レイガルテ様

突然の手紙を差し上げる失礼をお許しください。

怪王種と命名された新種のアークモンスターについてです。
先日に我々はエドガイ山林に発生したこれらを討ち果たしました。
被害の拡大なく解決しましたが閣下のお耳に入れるべき事件と判断します。

対処した個体はただの山犬が変じたものでしたがその強さも知恵も魔種相当。
加えて原罪の呼び声のように仲間を増やし続ける力を持っていました。
無論、王陛下並びに閣下の騎士団であれば取るに足らない存在です。
しかし幻想全域にこれらが発生するとなれば軽視は出来ないとも存じます。
そこで僭越ながらご提案ですが、他領との連携を持ってこれに備えることは如何でしょうか。

いえ、単刀直入に申し上げて、この件についてアーベントロート領、バルツァーレク領のお二人とより積極的に手を取り合って頂きたいのです。

対峙した身として怪王種の脅威度はシルク・ド・マントゥールを凌駕するものと感じています。
遠からず各地に大きな災いの花を咲かせる種が巻かれたのだと。
ならば閣下らがサーカス団を追い込んで下さった時のように幻想の外敵として団結してあたることも選択の一つになり得るのでは。
そのように愚考した次第です。

以上、心せくままの乱筆、なにとぞご容赦の程を。