シナリオ詳細
<信なる凱旋>教祖グラキエスと星灯聖典
オープニング
●星灯聖典
帳の降りるその光景に、あるいは似ていた。
現実が現実で無くなっていくような、上書きされるような、それは冠位強欲ルスト・シファーの権能によって起こされた現象に、よく似ていた。
違いがあるとすれば、規模。そして、願いだ。『悲願』だと言っても、いい。
更地になっていた筈の広い広い草地が塗り変わり、豪邸が姿を見せる。
「おお、おおお……!」
その様子に目を見開いたのはこの領地を治めていた領主の男だ。名を確か、ミハルトンと言った。
彼は祈るように、あるいは縋るように言葉を紡ぐ。
「本当に、戻ってくるのですね……失ったものが、なにもかも」
「ええ、その通りです」
『彼』はミハルトン領主の肩を優しく叩き、囁きかけた。
心に滑り込むような、包み込むような、不思議な声色だった。
「今はまだあなたの焼け落ちた家が戻っただけ。けれどいずれは、あなたの家族さえも戻ってくるでしょう」
皆が見つめるその前で、彼は――聖騎士グラキエスは杖を掲げて見せた。
「星灯聖典に来たれ、失ったものを取り戻そう」
――『星灯聖典』。
それは天義を中心にして静かに広がり始めた奇妙な新興宗教であった。
聖騎士グラキエスを教祖に崇めるその団体の目的はひとつ。
失ったものを取り戻すこと。
例えば財産。例えば家族。例えば故郷。
星灯聖典は下賜した聖遺物『聖骸布』をリソースにして、帳内の現実を部分的に上書きする力をもっていた。
本来失われたものは戻らない。例えば死者蘇生はならないというのがこの世界のルールだ。しかし上書きされた帳の内側であるなら、かつての死に別れた者たちと過ごすことも、失われた我が家に帰ることも、焼け落ちた故郷で暮らすことも叶うのである。
更には聖骸布と融合することで超人的な力までも手に入れることができるとも言う。
事実何人かの遂行者たちは多くの聖骸布を下賜され、人外の領域へと足を踏み入れいている。
多くの者はその教義をまやかしだと吐き捨てるだろう。
天義への不正義として断罪する者もいるだろう。
だが、どうしても取り戻したい家族がいる者や、故郷を失った者や、中間と死に別れた者たちは少しずつだがこの教えの元へと集い始めていた。
そして彼らは知るのだ。
神ルスト・シファーがこの世界を真に治めたその時は、自分達だけが失ったものを取り戻しているのだと。
そのためならば、天義の大いなる教えに弓を引くことも厭わぬと。
聖騎士グラキエスはもう一度、声を大きくして呼びかけた。
「星灯聖典へ来たれ! 失ったものを取り戻そう!」
その声に、歓声が応えた。多くの、とても多くの歓声が。
声は熱狂となって渦巻き、人々は少しずつ心を歪めていく。
聖騎士様より下賜された聖骸布。これさえあれば。これさあれば――と。
●聖騎士グラキエスの出現。そして領主ミハルトンの裏切り
「現在国内に広がりつつある新興宗教(カルト)――『星灯聖典』は知ってるな?」
天義を拠点とするある情報屋は、ローレット・イレギュラーズの集まる酒場の個室にてそう切り出した。
あなたの目を見て、こくりと頷く。
「そう、その『星灯聖典』だ。奴らの教祖グラキエスがついに動きを見せた。
領主ミハルトンとその領民を懐柔し、天義国に対して大規模な裏切りを起こさせちまった」
聖騎士グラキエスの存在はこれまでちらほらとだが噂されていた。
星灯聖典というカルトの教祖にして、ルスト派の遂行者。
彼らはルスト派に連なる者として先日起きた予言遂行事件、通称『アンゲリオンの跫音』の遂行にも加担していた。更には今まさに天義や海洋で巻き起こっている四騎士事件にも加担している。
厄介なのが、彼らは元々はただの一般市民に過ぎないということである。
各地にただただ存在していた『ごく普通の人間』が星灯聖典の教義に共感し加わり、聖骸布という聖遺物と融合することで超人的な力を手に入れてしまうのだ。
「通常は切手サイズの小さな聖骸布しか下賜されない。それで発揮できるのはあんたらなら簡単に倒せてしまう程度の戦闘力さ。けどそれを大量に配れちまうってのが問題だ」
情報屋は舌打ちをして続けた。
「今掴んだ情報によれば、ミハルトン領内の民衆は聖骸布によって強化され、更に白騎士の配備によって強力な暴徒に変わっている。
そのうえミハルトン領に帳が定着し始めているって話だ。このまま帳が定着すれば、領地は星灯聖典のどでかい要塞になっちまうだろう。そうなる前に、手を打たなきゃならない」
といっても、暴徒をいちいちなぎ倒して進むのは困難極まるし、なにより時間がかかりすぎる。帳の定着を許してしまう危険があるだろう。
方法は一つだ。
馬等の騎乗手段を使って領内の暴徒たちを強行突破し、中央に『上書き』されて出現しているミハルトン邸へ強襲。
聖騎士グラキエスやミハルトンたちを撃退することで帳の定着を止めるのだ。
「あれだけの聖骸布をばらまける存在だ。戦闘力がどんだけ高いかわかったもんじゃない。その上ミハルトンたちのような聖骸布を多く与えられた遂行者たちや白騎士たちまで参戦するとなればタダでは済まない。
倒そうとは考えるな、ダメージを与え撤退させるんだ」
念押しするように情報屋は言うと、これまで話した内容をまとめた資料を突き出してきた。
