PandoraPartyProject

シナリオ詳細

クソザコ昔話

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●演劇会に呼ばれたよ
「オーッホッホッホ! オーッホッホッホッホッホ!」
 『クソザコ美少女』ビューティフル・ビューティー(p3n000015)が世にもステレオタイプな高笑いをぶっ放していた。
「オーッホッホゲッホゴッホ! けふっけふっ……」
 笑いすぎて気管になんか詰まったクソザコ美少女は胸を叩いてうずくまった。
「フッ、見せてしましたわね、私のあふれる才能を!」
 けどすぐに顔を上げて復活した。
 大きな木箱の上に立ってわざわざ高い位置から『とってもえらいポーズ』をとるクソザコ美少女。
 彼女が堂々と翳して見せたのはなんと、演劇の台本であった。
「わたくしにかかればこのような台本、五秒もあればできあがるのですわ! オーッホッホッホ!」
 丸わかりの嘘をつきつつ高笑いを再会するクソザコ美少女。
 そう、今日は孤児院合同の演劇鑑賞会。
 魔種にパンチくらわすだけじゃない、何でも屋としても知られるローレットはなんか楽しい演劇できませんかと依頼され、こうしてやってきた次第である。
 脚本はクソザコ美少女。わたくしできますわと言って一週間ほど前に堂々と名乗り出たので任せてみた次第である。
 で。
「オーッホッホッホ! わたくしのこともーっと褒めてもいいんですよの。オーッホッホげっほごっほ!?」
 またむせたクソザコ美少女。
 手から離れた台本の束がひらりひらりと暖炉の中へ。
「あ゛っ!?」
 そして今、台本が焼けた次第である。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?」
 ダッシュで近くの川から金タライで水をくみダッシュでもどってくるクソザコ美少女。
「だめですわだめですわ! 一週間寝ずに書いては消し書いては消しを繰り返したわたくしの苦労の結晶がーっ! いま消せば少しくらいは残――ひゃん!?」
 足下でくつろぐにゃんこにつまづいて顔から転倒。
 水いっぱいのたらいを脳天にぶつけ。床を水浸しにしてぶっ倒れるクソザコ美少女。
 なんとか回収した台本はほとんどが燃え尽きていて、最初と最後の二行くらいしかわからなかった。
 けど書いた本人がここにいるんだから聞けばええやんと一同が振り返ると……。
「はれ? ここはどこ? わたくしはだあれ?」
 記憶ごと飛んでいた。
 開演のブザーが鳴る。

 さあ、フルアドリブの昔話がはじまるよ!

GMコメント

『昔々、あるところにクソザコ太郎がおりました』
『幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし』
 の二行だけが残った台本。
 この間をアドリブで補完し、演劇をやりきりましょう。
 役割自由! 筋書き自由!
 ただし相談ナシで行くと地獄を見るぞ!

 そしてクソザコ美少女も劇に出ています。
 クソザコ太郎って書いてあるくらいだから主役だと思うんだけど、なんでそんな名前にしたの。
 本人はぜーんぶ覚えていないので、アドリブで色々ぶつけてみましょう。大体は素直に返してくるはずです。

 この演劇には裏方その他が既に存在しています。
 けどどうしても裏方がやりたいんだっていう強い意志のある方はプレイングで頑張ってください。
 普通に書くだけだと最悪名前が出ただけで終わることもあるくらいリスキーなポジションなので、普通はお勧めしませんマジで。

 【クソザコ成長力】
 クソザコ美少女はなにか酷い目にあうと身体に染みついて技能やスペックが成長することがあります。
 現在の成長能力はこちら。
・上昇能力:防技、HP
・Aスキル:巨人に頭から突き刺さる
・非戦スキル:料理(悪)、騎乗
・アイテム:応援団長のタスキ、クソザコ神クリアファイル、ダンボルガーZ変身セット
・その他特徴
 応援:周りの戦闘力をちょっと引き上げます
 クソザコ神ダンボルガーZ:おだてるとなんでもやります
 囮・砲弾適正:いろんなものが顔面に飛んできますし、自分もよく飛びます

【アドリブ度(フル)】
 このシナリオは性質上とっても沢山アドリブを含みます。
 アドリブにアレルギーがあって少しでも摂取すると死ぬという方はプレイングに『アドリブNG』ないしは『アドリブなし』とお書きください。死んだら悪いので色々頑張ります。

