シナリオ詳細
<再現性大阪>猛虎アレやねん! 道頓堀川にとびこめ~!
オープニング
●アレってなんだよ
猛虎。それは、再現性大阪に存在する野球チームである。
その猛虎が、18年ぶりにアレをした。アレとは、アレである。これは敵による呪殺的攻撃を防ぐための真名隠しである。
ぶっちゃけると、優勝である。
というわけで、猛虎がアレをしてしまうと、再現性大阪の民衆はテンションが上がり、道頓堀川に次々と飛び込んでしまうのだ! その姿はまさにレミングの伝説が如し。
これには、夜妖の存在が関与していたからである。猛虎がアレしてしまうと、再現性大阪の民のテンションが上がり、その上がったテンションが『道頓堀川に飛び込まないといけない夜妖』を生み出してしまうのである。その夜妖の姿は、『大佐人形』『万歳してるアスリート』『カニ』であるとされる――。
「というわけで、今年もアレの時期が来た!」
と、三木頑さん、と名乗った男がそういった。ミキガン隊長は、毎年猛虎がアレした時のために、群衆を止める役割を負った、現地警察の特殊部隊、T(タイガー)部隊の隊長である。
「どうして私がここに?」
と、マリア・レイシス (p3p006685)が困惑したように言った
「どうしてぇ?」
誰もそれには答えてくれない。
「ついにアレをしてしまったか」
紫電・弍式・アレンツァー (p3p005453)が厳かにうなづく。
「18年ぶりのアレだ……とんでもない『猛虎アレ』のエネルギーが渦巻く……」
「家電のセールが始まるからかえっていいかい?」
三國・誠司 (p3p008563)にこやかに言った。猛虎がアレをすると、あちこちでセールが起こるのでお得なのだ!
「私も、仕入れの時間があるんだが」
モカ・ビアンキーニ (p3p007999)も遠くを見るようにそういった。
「気を抜くな! ひよっこども!」
ミキガンさんが叫ぶ。
「今年の猛虎夜妖は強力だ……大佐・スポーツマン・カニ。このすべてが強化されている! 18年ぶりだからな!
楽しい遠足の始まりだ! 気合を入れろ!」
「えーと」
と、トール=アシェンプテル (p3p010816)が手を上げた。
「とにかく、状況を教えてほしいんですが……」
「うむ。とにかく、猛虎がアレすると、夜妖が出る! その夜妖は、人々を道頓堀川にダイブさせてしまうわけだ!」
「うーん、タイムリー」
水天宮 妙見子 (p3p010644)がめんどくさそうに言った。
「で、道頓堀川に人がダイブすると、誰か困るんですか?」
「えっ」
ミキガンさんが困惑した顔をした。
「普通に川にダイブするのは危ないだろう……汚いし……」
「至極真っ当な理由だ……」
マリアが困惑したように頷く。至極真っ当な理由である。
「だが、同時に『人が川に飛び込むことで、夜妖は弱体化する』。つまり、道頓堀川に落ちても大丈夫な、強靭な肉体を持った我々! T部隊のみが! この任務を完遂できるのだ!」
「いつから僕たちはT部隊に?」
誠司が至極真っ当な質問をするのへ、ミキガンさんが叫び返す。
「今この瞬間からだ!
貴様らにはT部隊のコールサインT7〜T16の番号を一時貸与する!
T部隊復唱!
復唱したか! では準備を始めろ!」
「うーん、人の話を聞かないタイプだ」
モカが肩をすくめる。
「まぁ、いいんですけどね……夜妖が暴れていることに違いはないですし」
トールが言った。実際、夜妖が暴れていることは事実であり、そして放っておけば、一般人が川に飛び込んで大変なことになるのは確実なのだ。
というわけで、ここはローレット・イレギュラーズ。何とかしなければなるまい。
「作戦内容は簡単だ。まず、貴様らは道頓堀川にダイブしてもらう。そうすることで、夜妖の弱体化が可能だ!
