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シナリオ詳細

<伝承の旅路>夢うつつの刻

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<伝承の旅路>夢うつつの刻
 果ての迷宮の先に拡がる世界、『プーレルジール』。
 混沌世界と似た世界でありながら、非なる世界。
 そんな世界に現れたのは、剣と冒険の世界に良く聞く『魔王』の存在。
 魔王イルドゼキアは、その配下である四天王を嗾け、ここ『プーレルジール』の世界を虐殺の宴に処す。
 そんな世界に突如として現れたイレギュラーズ達と、魔王を倒すべく立ち上がる勇者と名乗らぬ勇者パーティー。
 イレギュラーズ達は勇者パーティーと出逢い、魔王を倒すべく力を結集する。
 しかし……そんなイレギュラーズ達の動きを察知した魔王らは、イレギュラーズ達の行動を予見したかの様に、先手を取る。
 配下の四天王達はイレギュラーズ達の前に相対すると共に。
「我々はこの世界を滅ぼし、混沌世界へと渡航する事に決めた。選ばれた世界の住民達しか『混沌世界』に渡ることが出来ないのだ。滅びに抗えるお前達を捉え、混沌に渡る手助けをして貰おう」
 その言葉と共に、魔王の配下である四天王達は配下を呼び出し、終焉獣を放つ。
 それと時を同じくして、プーレルジールに生きる『ゼロ・クール』達にも、歪な気配。
 『寄生終焉獣』らがその肢体へと貼り付き始め、そのコアへの侵食を始める。
 侵食と、破壊……その二つの脅威は、プーレルジールを破滅へと導かんと猛威を振るい始めていた。


「異世界からの来訪者の皆様……私の仲間達が、危機に瀕しております」
 淡々と、感情のない口調で語るのは、『ギーコ』と呼ばれしゼロ・クール『Guide05』。
 仲間というのは、ゼロ・クールの事……そして危機というのは、最近頻発している『ゼロ・クール』に寄生しようとする終焉獣の事であろう。
 ゼロ・クールである彼女も勿論、その脅威が訪れるとも限らない訳で、明日は我が身……という所ではあるが、彼女はだからといって感情を表す事は無い。
 そして更に彼女は。
「この『プーレルジール』の地には、私達が廃棄された『ゼロ・グレイグヤード』と呼ばれている地があります。この地には、理由不明ながら私達の仲間が遺棄されているのです」
「逆に言えば……この様な地は、終焉獣が取り憑くには一番都合の良い地でしょう。既に侵食されているような個体も居るかもしれません」
「侵食された個体、更には更なる仲間を増やそうとする終焉獣の出現が予測されます。かなり危険な状況であるのも間違いありません。ですが、この辞退を放置すれば周りの街や村にも被害が及ぶ事は間違いありません。来訪者の皆様、どうかお力をお貸し下さい」
 ぺこりと、優雅に頭を下げるギーゴ。
 そしてイレギュラーズ達は、急ぎゼロ・クールの墓場へと急ぐのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 『境界』世界の魔王軍の動きも、激しくなってきた様ですね。

 ●成功条件
  ゼロ・クールの墓場とも呼ばれる『ゼロ・グレイグヤード』の地に赴き、侵食されたゼロ・クールを『救う』ことです。
  救う手段は『撃破』でも、『死せる星のエイドス』を利用する事での奇跡を願い『救出』する事でも、どちらでも構いません。
  ただエイドスを使用する場合はパンドラの消耗が激しいので、特にその点にはご注意下さい。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
  『ゼロ・グレイグヤード』には、廃棄されたゼロ・クール達が点在しています。
  皆様が向かわれる場所は『墓』のようなもので丁重に埋葬されているのは数少なく、ほぼそのまま乱雑に捨てられている状態です。
  既に『寄生終焉獣』が取り憑いてしまっているのも居るのと、それらは数を増やして更なる『侵食された終焉獣』を増やそうとしています。
  寄生終焉獣を倒さない事には、敵の数がどんどんと増えてしまう可能性すらありますので、ご注意下さい。

 ●討伐目標
 ・『寄生終焉獣』
    姿はスライムの様な不定形を取ります。
    彼らが取り憑き、その身体の一部を切り離す事で対象を操作します。
    操作される対象者は戦闘能力が向上すると共に、狂気に陥ったかの様な行動を取り見境なく周囲を攻撃し始めます。
    不定形故に姿を隠す事も得意なので、不意に姿を表して取り憑こうとしてくる可能性があります。
 
