シナリオ詳細
<英雄譚の始まり>精霊と宝石の煌めき
オープニング
●
――異世界への渡航。
それは、元の世界へ帰りたい旅人(ウォーカー)にとっての悲願であるだろう。
だからこそ練達という国は、システム中枢を担う『マザー』を使い仮想世界を創りあげた。
世界の可能性を取り込んだ『R.O.O』で繰り返される実験と解析。
その過程で発生するバグという存在は看過できないものになっていた。
電脳廃棄都市ORphan(Other R.O.O phantom)はそのバグデータが集まる場所である。
「じゃあ、ここはその『ORphan』の中なの?」
こてりと首を傾げる『籠の中の雲雀』アルエット(p3n000009)へ『Vanity』ラビ(p3n000027)は首を左右に振った。
「いえ、ここは『プーレルジール』です。いま、私達は境界図書館から入って来ましたよね」
「うん。もう異世界なの?」
「もう異世界です……もう少し詳しい話しをした方がいいですか? でも、難しい話しかも?」
ラビが難しい話というからには、アルエットにはあまり理解できないことなのだろう。
けれど、無辜なる混沌に召喚された旅人はやってくるばかりで戻れないのではなかったか。
「えっと、えと……何で異世界に行けるようになったの?」
「混沌世界で解明されていない果ての迷宮をR.O.Oで取り込んでしまって、データの欠損と大規模なバグが起きて……現実世界にもリンクしていた『ORphan』の事件でイレギュラーズがそれを解決して、一人のパラディーゾから物語の欠片を貰ったんですが、それがこの『プーレルジール』なんですね。密接に混沌とリンクし、混沌の有り得たかも知れない世界として分離されたこの地は、気付いた頃には混沌に飲み込まれて仕舞うらしいのですが…………説明が難しいのでどうかみ砕いたらいいものかと悩んでいます」
「すごい、ラビちゃんがそんなに喋るの初めてきいたかも」
普段はあまり多くを喋る方では無いラビの言葉に、アルエットは目を輝かせた。内容はあまり理解は出来なかったが、ここが『プーレルジール』ということは分かる。
「境界図書館の館長クレカさんの故郷らしいです」
「そうなんだぁ」
クレカの故郷と言われれば、何だか親しみが生まれるとアルエットは頷いた。
辺りを見渡せば美しい商店街が広がる。『プリエの回廊(ギャルリ・ド・プリエ)』にはアトリエが数多く並んでおり、魔法使い達の拠点となっているのだ。
そして、至る所にクレカに似た『人形のような人』が歩いているではないか。
話しかけてもいいものかと戸惑うアルエットにラビは微笑む。
「あの人達はここの住人です。『ゼロ・クール』というそうです」
「ゼロ・クールさん、こんにちは」
「こんにちは、アトリエ・コンフィーからいらした方ですね。何でもお申し付けください」
『アトリエ・コンフィーから来た』とはどういうことだとアルエットはラビに振り返った。
どうやら、異世界の風景に夢中で最初の方の説明を聞き逃していたらしい。
「私達はアトリエ・コンフィーの『お手伝いさん』をしているんです。一応、そういうことになってます」
つまり、アトリエ・コンフィーはこの世界のローレットということなのだろう。身元が分かっていた方が何かと都合はいい。
「……あ、キミ達も来てたんだね」
「わあ! ジェックさんとイナリさんもこっちに来たのね?」
ジェック・アーロン(p3p004755)と長月・イナリ(p3p008096)が歩いて来るのを見つけアルエットは嬉しそうに翼を広げた。遠くの地で見知った顔が居るのは何だかうれしくなる。
「この先に不思議な浮島があると聞いたのよ。だから何か飛行出来る手段は無いかと探してたの」
イナリは青い空を見上げて目を細めた。
「へえ、浮島か……ちょっと興味あるかも」
「アルエットも興味あるわ! 一緒に行きましょ! あ、でも皆は飛べないわよね。どうしよう……」
困った顔をするアルエットへゼロ・クールが歩み寄る。
「でしたら、フォロル乗り場へ案内いたします」
無表情のゼロ・クールがぺこりとお辞儀をして歩き出した。
●
有翼獣『フォロル』に跨がり、青き空を駆け抜ける。
高く高く昇り、眼前に見えて来たのは正しく浮島と呼べるものだった。
煌めく粒子を纏わせ、浮いている島へとイレギュラーズはフォロルで降り立つ。
桟橋のように突き出た場所へフォロルを降下させたジェックは、こちらを待ち構える人影を見つけた。
フォロルから降りて、その人影に近づけば目の前でふっと消える。
「あれ? 消えた?」
「えっ、なに? 幽霊なの?」
近づいていくジェックを見守っていたアルエットはぷるぷると身体を震わせた。
「不思議な浮島に、消える亡霊……ね」
ふむ、と考え込むイナリは何か得られる情報があれば「杜の助けになるかもしれない」と考える。
「……ようこそ、来訪者」
突然目の前に炎が燃えあがり、中から現れたのは中性的な見た目の精霊だった。