「『失ったものを取り戻す』……それが帳の内側だけの話だとしても、それに縋っちまうやつらがいるのはわかる話だ。だが、許せる話じゃあない。頼むぜ、奴らを領地から追い出すんだ」
- <信なる凱旋>教祖グラキエスと星灯聖典完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別EX
- 難易度HARD
- 冒険終了日時2023年09月08日 22時10分
- 参加人数10/10人
- 相談7日
- 参加費150RC
参加者 : 10 人
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参加者一覧(10人)
リプレイ
●ミハルトンを奔れ
領内は厳戒態勢が敷かれていた。当然だろう。なにせ聖騎士グラキエスへの信仰から領収みずから聖教国を裏切ったというのだから。
どんな騎士が来てもいいようにと武器を構え民衆が睨む通りの向こう側から、激しいエンジン音とBGMが聞こえてきた。
そう――『Go To HeLL!』伊達 千尋(p3p007569)とその愛車『Maria』である。
「つかまってなセララちゃん。飛ばすぜ」
アクセルをひねった千尋が加速をかけると、民衆のはったバリケードをバイクの突撃そのもので突き破った。更に斜面になった板を駆け上ることでジャンプをかけると、どよめく民衆を飛び越えて走る。
「あの頃を取り戻せたらって思うことはある。
その思い自体を否定することは、俺にはできねえ。
優しい泥みてえな所でずっと停滞するってのも、悪くはねえんだろう。だがよ」
思わず身を引いた民衆のエアポケット的な空間に飛び込むと、千尋はにやりと笑う。
「俺はイヤだね!」
この民衆はかつての何かを取り戻したいのだろう。死んだ子供か、無くした家か。それとも燦めいた思い出か。けれどそれを止める度量も、否定する言葉も千尋は持ち合わせなかった。
持っていたのはその拳と、駆け抜けるためのバイクだけだ。
「セララちゃん」
「うん!」
セララは閃光のカードをインストールすると、剣による激しいなぎ払いを繰り出した。閃光は精霊の姿をとり、民衆の間で爆発を引き起こす。
吹き飛び開いたそのポケットを、千尋は更に駆け抜けるのだ。
「止まれ! ここはミハルトン領! 許可無き者の立ち入りを禁じている!」
憲兵だろうか。それとも武装した民衆のひとりだろうか。馬に乗り鎧と剣を装備した男たちが二人がかりでバイクを挟み込む。
後方から迫る白騎士によって強化効果をうけた二人が斬りかかるも、セララは剣と盾をそれぞれ左右に突き出して攻撃をガード。
「バイクと馬が並走するのがマジで混沌だよなあ」
千尋の苦笑。セララはにっこりと笑うと、二枚目のバリケードを目にした。
「一緒に行くよ、千尋君!」
雷のカードをバイクにインストールするセララ。
「「ギガセララブレイク!」」
雷をまとったバイクは積み上げた木箱を吹き飛ばし、駆け抜けるのであった。
別の方向では、バリケードをくみ上げた民衆が迫る馬とバイクにどよめきをおこしていた。
「取り戻したい気持ち……正直なところ、わからないわけではないであります。
過去に戻って救えなかった人を救ったり……もっとよい選択肢を取れたのなら。
そう考えたことは一度や二度ではない……それでも!」
大型バイク『ゼストスクランブラー』に跨がった『宇宙の保安官』ムサシ・セルブライト(p3p010126)は叫んだ。
「甘い夢に縋りついて、今救えないことだけは……したくない!」
アクセルをひねり、加速する。
「宇宙保安官! ムサシ・セルブライト見参ッ! 貴方達に危害を加えるつもりは毛頭ない! ……道を開けてください!」
民衆もさすがにバイクで突貫してくると思わなかったのだろうか。彼の抜いたハイパーレーザーソード、つまりは超大型の光刃によるなぎ払いによってバリケードが破壊されたことで思わず道の左右へと飛び退いてしまった。
そんなムサシと並走する『金の軌跡』エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)の愛馬、グリンガレット。
グリンガレットは軽くバリケードと民衆の上を飛行して駆け抜けると、勇気を出して道を塞ぎにかかった民衆めがけ青い瞳をキラリと光らせた。
「容赦なく、撃たせて貰う、ぞ」
非殺傷性の爆発が幾度となく起こり、その中をムサシのバイクが駆け抜けて行く。
そこへ並走してくる白騎士と武装した男たち。
簡単にははねのけさせてはくれないかと奥歯をかみしめるムサシだが、エクスマリアは『心配無い』と一言呟いて更なる閃光爆発を連発させた。
ムサシのブレイ・ブレイザーとぶつかり合う剣。その間におこる爆発。
エクスマリアの瞳から放たれる魔法によってムサシだけをよけておきる爆発によって、男たちは落馬しはるか後方へと転がっていく。
また別のエリアでは、『【星空の友達】/不完全な願望器』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)が飛空探査艇を運転しながら民衆の頭上を通り抜けていった。
(星を騙って、IFの存在持ってきて願いを叶えたように見せる輩……願望器志望の僕としてはブチギレ案件だよ。あの遂行者はぶちのめす!)
