シナリオ詳細
ファントムナイト記念特別レース、開催!
オープニング
●高らかに響くファンファーレ
今宵、ファントムナイトの夜――。
あちこちに、仮装ならぬ、異なる姿の人々が思い思いの夜を過ごす。
奇跡の夜。魔法の夜。秋の魔法の日。それがファントムナイトだ――。
「そんなファントムナイトの日にはフィジカルだ!
ファントムナイト記念特別レース~~~~~!!!」
と、明るい声が鳴り響き、ばぁん、と空に花火が舞った。
鉄帝特別レース場(普段は主に鉄帝の人たちが走っている)には、多くの観客たちが詰め寄っている。
魔法の夜の熱気。そして歓声。
この日、G1(多分グレード1とかだと思う)という特別な分類にランクされる大規模なレースが開催されるのだ。
その名もシンプル、『ファントムナイト記念』。
魔法の夜に開催される、スペシャルなレースだ。
「説明するまでもないかもしれませんが、しっかりと説明させていただきます!
今回のレースはG1! 混沌世界最高峰のレース(自称)となります!
会場はここ、鉄帝特別レース場。
コースは芝、3200m右回り!
最長距離のレースとなっています!」
観客たちの歓声が響く。会場のあちこちでは商人たちが屋台だのカゴだのを抱えて、食べ物とか飲み物とかを売っていた。どうやら、レースの勝敗を予想する賭け事も行われているようで、あちこちに予想屋たちが独自の予想をがなり立てている。
オッズは人気によって決まっているようで、ある意味で人気投票のような役割も果たしている。もちろん、ここでの人気とは「一番速いローレット・イレギュラーズ」のことだ。
説明が遅れてしまったが、前述したとおり、今日のレース参加者は全員が『ローレット・イレギュラーズ』たちである。そのそうそうたるメンバーの姿を見てみればわかるだろう、参加者の一人は、例えば、かのフラーゴラ・トラモント (p3p008825)だ。
フラーゴラは、ファントムナイトの仮装、ならぬ『異姿』で、スタートゲートに立っていた。周りのイレギュラーズたちも、当然のように、ファントムナイトの『異姿』である。
今日という夜の特別レース。参加者たちもみな、ファントムナイトでの『異なる姿』での参加が義務付けられていた。仮装レース、というような認識で間違いないだろう。
「さて、レースのルールですが」
と、先ほどから声を上げている、女性アナウンサーが言葉をつづけた。
「レースは何でもあり! とにかく3200mを最速で駆け抜けた参加者が勝者となります!
スキルによるバフやデバフも解禁していますので、一発逆転も夢ではありません!
最後まであきらめず、最後の直線を最速で駆け抜ける参加者は誰か!?
気になりますね!」
「頑張ってほしいですね」
解説のおじさんがうんうんうなづいた。
「出走まではまだ時間があります!
参加者の皆さんはレースの作戦を練るもよし!
観客の皆さんは、最後まで応援する参加者さんに悩むもよし!
思い思いの時間をお過ごしください!
ちなみに、参加者様は、ぜひぜひシナリオ詳細の部分をご確認ください!
ほんとに詳細が書いてますので! ぜひ! ご確認ください!」
アナウンサーがそういうのへ、解説のおじさんがうなづいた。
「頑張ってほしいですね」
「それでは、間もなく出走です! 皆様、プレイングを書いてお待ちください――!」
というわけで――。
レースの始まり始まり、である!