 ・『寄生されたゼロ・クール』
    廃棄されたゼロ・クール達で、寄生終焉獣が取り憑いている状態の者達です。
    廃棄された要因は分かりませんが……少なくとも見るものを敵対する者として扱い攻撃をしてくるのは間違いありません。
    戦闘能力も向上しており、彼らを止めるには『コアの破壊』もしくは、『エイドス』を利用して可能性の力を駆使して救出することが可能です。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <伝承の旅路>夢うつつの刻完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年10月30日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ソア(p3p007025)
無尽虎爪
回言 世界(p3p007315)
狂言回し
鏡禍・A・水月(p3p008354)
鏡花の盾
金熊 両儀(p3p009992)
藍玉の希望
ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)
タナトス・ディーラー
多次元世界 観測端末(p3p010858)
観測中
マリオン・エイム(p3p010866)
晴夜の魔法(砲)戦士
芍灼(p3p011289)
忍者人形

リプレイ

●終極
 果ての迷宮の先に拡がる世界、『プーレルジール』。
 この地に現れし四天王らは、境界の世界を蹂躙するべく終焉獣を放つ。
 だが……その思惑は、突如訪れしイレギュラーズ達によって妨害の憂き目に遭う。
 ……しかし、そんなイレギュラーズ達の動きをまるで見越していたかのように、四天王らが見せた次なる動き。
 管理出来なくなったゼロ・クール達が廃棄される場所、『ゼロ・グレイグヤード』に寄生する終焉獣を放ち、廃棄されたゼロ・クール達を戦力として利用しようとする行為。
 その話をGuide05、ギーコより聞かされたイレギュラーズ達。
「ふーん……ゼロ・クール達のお墓、ね……」
 と、先を急ぎながら『無尽虎爪』ソア(p3p007025)が思わず呟いた一言、それに。
「ゼロ・クールノ廃棄場デスカ……廃棄サレタ理由ガ気ニナリマスネ。再生ヤ修理ガ不可能、ツマリ通常生命体ノ死ニ相当スル状態デアッタノナラ、廃棄モ止ム無シデショウガ。ソウデハナイ状態デ廃棄サレタゼロ・クール達ハ、ココデ意識ヲ保ッテイタノデショウカ? 或イハ役目ヲ終エタモノトシテ、自ラ意識ヲ放棄シタノデショウカ?」
 『観測中』多次元世界 観測端末(p3p010858)が冷静に状況を分析する。
 正しくそこは、ゼロ・クール達の墓場と言うべき場所。
 ただ弔いもされず、身勝手な理由で棄てられた彼ら、彼女らは……境界の境目に残された被害者、とも言える。
「ゼロ・グレイグヤード……度々、問題になるでござるなぁ、ゼロ・クールの廃棄問題……」
「そうだな。ゼロ・グレイグヤード……いったいいくつ面倒事を起こせば気が済むんだかな……?」
 『忍者人形』芍灼(p3p011289)に『狂言回し』回言 世界(p3p007315)が肩を竦めると、それにソアは。
「うん……どうしてここに、こんなふうに棄てられるんだろう。ギーコさんも知らないと言ってたけれど、それが何だか少し気になる」
 少し首を傾げるが、それに芍灼は。
「確かに終焉寄生獣にとって、適当に廃棄されたゼロ・クールは格好の寄生先。それがし、一介の秘宝種ながら、廃棄手順をもっと丁寧に見直すべきでは? と愚考するでござるよ」
 ただ、観測端末はというと。
「確カニ。役目ヲ終エタニセヨ、意識ヲ保ッテイタニセヨ、コレハ悲シイ事ト当端末ハ感ジマス。特ニ今回ハ、ソンナゼロ・クール達ガ寄生サレテ蘇ルトノ事デシタカ?」
 との問いに『双影の魔法(砲)戦士』マリオン・エイム(p3p010866)は。
「うん!寄生されたゼロ・クールがお墓から蘇ってきて、襲ってきて、更に寄生を増やして襲ってくる……うーん、何だったかな? 錬達でそんな映画を見た気がするマリオンさん! 映画はともかく、寄生されたゼロ・クールって、コアさえ破壊しなければ、助けられるのかな? コアが無事でも、身体部分の破損率が高すぎたら助けられないのかな? かな?」
 そんなマリオンの言葉に、有無を言わさぬ様に強い口調で、『死神の足音』ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)が。
「救う。これは俺達のエゴかもしれない。終わりかけている運命を覆す行為は、本来はダメなのだろう。だが、それでもオレは、これ以上同胞達が傷付け合い、倒れていくのは見たくないんだ」
 ダークヒーロであれ、ゼロ・クール達の命が無碍に失われていく光景に、強く想うところがあるのだろう……そして、そんなブランシュの言葉に『夜鏡』水月・鏡禍(p3p008354)と世界が。
「……僕も、同じ気持ちです。確かに廃棄された方々を救っても、幸せなのかは解りません。でも……居来てないと、幸せも見つけられないと思うんです。だから、自分勝手でも僕は、一人でも多く救いたいと思ったんです。彼女もそれを臨むでしょうから」
「確かに、な。まぁこれは仕方の無い面があるのは理解為ているつもりだ。だが、敵にとって、ここは手間暇掛けずに戦力を強化出来る穴場、という訳だからな。沢山の終焉獣が押し寄せてくるのも無理はないだろう。ここはそういう場所だ、と割切って仕事に励むしかない」
 そして『特異運命座標』金熊 両儀(p3p009992)も。
「そうかぁ、依頼ば侵食されたゼロ・クールを『救う』じゃったな! なるほど、ほいじゃ、ぼちぼちとやっちゃるかのぅ」
 拳をガツンと突き合わせて気合いを入れる両儀。
 そんな仲間達の言葉と覚悟に観測端末は。
「救出サレタ後、彼等ハ取リ憑カレル前ト同ジ選択ヲスルノデショウカ? ソレトモ新タナ選択ヲ? 当端末ハ観測端末トシテ、ソノ選択ヲ見届ケマス」
 と言うと共に、仲間達の手に握られていた『死せる星のエイドス』に視線を配る。
 僅かに煌めいた様な、そうでないような……未だにこの使い方は、イレギュラーズ達の間でも、良く分かって居ない。
 とは言え……これが寄生型終焉獣から救う、たった一つの手段であるのは間違い無い訳で。
「死せる星のエイドス初心者だから、マリオンさんどう使えば良いのか解りません! ばつ! でも! だけど! きっと! 多分! ゼロ・クールの皆を助けたいって強く願って闘えば、後は何とかなる! かも? かな!? よーっし、エイドスさん! 後は任せただよ!」
 星のエイドスをぎゅっと握りしめるマリオン……そしてイレギュラーズ達は、悲壮なるゼロ・グレイグヤードへと辿り着くのであった。