道頓堀川にダイブしたくないものもいるかもしれないが、そうなったら夜妖が強いので、きっと苦労するだろう。飛び込め!
なお、飛び込む際には、『猛虎への愛』あるいは『なんか恥ずかしい秘密』を叫んでもらう!」
「どうして?」
紫電が言った。
「いや、なんで? どうして?」
「その方が面白いからだ! じゃなかった。より夜妖が弱体化するからだ!」
「あ~~~~、そう言う依頼ですか~~~~」
妙見子が声を上げた。そう、そう言う依頼である。
というわけで、皆さんには、『猛虎への愛(長文)』か、『なんか恥ずかしい秘密(長文)』とか、『愛の告白(長文)』とかをプレイングに書いて飛び込む必要があるのだ。これは面白けば面白いほど、洗井落雲も楽しいです。
「状況は理解したな! では、愉快な遠足の始まりだ!」
と、ミキガンさんがそういうので、イレギュラーズたちはいやいや頷いた。
そんなわけで、お仕事である!
- <再現性大阪>猛虎アレやねん! 道頓堀川にとびこめ~!完了
- GM名洗井落雲
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2023年10月04日 22時05分
- 参加人数10/10人
- 相談7日
- 参加費150RC
参加者 : 10 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(10人)
リプレイ
「再現性大阪や! ワシは『上位存在(笑)』水天宮 妙見子(p3p010644)や!」
サングラスをかけた妙見子が、なんか部屋の前でがなり立てた。
再現性大阪にある場末のアパートである。駅からの距離と、家賃の安さが、程よくバランスの取れた1LDKであった。
「おらっ! 出てこい洗井落雲! ワイや! 『女装バレは死活問題』トール=アシェンプテル(p3p010816)や!」
これまたサングラスをかけたトールが、なんか部屋の前でドアノブをガチャガチャする。ドアノブには鍵がかかっていた。防犯面から当然であるが、程よくバランスの取れた1LDKだったので、オートロックなどの防犯設備はなかった。
『トール様と一緒に第四の壁を使って洗井落雲の家のドアノブをガチャガチャします』。妙見子のプレイングにはそういうことが書いてあった。『第四の壁を使った妙見子さんと一緒に洗井落雲宅の玄関に殴る蹴るの仁義なき暴行を加える』。トールくゃんのプレイングにはそういう事が書いてあった。
まったく、この二人は僕の事をなんだと思っているのだろうか。今回ばかりは、流石の洗井落雲も怒りをあらわにせざるを得ない。こういうことをしたので、二人には私情の重傷になってもらいます。する。した。それはさておき、それでも僕の腹の虫は収まらないので、妙見子はムラデンに壁ドンされてはわわってなってるピンでも頼めばいいし、トールくゃんはマイクロビキニを着た全身図を頼めばいいと思った。じゃあ、待ってますから。はい、よーいドン。
と洗井落雲がリプレイを描いているところで、隣の家の扉がガチャリとあく音が聞こえた。
「あけよったな!? 令状出てんじゃボケ!
……えっ、ここではない? すみません……代わりに妙見子が道頓堀川に飛び込みます……」
「洗井さんちは隣……?
