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文通

天香・遮那との文通

星も凍るような寒い夜、いかがお過ごしでしょうか。
僕の故郷は暑いところだったので、豊穣の寒さにはまだちょっと驚きが隠せません。
風邪などお召しになられていませんでしょうか。
天香家の当主としてしばらくお忙しい日々が続くと思いますが、食事と睡眠だけはしっかりととってくださいね。

僕はいま故郷で不穏な動きがあって、神使としてそちらの対応にあたっています。
とはいえ豊穣でもまだ良くない噂を耳にするので、折を見てそちらの依頼にも顔を出しています。
あちこち飛び回っているので次に会いに行けるのはいつになるか分かりませんが、早く顔を見てお話がしたいです。また甘味処にも行きましょう。

紙面が尽きてしまったのでこのへんで失礼します。
時節柄くれぐれもご自愛くださいませ。

かしこ



追伸
髪飾りのプレゼント、ありがとうございましたッス!
大切に使わせて頂きますッス!
2021/01/16 22:56:01
鹿ノ子へ

酷寒の風が指先を凍えさせる日が続いておるが
鹿ノ子は元気にしておるか?
其方の故郷は暑い地方なのだな。雪を見るのは初めてだろうか。
湿気を多く含んでおるからな。ぼたぼたと餅のように降るのだ。
されど、雪の寒さを押して入る露天風呂は誠に心地よい。
機会があれば、鹿ノ子も雪の露天風呂に入ってみるといい。

忙しい日々はまだまだ続きそうだ。
周りが気に掛けてくれるが、集中しておると中々な。
鹿ノ子の方も大変そうだな。
世界を飛び回る神使故に致し方ない事とはいえ。
其方も風邪などをひかぬようにな。

会えぬ日は鳥の囀りさえ、哀愁の音色に聞こえる程で。
声を聞きたいと、少しだけ思ってしまうのだ。
されど、己の使命を背に其方も戦っているのだから。
私も背を正し豊穣の地を良くするために尽力するつもりだ。
其方に贈った揃いの髪飾りが、厄災から護ってくれるように願う。

落ち着いたら顔を見せてほしい。
では、またな。
2021/01/17 03:17:46
梅のつぼみが春を知らせる季節となりました。
そちらはまだ寒い日も続いていることでしょうが、お元気でしょうか。

故郷の件で、僕は少し大きな戦いに赴くことになりました。
僕だけではなく多くの神使たちが、あの豊穣の夜のように合戦へと向かいます。
まだ国そのものや戦う力を持たない民たちに被害が及んでいるわけではありませんが、ここで食い止められなければ悪い結末が待っていることでしょう。
以前の僕なら何も考えずに参戦していたところですが、今の僕は命の惜しさも知っています。
だからけして無謀なことはせず、必ず帰ってくると約束します。
だからどうか、そのときは「お帰り」と言って迎えてください。

では、行ってきます。

かしこ
2021/02/06 22:12:54
そろそろ梅が咲き始めて、庭の空にも彩りが差して来た頃だ。
此方は相変わらずの日々を送っておるよ。

鹿ノ子の故郷か。まだ見ぬ風景に思い馳せるばかりだな。
大きな戦。守るべき戦いなのだろう。
引き留めはせぬ。それが鹿ノ子の使命なのだ。
私も武人であるから分かっているつもりだ。

だがな。必ず無事に帰ってきてほしい。
絶対は有り得ぬけれど、絶対なのだ。
我儘と言われようとも、そなたの笑顔が見られぬなぞ有り得ぬからな。
約束だぞ。必ず帰ってくるのだぞ。

其方に風の加護があらんことを。
豊穣の地から祈っておるよ。
2021/02/10 16:16:50
心地よい春風が吹くこのごろ、お元気でお暮らしでしょうか。

僕がお手紙を書いているということは、そうです、無事に帰って参りました。
負傷者は多数出たものの、命を落とした神使はおりません。
事件そのものは一段落したものの、裏で糸を引いている何者かの存在が見つかったため、長丁場になりそうです。
僕個人としては身軽になりましたので、近々そちらに顔を出すつもりです。
桜は咲きましたでしょうか。咲いているならお花見がしたいです。
桜並木を一緒にお散歩しましょう。久方ぶりに和菓子も食べに行きたいですね。

それから気が早い話になってしまいますが、四月は僕の誕生日があります。
四月の八日。それが僕の誕生日です。その頃にそちらに赴けるかは分かりませんが、何かお言葉を頂戴できたら幸いです。
……なんだか欲しがってばかりですね。
遮那さんのお誕生日はいつでしょうか。差し支えなければ教えて頂きたいです。

紙面が尽きてしまったのでこのへんで。

そして――ただいまッス、遮那さん。
2021/03/14 22:13:25
返事が遅くなってすまぬな。
無事に帰ってきてくれて良かった。お帰り鹿ノ子。
誰も命を落とす者が居なくて、私は安心したぞ。
其方は怪我をしなかったのか? 大事ないか? 無理はせぬようにな。

