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幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

日々のかけら

関連キャラクター:ニル

僕の『かみさま』

 世界の殆どは、白かった。
 ほんの僅かな春と夏には緑。けれど山々は白。秋と呼ばれる季節にはもう白い雪が空から降ってきて、あっという間に世界を白く染めてしまう。
 白い世界には食べ物を得るすべが無くなってしまうから、短い春から秋の間に何とか蓄える。干し肉やチーズと言った保存食を作り、細々と冬を過ごす。冬のための手伝いも沢山した。僕等は寒さには強い方だから、雪が降っても枝を集め、過ごしてきた。
 けれどもある年のことだった。『ききん』と呼ばれるものだと大人たちが言っていた。
 秋の実りが無く、あっという間に食べ物が尽きた。
 食べれるものは何だって食べた。木の皮も、根っこも……だから、燃やすものが無くなった。
 農具の柄も倉庫も家も、資材となった。弱っている人たちから倒れて行って、最初は埋めていたけれど、それもできなくなった。埋める穴を掘っている間に、自らの命も失いかねない。埋めることも燃やすこともできず、ただ外へ並べた。
 人が死んでいく。
 色んな感覚が死んでいく。
 悲しみも、どんどん薄れて……
 僕は父さんと母さんと…………
 ……地下に……隠れて…………
 …………食べ…………もう……
 …………………………
 ………………
「……?」
 ある日、光が、さした。
 眩しくて眩しくて、僅かに目を開けた。
「おや」
 眩い光とともに声が降りてきた。
 光の中から現れた黒い髪の『かみさま』は「もう大丈夫ですよ」と僕を温めてくれた。
執筆:壱花

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