PandoraPartyProject

シナリオ詳細

飛来するグルグルヤンマ

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

 聞こえる。何が聞こえる。テーマ・ソングだ。ヤケにカートゥーンな、コメディな、それでいてマッドな、テーマ・ソング。此処はグルグルアイランド、グルグルの園に帰るべく、人々が迷い込む、名状し易い場所。

●襲来! ぐるぐるヤンマ!
 此処は鉄帝国――の何処か。誰かがぐるぐる回転した結果、唐突に出現した遊園地――グルグルアイランド。ありとあらゆるものがぐるぐるしているテーマパーク。そんな、楽しい楽しい、目が回るような、いや、目が回るパークの中、不意に悲鳴が上がった。
 うわー!
 あ、アレはなんだ!!!
 空だ。空を指差しした。ぐるぐると渦巻く大空にいったい、何が起きたと謂うのか。おお、見よ、あの、覆い尽くさんと笑う、巨躯の群れを――ワイバーンかドラゴンか。否、否である。あれは何もかもを食い尽くさんとする昆虫界の頂点――!
 ぐるぐるヤンマである!!!

 説明しよう――ぐるぐるヤンマは九月~十月末にかけて、グルグルアイランドに出現する超巨大なトンボである。その特徴は、体躯の大きさは勿論、その目玉であった。ぐるぐるヤンマはじいっと見つめたものを強制的にフラフラにするのだ。目が回るよね。
 ぐるぐるヤンマはその代わり、非常に簡単に捕まえる事が出来る。此方もぐるぐるさせるのだ。そう、オマエの人差し指を使って――!

●グルグルアイランド救護室
「あぅ……。や、やめなさい……アタシはトンボじゃないわ、トンボはアッチ……」
 火々神・くとかは目を回して、ぐったりとしていた。その理由はNyahahaと嗤う真っ黒い化け物だとオマエは即座に理解する。化け物は細長い指を使って、くるくると、くとかの前で渦を描いていたのだ。愉しそうだね。
「貴様――グルグルアイランドの危機だ。嗚呼、グルグルアイランドとは何か。鉄帝国に存在する、何もかもがグルグルしている遊園地なのだよ!」
 くとかの目を回しながら化け物――ロジャーズ=L=ナイアは説明を続ける。なんともシュールな光景だ。
「巨大トンボの襲来だ。奴等を捕らえねばお客さんが虹色に染まってしまう。嗚呼……その程度の事だ。正直なところ、貴様等が目を回してもいい、いっそ、貴様等が『二人で』『互いに』『人差し指くるくる』させるのもアリだ。ラブラブカップルはテーマパークのカオスを無視して自分の世界に浸かるのも宜しい。Nyahahahaha!!!」
 丁度こんなふうにな――。
「だ、誰かコイツ止めて……」

NMコメント

 にゃあらです。
 秋ですね。
 このシナリオはラリー。
 一章完結予定です。

●目標
 ぐるぐるヤンマを捕まえる。または、ぐるぐるヤンマに目を回される。なんならペアを組んで相手の目の前で人差し指くるくるさせてもよろしい。勝ち負けとかないです。

●グルグルアイランド
 ありとあらゆるものがグルグル回っている鉄帝にあるとされる遊園地です。コーヒーカップは勿論、クネプフェなど珍しい遊具もあります。

●ぐるぐるヤンマ
 グルグルアイランド周辺を縄張りとしているトンボの仲間。大きい。目玉が渦巻きになっており、狙った獲物をじっと見つめてグルグルさせる。捕まえる方法は簡単で人差し指くるくるさせればいける。
 どっちが先に倒れるかの勝負になりますね。

●登場人物
 ロジャーズ=L=ナイア
 依頼人、名状し難いタイプのイレギュラーズ。救護室で皆さんの帰りを待っています。

 火々神・くとか
 ナイアに連れてこられた被害者一号です。既に目を回してますが声を掛けていただくとヤンマ取りについて行くかもしれません。

●サンプルプレイング
「でっっっか」
 なんかよくわからんけど人差し指でくるくるすれば良いんだな。まあ、たかだかトンボ、こんなのに負けるなんて事はないとは思うけど――。
「あ、待って待って、これキツイ。フラフラする」
 取るか取られるかはお任せ。