探査艇から身を乗り出し、民衆へ向けて呼びかけた。
「叶えたい願いがあるんだろうけど……奴はIFの別物を持ってくるだけだ!」
星空の泥を放つヨゾラ。混沌に揺蕩う根源的な力を煌めく星空のような泥に変え、広域対象の運命を漆黒に塗り替える魔術だ。呑み込まれた民衆はたちまち倒れ、その上を『死血の魔女』マリエッタ・エーレイン(p3p010534)の馬が飛び越える。
「失われたものを取り戻す。何て甘美なことでしょうか。
けれど、その気持ちは理解できる……人心を利用するには手っ取り早い言葉。それが今のこの世界ですから」
本当に取り戻せるなら、そうしたい。マリエッタにだってそう思えるものは沢山ある。
小さなものから、かけがえのないものまで。
「前を見てください、バリケードです!」
マリエッタはそう叫びながらも腕に巻いていた包帯をするりと払う。予めつけておいた傷口から血が不自然に吹き上がり、巨大な鎌の形状をなす。それをマリエッタはバリケードめがけてぶん投げた。
直撃――と同時に『咎人狩り』ラムダ・アイリス(p3p008609)の放つ斬撃がバリケードを破壊し、再び彼女は空へと舞い上がる。
可変式魔導装甲『応龍』による飛行状態だが、これでワイバーンなどにみられる飛行騎乗戦闘相当の戦い方が可能なのだ。
「同情しないでもないし……縋りたい気持ちも解らないでもないけどね……ボク達的にはソレを放置するわけにもいかないのだよね。まぁ、ゴメンね?」
アイリスの表情はどこか酷薄で、そして冷淡でもあった。
だがそこにひとさじの優しさがあったのを、マリエッタたちは見逃していない。
「対群拘束術式――『神狼繋ぐ縛鎖(グレイプ二ル・イマージュ)』」
アイリスが術式を発動させた途端、民衆の影から飛び出した鎖が彼らを縛り拘束、転倒させる。
マリエッタがそれをまた飛び越して馬で走り抜ける。
「目的の広場はもうすぐです。けれど……」
ちらりと後ろを振り返ると、白騎士が馬に乗って追いかけてくるのが見えた。
「相手をしますか?」
「いや、広場についてからでいい。皆と纏まっていた方が有利をとれるからね」
「わかりました……」
引き離せるか? と馬の加速をかけながら、マリエッタは頷くのだった。
『慣性ドリフトの使い手』観音打 至東(p3p008495)の走るエリアは特に道幅の広い大通りだ。
そこを装甲蒸気車両『グラードⅢ』が猛烈な速度で突っ走っていく。
流石に撥ねられたくはないのか、民衆は道の端に避けていく。
「乗り心地は本当に最悪ですねえ」
ハンドルを握ったままアクセルを踏み込み、至東は独りごちる。
彼女の隣でがくんがくんとゆすられているのは『ファイアフォックス』胡桃・ツァンフオ(p3p008299)である。今にも目を回しそうな勢いだ。
(星灯聖典、この前もそうだったけれども、行動が迅速な上に色々な場所に深く根を張っていて、至極厄介なの。
聖骸布にしても無限に出てくるとは思いたくないので、地道に対応していくしかないとは思うけれども……)
ふと見上げると、そこではワイバーンに跨がったシュテルンが民衆の頭上を飛行して抜けていくのが見えた。
「星……星……」
(私の名前……私の家の名前……星を掴もうとする者、星に縋ろうとする者……)
シュテルンにとって、星灯聖典の存在は複雑なものだった。星に縋ろうとする者たち、願おうとする者たちのことを一概に否定することはできない。けれど、それが『誰かから奪うことで』達成される願いなら、止めなければならないのだ。
「回復は私がたくさん頑張り、ます……皆さん、が……全力を出せる、ように……!」
シュテルンから見える民衆の心は、まるで威嚇するように乱れ咲く花々だ。この全てを否定しきることはできなくとも、凶行を止めることはできる。
「前、を……!」
シュテルンが叫ぶと同時、前にバリケードが見えてきた。
「お任せ下さい。こういうのは――」
至東はあえてアクセルを踏み込んで香波残浄扇を運転席からぶっ放した。
いわゆるひとつの『鬼神の一振り』。それは大岩をも砕く斬撃となってバリケードを破壊。そのままグラードⅢはバリケードの残骸を吹き飛ばしながら突っ走る。
後方から白騎士が出現し、その強化効果をうけたであろう騎士風の男たちが車の横へとつけてくる。
マスケット銃が至東の頭部に突きつけられる――が。
「ほっ」
胡桃がアッパーカットの要領で炎を吹き上げたことで男は吹き飛び、飛んでいく。
更に馬が増えるも、胡桃のやることは変わらない。
後方から追いかけてくる民衆の馬めがけ、巨大な青き狐火を放射した。
