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シナリオ詳細

<尺には尺を>崇高なる神の騎士

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 ――仔羊よ、偽の預言者よ。我らは真なる遂行者である。
 ――主が定めし歴史を歪めた悪魔達に天罰を。我らは歴史を修復し、主の意志を遂行する者だ。

 この神託により、天義で起こった混乱はいまなお続く。
 天義の騎士団が黒衣を纏い打ち払わんとするのは、神の国を現実に降ろさんとする遂行者達。
 様々な手を講じる彼らに対し、イレギュラーズはそれらにほぼほぼ対処することで深刻な事態を避けていた。
 しかし、シュアキム六世に謎の神託が下りる。
 それを受けてか、次は神の代弁者たる黒衣の騎士を解き放つ遂行者。
 騎士らもうまく対処していたイレギュラーズだったが、遂行者が売った更なる手によって事態が大きく動く。
 遂行者ヨロによる直接のオファーに応じたイレギュラーズの内、2人が離反。
 聖女の薔薇庭園に残った他メンバーは遂行者の開く茶会に参加し、そのまま保護という名目で捕らわれる形に。
 一方で、帰還したメンバーとシャアキム六世に届けられた招待状。
 ただ、神の国は異言や原罪の呼び声で満ち、騎士団などが魂を侵されてしまいかねない。
 それでも、庭園への道を切り開いて招かれたメンバーの退路を確保し、合わせて『冠位魔種』ルスト・シファーを表舞台に引きずり出すべく、神の国へ。
 至ったティリム大神殿を攻略し、庭園にいたイレギュラーズとの合流が叶う。

 その後、イレギュラーズは更なる深層を目指すのだが。
「とはいえ地固めは必要さ。どこから敵が襲ってくるか分からないからね」
 『海賊淑女』オリヴィア・ミラン(p3n000011)が言うように、これから先のことを考えれば、退路を確保しておきたいところ。
 何せ、敵に挟み撃ちされる危険があるし、先の茶会のように閉じ込められる可能性も十分にあるのだ。
「あちらは幾重にも策を講じているはずさ。こちらも万全な対策をとらねば足元を掬われかねないよ」
 先に進みたいのはやまやまだが、しっかりと探索を進めたいとオリヴィアは念押しし、敵地へと向かうイレギュラーズを送り出すのである。


 神の国で最も重要とされているティリム大神殿。
 煌びやかな装飾に包まれる神殿は実に鮮やかで美しさに目を奪われてしまいそうになる。
 だが、神殿内では断続的に呼び声が聞こえてくるのがあまりにも不気味だ。
 果てしてそれは遂行者のものか、はたまた冠位魔種のものか。
 その声に底冷えすら感じながらも、イレギュラーズは探索を進める。
 先の作戦にて、遂行者や指導者らの居城であったのは間違いないとされ、激しい戦いも繰り広げられた。
 その爪痕を確認しながら、何かが潜んでいないかをチェックしていく。
 
 この地はどうやら、神の国において最奥ではないらしい。
 それは、創造の座なる場所から夢心地のような世界……『理想郷』へと至ることができるからだ。
 もっとも、多幸感を得られるのは選ばれし人や遂行者のみ。
 イレギュラーズも一部多幸感を感じはするが、それと合わせて原罪の呼び声を強く感じて不快感も抱かせる。
 それらを確認しながらも、大神殿を更に探索しようと背を向けると、理想郷から数体の騎士が現れる。
 青、赤、黒、白。
 馬に跨る騎士らは一瞥しただけでそのカラーが分かるような鎧、衣服を着用していた。
 彼らは預言の騎士と呼ばれる。
「神にあだなす愚か者どもめ……」
 蹄を鳴らして近づいてくる騎士らは、表情を変えず淡々とこちらに語り掛けてくる。
「遂行者ナーワルどののお達しでな」
「貴様らを排除せよと命を受けている」
 青、赤がそう語る後ろで、黒と白は瞳を閉じて両手を合わせている。
 ほぼ間違いなく、『冠位魔種』ルスト・シファーへと祈りを捧げているのだろう。
「これは、神に捧げる戦いである」
 一斉に武器を抜いた騎士ども。
 遂行者ナーワルの手勢とあらば討伐せねばならぬと、イレギュラーズもまた武器を抜いて攻撃を仕掛けていくのである。