●涙零して
 そして……ゼロ・グレイグヤードに辿り着いたイレギュラーズ。
 とても物寂しい雰囲気が漂い、壊れた部品、破片が散乱しているような、そんな惨状。
「……とても寂しい場所。お墓なら、もっと安らかがいいよね」
 ぽつり、その光景に一言を零してしまうソア……そして、それに鏡禍も。
「うん……そうですね。寂しさと、静かな場所は違うものです。ここは、放置された結果、何もかもが朽ちてしまったような……そんな雰囲気を感じます」
 と神妙な面持ちで頷く。
 そして、そんな墓場地帯を更に先へと進んでいくと……大量の稼働出来なくなったゼロ・クールが散乱している場所へと到着。
 脚部部品が外されてしまって動けなくなっているものもいれば、手足すらハズされて、胴体のみになってしまっているような者も居る。
 この様な惨状に、廃棄した者達がしでかしたのかは解らない。
 でも……少なくとも彼らの意にそぐわぬ形なのは、間違い無いだろう。
 そしてそんな惨状が繰り広げられている墓場を、常に周囲警戒しながら先へと進んでいくイレギュラーズ……すると。
「……ゥゥ……』
 集中してなければ聞き逃したであろう位に、小さな声の様なものが聞こえる。
 ソアが鋭く察知し立ち止まり、周囲に目を凝らす……すると。
「……いた、隠れてる」
 視線を向けた方向には、ゼロ・クール達の骸の間から、僅かに緑色の『何か』が見える。
 そして……その『何か』は、ゼロ・クールの身体にうぞぞと潜り込み……仄かに光を帯び、次の瞬間。
『……ウウウウ……!!』
 苦しみと、呻き声を慣らしながら、イレギュラーズ達の周りのゼロ・クール達が10体ほど、むくりと稼働を開始する。
 ……そして、そんな彼らの身体の隙間からは、緑色の液体のようなものが見え隠れしており……それが寄生終焉獣なのは明らか。
 そんな終焉獣達に向けて、牙を剥いて鋭く睨み付けるソア。
 終焉獣達は、と言うと……その身体に隠れると共に、意にそぐわぬ動きでゼロ・クール達を支配し動かし始める。
 ……そんなゼロ・クール達の稼働に芍灼はたまらず見ていられなくて。
「廃棄されてなお、悪いことに利用されるだなんて、あんまりでござる!!」
 と辛辣に訴えかけるが、終焉獣達は当然聞く耳を持たない。
 そしてそのままイレギュラーズ達二攻撃を仕掛けてくるゼロ・クール。
 彼らの動きは意思なく、ただただ単純にイレギュラーズに接近し、そして……殺すべく攻撃を玖逢えるがのみ。
 ドリルやら、ハンマーやらの、他のゼロ・クールからとってつけられたかの様な武器をスライム状の粘着質なものでくっつけられて、それで以て攻撃をしてくる。
 脚や手が無い個体については、同じように周りの個体からそれらをひっつけて、どうにか手や足の働きをさせていて……何と言うべくかは解らないが、ツギハギされた手足で行動を『させられている』様に見える。
 そんな彼らの、悲しき姿に、たまらず一度目を閉じる鏡禍……そして。
「……これ以上の悲劇は、繰り返させません」
 自分に言い聞かせるが如く、強い口調で声を荒げる鏡禍……それに世界、ブランシュも。
