シナリオ詳細
フロストウルフと邪霊の洞窟
オープニング
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その土地は雪深く、今の季節になれば人の足が埋まるほどの雪が積もっていた。
使用人たちが雪かきをしたのだろう。門の入り口から屋敷に通じる石畳の道だけが雪を綺麗によけられたこの風景は雪国ならではのものだ。
今だぱらぱらと降り続ける雪の中を歩くあなたを、庭の雪を処理している使用人たちは物珍しそうに眺めていた。
「お嬢様にお会いくださいませ。私はそこまでの案内を仰せつかっております」
髭の深い執事めいた老紳士がそう言うと、あなたのために扉を開く。
大きなたき火を囲むようにテーブルの置かれたその部屋の、最も奥の席に彼女は座っていた。
氷を思わせる冠と、同じく氷を思わせるドレスを身に纏ったその女性は、あなたをみとめると立ち上がる。
「ようこそ、北の大地へ。私はこの土地の領主、リアン・アスハートと申します。
まずは火に当たって温まってくださいな。よければスープをお出ししますので」
領主リアン。
あなたがもしこのあたりの情報に詳しければ年若い彼女が領主を務める事情も知っていることだろう。
近年ここの領主であったゲオル・アスハートが病によって亡くなり、その土地を若くして継いだのがこのリアンである。
はじめは若さ故に不安の声もあったものの、誠実で思慮深く、そしてまめな性格をしていた彼女の統治は立派なものであった。それゆえに村の者たちは新たな領主を今では歓迎し、慕っているという話だ。
リアンは皆が落ち着いた頃合いを見て、『さて』と手を叩いて話を始めた。
「皆様に集まって貰ったのは他でもありません。この近くに存在する『氷の洞窟』で異変が起きておりまして、その影響で他の村との通行が困難になっているのです。
雪深いこの地域で交通が妨げられることは、場合によっては死に繋がります。どうか、皆様の手でこの異変を解決していただきたいのです」
異変というのはシンプルなもので、洞窟からモンスターが湧き出すようになったというものだそうだ。
だがそのモンスターが強力で、近隣の冒険者たちでも手に負えなくなっているという。
「今ではなんとか村の防衛程度はこなせていますが、洞窟に近づけない関係で近隣の村との通行ができなくなっています。これは通商が行えないことも勿論ですし、行商人が立ち入らないというだけで村にとっては大きな困難となっています」
洞窟から湧き出るモンスターは主に『フロストウルフ』という狼型のモンスターで、もしモンスター知識に詳しい者がいるならこれが邪霊の一種であることも知っているだろう。
雪のように白い体毛を持ち、見た目通り狼の爪と牙で攻撃を仕掛けてくるというモンスターであり、当然一般市民にとっては脅威だ。
おそらくはこのフロストウルフを退治しながら洞窟へと入り、これらの元凶となっている『なにものか』を退治するのが今回の仕事となるだろう。
「フロストウルフが湧き出る理由は分かっていません。どんな敵が待ち構えているか不明な状態で皆様を送り出すことは心苦しいのですが……どうかお気を付けて、この異変を解決してくださいますようお願いします」
勿論これはただの人助けではない。執事が報酬となる貨幣の入った袋を手にやってくる。
「異変が解決すれば、報酬をお支払いします。どうか、よろしくお願いします」
深く頭を下げるリアンの依頼を受けて、早速あなたは洞窟へと旅立つのであった。
- フロストウルフと邪霊の洞窟完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2023年12月27日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
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「リアン・アスハートね……若ぇのに頑張ってるもんだ、路銀稼ぎがてら救けてやるか」