- ファントムナイト記念特別レース、開催!完了
- G1 芝3200m
- GM名洗井落雲
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2023年11月18日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談8日
- 参加費150RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●パドック
「さて、今回参加のイレギュラーズを見ていきましょう。
一番、『遺言代行業』志屍 瑠璃(p3p000416)。
衣装はこちら、魔女風のものとなります(https://rev1.reversion.jp/illust/illust/85762)」
「いい仕上がりですね。特にぴっちりしたスーツがまた素晴らしい。
最近の魔女の流行りは箒みたいなブースター兼武器ですからね。洗井落雲もロスアカでそういう武器持たせようかなって悩んだところはあります。
しかし実際に使ってみるとどうなのでしょうね。これはバランスをとるのが難しそうですが、志屍瑠璃、制御可能か。楽しみですね」
「では、二番『真打』紫電・弍式・アレンツァー(p3p005453)。
堂々としたパドック入りです。
衣装はこちら(https://rev1.reversion.jp/illust/illust/85870)。ティンダロスの猟犬だそうです」
「犬耳はいいですね。タイツも素晴らしい。
戦法は大逃げでしょうか。鍛え上げられた反応に期待したいですね」
「続いて三番、『高貴な責務』ルチア・アフラニア(p3p006865)。
まさかのアイドル衣装(https://rev1.reversion.jp/illust/illust/19885)での参加になります」
「いいですね。最近はレースの後にアイドル衣装で歌うのが当然のような風潮ですから。これはレース後が楽しみです。
いや、しかしセンターを勝ち取れるのか。我らのアイドル、ルチア・アフラニア。本日旦那さんも観客席で手を振っております。
優勝を花束に、旦那さんとダンスを踊れるか。見ものですね」
「次はこちら、四番『酔狂者』バルガル・ミフィスト(p3p007978)……。
あ、いえ、どうやらバルガル氏は参加辞退だそうです。
代わりにベルリー・ミフィスト氏が参加とのこと。
改めて四番ベルリー・ミフィスト(https://rev1.reversion.jp/illust/illust/85990)。些か緊張のパドック入りです」
「いいですよね、TS。もっと増えていいと思います。大人のゲームとか。
かくいう私も元男でね。
戦法としては、高いクリティカルで差しを狙います。クリティカルって差しなんですね。私も未体験ゾーンです」
「五番は『Pantera Nera』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)。
こちらロリータドレス(https://rev1.reversion.jp/illust/illust/85553)での参加です。
すでに会場からは黄色い悲鳴が上がっています」
「ギャップがいいですよね。僕は好きです。褐色と白のコントラストって良くない? いいよね、良い。
僕は褐色に赤の衣装も好きなんですよね。クロエ=クローズってNPCがいるんですが、あれ大体僕の性癖なんですよね。好き。
まぁさておき、いつもの機敏な動きをドレスで魅せられるか。あるいは、ドレスとともに可憐さで魅了するか。戦法にも期待が持てます」
「そして六番は『殿』一条 夢心地(p3p008344)。ユリーカスタイルでの登場です。
現在、こちら参考資料がございませんので、皆様心の中で想像してください」
「素晴らしいですね。ユリーカの首から上が殿になっています。首から下はユリーカで、首から上が殿です。
そしてユリーカといえば『ないない』ですが、果たして殿は有効活用できるのか。そしてどうやってレースで活用していくのか。
目が離せない選手になりますね」
「続いてこちら、七番『星月を掬うひと』フラーゴラ・トラモント(p3p008825)。
アーマード・ゴラ! アーマード・ゴラ(https://rev1.reversion.jp/illust/illust/85771)です!」
「いいですね。愛しのハンドラーにアピールできるか。どうか腕に覚えのある方は、プラモデルを改造して作っていただきたいこの一品。
