PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

スピネル君の今日のごはん

関連キャラクター:ルビー・アールオース

貴方と一緒なら
「ルビー、今日の夜は何たべたい?」
 先に見えるマーケットを視界に収めてスピネルは隣を歩くルビーに問う。
「え!? う、うーん……」
「ふふ……ごめんごめん、いきなり聞かれても迷うよね。そこのマーケット寄っていい?
 横を歩きながら未だにウンウンと唸りながら迷っているルビーにスピネルはくすりと微笑んだ。

「この間作ってもらったミネストローネ、美味しかったなぁ」
 生鮮のコーナー、丸々と太り濃い赤みを帯びたトマトを横目にルビーが意識なく呟く。
「ミネストローネにする?」
 ルビーも大層気に入っていた事は記憶にも新しい。
「ん〜、でも違うのも……なんだかお肉の気分……」
「そっか、それなら……」
「あ、ちょっとスピネル?」
 良い案があると言わんばかりにトマトをカゴに入れて足を進める、小走りで追いかけるルビー、その先には。

「お待たせ」
 時は移り家の中、スピネルがテーブルに置いた器を覗いてみれば。
「これは……」
「挽いた肉にトマトを和えて煮込んだトマトソースをパスタにかけたものさ」
 モチモチのパスタに盛られた優しい酸味を嗅ぐわせるトマトソースに粗挽きの肉を加えてひと煮立ちさせたもの。
 てらてらと輝く肉の汁がパスタの合間を潜り抜けて落ちる。

「美味しい……!」
 一口含めば重たい肉感が酸味で中和されて存外にさっぱりと食べられる。
 気づけば皿を空にしてしまった彼女は恐る恐る微笑む彼を見つめて声を出すのだ。
「お、おかわり……」
執筆:胡狼蛙

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