  • クソザコ昔話完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2018年10月30日 21時45分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

Suvia=Westbury(p3p000114)
子連れ紅茶マイスター
チャロロ・コレシピ・アシタ(p3p000188)
炎の守護者
原田・戟(p3p001994)
祈りの拳
レンゲ・アベイユ(p3p002240)
みつばちガール
レスト・リゾート(p3p003959)
にゃんこツアーコンダクター
ロク(p3p005176)
クソ犬
ガーベラ・キルロード(p3p006172)
noblesse oblige
御天道・タント(p3p006204)
きらめけ!ぼくらの

リプレイ

●幻想昔話『クソザコ太郎』
『昔々、あるところにクソザコ太郎がおりました』
「はっ、えっ? わたくしなんでこんな場所にいますの……?」
 劇が始まる直前に記憶を失うという漫画でもそうそう見ない災難の渦中にある『クソザコ美少女』ビューティフル・ビューティー(p3n000015)。
 舞台そでからゆったーりゆったーり出てきた『夢色観光旅行』レスト・リゾート(p3p003959)が『くそざこたろうちゃ~ん』と呼びながら手を振った。
 場がスローモーションに見えるくらいのゆったり具合である。
「えっ、だっ、だれですの!?」
「まあ、かなしい。おばさん……いいえ、おばあさん悲しい」
「その外見で?」
 レストおばさんあらためレストおばあさんはヨヨヨと口でいって泣き真似をした。
「あれは今から22年前のことだったわ~」
 突然のオルゴールミュージック。
 突然の回想雲。

 川で洗濯をしていたレストのもとに、水でヨレッヨレッになったダンボールが流れてきた。
 すわ捨て猫の漂流かと最近はやりのフックロープで引っ張り寄せてみると、なんと生まれたクソザコ太郎。
「けれど育てたわ。小さい頃は『おばあちゃんと結婚すゆー!』と言ってくれていたのに……」
「わたくしその名前に22年も甘んじてましたの?」
「ついに旅立ちの時が来てしまったね~」
「ついに耐えかねましたのね!?」
 みょんみょーんと上下に伸縮する両サイドのドリルヘアー。
 と、その時。
「オーッホッホッホ!」
 訓練された高笑いが響いた。
 毎日空気の良いひろーい畑とかでところで発声練習をしてきたんだなっていうような、よく通った声である。
「「その声はっ!?」」
 一斉に振り返ると、暗がりにスポットライトが下りる。
 『ガーベラとまと』と書かれた木箱の上で訓練された悪役令嬢ポーズをとる『農家系女騎士令嬢様』ガーベラ・キルロード(p3p006172)が現われた。
「私こそは、おじいさんですわ!」
「その容姿と出方で?」
 おじいさんを演じる気が全くないごってごての黒ドレス(乙女ゲーのダンスパーティで主人公をさげすむときに着るやつ)をゆさゆさしながらステージ手前へせり出てきた。
「あれは今から22年前のことですわ」
「回想に入りすぎでは?」
 クソザコ太郎の言葉を無視して広がる回想雲。
 そして流れるフルオーケストラのラスボスBGM。

『フゥーハハハハハハ! 破壊神に逆らおうとは愚かなり人間!』
『その愚かさこそが人類を歩ませてきた力。未来を開く愛らしさですわ。愚かな人間を、なめないことですね!』
 セヤーとかいいながら鍬を振り上げて飛びかかるガーベラ。
「山へシヴァ狩りにいったときのことですわ」
「通常業務の流れで神を……?」
「おばあさんが拾ってきた段ボールからそれはもう貧弱な子供が生まれたので、クソザコ太郎と名付けたのですわ」
「命名理由がひどすぎでは」
 ガーベラはバッと黒いふわふわした扇子を広げると、口元に当ててもう一回オーッホッホと笑い出した。
「けれど愛情はたっぷり注いで育てましたわ。血はつながらずとも我が家族。愛しい子。私の影響も沢山受けているはずですわ」
「言われてみれば髪型に面影が……」
「オーッホッホッホ!」
「うふふふふ~」
 無駄に微笑ましくしてみる二人。
 既に絵が相当に濃い舞台である。
「ですから、クソザコ太郎が鬼退治に行くと聞いたときは心配しましたわ……」
「わたくしそんなハードな理由で旅立ちますの!?」
 ゆーておじいさんは日常的にゴッドをイーターしているので割と普通に聞こえる不思議。もはやおつかいレベル。
「おばあさん、あれを」
「は~い」
 バスケットから取り出したのはカラフルなマカロンだった。
「これをお越しにつけていくのよ~」
「お友達の家に挨拶しにいく時のやつですわね、これ」
「勿論武器だってもたせますわ!」
 そう言って、ガーベラが鍬と鍋の蓋を持たせてきた。
 農具!
「それと、テントセットとバーベキューセットとお鍋とダンボルガー変身セットと……」
 巨大なリュックサックと大八車(人力軽トラックみたいなやつ)をクソザコ太郎に持たせると、レストおばあさんとガーベラおじいさんはハンカチをぱたぱたと振った。
「気をつけますのよ」
「立派に鬼を退治してくるのよ~」