雪道をざくざくと進みながら呟く『蛇喰らい』バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)。
コートを着込んでもこもこになった『無尽虎爪』ソア(p3p007025)がその後ろをついて歩いている。
「ふぅ……冷えるねー! フロストウルフって、どんな魔物なんだろ。狼なの?」
「形はな。狼の形をした邪霊の一種で、場所によっちゃ自然と湧き出る可能性もある。しかし村の通行が困難になるほどわき続けてるってのが気になるな。普通そんな大量に、かつ長期的に湧き出るとは考えづらい」
「誰かが呼び出してるってことなのかな」
「おそらくはな。だから、単に狼を潰して回るだけじゃ根本的解決にならねえ」
「大元をやっつければオッケーってことだね!」
そういうことなら分かりやすい! とソアは万歳をしてみせる。
一方で『灰雪に舞う翼』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)は雪に足を取られないように低空飛行を続けながら、日輪結晶の嵌まったネックレスを指でつつく。
湧きでる温かい光が、この雪深い地域の過酷さからアクセルを守ってくれているのだ。
「寒いところでのヒトの行き来ができなくなるのって大変だものね。外からの情報も、ものが手に入らなくなるのもあるし」
寒冷地、とくに雪に閉ざされる地域での交通の妨げはそのまま死に繋がることすらある。
食料が取りづらく、酷い場合は食料事情を行商に頼る村なんてのも少なくない。
リアンの領地はそこまで逼迫してはいないようだが、現状が続けばそうも言っていられなくなるだろう。ローレットを早期に呼んだのは、良い判断だ。
「…………」
『鋼鉄の冒険者』オリーブ・ローレル(p3p004352)はそんな領主のことを内心で色々と考えながら、寒冷地仕様にした鎧でざくざくと雪道を進んでいく。
膝まで雪の積もったエリアを進んでいくというのは思いのほか体力を使い、そして動きもまた鈍る。
彼自身は極寒超越のスキルを持っているために厚着の必要がないが、それでも雪に足を取られるというのは嫌なものだ。
鉄帝では、そう珍しくないことなのだけれど。
「こんなところにも狼、ですか。
何者かが生み出しているとのことですが……。
どうしてよりにもよって狼なのでしょうね」
防寒着で身体をしっかりと温めた『ヴァナルガント』ミザリィ・メルヒェン(p3p010073)がそう言うと、『灯したい、火を』柊木 涼花(p3p010038)が『確かに』という顔をした。
鉄帝、冬、狼といえばフローズヴィトニルを連想するところである。
邪霊のフロストウルフが狼型なのもそういった所にある程度は影響を受けているのだろうか。それとも偶然の一致なのか。
白いダウンコートを着込んで革の手袋をしていた涼花は、そんなことを考える。
「いずれにせよ……そのフロストウルフを産みだしている何かを調べて解決すればいいんですよね! 現地に行ってみれば、少なくとも何かはわかるでしょうか?」
「おそらくはな。というより、あの領主様はある程度まではアタリをつけてるんじゃないか?」
『斬竜刀』不動 狂歌(p3p008820)がそう言うと、ミザリィと涼花が振り返る。
「ほら『どんな敵が待ち構えているか不明な状態で』と言ってただろう? 少なくとも敵の存在に勘づいていたってことだ。さっきのバクルドの話じゃないが、自然発生にしてはしつこすぎるみたいだしな」
若いのにしっかりしてる領主様だな、と呟く狂歌。
「ま、何が待ち構えてるかは知らねえが、サクッと行って解決してやろう」
「はい!」
『おいしいを一緒に』ニル(p3p009185)がばっと手を上げる。もこもこのコートは袖口までしっかりもこもこだ。
「ニルは、かなしいのはいやです。
村のみなさまが困っているなら、少しでも早く、なんとかしたいのですよ。
少しでもリアン様のちからになれたら、うれしいのです」
その気持ちは皆同じだ。
