幕間
ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。
ゲーム実況配信プレイ
ゲーム実況配信プレイ
悪霊系PTuberクウハのゲーム実況。
ゲストをお呼びする事もある模様。
クソゲーから名作ゲーまで楽しく遊ぼう!
関連キャラクター:クウハ
- 悪霊の怪電波放送 #13 ホラゲリメイク
- 「よお親愛なる隣人共、クウハ様だ。今日は最近リメイク版が発売されたifってゲームをやっていくぜ。博物館を探索するゲームだ。ま、俺様は初見なんだがな」
[お小遣いだよ]
「……ありがとな。皆は金を大事にしろよ」
一般通過赤スパがコメント欄の定位置に付いた頃にはゲームは始まっていた。家族と共に様々な品々が並ぶ博物館にやってきた主人公の少女。クウハがあちこちに連れ回していると――いつの間にやら雰囲気が一変、一人ぼっちに。
「んん……?」
更に歩き回る少女は特別展示[ラ・クフト展]の中に存在する、一つの展示品に強く惹かれた。それは銀の鍵が置かれたテーブルの描かれた白いキャンパス、題を[万変たる未知]。しかしゲーム上の表示は[??たる??]。
「おい読めねえぞ」
>子供に酷な事をさせるな
「っせーな勧めたのテメエだろうが」
・触れますか?
▼はい
▽いいえ
明転。
辿り着いたのは白い部屋。中央にはキャンパスに描かれていたのと同じ銀の鍵。誘われるように少女は鍵を取って、現れた扉の鍵を開く。キィィィ――と音を立てて。
「急に暗くなったな……皆は画面見えてるか?」
扉の先は黒い部屋。インクの滲みた床と壁、額縁と机。先程の白い部屋とは対照的で、額縁には廊下が描かれているように見える。他に調べられる場所はない。仕方ないかと再び額縁に触れる。
暗転 後 覚醒。
再び"額縁"を越えた少女。辿り着いたのはやはり博物館。だが、明るかった窓の外は暗く、落陽している。額縁にも触れるが、扉の空いた黒い部屋の描かれたキャンパスは動かない。題名は[退屈なる既知]と変貌した。もちろん少女には読めないが。
「どこだよここ…マジで」
悪態をつきながらも少女を操作するクウハ。セーブポイントらしいバタフライに触れ、準備万端と絵の前から飛び出す。
――カタカタカタカタ――
幾ばくかの髑髏が笑いながら展覧会の外へ出る。その光景を見た。クウハにとっては悪戯に過ぎないが、少女にとっては声を上げるに十分なモノだった。後ろから、前から、迫る髑髏。それだけではない、異形の者どもも文字通り滲み出でた。ソレから滴る液体が、少女の鼓動を加速させる。
「ヤベぇっコッチ来やがった!」
安全なムービーシーンは終わり。未知なる博物館の逃走劇の始まり。非力な少女は逃げ回ることしかできない。逃げて、死んで、また逃げて――新たな額縁を見つけました。動く絵の額縁。少女は、間一髪の所で飛び込んだ。
回る 宇宙 視界は回って
サブリミナルな画面転換の末、今度は――煉瓦造りの家の中に居た。通ってきた額縁は暗く、キャンパスの先には異形が這いまわっているのが見える。また、窓の外には円状の軌跡を残す北極星達も。
「いや何処だよここ。狂ってんのか?」
>お似合いだな
「るせぇ」
狂気に囚われた少女は、羽ばたく蝶に手を伸ばす。
クウハはコントローラーを置いて、背筋を伸ばす。
「ふぅ……よし、今日の配信は終わりだ。お疲れさん」
>おっつー
[コーヒー代]
──配信終了 1:06.6 - 執筆:わけ わかめ