PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

とある魔族の日常

関連キャラクター:ペッカート・D・パッツィーア

デビル・ロール
 サイコロを投げて何度も何度もファンブルを垂れ流す。
 運のひどく悪い日だって楽しかったら擁せる筈だ。
 筈だったのだ、オマエは籤運も奈落らしく、只、結果として嘲りの的で在った。
「……なあ」
 科学の力は凄まじいし、魔法の便利さは途轍もない、そんな事は悪魔にとって当たり前の事だし、何も今更、驚く必要のない沙汰だ。
 きっと何処かの莫迦が現状を、現象を引き起こした所為でロクでもない無様に晒されているのだろう。
「……おい」
 日常的な話だ。非日常的な御伽噺だ。
 まるで、境界、物語の中に迷い込んだヒューマンの錯乱。
 それに等しい、似たような困惑に巻き込まれている。
 精神的な状況ではない、物理的な状態だ。もぞもぞと芋虫めいて身体を動かしてみた、蠢かせてみた。
「……クソッタレ、聞いてんのかよ」
 予定調和に喰われた悪役めいていた。酩酊したご都合主義な天使様に騙された。
 そんな、反吐が出るような思いに苛まれつつ、改めて、今を反芻する。
 カーペットだ。
 レッド・カーペットに包まっている。
 ふざけているのか、この世界の不在証明とやらは何処に失せた。
「チクショウが……こんな事になったのも全部※※の所為じゃねえか。ええ? おい、いくら面白ければ良いって言っても限度があんだよ? 友達にしてやろうか」
 俎板の上の鯉とでも描写すべきか。
 ピチピチと溌溂なオマエは、ペッカートは、己が思っているよりも憤懣としているらしい。
 最低下衆と称されたフリークスも転がしてしまえば赤子同然に愛おしいと謂うワケだ。
「……ところで、いつになったら解放されるんだよ」
 それは勿論、オマエをカーペット巻きにした誰かさんの愉悦が腹十分目になるまでだ。
 おくすりを燃やして吸い込んでグッスリだったオマエが悪い。
「あの胡散臭い※※の奴、今度は直に燃やしてやるぜ……」
 彼方からの哄笑が耳朶を弄ってくる、怒髪天、漸くオマエは抜け出せた。
執筆:にゃあら

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