桜も見頃を迎え咲き誇っておるよ。
また、見に行こう。空からでも構わぬし、座りながら眺めるのも風流だからな。
私の誕生日は四月五日。返事が遅く伝えるのが後手になってしまったな。すまない。
誕生日の贈り物もありがとう。可愛い縫いぐるみだな。大切にする。
其方の誕生日は四月八日か。
三日違いだな。一歩追いつける日が三日しかないのは少し悔しい。

改めて。鹿ノ子、誕生日おめでとう。
其方の一年間はどうだっただろうか。
私は、其方に出会えて楽しく過ごせた。

私に外の世界を最初に教えてくれたのは、他でもない鹿ノ子なのだ。
鹿ノ子を通して、私は外の世界を知った。
だから、とても感謝しておる。

次の一年も、共に楽しい思い出を紡いで行ければ嬉しいな。
2021/04/08 19:01:54
お返事とお祝いの言葉、ありがとうございます。

僕は一年、そうですね、色んなことがありました。
遮那さんと出会ってからは、本当に色んなことがありました。
自分の中に、今まで気付きもしなかった感情があることを知りました。
悔しさや妬ましさという良くない感情を、僕はひとりで抱え込むことができませんでした。
けれどあなたがいたから、あなたへの愛しさがあったから、僕は淀んだ感情すらも糧として成長することができたんだと思います。
まだすべてを乗り越えられたわけではないけれど、けれどきっと、もう光を見失うことはないでしょう。
だって心には、いつもあなたがいるから。
ありがとうございます、遮那さん。

はい、もう一度桜を見に行きましょう。
夏には蛍や花火を。秋には紅葉を。そして冬には雪を。
一緒に見ましょう。約束です。

また近いうちにそちらへ顔を出します。
急に寒くなる日もあるようなので、どうかご自愛くださいね。
2021/04/08 23:58:00
木々の緑が目にしみる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。

急に暑くなったり、また涼しくなったり、雷雨も多いと聞きました。
体調を崩されていませんでしょうか。
前回のお手紙より間が空いてしまいましたが、僕は元気にしています。
そして神使たちは、またちょっと大きな戦いに巻き込まれたりしています。
僕個人としては直接的な関わりや因縁は特にありませんが、戦力のひとつとして赴くつもりです。

無事に帰ってきたら、そうですね、近いうちに萩でも見に行きませんか。
なんでも萩の隧道があるらしく、是非とも遮那さんと一緒に見に行きたいのです。
それから梅雨が明けていよいよ夏を迎えたら、今年こそ海に連れて行きたいと思っています。
ふふ、考えておいてくださいね。

それでは、また。

かしこ
2021/06/19 21:26:59
鹿ノ子へ。
返事が遅くなってすまぬな。

この夏は色々あったな……尻尾の事は本当に済まない。
でも、楽しかった。
和歌を詠むのは慣れていないから、照れてしまったな。
遠くの空に咲く花も美しいが、夏の日の鹿ノ子の笑顔はもっと惹かれるものがあった。

初めて豊穣の外へ出た時、其方達が居てくれて嬉しかったぞ。
実際に体験してみるのとでは随分違うものだ。
其方が話してくれた言葉通りの世界が目の前に広がっているのにはしゃいでしまった。
また、遊びに行けたら良いなと思う。
その時は、其方も一緒にな。

そうだ、秋が深まり芒の季節になったら月を見に行かぬか?
少し遠いが良い場所があるのだ。
なあに、抱えて飛べばすぐ着くから心配は無いぞ。
色々言ったが、其方に会いたいという口実だ。
また顔を見せて欲しい。
ではな。
2021/09/12 01:22:02
虫の音に秋の気配を感じられるころになりました。
いかがお過ごしでしょうか。

僕が遮那さんに「離れていても心は傍に」と約束をしてから、ちょうど1年になります。
遮那さんさえ許してくださるなら、僕はいつでもあなたの心の中に咲いていますよ。
尻尾のことは……ええと、あまりお気になさらず。普段は隠れているので致し方ない、かと。
そういえば僕はトナカイの妖憑きでして。トナカイはご存知でしょうか?
もし見たことがなければ……そうですね、遮那さんになら、いつかお見せしますね。

はじめての海洋、楽しんで頂けたようでなによりです。
いつか僕の故郷へもお連れできたらいいなと思っています。
すぐには難しいかもしれませんが、いつかきっと。

そういえばもうすぐ中秋の名月ですね。
遮那さんからお誘い頂けるなんてとても嬉しいです。
是非ともご一緒させてくださいな。
僕も会いたいです。心は傍にあっても、やっぱりお顔が見たいです。

それでは。
涼しくなったかと思えば暑くなる日もありますので、お体ご自愛ください。

かしこ
2021/09/12 21:47:05

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