森の誘い
冠位色欲の凶行を何とか退けた幻想王国の『ギルド・ローレット』。
しかしその戦火の後にはオーナーであるレオンは行方知れずになり、今やギルドオーナーの代理として、彼の帰りを待ちながらイレギュラーズ達に依頼をするのはユリーカ・ユリカ。
……しかしそんな彼女の元に、更なる苦難。
『世界各国に、影の領域が出現した、との報告が来ているのです」
集められた君達を真っ直ぐに見上げながらユリーカが告げた言葉。
影の領域……ラサより北西、深緑よりは遙か西に位置する人類唯一の未踏領域。
厳しい山道の先にある覇竜領域ですら踏破したのに……ここには切り込めなかったのは……魔種達の本拠地であるから故だろう。
「正しく言うと、影の領域に繋がった端末と言うか、影の領域の蛇口と言うか……」
いつもと違い、情報は途切れ途切れ……それは、彼女、いや……人類が持ち合わせる情報量が極めて少ない事を如実に示す。
とは言えこの『影の領域』は、魔種達の本拠地に繋がるワームホールであり、橋頭保。
この地を放置していては、魔種陣営の戦力は混沌各地に幾らでも供給されてしまう……さすれば人類は疲弊し続け、五日は崩壊する。
今迄バグホールによる混乱を背景にして、攻勢を強めてきていた彼等の狙いこそ、世界各国の更なる混乱と共に完全なる破壊ヲ目指している事だろう。
つまり、世界中がそれぞれ追い詰められることで、イレギュラーズの力により勝ち得た『人間の連携』をも崩壊する、と目論んでいるのだろう。
つまり、これは魔種達による総仕上げ。来る神託を迎え入れる為。
「ボク達の理想は、各地の橋頭保の破戒なのです。ですが、それが出来なかったとしても、せめて侵食を食い止めないと、皆が……こんな声明が見つかったのです」
悲痛な表情を浮かべたユリーカは、メモ書きを取り出す。
「アクレシアさんが、最近その名前を聞いたと聞いて……イレーヌさん達とも連携して文献を調べ直したです」
そしてユリーカは。
ーーごきげんよう、皆さん。
ルクレツィアがお世話になったようですけど、もう冠位では力不足。
これより先は私、『聖女』マリアベルとBad end 8がお相手いたしますわ。
どうぞ、手加減等なさらぬよう。ラスト・ダンスまでそのステップは後悔のないように!」
それを読み上げた後、ユリーカはもう一度皆を見渡し。
「世界各国に、『Bad end8』が現れるのは間違いありません。どうか……皆さんの力を貸して下さい、なのです。宜しくお願いします」
と、深く頭を下げた。
●
そして、更にユリーカは皆を見渡しながら。
「皆さんには、『深緑』の地に向かっていただきたいのです」
「大樹ファルカウ……冠位怠惰戦で守り切れたこの地ですが、古代の魔女と名乗る女がその姿を顕現し、その上空にワームホールが現れたのです」
「このファルカウの周辺に存在する霊獣や霊脈を通じて、『古代魔法』が巡り始めて、狂気が深緑に伝搬されつつある様なのです」
「幻想種の人々は、この古代魔法に弱い様で、魅入られてしまう現象が確認されています。幸いイレギュラーズの皆さんならば、強い意志で以て対抗出来るとは思います」
「……皆様には、この大樹ファルカウの上層部に向かってほしいのです。禁足地、として知られている場所ではありますが……古代の魔女がいるという現状では、黙って居る訳にも行きません」
「この禁足地は、大樹の幹をくりぬかれて作られた神殿のような、厳かな場所です。ガラス等の様なものはないものの、漏れてくる木漏れ日が幻想的に差し込む綺麗な場所なのです」
「ここには神官の方達とかが日夜祈りを捧げているのですが……彼等に連絡がつかない事から、恐らく寄生型の終焉獣に取り憑かれてしまっていると考えられます。加えて終焉獣も蔓延って居る様なのです」
「更にここには『滅石花』と呼ばれる花が咲き誇っており、ファルカウ内部にはその魔法樹の蔦が張り巡らされている様なのです。やはりこれに幻想種の方々が近づくと、同様に惑わされる様なので注意が必要なのです」