GMコメント

 イレギュラーズの皆様こんにちは。GMのなちゅいです。
 <尺には尺を>のシナリオをお届けします。
 ティリム大神殿やその先の攻略を進めるイレギュラーズ。
 しかし、遂行者らもただ手をこまねいてはいないようです。

●概要
 テュリム大神殿を探索するイレギュラーズは大神殿を調査しつつ、退路を確固たるものとすべく敵を掃討します。
 その最中で、遂行者ナーワルが残した預言の騎士と対します。
 神を崇める言葉を繰り返し、それらは聖痕のないイレギュラーズを徹底的に排除しようと襲い掛かってきます。

 戦場は神殿内の通路。
 大型の個体も通行できるようにか、幅も高さも余裕はありますが、飛行は低空のみ、遠距離攻撃も通路を前方に見る形でないと厳しいでしょう。

●敵:預言の騎士×5(+1)体
 ルスト・シファーの権能によって生み出されている騎士達。
 馬に乗り、それぞれのカラーが特徴的です。
 青、赤騎士は意思疎通ができるようですが……。

・青騎士:カミロ×1体
 騎士を率いる強力な騎士。
 刻印のない相手を機械的に屠ろうとしてきます。
 強烈な吹雪を発して相手を硬直させ、片手で軽々と操る重い鎚を振り下ろしてきます。

・黒騎士×2体
 病原菌をばら撒くのと合わせ、闇の力も駆使します。
 ランスに闇を纏わせて鋭い突きを繰り出し、前方へと衝撃波と共に闇のオーラを放つことも。

・赤騎士×1体
 炎を操って狙った相手を燃やしてきます。
 弓矢を使い、炎の投擲だけでなく、直線、放射など行います。
 また、滅びのアークを使いこなし、近場の人々などを含めて狙った相手を炎の獣に変化させる力を持ちます。

・炎の獣×1体
 赤騎士が作り出した存在。
 燃え上がる四本足の猛獣を思わせますが、どの獣とも特定できぬ見た目をしております。
 炎を操るのと合わせ、突進、嘶きといった手段での攻撃も行います。

・白騎士×1体
 白い外見の騎士。錫杖を手にしています。
 勝利を呼び込む存在とされ、仲間を支援強化します。
 強化が行き届いているときは回復、白い光を放って遠距離攻撃も行います。

〇遂行者:ナーワル
 20歳、リドニア・アルフェーネ(p3p010574)さんの関係者。
 「碧熾の魔導書(ブレイジング・ブルー)」と呼ばれる魔導術式が人形となった存在で、炎の使い手。
 騎士を配備した張本人ですが、その姿は大神殿にはありません。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

 それでは、よろしくお願いします。

  • <尺には尺を>崇高なる神の騎士完了
  • GM名なちゅい
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年11月30日 22時25分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

亘理 義弘(p3p000398)
侠骨の拳
ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器
ヴィクトール=エルステッド=アラステア(p3p007791)
懐中時計は動き出す
ラムダ・アイリス(p3p008609)
血風旋華
柊木 涼花(p3p010038)
絆音、戦場揺らす
火野・彩陽(p3p010663)
晶竜封殺
陰房・一嘉(p3p010848)
特異運命座標
レイテ・コロン(p3p011010)
武蔵を護る盾