ニルたちは頷き合い、そして問題の洞窟へと到着したのだった。
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「早速群れを成していやがるな」
洞窟手前。茂みに身を隠しながら狂歌は洞窟入り口の様子を観察していた。
入り口は大きく開いているものの、その周囲にはフロストウルフが群れを成してうろついている。エサを必要とする狼と違って狩りもしなければ眠りもしないのだから、この運用が正しいのは事実なのだが、いざ見てみるとげんなりする光景だ。
「このまま散られると厄介だ。俺とミザリィで手分けして注意を集めるから、範囲攻撃で一気に蹴散らせるか」
「まかせて!」
アクセルが『雲海鯨の歌』という指揮棒型の杖を抜いて構えてみせる。狂歌は頷くと、早速茂みから飛び出し走り出した。
「かかってこいや、犬畜生共! 雪の上で動けるのが自分達だけと思うなよ」
叫ぶ狂歌。その声に含まれた【怒り】の効果をうけてフロストウルフが猛烈に突っ込んでくる。
それを、狂歌はゴルフクラブのようなスイングで最初の一匹を切り飛ばした。
大量の雪が衝撃で吹き飛び、同時にフロストウルフが吹き飛んでいく。
直後に、その仇討ちと言わんばかりに複数のフロストウルフが飛びかかり狂歌の腕や足に牙や爪を立てていく。
切り裂かれ血が吹き出し、雪の白を赤く染めるが、そこへ素早く涼花が演奏を開始した。
手袋を脱ぎギターに手を添えると、勇気と元気が湧いてくるような歌を演奏する。
音楽に込められた魔法的な力は狂歌をみるみる回復させ、フロストウルフに付けられた傷を消していく。
「ミザリィさん、残った敵を集めてください!」
歌の途中で呼びかける涼花。
彼女に頷き、ミザリィは巨大カラトリーを展開するとフロストウルフの一体めがけて投擲した。
巨大なフォークが突き刺さり、そのまま洞窟の壁に激突。
そこへ飛び込んでいったミザリィは、【怒り】状態にまだできていないフロストウルフの注意を引きつけるべく周囲に気迫を飛ばした。
「生み出された邪霊……貴方たちに恨みはありませんが、どうか安らかに眠ってください」
地面に巨大なテーブルナイフを突き立てる――と、自らを中心に魔力的なフィールドが展開。
駆け寄ってきたフロストウルフたちに終焉の帳をおろし始める。
何体ものフロストウルフがその魔力的重圧に耐えかねて雪の地面に押しつぶされるように倒れるが、中でも鋭く突破してきたフロストウルフの牙がミザリィの足へ食らいついた。
「ミザリィさん!」
素早く治癒の力を送り込む涼花。カウンターヒールが見事に決まり、ミザリィの足をそのまま食いちぎろうとしていたフロストウルフがはじき返された。
目で感謝の意を送るミザリィ。それに視線で応える涼花。
そして――。
「範囲攻撃を」
「うん!」
アクセルは指揮棒を高らかに降ると、魔術の楽曲を美しく奏で揚げた。
涼花の演奏とそれは重なり、閃光の魔術へと昇華される。
無数の音符型の光が作り出されフロストウルフへと飛び、ぶつかっていく。
「さあ、このまま突入するよ!」
集まっていたフロストウルフたちを閃光によって焼き払ったアクセルはそのまま洞窟内へと飛び込み、スライディング。雪の積もっていないエリアに入ったことで、土がザッと音を立てる。
その音に気付いたのだろうか。洞窟の奥から更なるフロストウルフの気配が近づいてきた。
「ここはニルが――」
前に出たニルは向かってくるフロストウルフたちめがけて『アンジュ・デシュ』の魔法を詠唱。
掲げた『ミラベル・ワンド』から呪いの光を放つと、強烈な光線にしてフロストウルフの一体に直撃、爆発させる。
直撃を受けたフロストウルフはそのまま光に飲まれ消えていったが、残るフロストウルフはニルめがけて突っ込みその牙を剥く。
「えい……!」
飛びかかってきたところを、ニルは杖を棍棒のように振り込んで殴りつけた。いや、ただ殴りつけたわけではない。杖に込めた大量の魔力が爆発し、フロストウルフを消し飛ばしてしまったのだ。
「さすが、大した威力だぜ」