黒い肌に燃える様な橙の髪が揺らめく。
「ここはアガルティア帝国の精霊都市レビ=ウムです」
「レビ=ウム……」
ジェックは紅い瞳で周囲の建物を見渡した。
その中に見た事のある模様を見つけ目を見開く。柱に刻まれた特徴的な紋様。
「この模様……アーカーシュのレビカナンで見たことある」
「アーカーシュで?」
数度しか訪れた事の無いアルエットには見分けが付かなかったが、ジェックにはこれがアーカーシュにあるものと同じ形をしていると判断出来る。
「もしかしたら、無数にあったとされる浮島の一つなのかもしれないですね。このプーレルジールは混沌世界からすれば、随分と昔の出来事であり、本来なら終わってしまった物語の一片ですから」
「どういうこと?」
ジェックがラビに聞き返せば『IFの物語』なのだと告げられる。
「でも、IFでもこの世界の人は生きてるのよね?」
イナリの問いにこくりと頷くラビ。
「生きています。でも、やがて混沌世界に飲み込まれるとされています」
それが何時なのかは誰にも分からない。けれど、飲み込まれる以上現在の混沌から大きく外れた結果を伴えば悪影響があるのだろう。
「貴方たちは異世界からの来訪者なのですね。珍しい……ふふ、お客様は歓迎いたしますよ」
「ありがとう。そういえばキミの名前は何ていうの?」
ジェックは炎の髪を纏った精霊に顔を上げる。
「私はラーラ・ルタ・カンデラ。灯火の精霊です」
――――
――
ラーラの案内でイレギュラーズはアガルティア帝国の精霊都市レビ=ウムを散策する。
そこには何処かで見たことのある建物が並んでいた。
アーカーシュのレビカナンに近いものと、煌めく宝石が融合したもの。
「こっちの宝石の建物はアーカーシュでは見た事無いかも……」
「確かに。このレビ=ウムだけにあるのかしら?」
混沌世界とプーレルジールとの差違を見つけてはジェックとアルエットは目を輝かせる。
「だれ、か……!」
微かに聞こえた声にイナリとラビは耳をぴくりと動かした。
勢い良く顔を上げた二人は声のする方へ飛び出す。
ジェックとアルエットも後を追いかけるように走り出した。
建物の影を曲がると、息も絶え絶えで足を引きずる白い衣装を纏った女性が現れた。
「彼女はジュエリアですね。この浮島の住人……宝石を抱くものたちです」
ゼロ・クールに似ているが、魔法で動いているわけではない。この世界の『人』であるのだろう。
「どうか、助けてください……」
引きずる足を見れば黒い結晶になっているようにみえた。
彼女の元まで走り、肩をささえたイナリは視界の端に『終焉獣』を捉えた。
「なるほど、追われているのね……事情は分からないけどとりあえずあいつらを追い払いましょうか」
イナリの言葉に頷いたイレギュラーズは向かってくる終焉獣を睨み付けた。
- <英雄譚の始まり>精霊と宝石の煌めき完了
- GM名もみじ
- 種別EX
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2023年09月09日 22時05分
- 参加人数10/10人
- 相談7日
- 参加費150RC
参加者 : 10 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(10人)
サポートNPC一覧(2人)
リプレイ
●
空が近いと感じるのは周りに遮蔽物が無いからなのかもしれない。
開放的で光量が多い分だけ鮮明に落ちてくる青い色。
古代アガルティア帝国の作りし技術でこの島は空へ浮いていた。
白亜の建物に水が流れ、緑が覆う美しい精霊都市レビ=ウム。
光の中で精霊が踊るように、柔らかな時を刻んできたこの島に悪しき闇が忍び寄る。
黒い水晶の足を引きずりながら『ジュエリアの騎士』ソレイユ・プリズムは必死に逃げていた。
本来であれば追いかけて来ている者達を蹴散らし逃げることは可能である。
されど、足を黒い水晶に変えられてしまっていては十分に力を発揮できない。
それでもソレイユは諦めず機会をうかがっていた。だから、『狐です』長月・イナリ(p3p008096)たちが駆けつけてくれた時は、心の底から嬉しかったのだ。
「あなたはジュエリアね?」
「はい……どうか、助けてください」
ソレイユはイナリの手を取り立ち上がる。
宝石を胸に抱く種族ジュリア。ソレイユの胸に嵌められたダイヤモンドを見つめイナリは眉を寄せる。
強欲な人達に見つかれば商品として扱われるのも頷ける。
彼女達が抱く宝石の輝きは金銭的な価値を付けるに値するものだからだ。
であれば、ジュエリアたちの情報の取り扱いには警戒した方がいいだろうとイナリは考えた。
一足先に駆けつけたイナリの後ろから戦場に斬り込んだのは『比翼連理・攻』桜咲 珠緒(p3p004426)と『比翼連理・護』藤野 蛍(p3p003861)、『雨夜の映し身』カイト(p3p007128)、『冠位狙撃者』ジェック・アーロン(p3p004755)だ。