そこまで言うと、ユリーカは。
「大変な事態ですし、皆さんも事態が飲み込めていない部分はあるかもしれないですが……でも、このままにしておく訳には行かないのです。どうか皆様、宜しくお願いしますなのです」
と、頭を下げた。
- <漆黒のAspire>深森の誘い完了
- GM名緋月燕
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2024年03月03日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談5日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●美しき光の下
幻想王国、そしてギルド・ローレットに齎されし、マリアベルの戦線布告。
その言葉と共に、世界各国では襲撃事件が立て続けに発生し、混沌世界の終焉に一歩、また一歩と近づきつつある。
「……くそっ……深緑に侵略の手を伸ばすとは……」
足早に走りながら、苦虫を噛みつぶしたかの様に表情を曇らせる『特異運命座標』陰房・一嘉(p3p010848)。
周りは背の高い樹が生い茂り、薄暗い。
いつもは木々からは小鳥のさえずりが心地よく響く……そんな癒し覚える地の筈なのに……今聞こえるのは、獣の咆哮。
「此処……か」
立ち止まり、上方を見上げる『点睛穿貫』囲 飛呂(p3p010030)。
背の高い木々が立ち並ぶ中で、それよりも遥かに高く、広い幹。
この深緑の地の重要拠点である、大樹ファルカウ。
その最上層にある、神殿の如き人々の禁足地が、突如現れたマリアベルの配下達によって襲撃。
暴れし獣の咆哮と、死した者の断末魔の叫びが……最下層に居るイレギュラーズ達の下にまで届いていた。
「大切な場所だろうに……こんな事になってんのか……」
「ああ……つい先日迄は大樹の怒りが猛威を振るっていた。何かおかしいとは思って居たのだが……この様な事態になるとはな……」
飛呂の言葉に一嘉は瞑目する……そして『メカモスカ』ビスコッティ=CON=MOS(p3p010556)も。
「ファルカウが何故大樹の怒りを出して居るかと思えば、こう言う訳か。ぬぅ、お前そのものかー! お前そのものが敵だったんかー!!」
憤るビスコッティ。
大樹の怒りを討伐してきて欲しい、という依頼も以前に受けた。
だがその時は、まだこの様な事態になっているとなど、思っても居なかった。
でも……今起きている事件で、今迄の点が、全て線となって繋がった様にも思える。
……ともあれ、この大樹ファルカウの最上部で起きている事件は、この深緑の地の存亡に関わる大事件なのは間違いない。
そして、それはこの大自然と共に棲まう深緑の住人、幻想種の者たちにとっても……。
「深緑の地は、俺の大切な女性の故郷……この地が滅べば、帰る場所が無くなってしまう。故に、魔女ファルカウだろうと、或いは大樹ファルカウそのものであろうと……終焉獣を呼び込み蔓延らせると言うのならば、叩き潰させて貰う。オレ個人の勝手な都合だが、それは奴らも同じ事。話し合いで解決する訳でも無いのなら、後は、戦って押し通すだけだ」
口調は冷静ながらも、愛する人への思いが強く滲む一嘉。
それに『正義の味方』皿倉 咲良(p3p009816)が。
「そうだね! Bad end8だかなんだかは知らないけど、ひとまず世界が追い詰められれば人間の絆も崩れるみたいな感覚なの、ホンっと気に食わないね! それに……何も悪くない幻想種の人達が巻き込まれて、寄生されるだなんて……やる事が酷すぎるよ! 絶対に止めなきゃ。みんなの絆で、ね!!」
ぐぐっ、と拳を握りしめて叫ぶと、『祈光のシュネー』祝音・猫乃見・来探(p3p009413)と飛呂が。
「うん……終焉獣、許せない……深緑の神官さん達は、絶対に助けるよ……!」
