PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

ゲーム実況配信プレイ

悪霊系PTuberクウハのゲーム実況。
ゲストをお呼びする事もある模様。
クソゲーから名作ゲーまで楽しく遊ぼう!


関連キャラクター:クウハ

完凸するまで終われないガチャ配信#15
「親愛なる隣人共、今日も完凸するまで終われないガチャ配信をやっていくぞ」
 クウハの声はいささか疲れているように見えた。
《15回目かー渋いね》
《お疲れ様です!》
「金スパありがてぇ……この時だけはスパチャありがてぇ……よし! それじゃあ早速引いていくぞ!」

 クウハがどうしても完凸させたいキャラクターは「黒猫の幽霊」という通り名で、どことなく共通点を感じているので何遍も何遍も完凸させようとガチャ配信を続けているのだが――そう、レアリティが高くて出ないのである。

「せめてあと1凸でいいからさせてぇんだよな」
 既に14回の配信中に1回は引けていたので、運が全くないわけではない。
「ピックアップ来ないんだよなぁコイツ!! 運営仕事しろ!! じゃあ十連一回目」
 虹色に光って――違うキャラが完凸した。
「コイツじゃねぇよ。もうお前は何度も引いてるんだよ」
 ガチャの神様が物欲を違う方向に勘違いしているのかもしれない。

 とりあえず「お前じゃない!」と呟きながら限界突破を完了させ、二十連目。
「おっ……おおっ!?」
 黒猫の――配達人! 別キャラである。
「コイツじゃねぇぇぇ!! 確かに黒猫だけれども!! パーティメンバーだけれども!!」
 このゲーム、黒猫統一パーティを作れるほど黒猫は沢山いた。

《違うところで運使い果たしてるなw》
《ガチャ代どうぞ》
「お、おうありがとな。それじゃあ三十連目、いくぞ!」
 出ない。★3以下である。
「よしこいつらは溶かして四十連目!」
 出ない。★4が一人、有志によると使い勝手はDランクだ。
「こいつは……溶かす! 次、五十連目!」
 出ない。
「六十連目!」
 出ない。
「七十連目……」
 以下略。

《ほんと出ないなぁ》
《これ終わるかなw》
「絶対終わらせてやる。よし、八十連目だ……!」
 金色に光り……虹色に光り……まさかの虹色がもう一つ光り……。
「こっ……これは来るか!?」
 黒猫の配達人が二人――完凸!
「お前じゃねぇってのぉぉぉぉぉっ!!」
《wwwwww》
《ワロタwww》

「ったく、このガチャ本当に出るんだろうな? 九十連目いくぞー」
 無の感情で回す九十連目。金色で止まって……まあ、出ないだろう。
「それじゃあ百連目。そろそろ出てくれよ!」
 金色に光り……虹色に光り……更にもう一個虹色に光って……。
「さっき見たなこれ」
 黒猫の! 幽霊が! ふ! た! り!!

「でっでたああぁぁぁぁぁぁ!!」
《おめでとうございます!!》
《しかも二人!》
《今夜は祝杯だね!》

「ちょっちょっと待て待て待て、理解が追いつかねぇ、スクショしていいかこれ」
《どうぞw》
《排出率狂っとるこのゲームw》
「よしスクショ完了……スーハー……よっしゃああああ!!」
 思いっきり大声で叫んだのち、しっかり凸ったクウハ。
「しかし完凸には至ってねぇな! まあ2凸しただけでもかなり能力上がるしな。よーし祝杯上げながら百十連目いくぞ!」
 飲み物片手に回す百十連目。黒猫の幽霊が一人出た。

「んー黒猫の幽霊だけ……は?」
《出てますよ!!》
《出てる出てるww》
「お……お前……! 油断した時に来てくれやがって……!」
 クウハの手がワナワナと震えていた。
「よし!! 残り1回で完凸だ!! 回すぞオラァ!!」

 その後黒猫の幽霊が出る事は全く無かったが、今回は神回として自他共に認定できるであろう事は間違いなかっただろう。
執筆:椿油

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