ソレイユを追いかけてきたフォグ・ブライトレスを引き剥がさんと珠緒は堕天の輝きを解き放つ。
異世界への渡航は、確かに珠緒にとっても悲願と言えるだろう。
尤も故郷での役目を終えている珠緒が望むのは蛍の世界なのだが。
だからこそ、練達での実験にも参加したのだ。このプーレルジールでの探索もその一端となればいいと望みを掛け珠緒と蛍は此処へやってきた。
「探索のためにも、まずは救助と邪魔の排除です!」
「誰かを助けるのに理由は要らないわよね。ここはボク達に任せてちょうだい!」
珠緒が吹き飛ばした敵に追い打ちを掛けるのは蛍だ。
純白の手甲型防衛武装に纏う桜色の魔法陣。その手が握るのは刀身に藤と桜があしらわれた聖剣だ。
桜色の軌跡を残し、蛍は灼熱の焔を敵へと広げる。それは誰かを守る為の闘志の炎だ。
ジェックは弾丸の音を戦場に響かせる。それはまるで楽団演奏のように激しく壮大で胸を打つもの。
着弾したブライトレス達からすれば、残忍な厄災の音色であるだろう。
浮遊島にある都市レビ=ウム。もし、このプーレルジールが混沌世界の過去であり、アーカーシュの浮島の一つとして残っている世界なのだとしたら。
プーレルジールでの探索は、混沌世界で100年前には既に滅んでいたアーカシュの古代文明を解き明かすのに役立つかもしれないとジェックは頷く。
逆に自分達の持つ知識がこの世界の魔王を打ち倒すのに役立つかもしれないのだ。
それは仮定であり、魔王がいるのか倒す必要があるのかも未だ分からないままだ。
されど、一つの事実として目の前の脅威は排除せねばならない。
「レビ=ウムなー。レビカナンっぽい名前だよな……ホントに」
近しい記録や相違点など、レビカナンの精霊であるマイヤに聞けば分かるのだろうかとカイトは思考を巡らせる。現実と『物語』ではどれ程差が生じているのかは正直分からないのだが。
「いろんな調査するにもまずは、目の前の火の粉を振り払ってから、だけどもさ!!」
ジェックが降り注いだ弾の嵐の次にブライトレス達へ訪れるのはカイトが齎す黒き雨だ。
強かに打ち付ける雨が反転したように地面から顎を見せる。
ブライトレス達を不吉な黒い雨が喰らい尽くす。
連鎖行動によってブライトレス達から先手を取れたこと、ソレイユから即座に引き剥がしたことは戦況をぐっとイレギュラーズ側に引き寄せるものだ。
『紅炎の勇者』リースリット・エウリア・ファーレル(p3p001984)は初動の手応えを感じながら、ソレイユを一瞥する。ジュエリアは精霊都市レビ=ウムの末裔……ということなのだろう。
この浮島の住人だというのなら、人口が多い訳でもないのだろう。
それに終焉獣が浮島に入り込んでいるこの状況は芳しくないとリースリットは眉を寄せる。
「ラビさんはラーラさんの側に下がっていてください。アルエットさんも、無理はなさらず……でも、頼りにさせていただきます」
「分かりました……ラーラさんこちらへ」
『レビ=ウムの精霊』ラーラ・ルタ・カンデラを連れて『Vanity』ラビ(p3n000027)は戦場の隅へと身を隠した。ラーラはレビ=ウムが傷付かぬよう、結界を張り巡らせる。
「ラーラ様がまもってくれているのですね」
広場とはいえ傷付いては嫌だと『おいしいで満たされて』ニル(p3p009185)も重ねて結界を張った。
「ありがとうございます。優しき人」
守りたい気持ちを重ねてくれることが嬉しいとラーラはニルへと微笑む。
レビ=ウムはアーカーシュに似ている。それも気になるがニルが一番気にしているのはジュエリアだ。
宝石を抱くもの。ニルと同じだが、起源が異なるであろうもの。
ゼロ・クールの皆が気になるのと同じぐらい、そわそわとしてしまうのは何故なのか。
リースリットはフォグ・ブライトレスへ視線を向ける。魔晶剣の先に集まった魔力が術式を描き、焔の魔法陣が広がる。数多の精霊の力を借りたその術式は光の渦となりて戦場を飲み込んだ。
ブライトレス達にとっては重圧に掛けられたように感じただろう。
全ての自然現象が敵対するような恐ろしい感覚だ。
「きらきらの宝石がすてきでも、壊したり食べたりなんかさせないのです!」
ニルはソレイユを狙っていたフォグに対して漆黒の泥を浴びせる。
霧状の個体であるフォグは纏わり付く汚泥に対して動きを鈍らせた。
美しい都市だと『金の軌跡』エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)はレビ=ウムを見てそう思っていた。この世界が混沌に飲まれるというのがエクスマリアにはどういうことか分からないけれど。
それはいつかの『先』のことなのだろう。混沌世界とて、そのいつかは訪れる。
だからこそ。
「今、傷つけられるのは、好ましくない、な」
エクスマリアは先程ニルが被せた泥の中に、フォグの核を見出していた。