 ――こうして、クソザコ太郎はやや釈然としないまま、けれど言われたことは素直に守るタイプなのかまっすぐ旅立ちました。

 ……その道中。
 クソザコ太郎はふと気づいた。
「鬼退治と言われましたけれど、鬼ってどこにおりますの?」
 試しに電話帳で引いてみたけど、酒蔵しか出てこなかった。
「一体どうすれば……」
 目的地が無くてもとりあえず歩くという迷子のお手本みたいなノリで大八車をせっせと押しながら、クソザコ太郎は町を行く。
 すると、西部劇みたいな音楽と共に『魔動機仕掛けの好奇心』チャロロ・コレシピ・アシタ(p3p000188)が現われた。
 電柱に手をついて『銃を向けられるたびに1セント貰ってたら今頃大金持ちだぜ』とか言ってた。
 それを横目に通り過ぎるクソザコ太郎。
 道の壁にはいくつもプレートが貼り付けられている。
 『ネコと和解せよ』
 『ネコは見ている』
 『まっすぐ行ってタバコ屋を右に曲がったところに鬼ヶ島がります』
「ありましたわ!?」
 看板を二度見するクソザコ太郎。
 早速目的地が決まったクソザコ太郎は近くの空き地にキャンプをはることにした。
 雑草がしげり三本の土管が置いてあるだけの今時珍しい空き地である。
 テントの組み立て方が分からず困っていると、散歩中の犬がやってきた。
「クソザコ太郎! クソザコ太郎!」
「はっ、この声は!? どなたですの!?」
 振り返ると、舌を出してハッハしてる犬。もとい『脳内お花畑犬』ロク(p3p005176)がいた。
「犬だよ!」
 この子ついに自分のこと犬って言ったぞ。
「ここら一帯のキジとサルをねこそぎ喰い滅ぼした魔犬だよ!」
「いきなり鬼よりヤバいやつきましたわね!」
 キシャーと言いながらおじいさん直伝の『庭を耕す構え』をとるクソザコ太郎。
「だいじょうぶだいじょうぶ」
 ロクが前足を上げた。
「人間もサルみたいなもんだから喰うよ」
「大丈夫の理由が!?」
「じゃなかった、マカロンのほうが圧倒的に興味あるから人間食べなくてもいいよ」
「じゃあなんでキジとサル食べ尽くしましたの……」
 まあまあ、とか言いながらクソザコ太郎のお越しにつけたバスケットを指さすロク。
「そのマカロンくれたら旅を手伝ってもいいよ。わたし手伝ってあげる。鬼の内蔵を引きずり出して生で喰うよ」
「表現が!」
 とか言いながらもマカロンを出して。せいやっと放り投げてみるクソザコ太郎。
 ロクは華麗にジャンプしてマカロンを口でキャッチすると、むっしゃむっしゃ食べ始めた。
「わー! 食べた食べましたわ! かーわいー!」
 仰向けに転がるロクのお腹をこねこねなで回すクソザコ太郎
「オーッホッホッホッホ!」
「その声はっ!?」
 ハッとして振り返ると、暗いステージ奥にスポットライトっていうか、自分のおでこを発光させた『きらめけ!ぼくらの』御天道・タント(p3p006204)が現われた。
「‬真のお嬢の座は渡しませんわよクソザコ太郎!」
 ババッとポーズをとって指を鳴らすと。
「そう、わたくしこそが――!」
「「きらめけ!」」
「「ぼくらの!」」
「「タント様!」」
「でーすーわーー!」
 最後だけミュージカル形式で唱えてくるくる回るタント。
「この劇どんどんドリル率あがるなー」
 ロクが他人事みたいにつぶやいた。
「クソザコ太郎ことビューティフル・ビューティー! あなたとわたくしは、終生のライバルですわ!」
「えっライバ――わたくし名前別にありましたの!?」
「みんなー、カレーできたよー」
「「はーい!」」
 キャンプセットの椅子を並べてパックご飯とレトルトカレーをそれぞれもつと、クソザコ太郎、タント様、ロクはいただきまーすと言って手を合わせた。
 と、その時である。
「おーっほっほっほっほー!」
「その声はっ!?」
 全員よりびみょうに高いところで∞の字を描いて飛ぶ『みつばちガール』レンゲ・アベイユ(p3p002240)が現われた。
「あたしは、真・クソザコ太郎よ!」
「「真・クソザコ太郎!?」」
 カレーをぱくつきながら顔を上げるクソザコ太郎とタント様。
 レンゲは飛行しながら胸を張るという器用なポーズでビッと彼女たちを指さした。
「クソザコ太郎! あなたとあたしは永遠のライバルよ!」
 カレーを犬食いしながら顔を上げるロク。
「なんか金髪ドリルの見本市みたいになってきたなー」
「カレーもう一人分ありますけれど、たべます?」
「たべるー!」
 ヒュンと音をたてて椅子に座ると、手を合わせた。
「いただきまーす! わー、りんごとはちみつね。あまくちー! ……ハッ!」
 カレーをぱくつきながらも振り返る。
「ちがうわ! そのためにここへ来たんじゃないのよ!」
「マカロンもありますわよ」
「「たべるー!」」