「トンボ……そんなの知らないよ。俺は彼女と来たから、彼女と一緒に過ごすんだ」
 彼女の目の前で指くるくるします。彼女も指くるくるしてくるけど、まあ、男として此処は負けられない――。
「どう、俺の指捌き。なかなか、楽しい時間だったじゃないか」

 宜しくお願い致します。

  • 飛来するグルグルヤンマ完了
  • トンボ取りです。くるくるしましょう。
  • NM名にゃあら
  • 種別カジュアル
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年09月28日 20時50分
  • 章数1章
  • 総採用数4人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

寒櫻院・史之(p3p002233)
冬結
冬宮・寒櫻院・睦月(p3p007900)
秋縛

 お外で遊ぶのはもうたくさん、ぐるぐるヤンマなんか知らない。救護室のベッドに転覆病患者座らせてキュウと倒れるまで回すと宜しい。虫籠の代わりに金魚鉢だ、愛らしい女の子を容れよう。
 こいよロジャーズ! HP鎧なんか捨ててかかってきな!
 どこ見てるの、戻ってきて。
 目の玉を回した史之は、成程、Nyahaha嗤いに豹変しているご様子。いやほんと闘技場で殴ってもぜんぜん削れなくて気が触れそう俺。さて、カンちゃんからご指摘も受けたしいちゃいちゃしてろとの天の声も聞こえた気がするし、それに、ヤンマに興味はないから第四の壁に跪くとするよ。オマエは取得していないクセに? ヤカマシイ脳髄。
 しーちゃんは外骨格に浪漫がないって謂ってたけど、くとかさんはどう思います? お久しぶりですね。その後のお加減はいかがですか? 流れるような質問にぐったりとした女学生は苦笑いで返した。あ、僕は元気です。今日は燃えていますか燃えていませんか、後者みたいですね。冬を冠する身としては熱いのは苦手です。でも、聞いてくださいよ。しーちゃんは夏生まれなんだよね、あんまり夏って感じはしないけれどね。ネジのゆるんだ、ゆるゆるな目玉だ、汗をかいても瞑る事もない。
 何に浪漫を感じるって? そんな、当たり前な事を質問されても困るな。やわらかくてあったかくて、抱きしめるとふんわりいいにおいの妻さんだよ。何よりも素晴らしいのは内骨格なところか。まるでアノマロカリスの剥き身、プリプリとしている。それじゃお話はこれくらいにしてカンちゃん、こっち向いて――残暑厳しくてふらふらするんだ、しーちゃん。こんな時にとんぼとりなんて――え、ちがう? 違うに決まっているじゃないか、今日の俺はアハハじゃなくてNyahahaって謂っただろう。えっと、そんなこと僕聞いてないし、僕をとるって? そんなことしなくても僕はしーちゃんの……。
 まあまあ、いいから、くるくるして目を回しちゃおうね。じっと見つめた、最初はゆっくりだったけれども、徐々に早くなっていく人差し指のクルクル。目が回るよ、しーちゃん、ナマモノがいっぱい、クルクル……。いけないいけない。また黄色いシアエナガ探し始めるところだった。いい感じに調整して……。
 うぅ……仕返し、仕返しさせてよ。僕もくるくるやるんだから。まったくもう、まったくもう。こんなに目が回ったらしーちゃんのちょっと癖がある髪とか、白いうなじとか、僕に捧げてくれる甘くておいしい赤いものとか、なんにもわからなくなっちゃうよ。ね? 聞いてる? 可愛らしいだいすき発言じゃないか、くらくらしているカンちゃん、睦月に、俺まで目が回ってくる。これが指先一つでダウンってやつ?
 あ、妻さんひっくり返った。
 天上なんかに俺いないのに、まだ指先くるくるさせてるよ。
 捕まっちゃった、しーちゃんに……。
 アンタ等ホント仲良いわね、砂糖吐きそう。