霧状の個体に黒泥を被せるニルの判断は正解だったといえよう。
「フォグを見て見ろ、核が見えるぞ」
「本当です!」
エクスマリアの声にニルは仲間へとフォグの核の位置を伝える。
「ロストシティのアーカーシュね……今でもその遺構が国を左右したのに、昔のここはどれほどの技術があるのかしら? ジュエリアという今の混沌にいない種も気になるわ……」
レビ=ウムの建物とソレイユを見渡しロレイン(p3p006293)は十字架を握り締めた。
ロレインの十字架から光が溢れ傷を負ったソレイユに降り注ぐ。
「主よ、かの者の傷を癒やし給え……」
光の輪となったロレインの力は、何重にも重なり、ソレイユの傷を癒し尽くした。
傷の回復の最中、ロレインはソレイユの足を侵食している黒い結晶にも注視する。
これがヴァンピーアのように種族的な作用なのか敵が及ぼす害なのかを見極める必要があった。
されど、ソレイユの傷口は塞がれど黒い結晶はそのままである。
傷が原因ではないようだとロレインは納得した。ならば、他に要因があるのだろう。
ロレインの癒やしの力で立ち上がったソレイユは感謝を告げ戦場へ立つ。
「無理はしないように」
「はい。ですが、私も騎士として戦いたいのです。皆さんが居てくれれば遅れは取りません」
ソレイユの言葉にロレインもイナリも納得する。
「何かあれば俺が庇ってやるから、安心しろ」
『不屈の太陽』ジェラルド・ヴォルタ(p3p010356)はソレイユの隣に立ちブライトレス達を見遣った。
「頼もしい限りです」
ソレイユは剣を掲げ敵へと走り出す。それを心配そうに見つめるのは『籠の中の雲雀』アルエット (p3n000009)の翠の瞳。
「アルエット、あんたは回復をお願いするぜ。あんたの仕事で俺は自分なりの役割が出来そうだ。
……勿論他の仲間達もな! だから頼まれてくれっと助かるぜ!」
「分かったの! 頑張るわ!」
ジェラルドの笑顔に、アルエットも確りと頷いた。
●
イレギュラーズの作戦は圧倒的な戦術と統率力で敵の数を確実に減らしていた。
「この後のことも考えると、可能な限り殲滅して、自分達の安全と、何よりここの住人さん達の命の危険を減らしてあげられるといいわよね!」
蛍は眼前の敵を見渡し、聖剣を構え直す。
桜色の光流を纏った蛍は身を低くして地を踏みしめた。
一瞬の後に敵へと接近した蛍の刃が眼前に閃く。敵は核を守るようにたじろいだ。
「幸い遠慮はいらない相手のようだし? ここが女の見せ所よ!」
蛍の一閃で黒い霧が解けフォグの核が露わになる。
「さぁ、この先へ進みたければまずボクから倒してみなさい!
珠緒さんも仲間もここの住人さん達も、誰一人傷付けさせたりしないんだから!」
重ねる挑発は敵の怒りを増幅させるものだっただろう。
積み重なる傷の痛みに蛍は苦しげな息を吐く。けれど、此処は正念場である。
珠緒の為にも見栄を張らねばならぬのだ。
蛍の傷に珠緒は眉を寄せる。彼女を傷つけたブライトレス達に憎悪がわいてしまう程だ。
されど、蛍が作り出してくれた好機を見逃す訳にはいかなかった。
露わになったフォグの核。その情報を仲間へと共有するのだ。
フォグは毒をまき散らしこのレビ=ウムを穢してしまう。だから彼らを先に叩く作戦なのだ。
「核持ちの終焉獣……焼いて纏めて吹っ飛ばせば砕けるかしら?」
ロレインは珠緒から貰った情報を元に銃へと変幻させた十字架を握り締めた。
照準を合わせ緑色に鈍く輝く核を狙う。
解き放たれる弾丸は見事にフォグの核へと的中した。
緑色の核は着弾した場所から縦に亀裂が走る。
「強度はそれなりにあるみたいだけれど、攻撃を重ねれば行けそうよ」
「たしかに行けそう」
ロレインの攻撃と核への影響も珠緒とエクスマリアによって情報共有が行われた。
「なるほど、大体分かった」
珠緒から共有された情報を受け取ったカイトはバイザーの奥から敵を睨み付ける。
「マッドは遅いらしいし……俺の『お得意様』、なんだろうな? だが、脅威度はフォグの方が上だろう」
空間汚染のあるフォグの方を素早く排除したいとカイトは頷く。
身体の前をさっと横切った手から、魔術の陣が空中に現れた。
カイトはそれに魔力を流し込み敵の只中へと降ろす。
一瞬遅れて弾けた黒き光の渦が戦場へと広がり、敵の身体に楔を打った。
身動きすら取れぬまま核を露わにしているフォグへ、ジェックが狙いを定める。
「アタシの弾はただ動けなくなるだけじゃなくって……ちょっと痛いよ」
カイトが縫い付けたフォグの核へ、ジェックの鮮烈なる弾丸が着弾する。
甲高い音と共に弾けた核が、その欠片を地面へとまき散らした。
黒い霧状だったフォグの身体は薄れ、ふわりと霧散する。
「核を壊せば消滅するようだな」
「うん……そうみたいだ」
カイトとジェックは戦場を見渡してソレイユの姿を垣間見た。
足の黒い結晶が、半分ほど元に戻っているではないか。