「そうだな。ここもどうにかしたい所だが、先ずオレ達がやらないといけない優先順は間違えられない。終焉獣を倒し、神官達を助ける! 情報屋の人も頑張っているんだ。だからその期待に応えないとな! ロジャーズ先生、今回も宜しく御願いします」
本来、死ななくて良い筈の人達……突然降って湧いてきた脅威によって殺されていい、なんて訳がない……そして。
「んじゃ皆、覚悟はいいかねぇ? 今回はさして時間もねぇし、一気に駆け上がるぜぇ!!」
鼻を鳴らしながら『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)の声に皆、覚悟を決めて動き始めた。
●鳴音と
そしてイレギュラーズ達は一斉に、大樹ファルカウの幹の中を駆け上がり、上層階へと一目散に昇る。
途中に居る幻想種達はというと……取りあえず上層の方から下層の方に向けて、何が何だか分からないものの、取りあえず逃げているという様、混乱状態。
「皆! もう大丈夫ですから……!! 私達が禁足地にいる敵を、必ず倒して見せますから……!! だから、一旦このファルカウから離れて下さい……!」
と、祝音が励ますよう、行き違い様に言葉をかけながらも、その場に結界を展開し、それ以上の被害が及ばぬ様にしながら立ち止まらずに更に上層へと駆け上がる。
すると、閉ざされた扉が目の前に……そしてその中からは、獣達の咆哮が響く。
「ここが、大樹ファルカウの禁足地、ってな訳か。ぶはははッ! ファルカウの禁足地にオークが入れるたぁ貴重な体験だねぇ!!」
巫山戯たかの様に笑うゴリョウ。
とはいえ、助けたいという気持ちは違いない……そして、扉を蹴破り、中へと突入。
樹の上と忘れそうな程に、広大な空間。
更に天井は美しい造形が掘られており、一種の彫刻的なものが並ぶ。
そして……その彫刻と彫刻の間から、空の灯りが漏れていて……美しく彩られる。
其処には、今迄この深緑の地で見たことのない蒼白い花【滅石花】がその彫刻的なものに絡みついている。
加えて、そんな美しさとは真逆の涎を垂れ流す獣、そして……虚ろな視線をして、ううう、と呻き声を上げて居る……神官の服に身を包んだ人々が居る。
「Nyahahahaha! 神殿! まさか、私以外の存在を崇拝するとは!!」
『同一奇譚』ロジャーズ=L=ナイア(p3p000569)は大きな身振りで嘆きを表現しながら声を上げる。
……しかしかの神官の服に身を包んだ人達はというと、それに明確な反応を返す、という事は無い。
むしろ……うう、と呻き声を上げ続けており、威嚇しているのか……それとも救いを求めているのかは、ちょっと分からない。
「ふむ……近づくと、人を狂気に陥らせる花、か。さて、いくら自然派の幻想種でも、そんな花を知って居たら、野放しには出来る訳も無い。つまり……この花は彼等によって咲き誇り始めた、という事か」
「うむ、その様だ。まったく、連中は世界の破滅とやらを喝采で迎えると謂うのか。私こそが破滅に相応だと解せぬ。度し難い者ども!」
『闇之雲』武器商人(p3p001107)にロジャーズはビシッ、と指指す……だが、やはり神官は呻き声を上げる。
……その一方で、獣共はというと。
『……グルルゥゥゥ……!!』
身の毛もよだつ様な、恨み辛みの籠もりし鳴き声を上げて……次の瞬間、地面を蹴って一気に接近。
「させぬっ!」
咄嗟にその攻撃を前に出てカバーするビスコッティ。
弾かれ、再度間合いを取り直す獣……対峙し、構えたままビスコッティは、後ろの神官達に。
「お主ら! 全ての形あるものはいずれ滅びる。しかし、その拍車を掛けて良い道理など無し! 生きる事を寄生と呼ぶなら、お主だってこの世界によって立っておろうが!!」
正気に戻るよう、心から訴えるビスコッティ。
しかしやはりというか彼等の呻き声と動きは変わらぬままで……。
「くっ……我は、その在り方を否定する! その為にもこの場で退く事は出来ん! ゆくぞ!!」