バクルドは更に踏み込むと残ったフロストウルフめがけてライフルの狙いを定めた。
冷たい土の上を走り、飛びかからんとするフロストウルフ――の顔面を見事に狙い澄まして射撃するバクルド。
「しかし、これが生物なら毛皮でも取れば多少なりとも路銀の足しというか収益になるんだろうがな」
などとぼやきながら素早く再装填。
洞窟の奥から更なる集団が迫るのを確認すると、ライフルを連射した。
迫るフロストウルフたちの動きが目に見えて鈍り、防御ががら空きとなる。
その隙を全く逃すことなくオリーブとソアは飛び込んでいた。
オリーブの剣がフロストウルフのボディを強烈に切断し、返す刀で別のフロストウルフを切り裂く。
洞窟内ということもあって上手に剣を短く持ち、コンパクトに振るように心がけているようだ。
「……」
洞窟内はやや薄暗いが、ヒカリゴケが繁殖しているらしく戦闘をするのにそう不便ではない。最悪真っ暗になったとしても、オリーブなら『明暗順応』のギフト効果で視界を確保できるのだが。
「そちらの横道に逃げ込みました。追撃を」
「まかせてー!」
ソアが横道へと逃げ込んだフロストウルフを追いかけて走り、観念したフロストウルフがターンして飛びかかってくるも爪による先制攻撃を仕掛けた。
「狩りの気分にならないねえ、残念」
破壊することで消えてなくなってしまうフロストウルフを見て、がっくりと肩を落とすソア。
「本物の狼のほうが良かったのですか?」
「気分の問題かなー」
と言いつつ、くんくんと鼻を鳴らす。
「においはしない……けど、足音はするんだね。まだ数体、近づいてくるよ。みんな構えて」
●
洞窟を進む工程は順調に進んだ。ソアの索敵もさることながら、攻防整った連携がバランス良く機能し大した怪我を負うことなく洞窟の奥までたどり着いたのだった。
「……! これは……」
そして見つけたのは、広大な空間。そして鎖に繋がれたような巨大な狼型の邪霊であった。
オリーブは兜の下で息を呑み、剣を構える。
そして素早く状況を確認した。
鎖で繋がれているのは巨大な邪霊。仮にフロストウルフキングとでも呼ぼうか。その邪霊が次々にフロストウルフを生み出しているようだ。
「特殊な現象や魔法でなくて助かりました。これなら、真っ二つにすれば解決しそうですね」
「確かに! 倒せば解決っぽいもんね!」
爪をしゃきーんと構えるソア。
こちらの攻撃姿勢に気付いたのだろうか。フロストウルフキングは咆哮を上げると氷の魔術を発動させた。無数の氷の槍が作り出され、ソアたちめがけて発射される。
それを防いだのは勿論狂歌とミザリィだ。
前に飛び出し、ミザリィは大量のカラトリーセットをナイフ投げの如く飛ばし、狂歌は『斬馬刀・砕門』で思い切りなぎ払う形で氷の槍を防御する。
が、直後空中に無数の魔方陣が出現。先ほどとは比べものにならない数の氷の槍が更に発射される。
「――」
「大丈夫です、進み続けてください……!」
そんなとき仲間たちの背中を押したのが涼花のミュージックであった。
心を揺さぶる、勇気と希望を抱かせるようなそんな音楽と歌が奏でられ魔法によるダメージと治癒の力が一次的に拮抗する。
それでもダメージ量は凄まじいものだったが、狂歌とミザリィが率先して前に出ることでチームのダメージを軽減。勇敢にそのまま突き進んでいく。
「取り巻きはいないみたいだな。一点攻撃でいくぞ!」
狂歌が叫び、フロストウルフキングめがけ斬りかかる。
同時にオリーブの剣とソアの爪も繰り出され、フロストウルフキングの横っ腹が激しく切り裂かれた。本来なら血が吹き出る所だが、代わりに霊力のようなものが噴出し、フロストウルフキングはもがき苦しんでいる。そこへ更にミザリィが魔術を発動。巨大なテーブルナイフめいた幻影が作り出され、フロストウルフキングへと突き刺さる。
「コイツを倒せば万事解決ってワケだな。シンプルでいいじゃねえか」
バクルドはライフルを乱射しながら接近。フロストウルフキングが振り払おうと前足を振るうが、それを華麗に回避すると至近距離まで潜り込んで剣を抜く。