「どうやら、ブライトレス達の核を壊せばソレイユの黒い結晶は元に戻るようね」
イナリはソレイユの足を見つめたあと、続けざまにフォグへと弾丸を叩き込む。
黒い霧状の身体はイナリの連続掃射に密度を歪められ、外側へと押し出された。
その反動で身体の中に隠してある核が露出する。
「いい感じだね」
エクスマリアはソレイユから敵の攻撃パターンを教えて貰っていた。
初対面であるラーラやソレイユとの共闘において、重要なのは敵味方の情報を把握すること。
情報があるのと無いのとでは雲泥の差があるだろう。
エクスマリアはそれを承知しているから、ソレイユに情報提供を求めた。
彼女の機転は戦況を有利に運ぶ物である。
ソレイユの剣刃の後にエクスマリアが瞬時に現れ呪詛をブライトレスに浴びせかけた。
「戦い慣れているのですね」
「そうだね。いっぱい戦って来た」
これまでの死闘を思い返しながらエクスマリアはソレイユに頷く。
「初めての場所、初見の敵であっても、問題無いよ」
対応できる経験と実力が、マリア達には確かにあるのだから。
「頼もしいです!」
エクスマリアの攻撃はフォグの核を粉々に粉砕した。
――――
――
「少々、嫌な感じがしますね」
リースリットの感じた違和感は目の前のフォグ・ブライトレスを全滅させた時だった。
ソレイユの動きが少し鈍くなったように思えたからだ。
「どうしました?」
リースリットの言葉にイナリもソレイユの傍に駆け寄る。
「いえ、この黒い侵食から声が聞こえたような気がして……」
「ふむ……」
詳しい調査は後からするとして、今は残りの敵を殲滅することが先決であろう。
リースリットは炎を纏った剣でブライトレスを切り裂く。
一閃と共に吹き上がる炎風は上空へと立ち上がった。
イナリは単機関銃を構え、戦場を飛び回る。
陽光に照らされた銃身から無数の弾丸が繰り出され、ブライトレスの泥の身体にねじ込まれた。
内部に到達した弾丸は核諸共マッドの身体を爆散させる。
「まだ終わりじゃないわよ」
イナリは瞬時に別のマッドへと走り出した。飛び上がったイナリは上空から銃身を下にして降下する。
戦場に銃声が連なり、何十という弾丸がマッドの身体へ着弾した。
地面に着地する寸前でひらりと翻ったイナリの視界にジェラルドの姿が見える。
アルエット達を守って傷を負っていたジェラルドの瞳に闘志が宿ったのだ。
「こっからが真骨頂だぜ!」
口の中に混ざる血と泥を吐き出してジェラルドは口元を拭う。
「何があってもなあ、守るって決めてんだよ!」
白い翼を広げ微笑むアルエットを汚させてはならない。
泥を被るその役目は自分であるとジェラルドは大剣を振るう。
獰猛な亜竜の血が、沸き立つ闘志となってジェラルドを巡った。
歯を剥き出しにしてマッドへと大剣を振り下ろすジェラルドの勇姿がアルエットの瞳に映る。
「ジェラルドさん、頑張って!」
「ああ、しっかり背中任せたからな」
ジェラルドの命が消えないように、アルエットもまた自分の力を行使するのだ。
降り注ぐ癒やしの歌にジェラルドは口の端を上げる。傷が塞がる以上に、心が勇気づけられた。
「アルエット様の回復、心強いのです」
「頑張るの!」
アルエットの元気な声にニルは目を細める。
ニルは接近してくるマッドに対してミラベルワンドを掲げる。
手にした杖から温かな鼓動が聞こえるようで、戦いの怖さも少しは和らぐ気がした。
いつだって戦うのは怖いのだ。けれど、生き残らねばならない、助けなければならない。
進むための手段は必要だから――
ふわりとニルの周りに魔力が沸き立つ。光の粒子を漂わせ、ニルの周りをぐるぐると回り出した。
それは次第に一つの円環となりてミラベルワンドの上に収縮する。
膨大な魔力が集まり、空気が静電気を帯びた。
ぱちりとニルの頬を這った魔力を合図に解き放たれるミラベルワンド。
至近距離で膨れ上がった絶大な魔力はマッド・ブライトレスを跡形も無く消し去った。
●
全てのブライトレスを殲滅したイレギュラーズは、ほっと肩の力を抜く。
「皆さんお疲れ様!」
蛍の声に一同が安堵の表情を浮かべた。彼女の傍に寄り添った珠緒は心配そうに顔を覗き込む。
「大丈夫ですか?」
仲間を守るために身体を張った蛍は、至る所に傷が出来ていた。
「うん、こんなの平気。皆を守る事ができたし、珠緒さんに怪我も無かったし!」
誇らしげに胸を張る蛍の袖を珠緒はくいっと引く。
「帰ったらゆっくり休みましょうね」
「うん、そうだね。でも、折角プーレルジールに来たから探険しようか!」
心配そうな珠緒を元気づけようと蛍は彼女の手を握って笑顔を向けた。
蛍たちに回復を注ぎながら、アルエットは「仲良しなの」と微笑む。
イナリは戦場に転がったブライトレスたちの核の欠片を拾い上げた。
フォグは霧散し、マッドも土へと染みこんだから残っているのはこの核の欠片だけである。
「マッドの土壌汚染もきになるわね?」