「そうだな……的であり、被害者でもある、と……彼らを救うために俺達は来たんだからな」
「ああ。一気に仕掛ける……彼らを苦しませない為にもな」
 相互に頷き合い、そして己の力を極限まで解放。
 そして両儀が。
「なぁに、今回は儂に任せちょれ。こげんなシチュエーションは得意なんじゃ……!」
 大きく息を吸い、声を荒げると共に彼らの下へと先陣特攻する。
 ……勿論、そんな両儀の動きに対し操作されしゼロ・クール達が真っ正面から対峙する事で、後方へと通さない様にする。
 そしてその後方においては、他のゼロ・クールに寄生しようと蠢く寄生型終焉獣。
「させないでござるよ!!」
 と芍灼がコアを破壊しない様に注意しつつ、寄生型終焉獣に向けて享楽の悪夢を浴びせかける。
 更にブランシュは、寄生ゼロ・クールの頭上を飛び越え、そのまま寄生しようとしている寄生終焉獣に、聖剣の一閃を叩き落とし一刀両断にする。
 勿論、寄生型終焉獣には大きなダメージ……と思われたが、実際の所不定形な姿をしている彼らにその攻撃が上手く効いているのかはちょっと良く解らない。
 ……そしてその間にも、寄生されたゼロ・クール達は、イレギュラーズを足止めする様な行動を取り続けるがのみ。
 その動きは意思なく、ただただ破壊プログラミングを実行しているかの様に。
 勿論、そんなゼロ・クール達は足止め役としては充分な能力を発揮しているものの、イレギュラーズを倒せるような力は無い。
 ……彼らを討ち倒そうとするならば、そこまで難しいと言う事にはならないだろう。
 だがしかし、今回の主たる目的は……ゼロ・クール達を救う事……故に難しさは跳ね上がる。
 でも。
「救う為にもマリオンさんも頑張らないとね! よーし!」
 気合い充分、マリオンは寄生されたゼロ・クール達を糸で縛り上げ、その動きを制限。
 加えて観測端末と世界の二人は、攻撃を受け続ける仲間達を確実に回復して倒れさせないようにする。
 そして……鏡禍は。
「貴方達の相手は、僕がします……!」
 と強い挑発の言葉を投げかけ、その攻撃を強く強く自分へと引き付ける様にしていく。
 そして、ゼロ・クールが足止めされている横を通過し、両儀、ソアの二人が……取り憑こうと蠢いている寄生終焉獣を、ゼロ・クールから力尽くで引っぺがして、攻撃、攻撃、攻撃。
 容赦無き最大火力で、一匹ずつ確実に仕留めるべく猛襲。
 取り憑いていない状態での寄生型終焉獣達は、当然のことながらただの不定形なる生物であり、彼らの戦闘能力は殆ど発揮する事は出来ない。
「さぁ、待ちに待った闘いぜよ! 解りやすい強者はおらけぇのう、ちと残念じゃが、寄生終焉獣の数だけはおるらしいからのぅ、遊びと鍛錬にゃ丁度えいじゃろ!」
 嬉々とした両儀の言葉の前に、確実に、寄生型終焉獣を討伐すべく行動を続けるイレギュラーズ。
 そして。
「お前が辿った道だ。お前が作った罪だ。死神はもうそこまで来ている。跡形もなく……消えろ!」
 辛辣な言葉と共に、ブランシュが放つはスピードに任せた強力な衝撃波を叩きつけ……その一撃に、寄生型終焉獣達は全てが粉々に霧散していくのであった。

