PandoraPartyProject

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神威神楽の海向こう

神威神楽の海向こう

 カムイグラ。それが旧『絶望の青』を踏破した先にあるものの正体であった。
 精霊種と鬼人種を中心として形成されている確かな国家。
 此岸ノ辺というバグ召喚が行われる神秘の地――

「『もしや』の一つとして想定されていたが、まさか本当に国家があるとはの!」

 海洋王国首都リッツパーク。『絶望の青』――今や『静寂の青』と呼ばれる――かの大海を踏破せし先遣隊からの報告を受けたイザベラは天を仰いで声を張る。先祖代々より目指した新天地には鬼や、自ら達をヤオヨロズと称する者らがいたとは。
 既に先住している者らがいる……というのは想像されていた事態の一つではある、が。
「どうやら思った以上に文明や文化が確かに形成されているようですね。
 昨日今日出来たような地ではなく、海洋王国が根付く隙間はなさそうです」
「うーむ……ただ大地があるというだけであれば植民なり開拓の余地があったが、そうもいかぬか。それに、かの地は如何なるで国家体形であるのかすらまだ全容が掴めておらぬ。これ以上の上陸をして無為な刺激を与えるのは得策ではなかろうな」
 イザベラはソルベの言に思考を巡らせる。
 海洋王国は海を中心とする国家。で、あるが故にこそ国土は限られ新天地を常に夢見ていた。
 『絶望の青』踏破の過程においてアクエリア島、フェデリア海域など彼らにとっての新たな島を見つける事が出来たのは良き事であった。しかし、それらは所詮『島』である。新たな国土と言える程巨大ではなく、最善はカムイグラの大地に何もおらず海洋王国の民が植民に入れる事であったが――

 やむなし。強引な手段を取ろうとすれば最悪戦争だ。

 それは鉄帝とのグレイス・ヌレ海戦やフェデリア海域決戦で大きなダメージを受けた現在の海洋王国としては決して望む所ではない。国家の総力を挙げた大号令の直後だ――勝てる勝てない以前に今は息を整え、再び安定を取り戻す段階である。
「幸いと言うべきでしょうか、先遣隊として上陸したイレギュラーズ達がかなり受け入れられています。かの地でも……ええと現地の言葉で『神使』というのですか。ともあれイレギュラーズという存在はカムイグラの地でも決して無縁の存在ではなかったようですね」
「うむ。問答無用で排他されない様ならば何よりと言う所かの。
 今は彼らを通じ、カムイグラの情報を集める事が肝要であろう」
 ローレットのイレギュラーズ達――なんでも屋である彼らはカムイグラでも早速動いているとか。国という枠組みに囚われない彼らならば、きっと海洋王国の者達よりもかの大地に適しやすい事だろう。大号令より更に続いて彼らの力を借りるべきか。
「……ところでソルベや。カムイグラは外交チャンネルを閉ざしている訳では無いのだろう?」
「ええ、まぁ。鎖国している訳ではなさそうですからね。
 ただ今までずっと関わりが無かったからか、あまり積極的な様子ではありませんが」
 情報によるとカムイグラではリヴァイサンが『龍神』と崇められ、それを封印した者とみられているが故にこそ若干こちらを拒絶している節があるようだが……しかしそれでも全くけんもほろろな訳ではない。
 イレギュラーズ達を受け入れているし、彼らを通じてこちら――未知の外界に興味を抱いている層もいるとか――
「よし。ならばやりようはある! ソルベ、あちらの行政になんとしてでも連絡を取るのじゃ! そして多少条件を譲っても良い……とにかく貿易と交流の起点を作る!」
 命ずるイザベラに迷いはない。カムイグラには先住する者達がいた――だからどうした。
 武力を持って制するだけが大号令ではない。
 知恵と工夫をもって未来を切り開くもまた、この王国を統治する者の役目であれば。

「合同祭事じゃ! 本年のサマーフェスティバルは――カムイグラの地で行おうぞ!」



 ※カムイグラ:新種族『ゼノポルタ』が追加されました!
 ※カムイグラ:期間限定クエスト『神威神楽・妖討滅』が開始されています! 7/15終了予定です!
 ※カムイグラ:カムイグラで夏祭りが行われるようです!

 ※妖精郷:ストーリー関連クエスト『迷宮踏破ヘイムダル・リオン』が開始されています!

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