イナリはマッドが染みこんだ土を一掬いして、回収ボックスへと詰め込んだ。
一見したところ、直ちに草木が枯れるような毒性は無いようだった。
「核の方に毒があるのかしら?」
首を傾げたイナリはマッドとフォグ、両方の核の欠片を全て持ち帰る。
弱点や肉体構造などを核から分析できれば対抗策も出てくるに違いない。
「あとは……」
イナリはロレインから回復を施されているソレイユへと視線を上げた。
「大丈夫? 傷と言うには特徴的な状態だったけど?」
「ええ……あなた達の回復のお陰で傷は元通りです。助けて頂きありがとうございます」
深々とお礼をしたソレイユはイレギュラーズに感謝の意を示す。
「ソレイユ様の脚、大丈夫でしょうか?」
ニルはソレイユの隣で首を傾げた。固くて強いダイタモンドを抱くジュエリア。
其れなのに彼女の脚は僅かだが黒い水晶のままであった。
「黒い水晶になっちゃうのは終焉獣のせい? それともジュエリアのひとはそうなっちゃうのです?」
身体の一部が変わってしまうのは、きっととても怖くて苦しかっただろうとニルは震える。
無理はしないで欲しいと伝えるニルにソレイユは微笑みを浮かべた。
「ありがとうございます、ニルさん。この残った黒い部分は、先程戦ったブライトレス達とは違う、別の敵と戦った時に変わったものです」
「別の敵?」
首を傾げるニルに「はい」と頷くソレイユ。エクスマリアもソレイユの話に耳を傾ける。丁度聞きたい内容であったからだ。
「ブライトレスたちを使役している者が居るのです」
「……もしかして他のジュエリア達も一緒に戦っていたのですか?」
リースリットの問いかけにソレイユは悲しげに瞳を伏せた。
「流石にあの数の終焉獣を一人で相手していたはずないと思っていたけれど……」
ロレインは眉を寄せてソレイユの言葉を待つ。
手遅れかもしれないが可能性は捨てたくはなかった。
「――その者の名は『暗黒卿』オルキット・ブライトレス。ジュエリアの宝石を狙う者です」
ジュエリアが抱く宝石は『命鏡石(インクレア)』と呼ばれる。
「インクレアを壊せばジュエリアは死んでしまいます。
オルキットは私達の身体を黒い水晶に変えてから、生きたまま命鏡石を奪うつもりなのです」
「そんな……」
ニルは自らのコアを押さえて首を左右に振った。
自分が黒い宝石に変えられ生きたままコアを奪われてしまったらと想像するだけで恐ろしい。
「ニルさんも命鏡石をお持ちですか? ゼロ・クールや私達ジュエリアとは違うのでしょうか?」
首を傾げるソレイユにロレインは自分達が外の世界の旅人だと告げる。
「この施設はどういう場所なのかしら?」
「施設……レビ=ウムのことですね?」
「ええ、戦う力がある者がいて、終焉獣が差向けられる、軍事施設としては重要? 他の仲間や、この地の状況を聞いてもいいかしら?」
軍事施設という言葉にソレイユはあまりピンと来ていないようだった。
もしかしたら、ジュエリアはレビ=ウムについては詳しくないのかもしれない。
後ほどラーラに聞いてみるとして、他にもソレイユから聞きたいことは沢山あった。
「このあたりにいる神々の名前を聞いてもいい? 貴方が知ってる範囲でいいから」
「神様ですか? そうですね、私達が仕えるのは『麗輝帝』プルトリア・ジュエリアル様です。私達の種族であるジュエリアはプルトリア様の子らを意味します。彼女がどれぐらいの時を生きて居るかは私達には分かりませんが、私達にとってプルトリア様は神といえるでしょう」
ソレイユの言葉にロレインは「なるほど」と頷く。
「他のジュエリアの方は無事なのですか?」
リースリットの問いに視線を落すソレイユ。
「オルキットに捕まったジュエリアを取り返そうとしたのですが、それも叶わず未だ囚われたままなのです。精霊ラーラが守ってくれる安全な場所に避難しているジュエリアは無事ですが、彼女達はまだ幼く戦う力が無い者ばかりで……」
ソレイユはその村までの道のりをゆっくりと案内しながら歩く。
彼女が案内してくれた場所を上空のファミリアーから観察するのは珠緒だ。
即座に聞いた事や見た事を地図や資料にまとめ上げる。
「何を調べようという指針が少ない現状では、ともかくこの地について多く知ることですね。知ったことを記録し、イレギュラーズ全体で共有すれば、何らかの利益にも繋がるというもの」
「私も何か聞こえないか注意してみるよ」
珠緒の資料に連なるのは蛍が実際に聞いた音の記録だ。
休憩がてらイナリはソレイユの隣に歩み寄る。
出来れば彼女の身体を解析させてほしいと思ったからだ。
「えと、どのようなことをされるのでしょうか? 痛いですか?」
「大丈夫、痛い事はしないわ。私達の住んでいる世界とは違う貴方達を少しだけ見せてもらいたいの」
少し緊張しながらソレイユはイナリの要請に応じる。
気になるのはやはりその構造と『命鏡石(インクレア)』と呼ばれる宝石だろう。