あっ、こちらは夜妖さんの部屋……すみません。お詫びに表の道頓堀川に飛び込みます……」
そんな会話が聞こえてきた。
めでたしめでたし。
このリプレイは――。
『AKINA……』紫電・弍式・アレンツァー(p3p005453)
『化猫』道頓堀・繰子(p3p006175)
『雷光殲姫』マリア・レイシス(p3p006685)
『音呂木の巫女見習い』茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)
『Pantera Nera』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)
『一般人』三國・誠司(p3p008563)
『おいしいで満たされて』ニル(p3p009185)
『春色の砲撃』ノア=サス=ネクリム(p3p009625)
『上位存在(笑)』水天宮 妙見子(p3p010644)
『女装バレは死活問題』トール=アシェンプテル(p3p010816)
の提供で、お送りいたします――。
始まりました、今夜も道頓堀川に飛び込んでNIGHT。トップバッターを歌いますはこのふたり。T15とT16。紫電と秋奈。
再現性大阪の風に吹かれて、謳いますはラブソング。
愛してるよ、私もさ。さぁ、お聞きください紫電と秋奈。
秋奈:
毎日MAXたのぴくて
光る風が寄せた言葉に泳いだ心
セフィロトのドームに映る雲が運ぶ明日に弾んだ声
いつもの君の顔見たら
やっぱ私の気持ち
自分で良くわかっちゃった
嘘じゃないって
イレギュラーズとして戦ってきた好きぴは
前よりずっと綺麗になったね
今だけでも幸せそうに見えるけど
私と一緒にいたことは忘れられない
紫電:
諸君、オレは秋奈が好きだ
秋奈の心が好きだ
秋奈の体が好きだ
秋奈の性格が好きだ
秋奈:
もっと私が欲しかったら、たっぷり与えてあげる
いつでも
私だって君の優しさが、声が、時間が恋しい
いつも通り私に甘えていいんだ
もっと素直になって
「秋奈を、喪わせて堪るか!」って私のために怒ってくれたね
君を胸に抱いてめいっぱい君を撫でてあげたい
やっぱり君が好きぴだった
紫電:
黒髪で
サイドテールで
赤メッシュで
常に落ち着きのない感じの
元気な戦神が好きだ
秋奈:
その後だったよ
最初はやるって聞いたときはびっくりした
私があなたと家族になるって
君の手に汗握る激闘、君の勝利の栄光、君の挫折による絶望、そして描いてきた軌跡
全部私のものだ
紫電:
戦場で 寝床で
デートで 神社で
巫女で 海で
この混沌でのありとあらゆるシチュエーションでの秋奈が大好きだ
真面目な時とオレと一緒にオフの時とのギャップなど感動すら覚える
クリスマスの時に初めての夜を過ごした時の可愛さと艶かしさは筆舌に尽くし難い
秋奈:
今でも、いつまでも
此処って、楽しいこと多すぎなんだよね
写真にでも残しておかないと少しずつ忘れちゃいそう
私と楽しくやってこうぜ
いつまでも、君と帰ってくるこの希望ヶ浜で
「だいじょばねーってマジぴえんしててー!
これ気分よいちょするっきゃねーつって!
カラオケで神アゲぷちょへんざな!」
紫電:
……完璧で究極で最強で無敵の、オレの愛しい嫁だ!
ふたり:
愛してる……BIG LOVE――
●ここまで前振り
「何今の」
そういうのは、T13誠司君である。
「何? 今の?」
もう一度言うが、現実は変わらない。紫電と秋奈は、なんか二人でラブラブしながら再現性道頓堀川に飛び込んでいった。
「はっはー、なるほどな。こういう仕事かぁ」
繰子がうんうんとうなづく。
「まぁ、再現性大阪じゃ、あのくらい日常なんとやらッていうかな?
一日なんども、男女も男男も女女も愛の言葉を語り合いながら道頓堀川に飛び込むもんなんよ(偏見)
それに、今年は猛虎がアレ……っていうか、もう優勝でええやん、優勝したんやし。とにかく猛虎が優勝した優勝イヤーやん!
こうなったら、もう飛び込まん方がアホやで! みんなもな、さくっと飛び込んだらええねん。
飛び込むときの作法って知っとるか? 作法言うても、たこやきやお好み焼き食べるくらい簡単やねん。
勢いよく、ばーっといく!
こういうのはな、躊躇した方が逆に危ないんよ。まっすぐ、がーっといってもうたほうが危なくないねん。
というわけでな、不肖ながら道頓堀・操子! コールサインはたこはちのT8っちゃん、いかせてもらいます!」
一息で、がーっとしゃべりだす大阪魂操子である。すでにべろんべろんに酔っぱらっている操子を、止められるものはいない。
というか、なんで依頼中に酔っぱらっているのか? 何故なら猛虎が優勝したからである。猛虎が優勝したら、大騒ぎをしなければならない。それは大阪の民のDNAに刻まれた、古代からのメッセージであるからだ。
「ほないきまっせ!