狐火はいくつにも分裂し民衆の馬だけに食らいつく。
次々と落馬し怪我を負う民衆たち。だが人死には出ていないはずだ。
「これだけの数の信徒を既に抱えて、暴徒化までさせてる。星灯聖典……油断できない勢力なの」
●白騎士との攻防
ミハルトン領の中心、つまりはミハルトン邸前の広大な庭にグラードⅢが突っ込んでいく。運転するのは涼しい顔の至東で、助手席の胡桃は身を伏せていた。
柵など知ったことではないというその振る舞いに、続くは白騎士と数人の民衆たち。
見ればムサシやヨゾラたちも柵を越えて庭へと飛び込んできており、白騎士もまた集まっている様子であった。
空中を低空で旋回飛行するシュテルンと、バイクを止めて周囲を見回す千尋とセララ。
アイリスはがつんと拳を膝を地面につけるようにして着地すると、馬からおりたエクスマリアとマリエッタをちらりと見た。
「全員集合、だな。誰もバリケードには引っかからなかったようだ」
「民衆の妨害も、ですね。けれど……こればかりは相手にしなければなりませんよ」
十人の仲間たちは円形を組むようにして外側を睨み、それを取り囲む形で白騎士と民衆たちが武器をとる。
白騎士のひとりが剣を突きつけて言った。
「投降せよ。たった十人で何が出来る」
「その十人でこれまで幾度も苦難を乗り越えてきたのであります。我々イレギュラーズは!」
ブレイ・ブレイザーを抜き突きつけるムサシ。
民衆の中から薪割り用の斧を手にした男が前に出て呼びかけてくる。
「頼む、引いてくれ。見逃してくれ。去年に子供が病気で死んだんだ。またあの子に会えるなら私は……」
「それでも、止めるぜ」
鎖を巻いた腕でアクセルを捻りバイクを唸らせる千尋。
「かかってきな」
それをゴングにしたかのように、白騎士たちが一斉に遅いかかる。
対抗し、千尋とムサシのバイクが走り出した。
「――!」
バイクのシートへと飛び乗り、そこから跳躍するムサシ。
空中で宙返りをひとつかけると、白騎士めがけダイナマイトキックを繰り出した。
流星のごとき衝撃に白騎士が盾を構え防御する――その直後、千尋のバイクが白騎士へと直撃。轢き逃げのように突っ切ったバイクによって白騎士の身体が宙を舞った。
「今――」
エクスマリアの青い瞳がキラリと光る。
『魔剣・蒼』。視線から斬撃を発生させる魔術である。それは宙を舞う白騎士を切り裂き、転落してくる所へヨゾラが強烈な星の破撃を叩き込んだ。
「とっとと消えろぉ!」
衝撃によって吹き飛ぶ白騎士。
その一方で、胡桃は白騎士と対峙していた。
騎士の繰り出す連続斬撃が胡桃の身体を細かく切り裂き、あちこちに傷を作る。それをシュテルンが治癒するというチームワークだ。
「私に出来る事……沢山頑張る、します!」
(最近余計な事を考えてしまう……ちゃんと集中しないと、ですね)
シュテルンは余計なことを考えないようにと首をふりながら、胡桃に『大天使の祝福』を発動。星の光が瞬き、胡桃の傷を治癒していく。
そうだ、こんなところで傷付いている場合ではない。速攻でカタをつけなければ。
胡桃は相手の剣の横一文字斬りをぺたんと地面に手を突くほどの低姿勢で回避すると、そのまま地面を叩いて身を起こし白騎士の顔面に炎を纏った『こやんぱんち』を叩き込んだ。そこから連続でパンチラッシュを加えていく胡桃。
蓄積したBSと呪殺効果によって白騎士が仰向けに倒れる。
その一方では、セララとマリエッタが槍を持った白騎士による連続攻撃を凌いでいた。
盾で何とか連続攻撃をしのぐセララだが、リーチを埋める隙がない。だが彼女がその隙を作る必要自体も、やはりなかった。
白騎士の後方に回り込んだマリエッタが血を変形させた鎌によってその背を切りつける。
こじりを使って突き飛ばそうとする白騎士だが、その瞬間はセララからみた隙となった。
「はさみうちだよ!」
全力全壊ギガセララブレイク! セララの剣が光り輝き、白騎士の腕を切り落とす。
ハッとした白騎士だが片手で構えられる槍などたかが知れている。防御もままならず、マリエッタの鎌によってその首を切り落とされた。
また一方では至東とアイリスが二刀流の白騎士と斬り合っていた。
なかなかの回避性能を誇る二人であっても、白騎士からの連続攻撃を避けきることが難しい。それほどの手数でありそれほどの技なのであった。
しかしそこは百戦錬磨の二人。
二人同時につっこみ白騎士による斬撃をそれぞれの剣でうけると、思い切り相手を蹴り飛ばした。
「後ろから民衆も迫ってきているし……時間もかけれないか…本気で征くよ!」
「ええ、遠慮なく!」
至東の放つ蹈落紅。