彼女達は創られた存在ではないらしい。これでも生命として生きている。
混沌世界の秘宝種がゼロ・クールに類するならば、鉄騎種の方に近い種族なのかもしれない。
未知の存在を調べて記録するのはイナリにとって使命であり興味の対象でもあった。
アーカーシュと同じ場所と違う場所。ニルは二羽の小鳥とココアと一緒に周辺を散策する。
「ここはひとも建物も、宝石なのですか? ニルとおんなじシトリンの建物とかもあるのでしょうか?」
ニルは案内されたソレイユたちの隠れ家の周りを見渡した。
瞳に映り込むシトリンの建物を見つけ、ニルは目を輝かせる。
「ありました!」
嬉しそうなニルの足下でココアがシッポを絡ませた。
「レビ=ウムにはどんな「おいしい」があるのでしょう? ソレイユ様とラーラ様はどんなごはんが好きですか?」
振り返ったニルにソレイユは「おいしいお肉」と答え、ラーラは太陽や月の灯りだと微笑んだ。
「まぁ差異を検証するにも捜索は必要だしな」
カイトはニルとは別方向へと探索を開始する。
交流なんかは仲間に任せることにして、俯瞰した視点で通路に沿って歩くカイト。
「……そういやアーカーシュって魔王絡みの遺跡……なかったっけ?」
混沌世界には魔王城と呼ばれるものが存在する。もしかしたら此方にもそれがあるかもしれないとカイトは高い塔に登り浮遊島を見渡した。
「ん?」
カイトが目を凝らせば遠くに黒ずんだ土地が見える。
「さっきの暗黒卿とかいうのが住んでる場所か?」
この塔から見えるということは、ジュエリアたちも把握はしているのだろう。
同じようにリースリットもこの塔の上に登ってくる。ラーラとジェックも一緒だ。遅れてついてきてるのはエクスマリアだろう。他の仲間も上がって来ている。どうやらラーラがこの塔の上を語らいの場に選んだのだろう。
「それで、ラーラ……教えてくれる? 知りたいんだ、アタシ達」
ジェックたちがラーラの言葉を待ち望む。ラーラの口からこの浮遊島の話しを聞きたかったのだ。
「ジュエリアと呼ばれる人たちのこと。キミの役割のこと。あの獣、終焉獣は……さっきソレイユが言ったように暗黒卿がけしかけたものなの?」
この世界で何が起ろうとしているのか、ジェックは力になりたいとラーラへ紡ぐ。
「彼女たちジュエリアは宝石を抱いて生まれてきます。創られた存在ではなく、生命として生まれてくるのです。されど、美しき『命鏡石(インクレア)』を狙われ高額で売買されることもあったそうです。だから、この島へと逃げてきたジュエリア達を、私は匿っていました」
なるほどとラーラの言葉に頷くエクスマリア。彼女達は追われてこの都市へやってきたらしい。
「でもどうやって?」
「飛行できる魔獣を飼い慣らし、順番に渡ったとプルトリア様は言っていました」
エクスマリアの問いかけに答えるのはソレイユだ。
「にしても、終焉獣なんて名前……誰が付けたの?」
ジェックはラーラへと顔を上げる。
混沌にいずれ飲み込まれる運命を感じさせる不吉な名だ。
飲み込んだ所で混沌側には何も起らないのかもしれない、けれどきっとプーレルジールの人々は消えてしまうのだろう。その余波とて本当に混沌世界に影響を及ぼさないと言い切れない。
「誰がそう呼んだのかは定かではありません。ただ、彼らが終焉獣と呼ばれるものなのは確かです」
世界を飲み込むことで滅びのアークを中和しているのだろうか。そうして滅びを先に先に……なんて、根拠の無い憶測だったかもしれないとジェックは眉を寄せる。
プーレルジールの人々にとって混沌世界から見た知識と視差の高さは、思考の範疇を超えるものなのかもしれない。
「魔王についてはご存じですか?」
リースリットはラーラに問いかけるが首を振るばかり。
混沌世界の精霊都市レビカナンについても分からないと悲しそうな顔をした。
「ふむ……」
魔王イルドゼギアが拠点としたのはレビカナンのエピトゥシ城だ。
その流れを考えると、古代の浮島群が統制されていたのは間違いない。
アガルティア帝国というのはこの浮島を領土とする国の名であるのだろう。
――レビカナンとレビ=ウム、名前も様式も非常によく似ているものがある。
現実世界のレビカナンの文明規模からすると、国家として精霊都市一つだけというのはむしろ不自然であるだろう。レビカナンが首都であったとしても、同じ国の別の精霊都市の存在は考えられるだろう。
となると、他の精霊都市についての情報を集めたい所ではあるが。
「この都市以外の浮島はありますか?」
「ええ、この世界のどこかの空に浮いているでしょう。この島だけではありません。ただ、それを捉えることは現在のレビ=ウムでは不可能です。この島は末端ですから、上位の島へのアクセスは難しいです」
ラーラの言う上位の島が現実世界でのレビカナンに相当するものなのかもしれない。
「精霊都市、か……そう言やぁリトも精霊だったっけな。ここはアンタの故郷みたいなもんなのかね?」