よっしゃー!! うぇーい!! みんな今夜はミナミで飲み明かすでぇ!!
もうなあ18年やで!? 18年! 赤ちゃんが成人してまうぐらいには待ちに待った優勝よ。
うちもそりゃあオカンのお腹の中におったころから猛虎の例のテーマ曲と猛虎ファンの怒声と歓声を子守歌に……
え? 話が長い? さっさと飛べ? いけずやわー! おさんといて~~~~~」
ぴょん、と飛び込んだ(特に誰も押してない)操子が、道頓堀川に落下していく。その表情は、まったく、心から、幸せそうであった。
「すごいな、もう三人飛び込んだ」
誠司が目を丸くした。
「すごいな。ほんとうに、すごい」
人は本当にあっけにとられたときには、言葉などでないのである。
「わぁ、ニルもびっくりしました」
ニルも目を丸くしている。それはそうだろう。今目の前で、三人の人間が川に飛び込んだのである。理解の外にある出来事に違いあるまい。
「虎が優勝すると、すごいのですね。
ニルの知っているひとも喜んでいました。
喜んでましたが、道頓堀に飛び込んだらあかん、とも言われました。
あと、道頓堀に投げ込むのもあかん、と聞きました。のろい? がある? のですね??」
「そうだね! 道頓堀に、選手に似てたから、とか言って人形を投げ込むのはいけないよ!」
と、なんか妙にテンションの高いマリアである。
「わぁ、マリア様、楽しそうです」
にこにことニルが笑うのへ、マリアが満面の笑みでうなづく。
「もちろんだとも! いいかい? まず断言させてもうらう。
虎と言えば私! 私と言えば虎だ!
猛虎がアレしてどうかなんかよく分からない! しかし! 悪いが私がアレで優勝でアレだ!
即ち、私が優勝ということだ!!!!」
むふー、と胸を張ってそう宣言するマリア。そうだね。マリアは虎だね。となれば、もう虎はマリアなので、マリアが優勝でいいよ。きっとマリアがMVPでも皆許してくれるよね。
メモ:ここまでの特殊判定 マリアさんMVP たみこさんとトールくゃん重傷。
「そうよね。ええ、わかってますって。18年。この再現地区の元となった世界では子供が生まれて、15年の義務教育を終え、さらに三年の学生生活を終える程の長さ。はしゃぐのも無理はないでしょう」
ノアがうんうんとうなづく。え、ちょっと待って? ってことは、あのVやねんネタが誕生して15年くらいたってるってこと? うそでしょ? やめてよ? あのネタが15年前? うう、頭が……。
メモ:ここまでの特殊判定 マリアさんMVP たみこさんとトールくゃんと洗井落雲が重傷。
「まぁ、洗井君が重傷になっても大丈夫だよ!」
マリアさんがうんうんとうなづいた。
「というか、洗井君の事はどうでもいいんだよ! アライグマの球団はないからね!
さぁ! 皆! 私とヴァリューシャの為に飛び込みたまえ!」
びしっ、とマリアが道頓堀川を指さす。ちなみに、再現性道頓堀川は、汚そうに見えるが、練達の管理システムで中身はちゃんと綺麗になっている。
「とはいえ、なかなか躊躇してしまう見た目だ」
モカが言う。
「一応、しゃぼんスプレーは用意してあるから、汚れることはないけれど。
ほら、私は飲食だし。汚いのは避けたいからね」
「ニルも、よういしていますよ」
にぱー、とわらって、しゃぼんスプレーを差し出すニル。二人とも、準備は万端である。
「ということは、皆いつ飛び込んでも大丈夫という事さ!
文句は後で、洗井君宛てにFLでも送ってくれたまえ! オフ会か何かで、洗井君に直接ぶつけてあげてもいいよ!