アイリスの放つ剣禅一如「落椿」。
二人の斬撃が交差して、白騎士の首を見事に切断しきったのであった。
そんな圧倒的なまでの強さを見せ付けるイレギュラーズに、民衆は流石に怖れを見せたのか後退を始める。
追ってこないならばよし。そう判断し、イレギュラーズたちはミハルトン邸へと突入したのだった。
●ミハルトン。その悲願と回帰
突入というより、それはどこか礼儀正しい『訪問』にも見えた。
静かに扉が開き、歩み入る十人の男女。
それを出迎えるのは邸宅の主ミハルトンと、そんな彼に仕える騎士たちだ。
十人の男女のなかで、特に取り決めたわけでもないのに、シュテルンが一歩最初に歩み出た。
「あなたの願いの邪魔をしてごめんなさい。
でも、本当に失ったものを取り戻す事は沢山の気持ちが必要で。
叶わない事の方が多い、です。
あなたが納得する答えに辿り着けるかどうかもあなた次第。
自分の思いの力を信じてあげて欲しい」
切に訴えるようなその口調に、対するミハルトンは首を小さく横に振った。
「ありがとう、お嬢さん。だが私は決めたのだよ。たとえ多くの人々から奪うことになったとしても、叶えたい……取り戻したいものがある」
見回す視線は、どこか懐かしそうで、悲しそうで。在りし日の豪華な邸宅の、平和な邸宅の様子に、目を細めて。
「ミハルトンさん。貴方が取り戻したいモノって、本当に世界を滅ぼしてでも取り戻したいものなの?」
セララが尋ねる。答えは分かっているようなものだ。
確認をするように、ミハルトンは頷きを返す。
「その通り。世界中が滅んでも、私と邸宅と、そしてあの子は残る。選民思想と呼ぶには、少々規模の小さい話だがね」
「帳の中だけで成り立つそれは、本当に取り戻したと言える、か? 腕の中に、抱き続けられる、か?」
エクスマリアが続ける。平淡な、感情などこもっていないかのような口調だけれど、そこに想いがこもっていることを、長年共に戦ってきた仲間たちは知っていた。
対してミハルトンも、無視すること無くそれに応えた。
「抱き続けるとも。なんとしてでも」
「失ったものを取り戻す為、なんでもするのなら。次は、取り戻した物を維持するため、と言われたら、やはりなんでもする、か?
今はまだ失わずにいるモノさえも、『あとで取り戻せるから』と、剣を向けることになる、ぞ?」
「ああ、そうなるだろうな」
エクスマリアの目が細くなる。
やはり、そうか。彼はもう決めてしまったのだ。『あちら側に行く』ことを。
「僕は君の願いを叶えたくても叶えられない、屋敷等の再建に協力はできても、大切な人達は生き返らせられない。『IFの存在持ってきて騙すような事もしない』」
ヨゾラがどこか吐き捨てるように言う。
「IF(もしも)でもいい。だからこそ、よいとすら言える。本当に、失ってしまったのだから」
「ならば」
と、至東が歩み出る。
「私は、死んだ良人を、今も死んでいるからこそ愛しく思っております。
貴方はどうでしょう? 偽物に縋らずとも、失ったままでも、愛せませんか?」
「あるいはそうだったのかもしれない。けれど私は奇跡を見てしまった。権能に出会ってしまった。出会ってしまったのだよ」
ハア、とアイリスはため息をついた。
(星灯聖典の甘言と帳の中の過ぎ去りし幻に囚われて実に哀れだね? この帳の行く末が解らないでもないだろうにさ……)
とはいえここまで国家に裏切りをはたらいて、断罪されずに終わるわけはなし。自分達がその代行となるなら、それもまた宿命なのかもしれない。
対して、マリエッタの目はどこか暗い。魔術に魅入られた者を見つめるような、深淵に沈む者を見下ろすような。そんな酷薄とすら言える目だ。
(あなたは分かっているのですね。利用されていると。踊らされていると。それでもなお、取り戻したかったのですね)
胡桃は何かを言おうと口を開きかけ、そして閉じた。
(教祖グラキエスは、あのタイプは、何もかもを滅茶苦茶にする為にいかなる労力をも惜しまぬ点で、取り戻した大切なものが再び失われる位では絶対に済まぬの)
ぎゅっと拳を握り、構える。
「もし再び失うことになったとしても?」
「それは、私が敗北したときのことを言っているのかな」
ミハルトンが剣を振る。その剣圧だけで空が裂けて、壁際に置かれた彫像が砕け散る。
「悪いけれど、もはや矮小な一般市民ではないのだよ。しかし君たちを切り刻むことを望むわけでもない。どうか、引いてはもらえないだろうか」
ミハルトンのその言葉に、割り込むようにムサシが叫ぶ。
「失ったものを取り戻そうとする気持ちはわかるであります。でも! それで人々から奪うことを……許さない!」
