PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

ガンガゼと一緒

関連キャラクター:セス・サーム

ガンガゼと幼女
 その日の図書室はいつも以上に緊迫した雰囲気を持っていて、普段の異様に拍車をかけていた。
 それは人形ように美しい司書のせいではなく──。
 客寄せのつもりが客避けみたいな対応をされがちなガンガゼぬいぐるみと。
 そんな自分の頭のサイズよりおおきいぬいぐるみを見つめる幼女のせいだった。
 既にこの二人が見つめあって5分くらい経っている。
 恐らくは今年入ったばかりの小学生だとは思うのだが、どういう訳かガンガゼに気づいた瞬間に固まってしまった。
 ガンガゼ責任者(?)である司書が話し掛けろよと一部生徒は思ったが、そういえばこの司書は若干天然だしマイペースだ。
 期待はするものではない。むしろ気にせず淡々と仕事してて凄いなこの人。
「あ、本を借りに来たんだった。おしえてください!」
 急にガンガゼから現実に戻ってきた幼女は、何もなかったかのように司書に本の借り方を教えて貰いにカウンターへ向かった。
 そして他の生徒は誰もツッコミを入れられず、モヤモヤを抱えたまま休み時間を図書室で過ごすのだった……──。
執筆:桜蝶 京嵐

PAGETOPPAGEBOTTOM