「違うね。僕は元々混沌世界のサヴィルウスの近くに棲んでた精霊だからね」
足下を黒猫の姿で歩くリトがジェラルドへと答える。
「アンタ、前に精霊って聞いた気がしたからさ。アンタから見るこの世界の感想ってヤツ、ちょっと聞きたいと思ってね。まぁ必ずしも全ての精霊に縁があるわけじゃねぇのはわかってっし」
リトの頭をぐりぐりと撫でてジェラルドは微笑む。
「手持ち無沙汰になったらアルエットの動向でも一緒に見守ってくれっと助かるぜ! 細かい発見も精霊であり黒猫でもあるアンタなら鋭いとも思ってよ」
「分かったよ。何かあればお知らせするね」
ごろごろと喉を鳴らすリトに「やったぜ」とジェラルドは頷く。
「謎を解明するとかはこれからなんだろうけどよ、こう言うとこは調べがいがあるってもんだ」
楽しげなジェラルドを見つめアルエットは目を細めた。
「アルエットも何か調べたい事があんなら手伝うぜ。皆が話してたジュエリアの話以外でも何か手がかりが掴めそうかね?」
「えっと、そうね……お使いはこのプーレルジールを知ることだったから、今回はこれで大丈夫かも。あとでレポートにまとめて提出するの」
カバンの中からレポート用紙と鉛筆を取り出したアルエットはジェラルドへ掲げてみせる。
(……もしもの世界なんざどうでもいーけどよ)
ジェラルドは考えてしまうのだ。覇竜から出てリブラディオンに居たのなら、と。
皆がどこかで求めるif。されど、ジェラルドは現実で踏ん張ると決めている。
現実で乗り越えてきた仲間達やアルエットの道を否定なんて出来ないのだから。
青い空が目の前に広がる精霊都市レビ=ウム。
暗黒卿とジュエリアたちの灯火はこの島で紡がれる――
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
お疲れ様です。
暗黒卿とジュエリアたちのお話のはじまりでした。
ご参加ありがとうございました。
GMコメント
もみじです。アガルティア帝国の精霊都市レビ=ウムへ行きましょう!
●目的
・精霊都市レビ=ウムの探索
・ジュエリアの保護
・終焉獣の撃退
●ロケーション
アガルティア帝国の精霊都市レビ=ウムです。
無数にあったとされる混沌世界のアーカーシュに連なる浮島の一つです。
アーカーシュの建物と似ているものがあります。他には宝石で出来た建物があります。
円形の広場があり、そこで終焉獣を迎え撃ちます。
●敵
○『終焉獣』フォグ・ブライトレス×5
黒い霧のような身体を持つ終焉獣です。
煌めく宝石であるジュエリアを狙っています。
マッド・ブライトレスより強い個体です。
霧を広げ毒をまき散らします。空間を汚染するものです。
体内にある核を壊せば消えるでしょう。
○『終焉獣』マッド・ブライトレス×10
黒い泥のような身体を持つ終焉獣です。
煌めく宝石であるジュエリアを狙っています。
地面を這うように動く黒い泥です。
動きはゆっくりですが、遠距離で泥を飛ばしてきます。
近づくと大きく広がり取り込もうとしてきます。
体内にある核を壊せば消えるでしょう。
●NPC
○『ジュエリアの騎士』ソレイユ・プリズム
胸にダイヤモンドを抱くジュエリアです。
凜々しい立ち振る舞いとダイヤモンドの強さを誇る騎士です。
しかし、終焉獣の軍勢を相手に負傷し足を黒い水晶に変えられてしまいました。
負傷を回復すれば一緒に戦う事ができます。
○『レビ=ウムの精霊』ラーラ・ルタ・カンデラ
アガルティア帝国の精霊都市レビ=ウムを管理する灯火の精霊です。
戦場外への被害が及ばぬよう、結界を張っています。
積極的に戦闘へは参加しませんが、回復などの支援を行ってくれます。
○『Vanity』ラビ(p3n000027)
ローレットの情報屋であり、のんびりとした性格。
前に出て戦えますが、どちらかというとサポートに回っています。
○『籠の中の雲雀』アルエット (p3n000009)
ふんわりとした見た目をしていますが、ノルダインの村で育った戦乙女。
剣と魔法が使えますので一緒に戦い回復をします。
●戦闘後の探索や調査
終焉獣を撃退したあと、精霊都市レビ=ウムの探索をすることができます。
街の情報やジュエリアとの交流で何か分かるかもしれません。
●プーレルジール
境界深度を駆使することで渡航可能となった異世界です。
勇者アイオンが勇者と呼ばれることのなかったIFの世界で、魔王の配下が跋扈しています。
この世界に空中神殿やローレットはありませんが、かわりにアトリエ・コンフィーがイレギュラーズの拠点として機能しています。
●情報精度
このシナリオの情報精度はCです。
実際のところ安全ですが、情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。
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