PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

メイメイと。

関連キャラクター:メイメイ・ルー

雪と空

 揃いの外套を買ったその日の帰り道。
 メイメイがラサへと到着した時から重たげだった鈍色の空から、ついに白雪が零れ落ちてきた。
「あ……」
「雪、ですわね」
 チラチラと舞い始めた雪を見上げたメイメイに気がついて、アラーイスも見上げた。何気なくかざした手に偶然舞い降りた雪は、あっという間に溶けて消えていく。
 風邪をひいてしまう前に室内へ入りましょうとお茶へと誘ったアラーイスが、こちらですわと最近見つけた店へと先導しながらフフッと小さく笑った。
「雪はメイメイ様に似ていますわね」
「そうでしょうか?」
「ええ。ふわふわしていますもの」
「飛んではいきません、よ?」
「飛んでいっては困ります」
 いっしょに居てくださると約束してくれたでしょう?
 わざわざ膨らまされた頬に「はい、いっしょにいます」とくすくすと楽しげに笑いながら返せば、「よろしい」なんて大仰な仕草が返って。またふたり、顔を寄せ合い笑い合う。
「積もったら、『雪ひつじ』でも作りましょうか」
「めぇ。……羊は難しくありません?」
「そうですわね……角の入手が一番難しそうです。でも細い枝をリースのように丸くしてワイヤー等で縛って固定すれば……」
 真剣に悩み始めた小さな友人の姿を、メイメイは瞳を細めて見守る。最近になってアラーイスは以前よりも色んな姿を見せてくれるようになった。どこか大人びた微笑を浮かべるだけでなく、はにかんだり真剣な表情で悩んだり――その変化がメイメイは純粋に嬉しかった。
「作ったら、見せてください、ね」
「あら。いっしょに作ってはくださらないの?」
「わたしは『雪おおかみ』を作るのに忙しかも、です」
「でしたらどちらが上手に作れるか勝負となりますわね」
「ふふ、望むところです」
 楽しみですねと微笑み合い、時折手のひらを掲げて雪に触れて。
 そうしてアラーイスおすすめの店へとたどり着き、外套についた雪を払った頃。ふとアラーイスが顔を上げてメイメイを見た。
「そういえば、メイメイ様」
「なんでしょう、アラーイスさま」
「わたくし、太陽を克服したみたいなんです」
「え、」
 どう考えたって、そういえばと思い出したかのように話す内容ではない。
 固まったメイメイから驚きの声が上がるまで、あと3秒――。
執筆:壱花

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