バイザーを降ろすと共に、敵陣に向けて接近。
「生きて帰る。今はその為に『何か』だろうと、赤潮で飲み込んで叩いてやる!!」
と、その拳から揺らめく高周波。
獣と神官の狙いを一気に惹きつけると、更に咲良が。
「祝音ちゃん、飛呂くん、ゴリョウさん。ついてきて!!」
と号令を発し、行動開始。
終焉獣の隙間を抜いて、一気に神官の下まで移動。
『グガゥウ!!』
抜かれた終焉獣は唸り、威嚇しつつ振り返り、攻撃を仕向ける。
だが、向かい来る獣達には飛呂が踵を返して。
「させねぇよ!」
ニッ、と笑みを一つ浮かべると共に、終焉獣を範囲に含めて鉛弾を奏でる。
撃ち抜かれた終焉獣はキャイン、と甲高い悲鳴を上げて後方に退く。
そして、祝音とゴリョウ、咲良は神官達の下に到着。
「ゴリョウ、貴様! 連中の相手は任せる!」
と終焉獣に対峙するロジャーズがゴリョウに呼びかけると、サムズアップで堪える。
そして神官達に向けて。
「ぶははッ! 平和な幻想種の神殿いオークが攻めてきたぜ! ってなぁ!!」
大声と、大きな足音を敢えて掻き鳴らして神官達の狙いを自分に向けさせて、終焉獣とターゲットを分かつ。
とは言え終焉獣は下手に放置すれば、すぐに神官とそれを相手する仲間達を攻撃しようとする。
そんな彼等を逃さぬ様、常にロジャーズは這い寄る混沌と共に狙い続け、決して注意が逸れない様に仕向けつつ、攻撃。
ビスコッティと範囲をずらす事で、一匹たりとも漏らさぬ様に挑発を継続。
そして終焉獣を飛呂、咲良、一嘉、武器商人の四人が前後両側面から攻撃をおこなう事で、迅速にその体力を削り取っていく。
……そしてのその一方でゴリョウと祝音の二人は、神官達を惹きつけつつも……殺さぬように注意を払いながら、攻撃をおこなう。
とは言え、神官達も『寄生型終焉獣』であり、一般人より高い戦力を持ち、更には神秘的な力も使用してくる。
下手に喰らえば、厚い装甲をも貫通しかねない、油断ならぬ攻撃な訳である。
だが、決して退く事は無い。
仲間達が終焉獣を仕留めるまで、攻撃と共に、その動きを縛り付けるように動く祝音と、肉壁で以て対峙し続けるゴリョウ。
……そうイレギュラーズ達が戦闘している中で、違う動きを魅せるは武器商人。
「……」
終焉獣と神官らから目を離す事は無いものの、常にその視野を広く持ち、開いた空の方角にも注意を向ける。
……勿論、それはここに居る者の警戒、ではない。
「……何処に居る、のでしょうねぇ……」
と、ぽつり小声呟きながらも、警戒し続ける武器商人。
終焉獣達を率いる『何か』は、必ずこの戦闘を見れる場所に居るはず。
そんな警戒をし続けて数十分。
変わらず漏れる空の灯り……彫刻のように掘られた樹の幹の先端に、僅かながら影が指す。
「……」
鋭くその気配に気付いた武器商人が、声鳥羽を敢えて発すこと鳴く、無慈悲の一閃を放つ。
その攻撃は狙い通りに、その場所へ着弾する……が、その黒い影はギリギリのところで消失。
(「頭上に注意して。何者かが様子を伺っているようだ」)
と、テレパスを通じてその情報を仲間達に共有。
また、暫しの後……再び天井の辺りに、黒い影。
(「タイミングを合わせて」)
とまたテレパスを通じて伝える。
そして……カウントと共に、武器商人と祝音の二人が、その影の方向を範囲攻撃。
二人の範囲は広く、流石にその影には命中。
そしてその影は神官達の後方に降り立つと共に。
『ふふ……気付かれた、って訳かい。面白くねぇな』
息を吐きし者は、青年のような姿なれど……纏う気配は、この場に居る誰よりも強い。
その気配に、圧倒されそうになる程。
……だが武器商人はニヤリと笑みを浮かべて。
「キミが、こいつらを糸引く存在……って訳かい?」
と、不躾に問い掛ける。
『さぁ、ね……まあご想像に任せるさ。ま、キミ達を殺したいモノ、なのは間違いない……がな!』
との言葉と共に、更に瘴気を強く発する彼。
