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幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

スピネル君の今日のごはん

関連キャラクター:ルビー・アールオース

疲れた体に優しさを
「あぁ、おかえり。疲れたでしょ?」
 スピネルはそう言って、ルビーに向かって笑いかけた。
 台所からは、腹を空かせてたまらない彼女にはたまらない、トマトのいい香りが漂ってくる。

「疲れた体にはまずは温かいスープから。ほら、ひよこ豆のミネストローネだよ。栄養もたっぷり」
 優しく微笑んで、木の器に盛りつけられたそれを差し出す。
 ホカホカと漂う湯気にトマトとコンソメの香りに、赤色をベースに黄色い豆と緑のパセリ、そしてところどころ見える厚切りのベーコンの配色が食欲をそそる。
 一口すすってみれば、おなかの中にじんわりと温かさが伝わってくる。
 トマトの甘みがコンソメで引き立ち、そこに加わるベーコンの肉汁と、ひよこ豆のほくほくの食感。
 一口、また一口と進めていくうちに、ついに器は空っぽになってしまった。
「このスープ……とってもおいしかったよ!」
 ご馳走様でした、と手を合わせ、ルビーはスピネルに満足げな表情を向ける。
「ヒーローもお腹が減ってたら、みんなのために戦えないからね」

 正義の味方であるルビーにとっての、最高のスパイス。
 それは、ともにヒーローを目指す少年の優しさなのかもしれない。
 
執筆:水野弥生

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