パーツは中量か軽量に見えますが……脚部は逆関節かと思いましたが、獣脚ですね。果たしてこのアセン、今回のミッションに吉と出るか凶と出るか。レースにリスタートはききません。やれるかイレギュラー」
「そして最後となります八番、『エッジランナー』佐藤・非正規雇用(p3p009377)。
こちらマーライオン非正規雇用(https://rev1.reversion.jp/illust/illust/85795)です。
エッジランナー。されどマーライオン。走れるのかマーライオン」
「走れないんじゃないですかね。世界三大がっかりと言われるマーライオンですが、がっかり非正規雇用とならないよう、頑張っていただきたいところ。
おっと、こちら非正規雇用より忠告が入っています。
『観光資源を傷つけたら弁償ですよ』。
番外戦術だ! やりますね、非正規雇用。さすが非正規雇用、弁えております。
果たしてこれで、周りにプレッシャーをかけられるか。傷つくハートはロンリネス、ハートの修理費プライスレス」
「以上八名による激闘が繰り広げられます。
パドックでは、やはり注目はベルリー・ミフィストですかね?」
「そうですね。頭を抱えていました。正体がバレバレという事ですからね。
ところでTSの大人向けのゲーム、最近出たので私も最近プレイしましたが、あの」
「おっと、話が盛り上がりそうですが、ここで各選手ゲートイン。
皆真っすぐに先を見据えています。
ファントムナイト記念、G1芝3200m右回り」
「なんでこの人たち、生身で2マイル走ってるんでしょうね。これはルチアさんがおっしゃっていました」
「鉄帝だからじゃないですか?」
「しってた」
「さて、ここで高らかにファンファーレが鳴り響きます。皆さま、各自G1っぽい奴を想像して頭の中に流していただきたい。そう、アレです」
「ここからが本番です。さぁ、果たして誰がレースに打ち勝つか。
洗井落雲の家の猫もスタンバイしています。
今日も元気よく、洗井落雲の手に嚙みついております」
「猫飼いには勲章のような傷です。
さぁ、まもなくスタート、スタートです」
「まもなくゲート開きます。いやぁ、楽しみですね」
「さぁ、ゲート一斉に、開きました!」
●レース・オブ・ファントムナイト
さて――実況を兼ねつつ状況を描写して行こう。
予定通り、まず跳び出したのは、紫電、瑠璃、夢心地である――!
「先頭の景色は――ッ!!」
たぶんフルで言ったらどこかから怒られそうなことを叫びつつ、まずはぶっ飛ぶ紫電! そしてほぼ差なく走る瑠璃は、予定通りの箒・ブースターで高速をたたきだす! やや遅れての夢心地! だが、
「この凹凸の少ないエアロボディは空気抵抗を殺す!」
夢心地が、本人が聞いていたら刺されそうな発言とともに飛び出す。なにせ、殿である。そして、ここは祭りの会場である。ならば、派手にやるのが、夢心地流!
『さぁ、まずは序盤戦。跳び出した紫電、瑠璃、夢心地。やや遅れて残りのメンバーが馬群に沈む!』
『馬群じゃないんですけどね。なんていうんですかね、イレ群?』
『よくわかりません! さぁ、まずは第一コーナーに入ります! ん、ちょっと待って? 瑠璃さん、あのブースターでカーブってできるんですか?』
『そうですね、じゃあ猫にダイスを振ってもらいましょう! 曲がれ、志屍――っ!』
瑠璃が軽快に飛び出す。ブースターは全開!
「ここでインド人を右に――ッ!」
ぐい、と体を傾ける瑠璃。が――。
(曲がり切れない?!)
さすがにブースターの推力が高すぎたか! 此処で大きく体がぶれる。イン側から大きく外れ、大外へ投げ出される瑠璃の体!
「ですがっ!」
瑠璃は一気に箒から飛び降りると、箒を押し込んだまま芝を駆けだす! 落ちるなら下りればいい! 走ればいいのだ!
『なるほど、立て直しました――が!』
「そこを見逃してやる理由はない!」
紫電が一気に走り出す――続く夢心地! さすがにカーブでのロスは響いたか、僅かに下がる瑠璃、イレ群に強く近づいてしまう!
「なーっはっはは! これが! ユリーカスタイルッ!」
此処でわずかに出遅れる瑠璃。だが、まだ勝負はわからない。
『さぁ、レースも序盤を突破し、大波乱――!
イレ群の方を見てみましょう! アーマード・ゴラを先頭に、中央にゴロンゴロン転がる非正規雇用が抜群の存在感を放っています!』
「壊れたら弁償ですよ!」
「くっ、弁償の費用って経費でおちるのか……!?」
笑う非正規雇用に、モカは思わずたじろいでしまう。それに、店主が観光資源を破壊したとレッテルを張られれば、店の売り上げが落ちてしまうかもしれない!