「っ……!」
その瘴気に、終焉獣達は悲鳴のような声を上げ、神官達はうう、うう……と更に苦しそうに呻く。
明らかに、強く影響を及ぼす『何か』を発動しており、それに苦しんでいるのだろう。
「ほう、面白いものだ。ならば歓迎してやろう!!」
と、彼に挑発するロジャーズだが、全く意に介する様子は無い。
『オレを引っ張ろうったってそうはいかねぇんだよ。この『不遜たる』アイディーヌはよ!』
その言葉と共に、終焉獣、神官共に……狂ったかの様に攻撃を開始。
まるで狂戦士化したかのような、敵の動きは怒りを付与しているというのに、近くのイレギュラーズへと無差別に攻撃する。
「っ……巫山戯た真似をしおって!!」
「このままは不味い! 神官達はこっちでどうにかするから、急いで終焉獣達を倒せ!!」
ビスコッティとゴリョウが叫ぶ。
救いたい神官達を殺さぬ様に、ゴリョウ、祝音、更に飛呂、咲良もそちらに傾注し、残る仲間で終焉獣を一刻も早く倒す様に攻撃開始。
『ははは、愉快愉快!! さぁ踊れ、狂え! 殺せ!!』
イレギュラーズ達の動きに嬉しそうに笑いながら、再び浮上する彼。
流石に他の敵陣の攻撃が苛烈を極めており、その動きに追従は不可能。
「くっ……やむを得んか!」
と一嘉は叫び、身を盾にしながらも、終焉獣を纏めて攻撃し、そこに他の仲間達も攻撃を集中させて、一網打尽に仕掛ける。
……イレギュラーズ達の猛攻で、どうにか終焉獣達は殲滅出来たものの。
『ふふふ……はははは!!』
笑い声と共に、そのまま闇は収縮し、姿を消す彼。
「逃げられた……か」
唇を噛みしめる一嘉……だが、残る神官達は、未だ攻撃の手を緩めない。
「悔しい……でも、神官さん達を見捨てられない……!」
咲良の言う通り、神官達は狂気に踊らされている。
救う為には……殺してはならない。
「分かった……気を切り替えていくぞ」
一嘉の言葉に頷くと共に、殺さずの力を持つ者達で、神官を攻撃し……彼等を臥させていくのであった。
●風吹き
「……終わった様だね」
武器を降ろし、息を吐く武器商人。
……既に先程の影は無く、静けさに包まれている。
「取りあえず、『滅石花』の方は我に任せてくれていい。キミ達の方が、大変だろうから、ね」
「そうであろう。我も破壊に回るとしよう」
武器商人の言葉に、ロジャーズも手を貸して滅石花を破壊。
その一方で神官達を広い背中に背負うゴリョウ。
「このデカイ図体は人を背負う為にもあるんだぜ、ぶはははッ!!」
笑いながら禁足地を離れ……滅石花の無い所まで降りていく。
そして……気絶状態の神官達に。
「……オレには、命に代えても護りたい、大切な人が居る。それは、彼等も同じ事……故に、エイドスよ。アレーティアよ。大切な人の元に、彼等が帰れるよう、此処に願う」
「アタシは、仕えてきた神官さん達の過去を、絶対に無駄に為たくないし、これからも守ってほしい……だから!」
「終焉も寒さも、こんな綺麗な場所には似合わない……だから」
「幻想種さん達を癒したいんだ……だから……御願い!」
「だから、目を覚ますのじゃ……! 神官らよ、お主等は此処で終わるべきではない……!」
一嘉、咲良、飛呂、祝音、ビスコッティ……それぞれの強い思いを、死せる星のエイドスに捧げる。
その思いは集い、一つ一つの願いは煌めきと共に……神官達に吸収される。
……そして、それから数分。
『……う……』
ぼんやりと、目を開く神官達。
「……大丈夫……ですか?」
『……え、ええ……』
「良かった……」
祝音が微笑むと……周りの仲間達も……安堵の息を吐くのであった。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
ファルカウ禁足地の戦闘、お疲れ様でした。
不遜なモノたるや、どういう理由で今回の行動を取ったのかは不明点が一杯ですね。
……とは言えファルカウを守って頂き、ありがとうございました!