「ならばどうする」
「決まってるよなあ!」
千尋が叫び、走り出した。速攻をかけるように、彼の蹴りがミハルトンへと繰り出される。
「ミハルトン様!」
横から割り込んだ騎士に蹴りが炸裂。と同時に剣が叩きつけられ、千尋は地面を転がった。
まるで踊るような華麗な動きで地面を転がると素早く立ち上がる千尋。
「『宗教勧誘お断り』だぜコノヤロウ!」
騎士へ更なる反撃の拳を叩き込む千尋。と同時にセララとマリエッタが動き出していた。
翳した騎士の盾めがけてセララがクラスカードを数枚まとめてインストール。ミックスされた剣技は強烈な十字の斬撃となって騎士へと迫った。
盾がそれによって吹き飛び、剣を素早く翳す騎士。だがその剣は腕を切りつけられたことで無理矢理に下ろされることとなる。
斬り付けていたのは、長く伸びた鎖鎌のような武器だった。よく見れば、それはマリエッタから伸びた血の鎖。
千尋の拳、セララの剣、そしてマリエッタの鎌が同時に叩き込まれ騎士が吹き飛ぶ。
それを横目にエクスマリアとヨゾラは別の騎士へと挑みかかっていた。
『視線の斬撃』を繰り出すエクスマリアを盾によって防御しながらシールドバッシュをかける騎士。エクスマリアは吹き飛ばされるが、それをシュテルンが治癒によってフォローした。
そうなってしまえば、残ったのはシールドバッシュによって自ら隙を作った騎士の方だ。
ヨゾラが『星の破撃』――別名『夜の星の破撃(ナハトスターブラスター)』を騎士の顔面へと叩き込む。
直後、ミハルトンの剣圧がヨゾラやシュテルンたちを吹き飛ばす。
咄嗟にシュテルンが治癒の魔法をかけなければそのまま気を失っていたかもしれない。
胡桃がミハルトンへ迫る。
彼女の繰り出す激しい炎がミハルトンを包み込んだ。まるで大量の狐に取り囲まれたかのように狐火にまかれたミハルトンが、剣でそれらを振り払いにかかる。
だがその間にも至東とアイリス、そしてムサシが迫る。
「――!」
翳したミハルトンの剣と至東の剣がぶつかった。いや――ぶつかったように錯覚した。
至東自身は既にミハルトンの横をすり抜け、剣を振り抜いた状態にある。
「なっ」
振り向いたミハルトン。そこへアイリスの抜刀が襲った。
超高速の抜刀がミハルトンの腕を切り裂き、剣を持っていた手がまるごと宙を回転して飛んでいく。
「ここまでであります」
フルブーストフォームによって焔を燃え上がらせたムサシのブレイ・ブレイザーが、ミハルトンの胸を切り裂いた。
「が、は……!?」
血を吐き、崩れ落ちるように膝をつくミハルトン。
それによって触媒も同時に破壊されたのだろう。
領内に降りていた帳が解かれていく。
「あ、ああ、私の、私の……!」
ミハルトンが悲しげに手を伸ばすが、もうそこに豪華な邸宅は無かった。一瞬だけ姿を見せた白いワンピースの少女……肖像画にミハルトンと共に描かれていた少女と共に、そこはただの焼け野原へと変わってしまっていた。
いや、戻ってしまったというべきだろう。ミハルトンは再び、失ったのだ。
「むごいね。ただ見過ごしてあげるだけでよかったのに」
優しく、心に滑り込むような声だった。
と同時に、激しい吹雪が身体に吹き付ける。ミハルトンは吹き飛ばされ、ムサシたちはなんとかその場に踏みとどまる。
「その声。貴様が……!」
「星灯聖典……グラキエス」
シュテルンが強い敵意の籠もった視線を向けた。彼女のような少女には似つかわしくないほど、それは鋭い敵意であった。
瞬間、周囲が白く霞んでいく。ミルク色の霧に包まれたかのような空間の中で、カツン……カツン……と靴をならしゆっくりと現れる人影があった。
それは白き僧服に身を包んだ聖騎士。
「ああ、その通り。自己紹介をしていなかったね。私がそう、グラキエスだ。
星灯聖典の教祖にして、遂行者。失ったものを取り戻すため、戦う騎士だよ」
そのどこか神々しくすらある姿に、一瞬だが圧倒されそうになる。それだけの強烈なカリスマが、グラキエスにはあるのだ。
踏みとどまり、強く拳を握るシュテルン。
彼女の左右を、千尋とヨゾラが走り抜ける。
「さっきも入ったが、宗教勧誘はお断りなんだよ!」
「グラキエス……冠位傲慢の威を借りた悪趣味な『IFの存在持ってきただけなのに願いを叶えたと偽る【ごっこ遊び】』、楽しかった? ならぶっとばす!」
二人の強烈な拳と蹴りを、グラキエスは翳した杖と手で受け止めた。
「「――!?」」
とてもではないが止められるような威力ではない。常人であれば消し飛んでしまうような威力があったはずだ。それを、片手で?