それはさておき、もうすでにみんな実行しているけれど、何か叫びながら飛び込むんだ。夜妖が弱体化するからね」
「そうですね。そのことを、リプレイでは一切言っていなかった気がします」
と、妙見子が言った。
「まるで、なんか叫びながら飛び込んでる、浮かれた猛虎ファンの集団のように見られるところでしたよ」
「そう言われたら何も言い返せないのが悔しい絵面でしたからね……」
トールもうんうんとうなづいた。
「まぁ、私は浮かれているよ! 猛虎が! 優勝! したからね!」
本日の主役であるところのマリアさんがウキウキの様子で言う。ちなみに、マリアさんは猛虎が優勝云々というより、虎が結果を残したことにyロコンでいる気がする。
「皆飛ばないのかい? それならばヴァリューシャへの愛といかに私が猛虎なのかを語り尽くした後!
最高難度の前逆宙返り4回転半のえび型をみせてあげよう!
は? 私はエビじゃあないんだよ!!!! 仕方ないじゃないか! 現在の最高難度の飛び込み技がこうなってるんだから!! そういうのは飛び込みの競技連盟かなんかに言いたまえ!」
「大丈夫? その、情緒とか」
誠司が困惑するのへ、マリアは頷いた。
「問題なしだよ! さぁ、見ていたまえ、聞いていたまえ!
まずは私がいかに猛虎かを語ってあげよう!
歌って踊れる軍人兼アイドルでありプロデューサーであり、メテオスラークをやっつけたスーパー軍人でもある!
そしてRT社のCEOでありVDMランドの総支配人なのだ! もうこれだけで猛虎な気がするだろう?
ふふん! 私はすごいんだ! そこ! 猫っていうな! めちゃくちゃにしてやるぞ! コルネリア君!!!
そしてヴァリューシャのVはVやねんのV……もうこれは優勝だろう……。
あまりにも可愛いよ……ヴァリューシャ……。
ヴァリューシャへの愛は334年間語っても語り尽くせないよ……。
もう分かったね? それじゃ! 前逆宙返り4回転半のえび型ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ぴょぉん、と飛び込んでいくマリア。そのまま道頓堀川に水柱が上がった。これ、意味もなくコルネリアさんに重傷つけたらさすがに怒られるかなぁ。どう思います? pipiさん。
とにかく、皆落ちていった。そこで、モカも、ふ、とわらう。そしてゆっくりと、橋の欄干に腰かけた。
「……私は料理以外の家事ができない。
だから、自室は汚部屋だ。
いつも、その状況を見かねた従業員有志が掃除や整理整頓をしてくれている。
これで満足か! じゃあの!」
ぐっ、と親指を立てて、モカが落下していった。生活力がちょっとないかっこいいお姉さん、僕は好きだな。
「これで、あと5人か」
誠司が言う。
「なんだろうな……大変な仕事だけど……このまま落ちたら、水にぬれた可愛い女の子が見られるってことは、悪くないのかもな……」
なんか二面性を発揮しつつ、誠司は川を見つめる。
「語る事……愛……そう、巨乳美少女について。
いやね、世の中ではさ。
そういうのについてね? 胸に貴賤はないとか、言う人いるじゃない?
解る、解るんだけどさ、でも大きいとさこうまずさ。
見てるだけで楽しいじゃん? 揺れるじゃん?
で、可能性を感じるじゃん? もしかしたら……何かの拍子に当たるとかさそういうのさ。
夢があるじゃん?
そう例えば、服とか。ちょっと分厚かったりボディライン隠れるようなものでもさ。
それでも膨らみ解ると……おや? おやおやおやおや? ってさ、なるじゃん? ならない?
はーーーーー。リプレイ読んでる人。そんなことないって思ってるでしょ。いーーーよそういうさ、もうちょっと正気を装うの。
ほんとの所いってみ? いや絶対かんがえるって、誰だってそう。僕だってそう。
もちろん、ボディラインがはっきりする服装とかコスチュームだともうね。
俄然ね、たのしくなるじゃない?