●命の器
 ……そして、寄生型終焉獣を一通り仕留め終えたイレギュラーズ。
 残るは、未だに取り憑かれているゼロ・クール達のみ。
『ウウウ……』
『アアア……イ……タイィ……』
 そんな悲痛な声が聞こえたような、そんな気がする。
 だが、その言葉とは裏腹に、その行動はイレギュラーズを倒すべく、全力。
 ……そんなゼロ・クール達にソアは。
「こんな寂しい場所に棄てられた挙げ句に、化物達に操られるだなんて嫌だよね……直ぐに助けて上げる。だから……待ってて」
 と言うと、ソアに頷く仲間達。
「よーっし、そろそろ頃合いぜよ! おまんら、ゼロ・クールを助けるのは任せたぜよ!」
 と意気揚々とした声を上げる両儀が、ゼロ・クール達の集団の下へと突撃。
 鏡禍と共にゼロ・クール達を引き付け、観測端末と世界がバックアップ。
 そして……彼らに止めを刺さぬ様に注意しながらその体力を削り、そして、瀕死に近い状態に陥ったところで。
「……そろそろ頃合いの様でござるよ、皆!」
 そんな芍灼の言葉に合わせ、攻撃を止めたイレギュラーズ。
 両儀が攻撃を引き付けたところで、ブランシュは。
「これは紛れもなく俺のエゴだ。お前たちの中にはこのまま死ぬつもり、と心を決めた奴がいるかもしれない。だけど、居来てくれ。プログラムに含まれていないコードだろう。理解出来ないかもしれない。でも覚えておいてくれ。お前達はアイされて生まれていたんだ、と。そして……マスターに逢おうぜ? おはようございます、ってな。その為になら、俺の全てを持って行ってもいい。だから……より多くの同胞を助けてくれ。こんなところで死ぬような運命なんて、人の死に方じゃない。オレは……オレの誇れる全てを、こいつらの救済に、充てる……!」
 強い想いと共に、その手の『死せる星のエイドス』を、強く握りしめて叫ぶ。
 その手の中の欠片が、僅かな瞬きを見せる。
 そしてその瞬きは、ブランシュの身体から何か、引き釣り出すような……そんな感触と共に意識飛びそうになる。
 でも……決してそれに負けずに意識を保ち、その輝きを最大限に引き出し、その光を解放。
「ブランシュ殿の思い……そしてそれがしの重いも、受け取るでござる!」
「みなさん、そんな終焉獣に支配されるがまま死んで行くので満足ですか? 救われたいのなら……僕の力を使ってください。絶対に、皆さんを助けてみせます……!」
「大丈夫……みんなの帰ってくるばしょは、必ずある。ボクが、導いて上げるから……!」
 芍灼、鏡禍、ソアも、死せる星のエイドスを強く握り、光を充填し、解放。
 己がパンドラが侵食されているのを実感しつつも、それに負ける事無く……その力を解放していく。
 そして……。
「みんな! 滅びの枷から解き放たれて! 大丈夫、マリオンさんのパンドラを、いくらでも、必要なだけ持って行って良いから……だから、みんな帰ろう!」
 マリオンの言葉と共に、パンドラの力が……解放される。
 その光は、侵食されしゼロ・クール達を覆い隠すと共に……拘束を、全て解き放つのであった。

成否

成功

MVP

ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)
タナトス・ディーラー

状態異常

なし

あとがき

ご参加頂きましてありがとうございました。
皆様のプレイングに込められた、ゼロ・クールを助けたい思い……ココロに響きました。
ミンナを助けてくれて、ありがとうございます。

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