 ――こうして、クソザコ太郎はイヌとタント様と真クソザコ太郎レンゲさんを仲間に加えて鬼ヶ島への旅を続けるのでした。

 カラン、とグラスの中で音を立てる氷。
 『祈りの拳』原田・戟(p3p001994)はニヤリと笑ってブランデーの入ったグラスを傾けた。
『俺はサイクロプス。アパート鬼ヶ島の住人だ』
 流れてくる自前のナレーションをよそに、戟はそっと英字新聞を開いた。
『近隣の人々から宝や食料を奪う日々。村娘たちにパラパンをする日々。しかしそんな毎日にも飽いていた』
 軋む木造階段をあくびしながら下りてくる『年中ティータイム』Suvia=Westbury(p3p000114)。
『この女は浚ってきた村娘だ』
「朝はやっぱりこの茶葉ですの。あ、そうだクッキークッキー……」
 戸棚からチョコチップクッキーを取り出し、ニヒルに笑う戟の身体をぐいっとどけてお皿を取り出す。
 足下でニヒルに笑う猟犬アッサム。
『哀れな村娘だ。俺の姿におびえ毎日縮こまって暮らしている』
「なに見てるんですか? ちょっと貸してください。あー、また負けたんですねハードバンク。監督変えればいいのに」
 Suviaは戟から新聞をひったくって膝の上に足をのっけてくつろぎはじめた。
 足下でニヒルに笑う猟犬アッサム。
 ふと見ると、しましま模様の服をきて玄関に立つチャロロにスポットがあたった。
「鬼さん、これ以上娘たちをハラパンするのをやめてください。お願いしますなんでもしますから」
「ん?」
 ニヤリと笑う戟。
 だが、戟にとってチャロロは興味の対象外。
 頑張ってどや顔美少女に仕立て上げることはできるが、その労力を考えて戟はゆっくりと首を振った。
『もはや村は俺のもの。俺を恐れる村人たちは服従するばかりだ』
「そーこまでよっ!」
 窓ガラスを天空クロスチョップで突き破ったレンゲはくるくる回転してからバーカウンターの上に着地した。
 両足を肩幅に開いて上から目線で胸を張るポーズ。
「レンゲさん参上! あんたみたいな鬼、レンゲさんの敵じゃな」
「フゥン!」
 戟のハラパンが炸裂した。
 『なぎゅん』とか言って水平方向に飛んでいくレンゲさん。
 それを右から左へ目で追うSuvia。
 足下でニヒルに笑う猟犬アッサムと魔犬ロク。
「おーっほっほっほ! レンゲさん様がやられたようですわね! しかし彼女は四天王の中でも最弱!」
「金髪ドリルお嬢様軍のつらよごしですわ!」
「「オーッホッホッホッホ!」」
 タント様と(いつのまにか混ざった)ガーベラお嬢様がステレオボイスで高笑いした。
 間に挟まれて『えっえっ』てなっていたクソザコ美少女を肘でつつき、ほらあなたもと声をかける。
「「オーッホッホッホッホ!!!」」
 三人そろって全く同じポーズで高笑いしてみた。
 ついでにSuviaも混じって同じポーズをとり、ノータイム復活で戻ってきたレンゲも加わり五人並んで同じポーズをとってみた。
「「オーッホッホッホッホ!!!」」
 グラスを傾ける戟。
「「オーッホッホッホッホ!!!」」
 マカロン食べ始めるロク。
「「オーッホッホッホッホ!!!」」
 カレーをぱくつくチャロロ。