「やっかいね……あなた、戦車競争とかに出た方がいいんじゃないの……!?」
とはいうものの、安定を見せる走りのルチア。アイドル衣装なれど、そこはさすがのステータス補正といったところか。
『さぁ、このまま第二コーナーへと入ります! 先頭は問題なく通過――イレ群が突入! 猫にダイスを振らせます! さぁ、問題なく通過できるか――!?』
さて、イレ群が第二コーナーへと侵入! 先頭のゴラが華麗なクイックブーストでドヒュンドヒュンしている後ろに転がる非正規雇用――いや、モカが走りだした! 此処でいい位置をつかめるか――が!
「壊したら弁償ですよ!!!」
此処で非正規雇用の圧がはいる! モカ、店主として炎上沙汰は避けたい!
「くっ……!」
観光名所の圧は強い! 此処でモカが大きく遅れだす! 後ろから駆け抜けるルチア、そしてTS若返り!
「TS若返りって言わないでください!」
闇の帳に隠れつつ、小声で抗議を行うバルガル……いや、ベルリー! でもわかるよ、TS若返り。洗井落雲もそれはね。
「同類にされたくない……!」
ベルリーがぼやきつつ、さて、改めて先頭から見て行こう。
先頭は紫電、続いて夢心地。遅れて瑠璃が追従、そこからアーマード・ゴラ、非正規雇用、ルチア、ベルリー、モカと続く!
さぁ、レースもここからが終盤。そろそろスパートの駆けどきか!?
「ならば……!」
さぁ、ベルリーが仕掛ける! 選択したスキルはHブランディッシュ! 自分の周囲のランナーの速度をわずかに減衰させる!
「くっ……!」
此処で安定をとっていたルチア、咄嗟のルーンシールドでの防御! 一方、非正規雇用は大幅に速度を低下……というか!
「ふっ、気持ち悪い……」
回転して走ればそれはそうなる。チョコパイを齧りながら怒涛の粘りを見せるものの、ややイレ群に沈んだか!?
『さぁ、ここで第四コーナーへと突入!』
実況ががなり立てる。やはり全員が仕掛けるのは最後の直線か。とはいえ、ここから差しのメンバーが一気に速度を上げ始めた!
「ARMORED GORA FIRES OF BBQ。
──焼き尽くせ。燃え残った恋心まで。
5621(ごらにーいち)仕事だ。
ブゥゥーーーン……」
アーマード・ゴラが仕掛ける! イレ群を抜けかけていたルチア、ベルリーをわずかに突き放したゴラ、先頭集団後方へ!
『さぁ、コーナーを抜けまして……戦闘は引き続き紫電、夢心地が続いて瑠璃――おっと瑠璃、ここで箒の先端が地面へ! クラッシュか……いや!?』
瑠璃がつんのめった箒から『吹っ飛ばされる』!
「投石機の要領ね……!」
たまらずルチアが解説するのへ、瑠璃は笑った。
「そう、そして石は私――!」
「だが! そうは問屋が卸さぬ!」
そう、夢心地も健在だ! 夢心地はここで『ないない』を発動! といっても、発光である。が――。
「この態勢で目くらましなどをされれば――」
ひとたまりもない!
「んきゃあああっ!」
悲鳴とともに瑠璃があらぬ方向に吹っ飛ぶ! そして爆発!
『瑠璃選手、残念ですがここでリタイアです! あそこで爆発した瑠璃さんが胸をはだけたりしてサービスショットを披露していますので、この辺に挿絵を入れておいてください!
さぁ、最後の直線、引き続き紫電、夢心地、かけてきたゴラはアサルトブースト! 燃えろ恋のやばい燃料!
続くルチア、安定した走りでためたスタミナを此処で爆発させます! ベルリーは鼻差で追従! 遅れて非正規雇用、モカと続きます!』
各イレギュラーズ、己に鞭を入れる! さぁ、さぁこのレース、制するのは誰か! 此処でゴラの目がぴかりと光る! ふふふ、と不敵に笑う様子のおかしいゴラ! いや、これはただのはったりか!? もう何もわからない!