リプレイ


 リンバスシティより神の国へと至ったイレギュラーズはしばらく、テュリム大神殿の探索を進める。
 久々の依頼とあって、長身の鉄騎種男性『懐中時計は動き出す』ヴィクトール=エルステッド=アラステア(p3p007791)はここしばらくの事情を把握して。
「はてさて、天義が規那臭いことは存じていましたが、これほどのことになっていたとは」
 再び、天義の我が物にしようとしているのが、冠位魔種となれば、ヴィクトールと同じ反応になろうというものだ。
 ……ぅぁぁ、……ぁぅぅぉ…………。
 その間にも神殿内に響く原罪の呼び声。
 中性的な姿が印象的な青年、『【星空の友達】/不完全な願望器』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)は心を強く持ってそれに抵抗する。
「傲慢なんてお断りだ!」
 声を荒げるヨゾラは合わせ、感覚を研ぎ澄まして周囲の警戒に当たっていたが、何かを察して仲間に警戒を促す。
「神に仇なす愚か者どもめ……」
 蹄を鳴らして近づいてきたのは、預言の騎士と呼ばれる一隊だった。
「うわぁ……予言の四騎士揃い踏みですね」
「ふむ。四騎士を全て揃えて送り込んできた辺り、敵も、此方の戦力を評価し直したと言う所か」
 確かに、前方には白、赤、黒、青の四騎士が揃っている。
 冒険者に憧れた練達育ちの飛行種少年『新たな可能性』レイテ・コロン(p3p011010)のそんな言葉に、こちらも身長2mもある巨漢、アスリートを思わせる屈強な肉体を持つ『特異運命座標』陰房・一嘉(p3p010848)はこの四騎士の能力が連携して補完し合うのが脅威だと指摘する。
「四騎それぞれの特殊能力が噛み合ったら、シナジー凄い事になりそうだなぁ」
 一嘉に同意したレイテだが、事前情報から赤騎士が炎の獣を召喚するとはいえ、少数精鋭で攻めてくる辺り敵戦力もジリ貧なのかと推察する。
 もっとも、レイテも探偵ではないから真相は分からないと、謙遜していたが。
「遂行者ナーワルどののお達しでな」
「貴様らを排除せよと命を受けている」
「またナーワルか! ……まぁ、本人いないけど!」
 騎士の呼びかけに、ヨゾラが思わず声を荒げる。
「仕事だな。こちらにとっても向こうにとっても、お互いの存在が邪魔だろう」
「奴の呼ぶ敵は、何度でも何体でもぶちのめすしかないね!」
 悪いが、全力で倒すしかない。
 異世界にて任侠の世界に身を置いていた『侠骨の拳』亘理 義弘(p3p000398)が身構えると、ヨゾラも彼に倣って術式を展開し始める。
「これは、神に捧げる戦いである」
「神に捧げる戦いねぇ……何言ってんだ此奴って感じだね……」
 一斉に武器を抜いた騎士のセリフに、正式名称:菖蒲型魔導機巧人形拾壱號……11を意味する名を名乗る『血風旋華』ラムダ・アイリス(p3p008609)が悪態をつく。
「神に捧げる、ですか。それもまた、答えの一つなんでしょう」
 騎士に否定こそしないが、ギターを下げた人間種女性『奏でる言の葉』柊木 涼花(p3p010038)がそれはロックではないと楽器を構える。
 ――必要なら神にだって中指を立てて、明日を、理想を自分の手で掴み取る反骨精神を。
 それこそが理想を理想たらしめると涼花は信念を語って。
「だから――貴方たちを越えて、先へ」
 今のうちにと、涼花が弦を弾いてメンバーの防御を高める。
 ラムダもまた、聖骸闘衣に武技の型をとって自己強化していた。
 その間に、一嘉は改めて敵編成を視認し、黒騎士以外は1体ずつだったことに気づいて。
「必勝を期するなら、四騎士を各二体、八騎にするべきだったろう」
 この布陣では、青、赤、白のどれか一騎が落ちた時点で、その脅威度が格段に落ちるからだ。
 つまり、そこにイレギュラーズが攻める隙があると一嘉は敵戦力を分析していた。
「さーて此処は抜きたい」
 やや軽薄な笑いを浮かべる青髪三白眼の旅人、『晶竜封殺』火野・彩陽(p3p010663)はこの大神殿の先に大ボスがいるのだろうと考え、その討伐したいと希望していたのだ。
「我々のやることに変わりなし」
 聖職者風のヴィクトールではあるが、神など信じていない彼は罷り通ると宣言する。
「どんなに道を塞ごうとも、此処は突破させてもらうで!」
「この場で言える真実は一つ、纏めて返り討ちですね」
 彩陽、レイテも意気揚々と騎士らに叫びかけ、本格的な討伐を開始するのだった。