もうね、人生が2倍楽しくなるわけですよ。
解ってくれるよね? 洗井さんこっちがわだもんね?」
そう言いながら、誠司が落下していく。
すげぇわかる。この言葉以外に、必要か? わかるよ。それだけで、僕たちは解りあえるだろう?
「私にも需要があるのね」
なんかノアも言った。
「そう……この体、大きくなったり小さくなったり大変だけど……ほら、私、『特徴(外見) 【可愛い】【妖しい】【おっぱい】【ちちしりふともも】【未来風】』だから。いいことよね」
いいよ、すごくいい。
「いってきます!」
ノアがぴっ、と親指を立ててて、道頓堀川に落ちていった。すでに道頓堀川では戦闘が始まっていて、大佐人形にノアが襲い掛かっていた。
「私が許せないのは、貴様がチキンを粗末にした事! 夜妖め、貴様はこの再現性大阪に巣食う、駆除すべき害獣よ!!
優勝に浮かれた喧騒は投げ捨てられるチキンなんか気にせず踏み潰す!
食べられることもなく砂利とゴミに塗れて捨てられる!
そしてそれをわかってチキンを投げる夜妖……どいつもこいつも、食べ物を粗末にする!
祓われて平伏しなさい! 私こそがT12だ!!!」
「そうなのです。おいしいを粗末にするのはダメなのです」
ぷんぷんとニルが怒った。
「なあおっちゃんアツアツのチキン投げてくるとか食べ物を粗末にしたらアカンってお母ちゃんに教わらんかったん?
それになぁ? ここは関西。チキンより粉モンの方が強いに決まっとるやろがいボケええええ!!」
繰子の叫び声も聞こえた。チキンの恨みは恐ろしい。皆は食べ物を粗末しないで、ちゃんと食べるんだよ。コラボメニューの時とか。
「それじゃあ、ニルも、とびこみます。
でも、はずかしいこと、は、最近ないです。
最近は、服がとけたりも、してないです……」
じゃあ、今度服が溶ける依頼を出してあげるね。
「いやです」
にっこりと笑った。
「えっと、あいのこくはく、でもいい?
あい……すきなものの話ですか?
それなら言えます!
ニルはごはんがすきです!
再現性大阪で食べたたこやきがすきです。
お好み焼きがすきです。
ソースがぴかぴかしていて、かつおぶしかゆらゆらしていて、ふわ、とろ、はふはふ……なのです!
カニさんも前に食べました。みなさまと食べるの、とってもとってもおいしかったのです。
このあとも食べにいけたら嬉しいです!
……ちがいました、か?
すきなひと、なら、みなさまです。
ニルはみなさまのことがすきです。
井様のこともすきですよ」
そう言って、ニルが道頓堀川にざぶーんする。やった、両想いですね! 結婚しましょう! って井が言ってました。
「あとは私たちだけですか……」
妙見子がグラサンを外した。
「先に、いかせてもらっても?」
そういう妙見子に、トールが頷く。
すぅ、と、妙見子が息を吸い込んだ。
「……愛の告白。分かりました。
丁度おあつらえ向きの称号がありますよね? セット! ヨシッ!
担当さんですし好き勝手に洗井さん家のショタドラゴンについて語ります。
まずお顔が非常にかわいいですね。
妙見子が絶叫するくらいにはかわいいと思います。
まつ毛バチバチに長いのもcute。
手足がでかいので将来はとんでもなくでっかくなるでぇ……。
お口は悪いんですけど実はかなり家族思いなところとか本当によくってェ……。
というか自分のことは二の次なのが本当に心配でェ……お前マジで……自分を大事にして頼むから……」
「つねるぞ」
「ウワ~!」
妙見子がコホンと咳払い。
「この前はしっかり照れてるところを見せてくれたので妙見子は死んできますね。
なんか突然つねってくるところとか年頃の男の子って感じで非常にgoodです。
ありがとう洗井落雲……フォーエバー洗井落雲……足向けて寝れn」
文字数がやばいので、トールが妙見子を突き落とした。妙見子が落下していく。「でも知ってるよ、妙見子。それ中務卿にも同じこと言ってるんでしょ? 妙見子は僕と中務卿どっちが好きなんだよ。僕じゃ、ないのかよ」(本人がいわなさそうな捏造セリフ)。
「幻聴が……?」
トールがそういいながら川を見下ろした。すでに戦いは激化している。皆の心の傷も激化している。
トールは、すぅ、と息を吸い込んだ。やるしかあるまい。性癖を語る。あれ? これ依頼間違えてない? なんか逮捕されたアルバイト氏が最上川の向こうで手を振っているような気がした。
「私は女の子の太ももが好きです!