「追いついてきたか……このまま突破する!」
紫電、思いっきり駆け抜ける! 後ろに夢心地、夢心地、追従する――だが!
『いや、バールです! 観客席からバールが投げ込まれました! ああっ、夢心地に当たりました! ヒットです! バールヒット! ないないバールがヒット! 夢心地、ここでクラッシュ!!』
「んああああああ~~~~~っ!!」
夢心地がバールに頭をひっぱたかれ、思いっきりダウン! 観客席から恐ろしい形相の情報屋が睨みつけてるのが、レース場からもわかった。
「これは……チャンス!」
アーマード・ゴラの目が光る!
「今のワタシはハンドラー・アトサンの猟犬!
よくやったって褒めてもらうの!」
さぁ、ブースター全開でぶっ飛ぶゴラ! 先頭の紫電に向けて走る走る! ここにきて猟犬同士の戦闘に入るか!
一方、続くベルリー、ルチア! もはや先頭争いには参加できないか、非正規雇用、モカが続く! 瑠璃、夢心地は絶賛リタイア中!
「くっ……ここはファンサポイントをためておきますか……!」
『おっと、ここでベルリー、観客席にファンサ! 胸をこう、良い感じにはだけます! いいぞ、TS若返り! ブーストがかかります!』
尊厳と引き換えに、ベルリーがルチアを大きく引き離す! 羅馬娘プリティルチア、悔しげな表情ながら、
「最後まで、諦めない……!」
力強く足を踏み出す! そう、愛する人が見ているのだ! たぶん! 見ているよね、信じてる。ならば、諦めるわけにはいかない! 負けたって、かっこ悪くたって、最後まで足掻くのだ!
『さぁ、先頭から紫電、ゴラ、ベルリー、大きく離されてルチア! 此処から先頭を注視します!
紫電、変わらず走る! が、疲れが見えてきたか?! ゴラ、ベルリー、追いすがります!』
「これで最後だ! これがあきらめないってことだ!」
紫電が雄たけびとともに、加速! オーバーリミット! 己の全身全霊を駆けた、全速の進撃!
「速い……!」
これにはブーストでドヒャっているゴラも追いつけないか!? いや、むしろ、ブーストの燃料が足りなかったか! 徐々に後退し、追いすがるベルリーが並ぶ!
「恥を捨てた方が勝ちます!!!!」
ベルリー、叫ぶ! ゴラも負けじと追いすがる! 負けない! いや、紫電はさらに速い! 先頭の景色はなんとやら!
『さぁ、まもなくゴールです! 紫電、団子になってゴラベルリー! 抜けるかゴラベルリー! 抜けるか!? いや、速い! 紫電速い! 大きく差をつけて、今一着で――ゴールイン!
続いてベルリーが二着に入り、鼻差でゴラが三着と入りました!
決着! 決着です! 天皇賞、じゃなかった、ファントムナイト特別G1、制したのは紫電! 紫電・弍式・アレンツァー!!』
紫電がその片手を高らかに掲げた。舞うイレ券。歓声と悲鳴、悲喜こもごも。今、奇跡の夜に、紫電、G1イレギュラーズの誕生の瞬間であった――。
「負けたよ……」
ゴラがぎーがっしゃん、と音を立てながらうなづいた。
「いや、なんなの、そのかっこ。燃え残ったすべてに火を点けられるのか?」
紫電が胡乱気な顔をする。一方で、良い感じにはだけた瑠璃が、顔のすすを払いながら現れた。
「残念でした。良い手段だと思ったのですが……」
「ふ……俺もまだまだだったな」
ごろんごろんと転がってくる非正規雇用が笑う。
「だが、この後はライブだ。えっと、いれぴょい伝説でいい?」
「なに、その歌」
ルチアが小首をかしげた。
「でも、そうね。走った後は、うたうのでしょう?」
「そうなんです……?」
バルガル、じゃなかった、ベルリーが目を細めた。
「いや、まぁ、もうこうなったら歌って踊ってもいいですよね……」
旅の恥は搔き捨てである。
「ふっ……今日は最後まで可愛らしく行こうか」
モカが、そううなづいた。
「おお、歌うのならば麻呂は得意じゃぞ。
聞かせて見せよう、この美声を」
夢心地も、楽しげに笑ってみせた。
イレギュラーズたちは全力を尽くし、そして最後に猫(うん)にすべてを託した。
実力。戦略。そして時の運。このレースで勝つには、すべてが必要だった。
今は、彼ら全員を讃えよう。
奇跡の夜に起きた、この素敵なレースの参加者を。
十月の最後の夜に起きた、ささやかにして壮大なお祭りを。
そして……。
この後は、参加者全員のライブが始まるのである!