 煌びやかな神殿内部にて、預言の騎士との交戦に臨むイレギュラーズ。
「騎士達はそれぞれ特徴がある。こちらもうまく対応しなければ不利になるだろう」
 なお、義弘は前提としてこちらをブロック、庇い合う可能性を考慮しないと付け加える。
 リーダーである青騎士と赤騎士は意思疎通可能とのことだが、他とは意思疎通がどこまでできるか不透明だ。
 ともあれ、メンバー間で支援役の白騎士の排除を最優先と認識を合わせる。
「皆、遅れたらあかんよ」
 いち早く動き出す彩陽は後続の仲間と自身を同調させる。
 そして、突撃戦術に出た彩陽は後方から赤白中心に敵を纏めて捉え、組み上げた掌握魔術を発動させる。
 前方の空間に駆け巡る気糸が早くも騎士達を襲う。
 それらへと低空飛行する一嘉も白騎士を中心に拳銃を向け、鋼の驟雨を撃ち付けていく、
 一嘉はその後も広範囲の攻撃を白騎士を含め、かつ多くを捉えるよう位置を調整していた。
 ラムダも仕掛けようとするが、戦場となる大神殿の通路に難色を示す。
(……まいったね)
 これだけ限定された空間ではラムダも奇策を打てず、真っ向勝負の削り合いをするしかなさそうだと考える。
「……地力がモノを言うなんて戦り方はあまり好きではないのだけど……」
 とはいえ、仲間がうまく先手を取るよう配慮してくれている。
 ここは喰い破るのみ。
 そう割り切ったラムダは仲間と合わせ、面倒な回復役から広範囲攻撃をと魔導機刀で数多の剣閃を発して騎士達の体を切り裂いていく。
 手応えは十分。このまま敵陣を制圧してしまいたいところだ。
(うまく先手を打つことができたな)
 事前の策が機能するか危惧していたが、義弘はこの機を逃さず仲間を避けて敵陣へと鍛え抜かれたタックルを叩き込んでいく。
 義弘の繰り出す一撃は実にパワフル。
 馬に騎乗した騎士どもも予想外のダメージに驚いていたようだ。
 ヨゾラもまた白騎士を中心とした敵を射程に捉えて。
「呑み込め、泥よ……騎士達も炎の獣も全部呑み込め!」
 詠唱を完了させたヨゾラが術式を発動させれば、根源たる力がさながら星空のような泥となって騎士達へと浴びせかかっていく。
 騎士の機動力もかなりのもの、ヨゾラも序盤は移動しながら詠唱を続けることに。
 出遅れた騎士達をレイテやヴィクトールが迎え撃つ。
 高らかに名乗りを上げるレイテは騎士を特定せず、数体を引き付ける。
「神なんて存在しないものを崇めてないと生きていけないなんて、かわいそう」
 ヴィクトールは自身が標的となるべく相手を逆上させようと煽る。
 同行する仲間に信仰のある方がいたらと申し訳なさものぞかせるヴィクトールだが、どうやら信心深いメンバーはいないようだ。
 しばらくは神を唾棄するかのような言葉を吐き続けるヴィクトール。
 少なからず騎士どもは彼らに強い敵意を抱いて手にする武器を振り回して攻撃してくる。
 逆上した相手はかなり切り崩しやすいが、そこは神の遣いと気丈に立ち回る騎士達だ。
「怯むな、神は見ているぞ」
 リーダー格である青騎士カミロは部下の騎士達へと呼びかけ、自ら吹雪を発し、重い鎚を振り下ろしてくる。
 青騎士に続いて赤騎士が矢を放ち、炎獣が突進してくる。
 そして、黒騎士2体も白騎士によって立て直し、次なる攻撃に備える。
 涼花はその戦況を一歩引いた立ち位置で確認しつつ、楽器をかき鳴らす。
 回復役として立ち回る涼花だが、初手だけは白騎士へと精神力の弾丸を叩き込む。
(これで少しでも、火力面で貢献出来たでしょうか)
 すでに前線は騎士の激しい攻撃にさらされている。
 涼花はすぐに回復へと転じて仲間の支援の為に歌を響かせるのである。