「楽しくなどないさ。ただ、悲しいだけだよ。全ての願いを、私はしかし叶えられない。誰かの幸せは、誰かの不幸の上にしか成り立たない。奪うことでしか、取り戻せないんだ」
「詭弁です、そんなものは……!」
マリエッタが血の鎌で斬りかかる。
いや、無数に分裂した刃は吹雪のようにグラキエスへと吹きつけ、突き刺さる。だがそれはグラキエスの眼前で『切断』され次々に落ちていく。
「グラキエスさん。貴方が人々を勧誘する言葉に嘘は無いのかもしれない。
でも都合の悪いことは黙ってるでしょ。
上書き後の世界はきっと滅ぶ。イレギュラーズがいないから。
聖骸布にもきっとリスクがある。この世界に都合の良い力なんて無いから」
「……」
グラキエスはセララの言葉にはあえて何も言わず、彼女の繰り出した剣を杖によって受け止める。
直後、セララの身体から血が吹き上がった。
「見えない斬撃!?」
「いや、見えないほど早い斬撃だ」
アイリスが言い、セララを引っ張ってシュテルンの方へと投げた。
「世界は滅ぶ。それは運命だよ。それは人が皆いずれ死ぬのと同じことさ。それまでに何ができるかで、人生が変わる……そうじゃないかな」
「滅びはしない。させない」
エクスマリアが再び視線による斬撃を放つが、グラキエスはそれを軽くステップをふむことで回避してしまう。
「……強い、な」
十人がかりで倒せるかどうか。いや、撤退に持ち込むことすらできるかどうかだ。
直後、再び激しい吹雪が全員を襲った。その中を駆け抜ける胡桃。
「準備が役に立ったの」
纏う蒼炎の狐火をグラキエスめがけて放つ。対するグラキエスはやっと、その杖に手をかけた。
かけた瞬間に広範囲にわたって斬撃が浴びせられる。凄まじいダメージと範囲に。胡桃は思わず吹き飛ばされた。
至東、アイリス、そしてムサシが三方向から同時に斬りかかる。
ミハルトンを打ち取った彼女たちだが、しかし相手はその何倍も強大な相手だ。
高速の刃がグラキエスの首を、手首を、そして心臓を狙い放たれる。その全てが見えないほどの斬撃で弾かれた。
キィンという金属がぶつかる音が一つなぎとなって鳴り響く。
アイリスが背後から斬撃を放つと同時、ムサシがブレイ・ブレイザーを槍のように突き出した――その瞬間。
バッとグラキエスは動き、その場から飛び退いた。
「グラキエス、貴様には必ず引導を渡してやる!」
「それは、困るな。私にも、まだ取り戻したいものがあるんだ」
グラキエスの姿がスッとミルク色の霧の中へと沈み、消えていく。
逃げた? いや、違う――!