GMコメント
皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
『Bad end8』……8人の魔種達の暴虐作戦が始まるようです。
●成功条件
『深緑』の地、『大樹ファルカウ』の最上部にある神殿の様な場所に現れて居る神官の『寄生型終焉獣』と『終焉獣』、更にはそれを誘導している『何か』を倒す事です。
●情報精度
このシナリオの情報精度はCです。
情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。
●周りの状況
大樹ファルカウの最上部は神殿の様な様相を取ります。
いつもならば禁足地であり、立ち入れるような場所では無いのですが……今回の事件が起きてしまった故に立ち入ることになります。
ただその結果、深緑の幻想種の神官の方達が滅びのアークに毒されてしまい、狂気状態に陥った『寄生型終焉獣』となってしまっています。
又、一般人の方が足を踏み入れると、周りの『滅石花』の効果により程なくして狂気に陥ってしまうでしょうから注意が必要です。
尚、当然の事ながら大樹ファルカウの木の幹をくりぬいた形なので、燃え広がるような火の攻撃はかなり危険なので、ご注意下さい。
●討伐目標
・神殿を守りし神官の『寄生型終焉獣』
元々はこの地を守りし神官達ですが……突然現れた者たちにより、寄生型終焉獣と化してしまいました。
幻想種の方々ですが……その表情は狂気に囚われており、言葉を掛けても聞いてくれる事は無いでしょう。
むしろ声を掛けてくると、その方を優先的に狙おう……という行動を取る様です。
5、6名程度と数は少ないものの、『滅石花』の効果により増える可能性も捨てきれません。
攻撃手段はは真言を唱えての魔法攻撃タイプとなります。
・氷のオーラを纏いし『終焉獣』
熊、猪、狼……と種類は様々ですが、全てが氷のオーラを纏っています。
攻撃手段もその氷のオーラを活用して攻撃為てきており、その攻撃を喰らうと足止めを喰らい、そこを集中攻撃……という具合にもなりかねません。
攻撃力、体力はそこまで高く無いものの、数が多いので注意が必要です。
・率いる『何か』
ユリーカの情報には出て来ていませんが、当然の事ながら『古代の魔女』の配下の魔種が居る事でしょう。
ただ、このモノについては情報は何もなく、注意が必要です。
●【寄生】の解除
寄生型終焉獣の寄生を解除するには対象者を不殺で倒した上で、『死せる星のエイドス』を使用することで『確実・安全』に解き放つことが出来ます。
また、該当アイテムがない場合であっても『願う星のアレーティア』を所持していれば確率に応じて寄生をキャンセル可能です。(確実ではない為、より強く願うことが必要となります)
解き放つことが出来なかった場合は『滅びのアークが体内に残った状態』で対象者は深い眠りにつきます。
それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。
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