「神の御名の元に」
「我らはその代行者なり……」
 預言の騎士は時折神の名を語り、全力でイレギュラーズを排除しようとしてくる。
 メンバーが危惧していた通り、やはり白騎士は勝利を謳って騎士らを強化するのが煩わしい。
 こちらも白騎士を中心に攻撃を重ね、撃破を目指す。
 彩陽は突撃戦術をとり続けて。
「傀儡はどちら。傀儡はそちら。この矢(いのり)は味方への鼓舞。敵には呪い。今放つ」
 組み上げたのは、アンジュ・デシュ、
 白い騎士を中心として輝く堕天の一撃。
 目を背けんばかりの光は、白騎士に呪いを与える前にその体力を削ぎ切ってしまった。
「……不甲斐なし」
 そう漏らした青騎士の言葉は倒れた白騎士に対するものか、はたまたうまく隊を纏められぬ自身に対するものか。
 イレギュラーズはそれを知ることもなく、攻撃を続ける。
 白騎士が残した強化を持ったままの騎士らが猛然と攻めてくるが、次なる攻撃対象としてメンバーの多くが定めていたのは赤騎士だ。
 青騎士の連絡役であるのもそうだが、炎の獣を新たに呼び出す可能性があるのが見過ごせない。
「許さぬぞ、神に叛く俗物どもめ!」
 繰り返し名乗りを上げるレイテはその赤騎士を含め、騎士達に本来の戦いをさせない。
 その隙を突き、レイテは武器を振り上げる敵に膂力でカウンターを叩き込む。
 通路は決して広くはないが、若干一嘉の予測よりは広い。
 とはいえ、多少通路幅が広い場合も彼は想定済みで、しばらくは鉛を掃射して敵の足を止めるよう尽力する。
(炎の獣を使役する厄介な相手、か)
 義弘は赤騎士が使う炎の獣へと変異させる力に注目する。
 果たして、イレギュラーズもそれができるのかどうか。
「カミロ様、今こそ……」
 しばし、赤騎士が繰り出す技を注視する義弘。
 一度、滅びのアークを使っていたが、周囲にカタギ……一般人はおらず、盾役となる2人もしっかりとそれを止めていた。
 この地点で、赤騎士はイレギュラーズを炎の獣と変える力に欠けると判断した義弘は一気に攻め落としに出る。
(赤騎士と青騎士の連携は断たねばな)
 馬の脚が若干もつれたところへ、彼は怯んだ敵へと追撃をかけ。
「お前らの神を否定する。俺達も生きていたいからな」
 炎を放射しようとした赤騎士だが、義弘の執念が勝ってその拳が敵の鎧を打ち砕く。
「も、申し訳……ありません……」
 見事に義弘は赤騎士をぶちのめし、落馬した騎士は姿を消してしまった。