「斬撃だ、来るよ」
アイリスがそう呼びかけた途端、霧の向こうから無数の斬撃が飛んでくる。
咄嗟にブレイ・ブレイザーをマントのように翻し盾にするムサシ。
アイリスは『応龍』が激しく切り裂かれ、とっさにパージした『応龍』が爆発を起こす。
至東は派手に斬撃をくらったが、二発目からは刀で弾く形で防御して見せた。
「霧を払うよ! ギガセララブレイク!」
雷と風のカードをダブルインストールしたセララは暴風を纏った剣で空をなぎ払い、ミルク色の霧を払いにかかる。
その中に現れた人影に、ヨゾラと千尋は今度こそ殴りかかった。
二人の拳が直撃し、グラキエスが大きく吹き飛ばされる。
しかしグラキエスはまるで空を泳ぐようにくるりと身を翻すと、やわらかく地面へと着地。再び剣の柄に手をかけた。
「させぬの」
胡桃が立ち塞がり防御の構えをとる。壁のように燃え上がった狐火が斬撃によってスパンと斜めに切断されるも、その直後にエクスマリアの視線の斬撃がグラキエスを今度こそ捕らえた。と同時に、アイリスが飛びかかり斬撃を見舞う。
スパッと彼の頬が切られ、血が流れた。
「そうか。強い、ね……」
グラキエスは再び吹雪きを起こすとミルク色の濃い霧を作り出す。
追いかけて走るムサシたちだが、そこにはもう焼け野原と倒れたミハルトンの姿しか残っていなかった。
「ここは、退かせて貰うよ」
どこからか聞こえる声に周囲を見るが、姿はない。
「グラキエス……」
アイリスたちは剣の柄を握りしめたまま、しばらくその場を動くことができなかった。
●ミハルトンとその後
これは後日談ではないのかもしれない。
ミハルトンは戦いの中で絶命し、彼から剥がれ落ちた聖骸布もまた回収された。
分析によれば、回収された聖骸布はただの布きれと変わりなく、おそらくは認証した人間にしか効果をもたらさないものだとわかった。
同じように聖骸布を下賜されていた民衆も天義の騎士団による検挙をうけ拘束。大量検挙によって一時は混乱したものの、別の領主がミハルトン領を治める形でこの事件は幕を閉じたのだった。
全ての元凶となる聖騎士グラキエスの所在は、今だ明らかとなっていない……。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
――mission complete
――ミハルトン領の領主と領民を一斉検挙しました
――聖騎士グラキエスを撤退させることに成功しました
――『聖骸布』の分析が進みました。場合によっては摘出が可能になったようです。
GMコメント
●シチュエーションとパート
星灯聖典の教祖グラキエスがついに姿を見せ、ミハルトン領内を帳によって侵食しようとしています。
このシナリオは騎乗戦闘による強行突破、白騎士たちとの戦い、グラキエスたちとの戦いという三つのパートに分かれ構成されることになるでしょう。
●騎乗戦闘による強行突破
馬やバイクなど騎乗戦闘可能なアイテムを用い強行突破を行います。
(もし装備にない場合軍馬をレンタルできます)
ミハルトン領内の民衆は暴徒化しており、侵入しようとするこちらを全力で排除しようと攻撃してくるでしょう。
『大勢の民衆をはねのける手段』『バリケードの破壊手段』あたりを用意しておくとよいでしょう。
また、民衆が一気に集まってくると突破もできなくなりそうで危険なのでチームを4つほどに分断し、東西南北の大通りを突っ切る作戦をとる予定となっています。
前述した手段をチーム単位で用意できるようにチームわけをしておくとよいでしょう。
●白騎士たちとの戦闘
『白騎士』はルストの権能によって作られた存在です。
彼らは馬に乗っているためこちらに追いつき、最終的には直接戦闘に突入することになるでしょう。
敵の白騎士は4体。それぞれが味方を強化する能力を持っており、そこへ更に一定数の『星灯聖典』信徒たちが加わり戦闘になります。
時間をかけすぎると強行突破した信徒たちが駆けつけてしまうので、速攻でカタをつけるようにしたほうがよいでしょう。
●聖騎士グラキエスとの戦い
ミハルトン邸へ突入し、聖騎士グラキエスたちと戦います。
ここでは領主ミハルトンとその衛兵たちが前半の敵となり、それを倒すことができたなら聖騎士グラキエスとの戦いへ突入できるという形になるでしょう。
こちらもできれば急いだほうがよいですが、グラキエスの戦いはその被害規模が未知すぎるため民衆たちは恐れて近づかないはずです。
●エネミーデータ補足
・民衆
星灯聖典の信徒となった民衆です。彼らは数がとにかく多く、そして皆小さな聖骸布によって微力ながらも強化されています。
更には白騎士によるバフ効果もあって、いちいち相手にしているとかなりマズイ相手です。一気に駆け抜け、やりすごしてしまいましょう。
・白騎士×4
ルストの権能によって作られた騎士たちです。
今回はフィールドの広さもあってか四体の白騎士を相手に戦うことになります。
彼らはいるだけで周囲の味方にバフを与えるので、白騎士を優先して倒す必要があるでしょう。
倒す事が出来れば、はれてミハルトン邸へ突入です!
・ミハルトンとその衛兵
やや大きめの聖骸布を下賜されたミハルトンと衛兵たちはそれなりの強さを持っています。
彼らは剣や魔法で武装しており、油断ならない相手となるでしょう。
戦いの舞台はグラキエスとその聖骸布の力によって取り戻したミハルトン邸です。
ミハルトンは己の財産や家族に強く執着しており、かつて魔種派の執政官に与したことで領地の半分と邸宅を没収されていた過去があります。
そうして失った全ての栄光を星灯聖典に加わることで取り戻そうとしています。
・聖騎士グラキエス
全く未知の遂行者です。
聖骸布をあれだけ配れるのですから、とてつもない力を持っているのは間違いないでしょう。
攻撃を凌ぎ、とにかくダメージを与え、彼を撤退させることを優先してください。
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