『レース中継はここまででですが、会場の皆様はどうか最後までお楽しみください!
以上、ここ、鉄帝特別レース場からお送りしました!
いやぁ、ほんとにレースっていいものですね!』
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
ご参加ありがとうございました。
猫もお疲れ様でしたと言っています(洗井落雲のアキレスけんに噛みつきながら)
GMコメント
リクエスト有難うございます。洗井落雲です。
レースに関しては右に出る者がいない系SDです。よろしくお願いします。
ちなみに競馬に関してはエアプです。
●成功条件
最低、誰か一人がレースを完走する。
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
●状況
というわけで! レースです!
レース場は鉄帝特別レース場。右回り、芝。3200m! 楕円の形をしています。
皆さんは、このレースに参加し、とにかく最速を目指し! 走り切ってください!
なお、このシナリオに関しての特殊ルールや、最速を目指すためのtipsを以下に記しますので、ぜひぜひご確認ください!
1.パラメータによる修正(影響度:小)
参加者のパラメータ傾向により、レース中の性能が変化します。
攻撃面のパラメータが高いキャラは、相手へのデバフや、自分へのバフなどの効果が上昇しますし、タフなキャラはスタミナがあり、素早いキャラは素早いです。
自分のステータス傾向を読み切り、最適な戦略を立てましょう!
2.プレイングによる修正(影響度:中)
レースは3200m。かなりの長距離です。
皆さんは、この過酷な長距離レースで、どのように走るかをプレイングに記入することになります!
スタミナを温存するか、それとも高いスタミナを利用して常に全速力で走り続けるか?
あるいは、高い攻撃能力を生かし、デバフを使って妨害するか?
第四コーナーで仕掛ける? 差しか、逃げか?
そんな戦略が、レースの結果を左右するのです!
3.ファントムナイトの姿を生かしたプレイング(影響度:大)
皆さんは、ファントムナイトにだけ変わることのできる、特別な姿でレースに参加します。
今夜の皆さんは、どのような姿をしていますか?
キョンシーだったら、きっとぴょんぴょんと飛び跳ねて走るのでしょう。
幽霊だったら足がない? ヴァンパイアなら空を飛ぶ?
自分のファントムナイトの姿を生かしたプレイングは、レースに大きな影響を与えます!
観客たちに、自分の魅力をアピールするように、プレイングを記入しましょう!
4.スキルによる一発逆転!(影響度:大)
皆さんは、設定したスキルを、一レース中にそれぞれ一回ずつだけ使えます。
回復スキルを連打すれば、スタミナを回復して走れるかも?
攻撃スキルを使えば、まるでレースゲームのごとく、相手を妨害して足を止めることができるかもしれません!
もちろん、あくまで今宵は魔法のお祭りの夜。ケガなどは発生しない程度に威力や性能はセーブされます! いろいろなスキルを持ち込んでみましょう!
5.洗井落雲が飼ってるネコのダイス(影響度:特大)
以上のあれこれを考慮したうえで、うちの猫がダイスをぺしってします。
祈っておいてください。
以上となります。
それでは、いよいよ出走です!
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