 続き、イレギュラーズは黒騎士に照準を合わせる。
 戦いの鼓動を高めるヴィクトールが病原菌をばら撒く黒騎士はメンバーに様々な異常をもたらす。
 ヴィクトール自身も重戦車の如き進撃の猛攻を仕掛けて自らの不浄を振り払うが、涼花の響かせる歌声、演奏がメンバーに力を与える。
「敵の侵攻は停滞気味です。今なら……」
 涼花の支援を受け、力を漲らせるイレギュラーズは一層強く攻勢に出て。
「白さえ倒れてしまえば……」
 ラムダは手前で仲間の攻撃にさらされる黒騎士目掛け、一気に切り込む。
 刹那の後、無我の境地へと至ったラムダは鋭き剣閃を黒騎士へと浴びせかける。
 闇の力を放出して応戦していた黒騎士の片割れは、その力を頭上へと放出する。
 それが最後の一発となり、黒騎士はそのまま落馬して虚空へと溶けていった。
「どいつもこいつも能力が厄介、異常攻撃だらけじゃないか」
 治しても治しても、繰り出される異常の嵐。
 とりわけ、黒騎士が振りまく病原菌は非常に厄介であり、毒や足止め、不吉、呪い、暗闇、重圧と確認されただけでも多岐にわたる。
 それでも、すでに白とか赤が倒れており、ヨゾラもうんざりとしつつ、青騎士が広域に展開する吹雪を意も介することなく、黒騎士へと迫る。
「こいつで消え去れ、星の破撃ーーー!!」
 ヨゾラの放つ渾身の神秘の一撃。
 黒騎士は仰け反るように倒れ、二度と起き上がることはなかった。
「預言の騎士が聞いて呆れる……!」
 気づけば、青騎士は自身以外の騎士がいなくなっていたことに気づく。
 赤騎士に従う炎の獣がまだあらぶっていたが、それも時間の問題だろう。
 実際、一嘉が仲間をフォローするように炎の獣を一時抑え、鉛を掃射して炎の獣を仕留める。
 一瞬だけ大きく燃え上がった獣だったが、それが最後。
 力なく燃え尽きて消滅してしまう。
「神よ、お許しを……」
 チームを壊滅させて懺悔する青騎士カミロ。
 ただ、ただではやられぬと怪力をもって激しく攻めてくる。
 重い鎚を片手で繰り出す青騎士は猛然と攻めてきており、止まることがない。
 盾役2人をかわし、地を割らんばかりの衝撃をメンバー達へと叩きつけてくる。
 青騎士への備えを決して怠ってはいなかったが、ラムダ、彩陽が強い衝撃に耐えられず、意識を失いかけてしまう。
 厄介な白騎士を倒せば。
 そんな考えはラムダ、彩陽に少なからずあったかもしれない。
「なるほど、油断大敵、だね」
 パンドラが砕ける音を耳にし、よろけて身を起こすラムダ。
 傍では、彩陽もまた翼を使って態勢を整えていた。
「誰も倒れさせないよ……!」
 ヨゾラがそこで、星天の願歌を神殿内に通る声で歌い、仲間を癒す。
 青騎士も序盤からイレギュラーズの範囲攻撃を幾度も受けていた。
 早々の白騎士が倒れていることで、回復もろくにできていないはずだが、何ともしぶとい。
 仲間が危険だと察し、自身を閉じた聖域で包むレイテがなおも名乗りを上げて青騎士を惹きつけようとする。
 ヴィクトールもまた鼓動を高め、青騎士に存在感を示す。
「神などいないと言っています。本当に哀れですね」
 彼の向ける憐れみの視線は、青騎士のプライドを刺激していたようで。
「侮辱するか、我らを、我が神を……!」
 部下を失い、神を蔑まれ、青騎士カミロはより力を高める。
 現状、盾役は無事だが、一嘉は一時後退の事態も想定し、いつでも前に出て防御態勢をとれるよう備える。
 ただ戦況を注視してもいない。
 一嘉は相手が残り1体になってなお、奏でるように鉛を掃射していく。
 フリーになっている腕で青騎士は吹雪を巻き起こし、イレギュラーズの熱気を冷まそうとしてくる。
 変わらず騎士どもの神を否定すべく、義弘は敵の懐へと潜り込んで掌打を打ち込む。
 彼が繰り出した一打はただの掌打ではない。
 青騎士に触れた瞬間、義弘は膨大な気を送り込み、そいつを体内から破壊していく。
(心は熱く、けれども頭は冷静に)
 全力で仲間を癒していた涼花は、全霊をもって仲間達を支援する。
 ――最終的にわたしたちが誰もかけていないよう。
 ――誰も倒れていないよう。
 回復の合間、青騎士の態勢が崩れかけた一瞬を逃さず、涼花は強い音を発して精神力の弾丸を撃ちこんでいく。
「く……!」
 完全に馬の脚が止まり、青騎士も仰け反ってしまう。
 だが、それでも、瞬時に態勢を整えるのが強敵と言われる由縁だろう。
「押し通る。止められると思うな!」
「おっと、そこから先はいかせへんよ」
 だが、彩陽が盾役の仲間が食い止める横から仕掛けていて。
 そう青騎士へと呼びかけた彩陽は手にする弓に……、剔地夕星に矢を番える。
「矢だって機関銃(マシンガン)にもなるんやで? 知っとった?」
 そして、彩陽は言葉通り、放つ矢をまるで散弾の如く飛ばす。
 それらに撃ち抜かれ、青騎士はついに馬上から振り落とされる。
 なんとか戦線復帰しようとするカミロ。
 すかさずラムダが剣閃を飛ばして仕留めようとするが、青騎士は己の馬を掴む。
 だが、ヴィクトールがこう告げて。
「口汚い言葉を使ってしまってすみません。正直なところ、信じて救われるのならばそれでいいと思っていますよ」
「我が神以外に、救い、など……」
 最後まで言い切ることなく、そいつは爆ぜ飛ぶように姿をかき消す。
 虚空へと消え去ったその騎士に、ヴィクトールは祈る。
 ――斃されたあなた方にも、魂の救いと安寧があらんことを。
 消えゆく青騎士に、彼の言葉は届いただろうか。


 ……ぁぁ、…………ぉぉぉ……。
 現れた騎士は討伐できたが、以前周囲には原罪の呼び声が響いており、気を抜くことができない。
「今後も、敵が増えれば増えるだけ倒すしかないね……!」
 仲間を手当てするヨゾラは、新たな敵が出現しないか警戒を怠らない。
 その間もメンバーは神殿内をできるだけ探索を進めるが、調べた範囲内で敵を確認することができない。
 やはり、レイテが戦い前言ったように、遂行者らも追い込まれているのだろうか。
 ともあれ、呼び声もあって滞在するだけで疲弊する状況。
 メンバーは頃合いを見計らって神の国から離脱することにしたのだった。

成否

成功

MVP

火野・彩陽(p3p010663)
晶竜封殺

状態異常

なし

あとがき

 リプレイ、公開です。
 MVPはこの戦いで肝となる白騎士、青騎士を討伐した貴方へ。
 今回はご参加、ありがとうございました。

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