「そらっ!」
反撃とばかりに前足を切りつけ、フロストウルフキングの下を走り抜けていくバクルド。
と同時にアクセルがフロストウルフキングの頭上を飛行しながら抜けていく。
それに目を付けたフロストウルフキングがアクセルを食らおうとその牙で食らいつきにかかる。
「うわっ!?」
がぶりと食らいつかれ――るが、そんなことでやられるアクセルではない。ローレットでも百戦錬磨のベテランなのだ。
片腕と足でつっかえる形でフロストウルフキングの噛みつきを押さえ込むと、その喉めがけて杖を振り上げる。
「オイラじゃなくて、こいつをくらえ!」
喉めがけて打ち込まれる音符型の魔術弾。連続で叩き込まれたそれを受け、むせるようにアクセルを解放する。
バクルドはその隙を見逃さずにフロストウルフキングの目を狙い撃ちにした。
ライフルの弾丸が目を抉り、ぶしゅんと霊力が吹き出て再び痛みにもがくフロストウルフキング。
トドメとばかりに飛び出したのは、引き絞られた矢のごとく走るソア――そして、杖を握りしめて側面に回り込むニルだった。
ソアの爪とオリーブのボウガンによる一撃がフロストウルフキングへ集中し、それを振り払おうと暴れるフロストウルフキングの側面めがけ、ニルが杖でもって殴りかかった。
勿論ただの殴打ではない。魔力の爆発を伴ったそれはフロストウルフキングの横っ腹をまるごと爆破させる。
グオオという声をあげ、フロストウルフキングはその場にどさりと横たわった。
「倒せた……のでしょうか?」
おそるおそる近づくニル。すると、フロストウルフキングはちりちりと溶けるようにその表面から消え始め、それこそ溶ける雪の如く姿をけしてしまった。
後に残ったのは洞窟の空洞と……その中心にカランと音を立てて落ちた結晶体であった。
「これは?」
アクセルが結晶体を拾いあげる。
「そいつは邪霊を呼び寄せる結晶だな。誰かが置いていったのか、それとも自然と発生したのかは知らないが……厄介な所に置きっぱなしにしたせいで大型の邪霊ができあがっちまったみたいだ」
バクルドの説明になるほどと頷く涼花。
「では、この結晶は壊した方が?」
「その判断は依頼主に任せた方がいいだろう。邪霊を呼ぶ効果を抑える方法は確立しているらしいしな」
「では、そのように」
オリーブが頷き、きびすを返す。
狂歌とソアが念のためにと洞窟内を捜索してくれたが、これ以上のフロストウルフは見つからなかったらしくすぐに戻ってきた。
「もうここは安全だよ」
「依頼主へ報告に戻るか」
「はい、そうしましょう! これで皆安心できるのです」
ニルがほっとした様子で言うと、ミザリィが確かにと頷く。
「しかし……もしこれが人為的に仕掛けられたものだとしたら、アスハート領への攻撃ということになりますね」
その時は、また私達の出番でしょうか。そんな呟きは、洞窟の中に反響し、消えていった。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
――mission complete
GMコメント
●シチュエーション
洞窟から魔物が湧き出すという異変によって雪深い村は窮地に陥っています。
魔物を倒しながら洞窟へと入り込み、その原因となっている何者かを退治しましょう。
●エネミー
・フロストウルフ
雪のように白い狼型の邪霊モンスターです。
爪や牙を用いて攻撃を仕掛けてくるでしょう。
・???
不明な存在です。充分に注意をして当たるようにしてください。
おそらくこの存在が魔物を生み出していると思われます。
●フィールド
雪が深く降り積もる極寒の地域です。
防寒のためにふかふかのコートを着ていったりするとよいでしょう。
戦闘において特別なペナルティはないものとします。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
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