「「オーッホッホッホッホ!!!」」
 カウンターの裏で煮物を作り始めるレスト。
「「オーッホッホッホッ――ほぎゃあ!?」」
 戟がドラゴン○ールでしか見ないような瞬間移動を繰り返して連続ハラパンを叩き込んだ。
 クの字に曲がって飛ぶレンゲさん。
 クの字に曲がって飛ぶタント様。
 クの字に曲がって飛ぶガーベラお嬢様。
 クの字に曲がって飛ぶクソザコ太郎。
 クの字に曲がって飛ぶ(Suviaの盾にされた)チャロロ。
 その様子を、レストとSuviaは紅茶片手にあらあら~とか言って眺めていた。
「……なんだこの絵ヅラ」
 五人が天井に頭から突き刺さったのを見て、ロクは世の無常と奇跡を知った。
 五人は苦労して天井から離脱すると、乱れた髪を手ぐしでくしくし整えた。
「流石は鬼ですわね」
「手強いとは聞いていましたけれど」
「一筋縄で勝てる相手ではありませんわ」
 もう誰が喋ってんだかわかんないキャラかぶりっぷりである
「今こそお嬢戦隊ドリキュアスリーの力を合わせるのですわ」
「まってまって話変わってる」
「まってまってそれオイラそれ聞いてない」
 なんか背景に特殊なほわほわがかかった。
「輝く金髪――キュアタント!」
 ぺかーと光るタント様。
「耕す金髪――キュアガーベラ!」
 ぺかーと光るガーベラお嬢様。
「蘇る金髪――キュアビューティー!」
 ぺかーと光るクソザコ美少女。
 三人同時に跳躍すると、謎の金色ドリルエネルギーを纏って戟へと突撃した。
「「受けよ三つの――きゃうん!?」」
 戟の真空三連昇竜ハラパンが炸裂した。
「残念だったわね、まだレンゲさんがいるのよ!」
 ぶいーんと飛行しながら戟を指さすレンゲさんちゃん。
「あんたたち、やっておしまいなさい!」
 むくりと起き上がるロク。
「一匹でワン」
 むくりと起き上がるチャロロ。
「二匹でワン」
「三匹そろえば」
 寝てたアッサムを無理矢理おこして、ロクたちは目を見開いた。
「「牙を剥く!」」
 腕組みをして迎え撃つ戟。
 そんな戟が。
「ウッ……!」
 胸を押さえてうずくまった。
「あらあら~」
 リゾートが頬に手を当てていた。
「さっきお出ししたベーコン、痛んでたわ~」
「無念」
 戟がぺたんと倒れた。
 犬のポーズのまま停止するチャロロ。
 オイラは一体なんのためにこれに付き合ったんだという顔で、幕は下りていった。

 ――このあと、領主の息子チャロロがなんやかんやのどさくさでクソザコ太郎に求婚を申し出ましたが場は既に真のクソザコ太郎の称号を奪い合う泥沼の戦いに発展し、いつまでも決着がつきませんでした。
 けれどなんやかんやで。
『幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし』

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

【今回のクソザコ美少女】
 ライバルと天敵が生まれました。感情欄を見よう!

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