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幕間

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ブルービート・ダイアリー

関連キャラクター:イズマ・トーティス

埋まっていくスケジュール帳
 12月6日。
 白き砂浜に寄っては返す波の調べも、心落ち着かせる自然の楽曲だった。
 海洋のとある領地、マリンノーツは、音楽を愛する特異運命座標イズマ・トーティスが領主を務めている。開いた扉のドアノブを握ったまま、些かの驚きと共に佇んでいる彼のことである。
「イズマ様宛てのプレゼント、たくさんありましたけど、とりあえず全部イズマ様の部屋に運んでおきましたから!」
 執政官の一人が目を逸らしながら告げた言葉が、頭の中に蘇る。確かに、自分宛てのプレゼントが部屋の一角を埋め切っていた。
 イズマとしてはストイックに依頼をこなしているつもりでも、その後ろには称賛と感謝という足跡が残るものであった。彼の誕生日を祝う贈り物が大量に届く程度には。
 特異運命座標になる前は、こんな日が訪れるなんて思いもよらなかった。たとえば舞台の上で楽器を奏で、音楽家として喝采を浴びる想像はしたことがあったにせよ。
 大きな箱に入ったプレゼントは後に回して、まずは小さな封筒から開けていくことにする。祝福のメッセージと共に、演奏会のチケットが添えられていた。高名な指揮者の名前が書かれている。後で日程を手帳に記しておこうと思いつつ、次の封筒も開いてみる。

「こっちはミュージカルのチケットか。これはライブで、これは――漫才?
 ……はは、忙しくなりそうだ」
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