壁に手をついて靴を履こうとしてるミニスカートの子を後ろから俯瞰構図で眺めたり、
スカートで体育座りしている子が太ももの前で手を組んでいる良さと言ったら……。
健全な肉付きのスベスベな太ももに指とか顔とか突っ込んでみたい!
そんな太ももの良さが最大限発揮される”はいてない”というジャンルが大好きです。
パンツは安易に見えたらダメ。
見えそうで見えないギリギリが良い。
私のスカートが短い理由も同じ。
どうせ可愛い格好するなら太ももが眩しい方が良い」
そう言って、トールは空を見上げた。
なので、僕は優しく笑ってうなづいた。
いいよ。
すごくいい。
僕はそういうことを言う奴にグッとくるんだ。
重傷、付与しておくね。
トールが、川に落ちていく。
最上川だったかもしれない。
いや、道頓堀川なのだ。
みんな、思い思いの言葉を叫んで落ちていった。
その勇敢さを讃えて、僕はこの言葉を送ろうと思う。
これがデジタルタトゥーだ。
このあと、なんやかんやで夜妖をていやーして、皆でたこ焼きとお好み焼きを食べました。
おいしかったです。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
僕は女の子が「かああっ」って顔を真っ赤にして恥ずかしがる瞬間とかが好きです。
GMコメント
お世話になっております。洗井落雲です。
これはリクエストシナリオなので、僕は悪くないです。
●成功条件
『猛虎への愛(長文)』か、『なんか恥ずかしい秘密(長文)』とか、『愛の告白(長文)』とかを叫びながら道頓堀川にダイブした後、夜妖『大佐』『スポーツマン』『カニ』を倒す。
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
●状況
再現性大阪の野球チーム『猛虎』。
18年ぶりにアレしたこのチームの熱狂に、住民たちは浮かされています。
そうなると発生するのが、夜妖。今回発生した夜妖は、「人々を道頓堀川にダイブさせる」力を持つのです!
しかし、これには対抗策があるのです! そう! 『猛虎への愛(長文)』か、『なんか恥ずかしい秘密(長文)』とか、『愛の告白(長文)』とかを叫びながら道頓堀川にダイブすることで、洗井落雲がゲラゲラ笑う……じゃなかった、夜妖を弱体化させることができるのです!
なお、再現性道頓堀川は綺麗なので汚れることはありませんが、今は夜妖の力により、入ると様々なBSが付与されてしまいます。まさかBS無効をつんでくる日和ったやつはいないよな?
そんなわけで、リプレイの前半で叫びながら道頓堀川に飛び込み、後半で夜妖をていやー! しましょう!
そして猛虎アレ! おめでとう! セールをしているお店で買い物でもしてすべてを忘れましょう。
作戦決行タイミングは夜。あたりは明かりに満ちているので、特に戦闘ペナルティなどは発生しません。叫ぶ言葉とかに注力してください。
●エネミーデータ
『大佐』 ×1
『選手に似ていたから』とか言う理由で川に投げ捨てられた、フライドチキンを揚げているおじさんの人形です。
フライドチキンを投げてきます。火炎BSとかにかかります。
『スポーツマン』 ×1
一粒うん百メートル。万歳みたいなポーズしているスポーツマンです。
すごい反応速度で走り回ります。
『カニ』 ×1
カニです。かたいです。つよいです。おいしいです。
以上、あとは流れでよろしくお願いいたします。
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