PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

空翼(ソラ)を求めて

クウハとハンナさんの日常。

https://rev1.reversion.jp/interlude/detail/361?story=798
上記幕間から
https://rev1.reversion.jp/guild/1335/thread/21246
こちらのRPを経て恋人関係になりました。


関連キャラクター:クウハ

今はただこの距離が。
「最近のあいつ、浮ついてねぇか?」

「いいじゃねぇか。悪霊と骸骨、お似合いカップルでよ。好き者同士でくっついて慰め合ってりゃ、かえって平和ってもんだろ。」

「「ちげぇねぇ。」」

 その会話を聞いたのはただの偶然。
 誰の名前も聞いていない。
 けれど、何故だろう。
 何故か、誰の事を言っているのか、察してしまって。
 察せるくらい、彼の機微に敏感になっていた自分がいて。
 何故か。

(あぁ。そっか。そう、ですよね。)

 そう、思えてしまう自分がいて。



 私は彼の事を何も知らない。
 彼を眷属にしたという、主さんのことも。
 お屋敷に一緒に住んでいるというたくさんの仲間や、居候しているという複数の同居人のことも。
 私が知っている彼は、とても薄っぺらい、表面だけの彼で。
 それでも何故か。
 私が。
 私だけが知っている彼がいる。
 私にだけ見せてくれる彼がある。
 そんな風に思い込んでいた自分がいたと。
 そんな、まるで年若く恋に夢を見る村娘のような愚かな自分がいたことに、驚きを覚えました。
 戦場で、多くの命を奪ってきた自分なんかにまだそんな甘さが残っていたのかと。

 けれど所詮、私は彼の「唯一無二」でも、「恋人」でもない。
 当然です。そうなろうとしたわけでもありませんし、なりたいと思っていたわけでもありません。
 ……思ってないんです。
 なにより、彼が私なんかをそういった目で見るわけがないんです。

 あの日だって。
 触れられた太腿は、いまだに彼の手のひんやりとしたぬくもりを覚えているけれど。
 彼のあの眼差しが目に焼き付いているけれど。
 
 それでも、彼はそれ以上、私に触れようとはしませんでしたから。

 彼にとっては私はただの知人か、友人か。あるいは、妹のようなモノ、なのかもしれません。
 だって、ほら。

「ヨゥ、ハンナ。しけた面してんな? なんか面白ェことしようゼ?」

 そういって彼は今日も、いつもと変わらず、私の肩を組んでくるから。
 変わらない態度。
 変わらない距離。
 変わらない関係。
 だから私も、いつもと同じ私で。

「おはようございます、クウハさん。仕事はしっかりしないといけませんよ。」

 今はただこの距離が、〇〇い。
執筆:ユキ

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