成否

成功


第1章 第2節

エステット=ロン=リリエンナ(p3p008270)
高邁のツバサ

 大渦巻きが上下左右、つられてやってきたヤンマに対して、さて、如何にして警戒心を溶かすべきか。
 ぐるぐるヤンマは長生きなのだと聞いた事がある。誰が噂をしていたのかは忘れたが、嗚呼、それは実にありがたい情報だ。きっとヤンマだって一定の知性を持っていて指先くるくるへの対処を行ってくるに違いない。それこそ、此方の指先を無視するとか、そんなところだ。そもそも『ありとあらゆる』ものがグルグル回転している中で僅かにでも止まっているなんてオカシイ。だから、わらわはひとつ考えたのデス。自分が一点に留まりつつぐるぐると回って、周囲のぐるぐるに溶け込んでしまえばいいのデス、と。これで世界を気にすることなくヤンマ捕りに集中出来る。それは本当? 景色が回ってて自分も回ってたら余計にぐるぐるしない? 身体ごとぐるぐるすると軸がズレちゃうノデ、ここで翼と尾っぽの出番デスネ。嗚々、バランサー、流石はスカイウェザーと謂うべきか。
 エステットは地球儀の如く回転した。グローブ・ジャングルの中心に坐したかのように、只管、お近付きになる為に――そうしておっきな蜻蛉に抱き着いたなら、ふらりと、ご一緒にお座りしてみせた。わらわは賢いので、これでバッチシなのデス……? 回っているのは景色なのか、それとも自分の目玉なのか、判断出来ない状況に、混迷に、ひっくり返らないように……?
 座ってるのもきついデス、わらわ、頑張りマシタ……。

成否

成功


第1章 第3節

ペッカート・D・パッツィーア(p3p005201)
極夜

 天使の喇叭に連なってテーマソングが聞こえてくる、狂った詩の執拗なまでのナンセンスさにペッカートはヤレヤレと息をこぼした。嗚呼、魔物の類を相手する場合、必要なのは言葉が理解出来るお仲間と謂えよう。救護室からお友達とやらを引っ張り出してめまいの生贄にしてやると宜しい。……なるほど。今日は丁度こんなふう――そんなふうに愉快にやってるってわけか。宿敵同士のランデブーを、グランフェッテを邪魔して悪かったな、忘れてくれ。ひらりと去ろうとしたところで女の子の弱々しい、救けを求めるような鳴き声。知らないぜ、俺をカーペット呼ばわりしたんだ、精々、一人で勝手に回されているんだな――コントロールし難い宝石、耳の中へと転がり込む。
 二つの目玉がぐるぐるしてくるなら、こっちも両手で、指先で、グルグル描けばいいじゃないか。静かな仕事だ、楽な依頼だ。グルグルヤンマのお目玉が爪の先を舐るように追っている。だがしかし、この最適解で回している指をそのまま前に、ポップと突き出して、破ったならばどうなる? ああ、それとも、骨が折れるのは、俺の指の方かもしれない。いいや、こんな大きくて綺麗な瞳を傷つけるなんて勿体ない。……引き千切るべきだ。近くでじっとみつめて、眺めて、俺の頭の中へと嵌め込んで……?
 ちょっと待て。目が離せないとはこの事。物理的にも精神的にも、極めてごちゃごちゃとしている。これ俺の目が回ってるんじゃ……。

成否

成功


第1章 第4節

 ぐるぐるヤンマは満足したのかアイランドから姿を消した。
 捕まったヤンマも捕まった君も、みんなぐるぐるから解放されるだろう。

 それにしても人類、指先追っかけるだけでフラフラするとは奇怪な事だ。
 アイランドの魔力の所為に違いない。
 ――テーマソングが流れている。

PAGETOPPAGEBOTTOM